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この三語で書け! 即興文ものスレ 第二十一ヶ条

1 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/20(水) 23:05:54
即興の魅力!
創造力と妄想を駆使して書きまくれ。

お約束
1: 前の投稿者が決めた3つの語(句)を全て使って文章を書く。
2: 小説・評論・雑文・通告・dj系、ジャンルは自由。官能系はしらけるので自粛。
3: 文章は5行以上15行以下を目安に。
4: 最後の行に次の投稿者のために3つの語(句)を示す。ただし、固有名詞は避けること。
5: お題が複数でた場合は先の投稿を優先。前投稿にお題がないときはお題継続。
6: 感想のいらない人は、本文もしくはメール欄にその旨を記入のこと。

前スレ
この三語で書け! 即興文ものスレ 第二十ボックス
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1127736442/
この三語で書け! 即興文ものスレ 第十九ボックス
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1108748874/l50

関連スレ
この三語で書け! 即興文スレ 感想文集第12巻
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1140230758/
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http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1033382540/

2 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/20(水) 23:06:39
過去スレ
この3語で書け!即興文ものスレ
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この3語で書け! 即興文ものスレ 巻之二
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この三語で書け! 即興文ものスレ 巻之三
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この三語で書け! 即興文ものスレ 第四幕
http://cheese.2ch.net/bun/kako/1009/10092/1009285339.html
この三語で書け! 即興文ものスレ 第五夜
http://cheese.2ch.net/bun/kako/1013/10133/1013361259.html
この三語で書け! 即興文ものスレ 第六稿
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この三語で書け! 即興文ものスレ 第七層
http://book.2ch.net/bun/kako/1025/10252/1025200381.html
この三語で書け! 即興文ものスレ 第八層
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この三語で書け! 即興文ものスレ 第九層
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この三語で書け! 即興文ものスレ 第十層
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3 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/20(水) 23:07:12
過去スレ続き
この三語で書け! 即興文ものスレ 第十壱層
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この三語で書け! 即興文ものスレ 第十二単
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この三語で書け! 即興文ものスレ 第十三層
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この三語で書け! 即興文ものスレ 第十四段
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この三語で書け! 即興文ものスレ 第十五連
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この三語で書け! 即興文ものスレ 第十六期
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この三語で書け! 即興文ものスレ 第十七期
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この三語で書け! 即興文ものスレ 第十八期
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この三語で書け! 即興文ものスレ 第二十ボックス
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4 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/20(水) 23:07:45
次は「閑古鳥」「魑魅魍魎」「般若」で。

5 :かえっこ:2006/09/20(水) 23:26:34
【ネットショップ】

子供の頃から好きだった妖怪の類の本ばかりを扱うネット古本屋『魑魅魍魎(ちみもうりょう)』を開業し1年が経過した。
ネット古本屋で成功している人達の体験本を参考に始めては見たものの当初の計画はどこへ行ったのやら…
朝の日課、VAIOを起動させ、注文ゼロに落胆し着替えを済ませ1階へおりて行くと…そこには般若面そっくりの妻がいた。
店を始めるとき、猛反対だった妻を何とか説得し最新パソコンその他もろもろ購入、かなりの金額を使っているのだ。
すっかり冷めた朝食を「そのさえない顔では、今日も注文ゼロだったようね!」との妻の言葉をオカズにしてこれからの事をボーっと考えた。
「今日当たり先月の大口客の分の入金が有るからさぁ〜」と二本の角が生えてきそうな妻を落ち着かせ外へ逃亡。
ドトールから、ネット古本屋の先輩である中尾に電話し今の経営状態を相談し終えた後、最近出現したあるコピュータウィルスの話を聞く。
話をしている内にオレのVAIOちゃんが心配になり急いで帰宅。
が、すでに手遅れで、そこには、ネットショップ専用、閑古鳥(かんこどり)ウィルスが居座っていた。
名前の由来は、ウイルス感染したサイトは、すべての客が居なくなるという意味である。
何とか応急処置を済ませ、ウィルスを削除。
さあ、いよいよココからが重要で、祈る思いで銀行の口座を…そ〜〜っと…開いた。

閑古鳥(かんこどり)は別名、閑古鳥(カッコウ)のことでもある。
カッコウという鳥は他の鳥の巣に卵を産みつけ、先に生まれたカッコウのヒナは他の卵を巣の外に放り出し自分だけを育てさせ習性がある。
結果、ウィルスの卵を産み付けられたオレのサイトは、一年間稼いだ金がキレイに持ち去られていた。
1階では、見事に二本の角が生えた般若が待ちかまえていることだろう…

6 :かえっこ:2006/09/20(水) 23:42:54
>>1乙です。

>>5
14行目一文字たりませんでした。

カッコウのヒナは他の卵を巣の外に放り出し自分だけを育てさせる習性がある。

で…15行越えてしまいました。ごめんなさい。




7 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/21(木) 01:20:35
おもんない。

8 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/21(木) 23:44:43
>>1
>>6
ドラゴンボール乙!


