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牛の涎の如く雑談を垂れ流すが好い 39

577 :大介 ◆m0yPyqc5MQ :2006/05/26(金) 23:34:09
 紫式部は作中で光源氏に語らせています。
「物語は虚構であるが故に、かえって人間世界の真実の姿をあらわしうるのだ」と。


『そのひとのうえとて、ありのままに言いいづることこそなけれ。
よきもあしきも、世にふる人のありさまの、
みるにも飽かず聞くにもあまることを
のちの世にも言い伝えさせまほしきふしぶしを
心にこめがたくて、言いおきはじめたるなり。』


 物語は口語や文章語といった枠組みを超えた営みなのですね。
それは虚構の力を借りた代々の伝承なのであり、ひとつの文化的遺伝に他なりません。
 紫式部というひとはかつての史書や日本書記といった歴史的記述の体系とは別個に、
古事記や昔話などに観られる「虚構のお話=小説」のほうに寧ろ、
修辞的可能性による物語の力を見いだした。

『良きさまにいふとてはよきことのかぎりに選り出でて、
人にしたがはむとてはまたあしきさまのめずらしきことをとりあつめたる、
みな方々につけたる、この世のほかのことならずかし。』


ここで語られているのは物語が目指すのが世のあわれであり、その有り様を
云うにやまれず誇張しながら記録してしまう体系としての物語の意義なのです。
彼女の洞察力はこの作品が書かれた1000年のときを超えて
今日の文学者のこころに真摯に訴えかける論理を作中人物に弁じさせています。
 紫式部は傑物と評するほかにない、偉人です。

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