9 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/24(日) 00:07:18
即死保守

次は「閑古鳥」「魑魅魍魎」「般若」かな。

10 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/24(日) 08:27:26
誰か頼む

11 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/25(月) 00:22:29
即死保守

12 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/25(月) 01:55:45
海に面する寂れた宿が俺達の住処である。
炭鉱が栄えた時代には、多くの人間が入れ替わり立ち代り泊まっていたが、
閑古鳥が鳴くこの船宿には、もう俺達しかいない。
あの頃はよかった。人間は俺達の姿を見て、般若のような形相で驚き腰を抜かしていく。
大漁大漁。商売は大繁盛。俺は、頼朝さんの時代の再来かと思ったね。

そういえば、この日本海の底にはなにやら貴重な資源があるのだそうな。
一人旅の女の鞄に入っていたかわら版に、そう記してあった。
さてさて人間達が再び集まってくる匂いがする。魑魅魍魎としての嗅覚がそう感じさせるのだ。



13 :「閑古鳥」「魑魅魍魎」「般若」:2006/09/25(月) 01:57:53
 どこかでカッコウが鳴いた。
 森は静かだった。風にそよぐ木々の枝が、青々とした葉をさざめかせるも
これに傾聴する者は確かにいない……いつの間にか閑古鳥さえも去って、
森は静かになった。
――どさり。
 何かが地面に落ちる。物体が地面を打つ音はそれ自体大きくなかったけれど、
その波は森全体に響き渡るかと思うほど遠くへ流れていった。その"首"がそこに
在ると知らしめるべく、こだまもせずにだ。
 俄かに木々が燃え盛る。何かが怒っていたとしか思えない。火の勢いは凄まじく、
瞬く間に静寂を飲み轟音に達する。燃え焦げた木々の中から次々と魑魅魍魎が
飛び出してきた。多くはそのもの蛇の変化だったり、古里の変化だったりしたが、
中には美しい女の姿のも、また一つは気弱な男の姿のもいた。
 妖怪どもは尻に火を付けながら逃げ惑った。そして土から盛り上がるようにして
現れた般若を前にして、皆息をのんだ。
 火事は三日三晩続いた。森の跡には一人の中年女性が無傷で倒れていたという。

次「アルコール」「ランプ」「運転」

14 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/25(月) 04:45:17
アルコールランプで車を運転しよう。そうしよう。ブーン。ブーン。キキー。
1km突破。なかなか速いぞ。
お姉さんが歩いていたのでなんぱでもするか。
おねえさん、お茶でものまない?
うん、いいわよ。
じゃあ乗って。
ブーン。
カーブを曲がってちょっといったら、いい景色の場所があるんです。
お姉さん、綺麗ですね。
あらそうかしら。
ちょっとキスでもしましょう。
うん、いいわよ。

次「いくら」「かつお」「ますお」

15 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/25(月) 12:56:56
「このいくら、いくら?」
「三百万円です」
「古いですよ、そのネタ」
「しかしこのかつお、新鮮ですよ」
「そっちのネタじゃありません。…ともかく、このいくらはいくらですか」
「二百円です」
「寿司にしては高いですね」
「安くなってますお^^」
「似非VIPPERは帰れよ」

次「依存」「中毒」「俺」

16 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/25(月) 14:09:35
 ジャンクフード依存症になって十年、昼飯はカップラーメンばかり食べている。
 ただ食うだけではない。砂糖や塩やみりん、挙句の果てにはタバスコやナムプラーなど、手近な
調味料を手当たり次第に入れて食う。これが美味くてやめられない。大学で生理学の教授をしている
俺がこんな食生活をしていると知ったら、学生達はさぞかし俺を笑うだろう。知ったことではないが。
 その日も俺は、大学の生協でカップラーメンを買ってから研究室に行った。部屋には誰もいなかった。
俺は給湯室で湯を沸かし、カップに注いで部屋に戻った。ふと見ると、助教授の机の上に瓶がある。毒々
しい赤色をした結晶がいっぱいに詰まり「塩味の素」と手書きのラベルが貼られていた。
 塩と味の素? あるいは味の素の塩味? 試供品か? 俺は迷った末、カップラーメンにそれを二、三
回ふりかけた。行儀良く三分待ち、ラーメンを食ってみた。恐ろしくまずい。中学生の時、腐ったプッチン
プリンを食って以来のまずさだ。舌を出して「ゲェ〜」と呻いていると助教授が入ってきて、目を見開いた。
「もしかして、それ食べたんですか?」
「ああ」答えると、助教授が悲鳴を上げた。何だ? 不思議に思ってビンを良く見ると、ラベルには「塩味
の毒」と書かれていた。心臓が痙攣を起こし、俺の視界が次第に暗くなった。


次「青空」「腹痛」「月曜日」

17 :16:2006/09/25(月) 14:18:07
あ、お題の「中毒」を「毒」と読み違えた。
…吊ってきます

以下の流れは17さんに任せますので、シクヨロ

18 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/25(月) 22:25:47
「アルコール」「ランプ」「運転」

今日ぼくは、学校の帰りにランプが落ちているのを見つけました。
アラジンのお話に出てくる魔法のランプみたいなやつです。
お話ではランプをこすると魔人が出てきてねがいごとをかなえてくれます。
ぼくは、このランプもこすったら魔人が出てくるかもしれないと思いました。
ぼくにはずっと前からやってみたいことがひとつありました。それは車を運転することです。
だから、魔人が出てきたら、ぼくにも車を運転させてくださいとたのもうと思ったのです。

それでぼくは、家に帰ったらさっそくランプをこすってみました。
でも、なにも出てきませんでした。
お兄ちゃんが、なにしてんの、と聞いたのでぼくは
「魔人が出てくると思ってランプをこすってみたけど、なにも出てこないんだ」
と言いました。お兄ちゃんは、魔人なんているわけないだろ、と笑いました。
ランプがよごれているからかもしれないと思って、お母さんが掃除に使っていた
アルコールを持ってきてみがいてみました。
でも、あんまりきれいにならなかったし、やっぱり魔人は出てきてくれませんでした。

だから今日はとても残念でした。あと、早く大人になって運転免許を取りたいと思いました。

19 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/25(月) 22:26:42
「依存」「中毒」「俺」

引き出しの隅っこに押し込まれていた古ぼけたノートを見つけた俺は、ある一ページに目を留めた。
――あったな、そんなことが。

そういやあのランプどうしたかな。捨てた記憶もないから部屋のどこかにあるだろう。
押入の奥を探ってみる。……あった。古ぼけたランプ。
そうそう、このへんをこうやって何べんもこすってみたんだよな。でも結局何もなかった。
今だってどうせ、って、あれ?

ランプから煙が立ち昇ったかと思うと――数秒後、俺の眼前には、あの時想像した通りの魔人の姿があった。
「お前の願いを三つ叶えてやろう」
低い声が狭い部屋に響く。なんなんだこれは。夢か?この状況を楽しんでみるのもいいな。
「それじゃあ、まず酒とタバコをやめたいね」
自慢じゃないが俺はアルコール依存症かつニコチン中毒だ。なんとかしたいとは思っていた。
「そうか。あとひとつは?」
それで二つになるのかよ。まあいい。どうせ夢だ。あと一つ。金か、女か、それとも他に何かあるか。
「それから……それから、そうだな、運転免許を、取りたいね」
魔人は頷くと、思い出したように
「それはそうとお前、ワシがいつからランプの中にいるか知っているか?」
さあ?何故そんなことを聞く。
「教えてやろうか。お前がそのランプをこの部屋に持ってきた日からだ」

# お題は >>16 ので

20 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/25(月) 23:46:55
「青空」「腹痛」「月曜日」

 目覚めたのは草原だった。夏草の匂いが鼻腔を刺す。青空を背景に丸顔の男がいる。彼は微笑み、言った。
「案ずるな。貴殿は空腹のために行き倒れとなったようだ。拙者の顔を食べよ」
 顔を食えとはどういう意味だろう。ぼんやりした頭で考えていると、彼はその顔を僕の方へ差し出した。
「ささ、遠慮するでない」
 戸惑いながらも、僕はその顔にかぶりついた。美味い顔だった。口の中に懐かしい甘味が広がり、次第に
意識がはっきりしてくる。そうだ、僕は自殺をするためにここへ来たのだ。友人宅に遊びに行くと家を出て、
死に場所を求めて山に入り、三日三晩彷徨い続けた。そして倒れたのだ。どうやら死に損ねたらしい。

 その時、鋭い音が耳をかすめた。僕の顔のすぐ横に、鉄の矢が突き刺さった。丸い顔の男はやおら立ち上
がって叫んだ。「おのれ、バイキソ侍か!」
 黒い皮膚を持ち頭から角が生えた男が、釜のような浮遊物体に乗って現われた。 
「破非不屁法、ここで会ったが百年目。覚悟せよアソパソ侍」
「覚悟とは片腹痛い。返り討ちにして…むむむ、不覚。顔が欠けて力が出ぬ!」丸顔は地に膝をついた。
 黒い男が高笑いをし、剣を振りかざした。遠くで「新しい顔でござる」という叫びが聞こえた。丸い物体
が飛来してきて、丸顔の顔に直撃した。顔は吹っ飛び、丸い物体がそこに収まった。それもまた、顔だった。
恐怖と混乱の中、僕は悲鳴を上げながら、転がるようにして山を駆け下りた。それが月曜日の出来事。

>>21のお題
「ホップ」「ステップ」「死刑」

21 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/26(火) 15:23:50
誰もいないので、寸評を投下します

>>12
・何も始まらず、何も終わらない。単なる独白だと、何も残らないのではないかと
・般若、魑魅魍魎の使い方に難アリ

>>13
・閑古鳥=カッコウ。短いセンテンスで二つの呼び名は避けた方が吉。
 状況を表す「閑古鳥」を使っていたのだとしても、混乱するので失敗気味かと
・「古里」=狐狸?
・「そのもの蛇の変化」=???
・ラストも消化不良気味。どこか一行を犠牲にしてでも、中年女性の伏線を張っておいた方が良かったかと。

>>14 >>15
スルーします

>>16
・星新一風味?
・コンパクトにまとまっていますが、何かが足りない。それが何か分からない。思いついたらまた。

>>18 >>19
・Wお題消化乙
・ラストの魔人の言葉がちょっと分かりづらかったですが、魔人が18で出てこなかったのは、
 少年が免許取得年齢に達していなかったから? あるいは無垢な少年に魔力は必要ないから?

>>20
自分なのでスルー。誰か辛口コメントヨロ

最後に >>1 さんへ
1行の文字数は何文字までか決めた方がイクナイ?

22 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/26(火) 15:34:25
おおー、ありがたいんだけど、感想・書評は
ttp://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1140230758/l50 にお願いします。

23 :21:2006/09/26(火) 15:46:44
あ、失礼しました。 新参者なので。

遅番逝ってきます。明けたらまたきます。

24 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/26(火) 16:08:45
>>20
まったくもって小説の体をなしていない。
設定もありきたりだし、文章も読ませるものではない。
読んでいて辛くなってくる。はっきりいって才能が無いのだと思う。
しかも文章は、自分は少しは書けるのだ、というのが匂っている。なまじうまくない文章である。
アンパンマンを古めかしたところで、ただそれだけじゃないか。いったいどこが面白い?

25 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/26(火) 18:00:26
「ホップ」「ステップ」「死刑」

「出来なかったら死刑!」
 言ったのと同時に後ろから頭を叩かれた。
「死刑なんて言っちゃいけません!」
 怒っているのはお母さんだ。
「だって」
 言うとまた頭を叩かれた。
「死ぬとか死刑とか言わない! 来年あなたも中学生なんだから
いい加減分別を付けなさい! お母さん恥ずかしいわ」 
「うー、ごめんなさーい」
 お母さんが去った後、一緒に遊んでいたチズちゃんがこっそり
私に言った。
「お母さん厳しいね」
「うん、痛いし」
「シンドラーごっこやめて、ハビエルごっこやろっか。幅跳び選手の」
「いいよ」
「ここ砂場ね。ホップ、ステップ、」

次「サーモンピンク」「ネオン」「海」

26 :かえっこ:2006/09/26(火) 22:48:28
【揺れる想い】

私は、今、とても幸せだった。
なぜって…それは、長年、不倫関係だった彼がついに離婚を決断してくれたのだ。
3年前、新卒で今の会社へ入社しすぐにあの優しい彼と知り合った。
彼が用意してくれた新しいマンションで2人だけの生活が始まった。
彼に奥さんと子供が居る事など関係ない。
私たちは、幸せで、いつでも愛し合った。
そして、私は、お腹に彼の子を宿す。
それを彼に伝えた時の彼の笑顔が嬉しかった。

彼からの電話、携帯が鳴った。
「大事な話をしたい。横浜のいつもの所で19時、待ってるよ。」

「さあ、もう暗くなった。あの人の待つマンションへ帰ろう。」
「??おかしい!体が動かない。」
私の体は、ナゼかふわふわと宙に舞い上がり始めた。
「あれは!?何!」
ネオンの光が映り込む夜の海に人が浮いていた…
「私だ!あれは、私だった。」
息絶えて見苦しく膨れ上がった死体と飛び出したサーモンピンクの内臓がプカプカと漂っていた。

27 :かえっこ:2006/09/26(火) 22:52:09
次、「デパート」「花束」「いわし雲」で…

28 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/27(水) 02:30:22
秋の夕暮れ。
私は彼と別れ、帰っていく人たちを尻目に、デパートの屋上にいた。
『どうぶつらんど』と書かれた看板の下で、パンダや象や
ライオンの乗り物を見ていると、つい乗りたくなった。
千円札を両替し、愛嬌のあるライオンに跨り百円玉を入れた。
軽快な電子音を響かせながら、のろのろと動き始めた。
ああ、なにやってるんだろう……

私は、動かなくなったライオンに跨ったまま遠くを眺めた。
せっかく一緒に買い物に来たのに、欲しいのは花束なんて、わがままなことを言うんじゃなかった。
後悔先に立たず。私は、最後の百円まで乗ることに決めた。
視線の先にはまだらに浮かんだいわし雲が見えた。
まだら模様が、だんだんと、にじんで見えてきた。

次、「月」「オレンジ」「泥」

29 :かえっこ:2006/09/27(水) 11:24:39
【終わりの朝】

私の体には、まだ、吸血鬼一族としてのプライドが残っているのだろうか。
さっき息を引き取ったばかりの人間から血を吸う時に感じる、この絶望に近い気持ちの揺らぎ…
最近は生きている人間に出会うことがなかなか出来なくなった。
致死性の強い感染症の中、わずかに生き残ったヨワヨワしい人間の血を吸い行き続ける私達。
さあ、夜明けも近い。
帰るとしよう。
美しい人間の妻と可愛い息子の待つ家へ。
人間との混血を繰り返した為、息子には吸血能力の発現は、まだ現れていない。
もう、私にも空を飛ぶ力もない。
昼間降った雨で出来た水たまりで泥だらけになった足元が私の気持ちを一層重くする。
もう人間の生きる時代は終わったのか。
吸血一族と人間、どちらが先に死に絶えるのか…

夜空には、世界の終わりを予言するような巨大に膨れ上がったオレンジ色の月が。


次、「忘れ物」「ペット」「悪夢」 で

30 :白木の子:2006/09/28(木) 19:00:17
 目の前に広がっている光景はつまり……悪夢だ。
 教室の中は荒れに荒れている。
 机や椅子がばっらんばらんに倒れ足の踏み場は無い。
 生徒があちらこちらに突っ伏したりしている。病院行きもいるだろう。
 黒板は前後とも引っかき傷の様な物で使い物にならなくなっている。
 ガラスも2枚ほど割れている。
 2分前は普通の教室だったのだ。僕が音楽室に忘れ物を取りに行って帰ってくるとこの有様。
 ぽかーんとした。こちらに気付いた倒れている生徒が、
「……せ……先生の……ペットが……」
 とだけ言い残し、頭を落とした。
 
 ……がるるるる。低い声でそいつは鳴いた。
 は? がるる?
 廊下には、隣のクラスから出てきた猫とは言い難い猫科の動物が僕を睨んでいた。

 その後僕は病院に送られたが、虎斑模様がやたら綺麗だったことが頭に引っ付いている。
 先生はトラのほかにワニガメも買っているとこの前聞いた。

次は「下ネタ」「パイクスピーク」「犬」

31 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/28(木) 19:45:11
シーズンから外れていることもあって、パイクスピークの頂へ続くコグ鉄道の駅は閑散としていた。
「ちゃこー 早く来ないと置いていくぞ」
そう言って、周りの景色にただただ見惚れていた妹――千夜子に声をかける。
「あ、待ってよ、アツ兄〜〜」
千夜子が子犬のように駆け寄って来るのを確認し、俺は改札を通る。
駅では丁度山頂行きの列車が出ようとしているところだった。

赤い二両編成の小さな列車は少しの揺れと共に山頂へ向けて軽快なリズムで走り出す。
千夜子は窓から見える光景を物珍しそうに目をキラキラさせながら眺めていた。
「アツ兄、頂上についたら何をするの?」
「そうだなー こんな天気のいい日は青姦かなぁ」
「もうっ 下ネタばっかり。知らない。」
「ハハハ。今日は母さん達に会いに行くんだ」
「え? 本当??」
「ああ、もうずっと一緒にいられるよ・・・」
俺はそう言って、一昨年ここで亡くなった両親に思いをはせた。


次は「富士山」「湖」「猫」

32 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/28(木) 23:38:05
hetakusosugi

33 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/28(木) 23:54:57
>31さん 

よくまとまっていて素敵な文章(*^0^*)


居間を出て、ひんやりした階段をつま先で駆け上がる。部屋にはいるとさらにつんとした冷気が肌を刺した。
僕は急いでベッドの中にもぐりこみ、目を閉じてまぶたの裏に焼き付けた富士山をじっと見つめる。今年こそ、今年こそは。

幼稚園のころ、祖父が僕に話してくれた。
「一富士、二鷹、三なすびゆうてな、初夢で富士山の夢見られたらその一年はしあわせなことがいいぃっぱい起こるんじゃ。
わしは毎年富士の初夢見とるでぇ。」
祖父の話を聞いてから、毎年みながクリスマスを楽しみにする時期が訪れると僕のあたまは初夢のことでいっぱいになる。
「富士山のはつゆめください」そんな手紙をもらったサンタはどんな顔してこれを読んだだろう。

大好きな焼酎を片手にし、顔を上気させて豪快に笑っていたじいちゃん。それが、去年亡くなった。僕が、富士山の夢、見れてたら・・そしたら、じいちゃんは今も生きていただろうか・・・。

だから、今年は眠くなるまで必死に富士山の写真を眺めて、一人では涙がこぼれそうになるから、猫のベェと一緒に。写真のタイトルは『山中湖から見た富士』だった。
湖の表面をさざなみが滑っていく。日没の光が富士山を赤く染め、風景を温かく包んでいる。じいちゃん。

ベッドの上で眠りのヴェールが舞い降りてくるのを感じつつ僕はひとつの決心をした。
目が覚めたら、自転車に乗って富士山を見に行こう。
自転車は、今年のクリスマス、サンタさんからの贈り物。


次は「霧」「牧歌」「アルミホイル」




34 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/29(金) 00:18:05
まぁまぁいい

35 :33:2006/09/29(金) 00:25:44
私の文章について?(^^)
すごい嬉しい☆
読み返して結構わやだ〜;;と思って
酷評されるかと心配してました(^^;

36 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/29(金) 01:35:39
よかったらこっちもどうぞ

この三語で書け! 即興文スレ 感想文集第12巻
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1140230758/

37 :「霧」「牧歌」「アルミホイル」:2006/09/29(金) 14:37:44
霧の中から少女の悲鳴が聞こえる。

すっかり辺りは霧に覆われてしまった。
先ほどまで、私が日向ぼっこをしていた牧歌的な風景は消え失せ、
1m先の視界にも不自由する有様だ。
私は、焼きおにぎりを包んでいたアルミホイルを丸めて弁当箱に突っ込み、
そのままナップザックに収めると、その場で立ち上がった。
まだ午前中で陽は高い。幾許かの視界が得られる事を期待しての行動だ。
しかし私が得たものは、一面に広がる緑の草原と石造りの水車小屋ではなく、
霧の中から、か細く聞こえる少女の泣き声だった。
異様な寒気が全身を包み込んだ。外気温とは無関係に、体の中から、
本能から生ずる寒気。邪悪な存在を忌避する動物的な反応。
しかし、少女の声が聞こえる方に歩いていく、21世紀オカルトが迷信になった
現代に生きる私に、それ以外のどんな行動が取れただろう?
私は少女の声が聞こえる方に歩いていく。
少女の泣き声はどんどん高まり、やがて私は自分が悲鳴をあげている事に気づく。

# お題継続

38 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/29(金) 22:39:39
霧「茶色のくさいうんこ、うんこ、アナルから出るうんこ、うんこ、ぼくらが食べてるうんこ、うんこ、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
牧歌「一番でかいのは長男(霧)、長男、一番かたいのは次男(牧歌)、次男、一番くさいのは三男(アルミホイル)、三男、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
アルミホイル「一番形がいいのは長男(霧)、長男、一番色がいいのは次男(牧歌)、次男、一番味がいいのは三男(アルミホイル)、三男、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
霧「茶色のくさいうんこ、うんこ、アナルから出るうんこ、うんこ、ぼくらが食べてるうんこ、うんこ、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
牧歌「一番でかいのは長男(霧)、長男、一番かたいのは次男(牧歌)、次男、一番くさいのは三男(アルミホイル)、三男、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
アルミホイル「一番形がいいのは長男(霧)、長男、一番色がいいのは次男(牧歌)、次男、一番味がいいのは三男(アルミホイル)、三男、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
霧「茶色のくさいうんこ、うんこ、アナルから出るうんこ、うんこ、ぼくらが食べてるうんこ、うんこ、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
牧歌「一番でかいのは長男(霧)、長男、一番かたいのは次男(牧歌)、次男、一番くさいのは三男(アルミホイル)、三男、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
アルミホイル「一番形がいいのは長男(霧)、長男、一番色がいいのは次男(牧歌)、次男、一番味がいいのは三男(アルミホイル)、三男、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」

全員「うんこ、うんこ、うんこ、うんこ、うんこ三兄弟、うんこ三兄弟、うんこ三兄弟、ぶりっぶりっ、(最後に全員大量の超臭いうんこを撒き散らす)」


次は「うんこ」「UNKO」「ウンコ」

39 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/29(金) 22:46:34
「うんこ、うんこ」と幼少時から馬鹿にされ呼び続けられた運子は
ウンコという劇場で「UNKO」という映画を観た。
感極まった運子は思わずお尻からぶりっといってしまい、うんこが漏れた。

次は「道」「酒」「夢」

40 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/29(金) 22:50:05
道に酒びんが転がっている夢を見た

「ぷいぷいにゅー」「アンパンマン」「ひでぶっ」

41 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/29(金) 23:00:25
「抱くとぷいぷいにゅーってするのがいいの、このアンパンマンの抱き枕」
私の娘は上目づかいで私の目をみた。
「え、えと、い、いくらするのかなあ、そのぬいぐるみ」
「えーと、六万円ってかいてある」
私のふところがうずいた。
「ひでぶっ」

「あんあんやー」「必殺拳」「古い宿」

42 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/29(金) 23:21:09
あーあ、だめだこりゃ

43 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/30(土) 03:16:55
「くらえ、究極奥義あんあんやー!!」
古い宿の主は、客に向かって言った。
究極奥義あんあんやーとは、一瞬にして内部から破壊する必殺拳である。
「うんこくせっ」
客は耐えられなくなって逃げた。
古い宿の主は必殺拳の処理をするため厠へ駆け込んだ。

「ぷっくり」「にょる」「うひはー」

44 :「にょる」「うひはー」「ぷっくり」:2006/09/30(土) 11:37:06
 親友の優子と、二ヶ月ぶりに酒盛りをしようということになりバーへ赴いた。久しぶりに会った優子は、ストレスのせいでぷっくりと膨らんでいたお腹も引っ込み、晴れ晴れとした表情でスツールに腰掛けていた。
 理由を聞いてみると、どうやら新しい即効性のある『にょるダイエット』を始めたそうだ。
 優子が言うには、ダイエットが成功しただけでなく、長年付きまとっていた元彼も居なくなり、一石二鳥の効果があっただとか。
 なるほど、と私は思った。ストレスの原因であった元彼の存在、それのせいで彼女は過食に走っていたのだ。元凶さえ断てば、過食も収まる。納得できるといえば納得できた。
 でも、それだけの効果があるのに、世間で話題にもならないのはどういう事なのか、と少しの疑問も抱いた。
「玲香も試してみる? この薬は、ダイエット効果だけでなくストレス発散の効果もあるんだよ」
 会社でのストレスをお酒に頼って発散していた私は、先日アルコール依存症と診断されて、多量のアルコールを口にする事が叶わなくなった。過食に走りそうな気持ちを抑えるのに四苦八苦していた所でこの薬だ、僅かな希望だろうと縋らない手はない。
 意味深な笑みと共に差し出された丸薬は、琥珀色のよどみのない光を放っている。私はゴクリと唾を飲み込み、恐る恐るそれを口にした。
「うがー、にょるるるる、うひはー」途端に気分が高揚し、理性の箍が外れる。
 薬を服用し、アルコールの助けを借りずトランス状態に陥った私達は、オヤジと化して夜の街を闊歩した。
 これではどれだけ凄い効果があると言っても、利用者が増えず話題にも上らないわけだ……。

 次は「高台」「宇宙船」「盆踊り」で。

45 :「高台」「宇宙船」「盆踊り」:2006/09/30(土) 13:03:39
「あの高台で待ってます」
彼女はそう告げ、にこりと微笑んだ。

白いワンピース、白い麦藁帽子、そして白い肌。
青く抜ける空を背景に、黒い日傘と艶やかな黒髪が目に残像を灼き付ける。

僕達が出会ったのは、鄙びた地元の町の盆踊りの日。
どことなく淋し気な佇まいは、騒然とした会場では逆に目を惹く。
余所者の彼女が好奇の目に晒されているのが何故か耐えられず、声を掛けた。
彼女はゆっくりと振り向き、そして僕は……恋に落ちた。

「来てくれてありがとう」
彼女はそう言い、にこりと微笑んだ。
背後にはアダムスキー型宇宙船。目の前には彼女の頭部から伸びた紫の触手。
それでもいい。マイルス・デイビスも言っていたじゃないか。"So what?"

「回帰線」「探偵」「血判」

46 :トマト大好き:2006/09/30(土) 20:24:12
「回帰線の間」
もったいぶったタイトルをつけやがる。
主人公が熱帯のジャングルで道に迷い、恐竜に食われかかるわ金の魚の死骸を
見つけて黄金の鱗を持ち変えるわ、色々奮闘して、結局家に帰れましたという
オチで終わるつまらない小説だった。俺はため息をついてそいつを放った。机
の上を滑らせてゴミ箱にさようなら、だ。まぁでもつまらないといえば俺も似
たようなものかもしれない。親に恥だといわれながらも、探偵を始めて今年で
7年になる。恋人はできても結婚はできない。世の中からどう思われているか
なんて、親に言われなくとも十分承知だ。しかし生きていくためには仕方ないのだ。
俺の性格からして、普通に就職するなんて想像しただけで吐き気がする。「生きて」
いくためには、仕方ない・・・。

机に靴を履いたまま泥も落とさず足を乗せ、窓の縁でうろうろしている蟻の姿をぼうっ
とながめやっていた時、けたたましく電話が鳴った。「はい、こちら長沼探偵事務所で
す。」男の興奮した声が電話の向こうから響いてくる。「今すぐ相談に伺ってもいいで
すか?」今にも泣き出しそうな声だ。早口のせいで内容は分からなかったが私は答えた。
「どうぞ、お待ちしています。」30分ほどして男は来た。お茶を勧める余裕もない。
椅子に腰掛ける前からすがりつくように話を始める。「私、暴力団に脅されているんで
す。」「はぁ。」


47 :つづき:2006/09/30(土) 20:25:21
私は知らなかったんですよ、彼女が暴力団の幹部の妻だったなんて。彼女はそんなこと一言も・・・。それで今日の朝彼女の夫がチンピラを連れて押しかけてきて、
散々殴られた後、慰謝料として600万払え、それが嫌なら小指をもらう。そう言われて、誓約書に無理やり血判を・・・。逃げてもすぐ暴力団の情報網を使って見つけ出すって、
もし逃げたら殺して海に沈めると言われてて、私、私、いったいどうしたらいいんでしょう?」
気の毒な話だ。しかし、私にどうしてほしいのかさっぱり要領を得ない。「それで、あなたは私にどうしてほしいのですか?」うつむいていた男は急に顔を上げた。その目が冗談だろうと言っている。
「あなたは弁護士さんでしょう?どうしたらいいのか教えてくださいよ!」・・・弁護士?私が?「すいませんが、私は探偵です。ここは探偵事務所ですよ。」驚愕の表情、男は物も言えないほどの衝撃を受けたようだった。
「探偵・・・法律事務所じゃないんですか・・・。」彼は打ちのめされたようにふらふらした足取りで、彼に残されたわずかな時間を無駄にできないと立ち上がり、ドアの向こうに消えていった。
私はしばらく眉間を押さえ座っていた。男が来る前の日常の延長線上に戻らなければ、今夜は酒を浴びることになるだろう。心を鎮める。
小さな深呼吸をひとつして、私は立ち上がった。そして、机の前をとおり、ゴミ箱からさっきの小説をつまみ上げ、もう一度最初の項をゆっくりと開いた。

48 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/30(土) 20:27:03
長くなってしまった;すいません;
次は「お好み焼き」「鳩」「かつら」
お願いします☆

49 :トマト大好き:2006/09/30(土) 23:11:08
ここに書き込まれた小説の評価ってどこで見れるかご存知の方いらっしゃいますか(?_?*)

50 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/01(日) 01:14:28
評価では必ずしも無いけど>>1に簡素スレがあるよ

でもこれはもうだめかもわからんね

51 :トマト大好き:2006/10/01(日) 15:52:16
>>50
回答ありがとうございます!
一応見てみたんですけど、第二十一ヶ条に投稿されたものについての
感想って載ってますか・・・??
もういちど探してみます(^0^)☆


52 :「お好み焼き」「鳩」「かつら」:2006/10/02(月) 18:20:37
――ポチョリ。
 のれんの向こうで何かが落ちる。何が落ちたか見ずともわかる。
白くて緑が混じってて、およそ飲食店の前で見かけたら食欲の
失せる代物。鳩の糞。
 いらっしゃいませ、と書かれたマットの水玉模様、過剰で不浄で
困ったもんだが……やつら、店の入り口ちょうど真上によく溜まり、
お腹空かせたお客を狙う。昨日はかつらが被害にあって、見事な
ハゲを披露して、真っ赤になって帰っていった。
 お好み焼き屋「ハトヤ」は今日も暇だ。
 確かに名前も相当悪い。店長店名変えましょう。言った勇者は
知ってるだけで二十人、辞めた敗者は知ってるだけで十九人。
――ピチャリ。
 見ると頭を拭いている、一人のハゲが立っている。「店長、
おいたわしや」……なんて言ったら勇者じゃないか。
 おっと、そろそろハゲが口を開くぞ。

次「マナ」「手首」「電動」

53 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/02(月) 19:06:45
文章修行したほうがいい

54 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/02(月) 20:00:11
「ボクはどうしようもないオトコでした。うまれてきてほんとにスマナイ」
諏訪ヒロキは、誰も読む者のいない遺書を足元に置いた。
今から自分を受け入れてくれる道頓堀に手を合わせると、
濁った水しぶきが唾を吐きかけるように顔に飛んできた。

ヒロキは欄干の上に立った。
手首を切れば成功率が上がると本に書いてあったが、そんな度胸はなかった。
そのまま半日の間誰かが止めてくれるのを待ったが、誰も止めなかった。

ようやくヒロキは道頓堀に身を躍らせた。
片思いだった初枝ちゃんの電動コケシに生まれ変わりたいと虚しく願いながら。


「坊主」「焼肉」「生臭」

55 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/03(火) 00:13:25
「柔らかいお肉」

今日も極楽亭の店先には、長い行列ができていた。
食事を終えて出て来る人たちは皆、満足した幸せな表情をしている。
三人組の若い女性客がマスターに質問した。
「ホントこの店の焼肉料理は、最高!!美味しいですね。」
「そうそう!牛肉でもないし…食感は…豚に近いけど…やっぱり違う?」
「ねえ、教えてください!一体何の肉なんですか?」
坊主頭のスキンヘッドのマスターは、微笑むだけで、何度聞いても何も教えては、くれない…
「あしたも来ようね!」と三人の若い女の子達は、満足してお店を出る。
と、その中の一人の美しい女性をマスターが呼びとめた。
他の二人と離れている事を確認してからこう話した。
「君は、ウチの店の料理にとても興味を持っていたね。」
「君だけにウチ肉の秘密を教えてあげようか。」

18時、早めに閉店した店の奥に、案内され、若い女性が部屋に入る。
          「ガチッ」
生臭いニオイの中、部屋の入り口がロックされ、マスターが微笑んで立っていた…

次の日も極楽亭の店先には、長い行列ができていた。
食事を終えて出て来る人たちは皆、満足した幸せな表情をしていた。

56 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/03(火) 02:52:16
ありがちな展開 ありがちなオチ

57 :「坊主」「焼肉」「生臭」:2006/10/03(火) 07:56:43
「なぁなぁ、坊主ってのは不殺生戒とかで生臭を口にしちゃいけないんじゃなかったのか」

「………」

「タン塩、カルビ、特上ロースに生ビールってか。 うまそうじゃねえかコラ」

「………」

「お釈迦様ー、ここに焼肉を食いまくってる破戒僧がいますよー!」

「やかましい! 美味しく食われたんだからとっとと成仏せんかい!!」


次のお題が出ていなかったのでお題継続と判断しました。
次のお題「読書」「焼き芋」「夕焼け」

58 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/03(火) 12:17:17
【ページの想い出】

「おーい!おまえら!早く帰らんとオカンに怒られるぞ!」と石焼き芋売りのおっちゃんがさけんでいる。
僕達は今日も、たけし、ゆういちの三人で時間の経つのも忘れ、いつもの空き地でクタクタになるまで遊びまわっていた。
気がつくと夕焼けも終り、辺りは暗くなりかけている。
そして僕らは大人になった。
でも、今も、僕ら3人の胸の中には、あの日見た、赤トンボが、いつまでもいつまでも、飛び続けている。

『あの日の赤トンボ』というタイトルの本を静かに閉じた川村さとみは、何とも言えない《懐かしさ》で涙を流していた。
昭和と言う大昔の時代で10才の男の子達の友情を描いた話題の本を読み終えた。
最近では、デジタル書籍に換わって、本物の紙に特殊なインクと特殊な活字印刷技術を使用した新しいタイプの読書スタイルがすっかり定着していた。
それは、その活字を読むだけで読者をかなりリアルな擬似体験的な物語の世界に引きこみ、深い感動を与える作用があった。

2055年生まれの都会暮らしの川村さとみは、女性だし、実際、空き地で遊んだ事も、空を飛ぶ赤トンボなんて見たこともないのだが。


※次のお題は継続で

59 :「読書」「焼き芋」「夕焼け」:2006/10/03(火) 15:56:18
 あはははははははは、まるで僕は夕焼けの太陽の中にいるみたいだ。
 隣に座っていたふとっちょの男はついさっきおじさんに連れ去られた。
「お嬢ちゃんかわいいから大きいのを上げるね」
 なんて言いながら焼き芋売りのおじさんに。
 彼があんまり火力を強くするものだからサウナなんて氷河期の暑さ、なんだか湿っているのは同じだけど火の中にいるみたいだ。いやここは本当に火の中だ。昨日食べた焼き芋に同情心が芽生える。こんなの熱くて我慢できやしない。
 僕はいつも通り図書館で本を読んでただけなのに、なんで気づいたら焼き芋になってるんだろう。
 いや僕がいつの間にか本を読んでたのか? うん? まあいいや。そんなのはどっちでもいい話だ。
 とにかくここは熱い。熱い。熱い。熱い。出してくれ早く。じゃないと食べ頃になっちまう。



次、「ガラス」「テープレコーダー」「アンコール・ワット」

60 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/03(火) 16:36:14
>>58
しょーもねー。問題外
>>59
おもんない。下手糞

61 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/03(火) 17:31:48
あげ

62 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/04(水) 02:36:49
クラスの頭の軽そうな子達が、キャイキャイいいながら回し読みしてた雑誌を買ってみたの。
占いとか全然興味ないし、おまじないなんて柄でもないし、神様なんて信じてない。
ほんとよ? もう子供じゃないんだもの。
でも明日は席替えの日だから…
くだらない事でも、何もしないよりはいいでしょ? 万が一って事もあるかもしれないし。
だから雑誌にあったとおりに、深夜の2時にコッソリ部屋を抜け出したの。
寒空に震えながらお月様を20分見つめて、テープレコーダーにあいつの名前を囁いた。
後は枕の下に入れて眠るだけ。
まったく馬鹿馬鹿しい、私はなにやってるんだろ。
そう思いながらも、胸が落ち着かなくってなかなか眠れない。
あぁ神様、もしもいるんだったら今回だけお願い聞いて…そして早いところ眠らせて…




63 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/04(水) 02:38:22
朝起きたら、視界がぼやけて天井が回ってた。
力を振り絞り、学校の支度をしようとしていたら
「40度もあるのになに考えてるの!」ってお母さんに怒られた。
ちくしょう…やっぱり神様なんていない… いや、もともと信じてないけどさ。
風邪なんて引いたの何時以来?こんな大事な日にかぎって信じられない。
布団の中でちょっと涙ぐんだけど、病気で弱ってただけ。本気で泣いた訳じゃないよ。



64 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/04(水) 02:39:49
休み明けの教室、私の隣にあいつが座ってた。
ねぇ信じられる!?こんな事ってある? また天井が回るかと思ったわよ。
ほんとは神様っているのかも…、疑ったりしてごめんね。
いやっ、たまたまよね、そう偶然よ。運も実力のうち!
でも、折角の幸運なのだから何とか生かさなきゃねっ
私は深呼吸してから力強く席に向かい、あいつの肩をドンと突いてやった。
「おっす、おはよっ」
「おぉ、おはよ…う?、なにお前そのアンコールワットみたいな髪型」
あいつは私の頭を指差してふきだした。
「う、うるせぇー レディーに失礼な事いうな!」
今日は早起きして、新しいセットに挑戦してみたのに…
まだ病み上がりの、ガラスのような私のハートが胸から滑り落ちてゆくのがわかった。
私は涙目をさとられないよう、抵抗しながらも馬鹿笑いするあいつの口を手で塞いでやろうとやっきになる。
ちくしょう…あぁ神様…もう帰りたい、はやく布団で泣かせてよ。

「雑誌」「神様」「布団」


65 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/04(水) 14:16:56
【信じる者は掬われる】

バイトで疲れた川田にとって、いつもの楽しみである、コンビニでの、今日発売の雑誌の立ち読み。
店に入り、数冊を手に取り、パラパラと1冊づつチェックしていた。
      …と…「んん!!か・み・さ・ま??」
そこには、『あなただけの神様発売!』と広告が目に止まった。
値段を見ると思っていた数字よりさほど高価では無く、何よりも面白そうだったので、さっそく帰ってネットで注文してみた。
届いた神様を箱から取り出すと取説には、『この神様は既存の宗教で存在し、崇拝されている種類の神様とは、まったく関係有りません』と記されていた。
「ふーん。まあいいや。どの団体にも属さないフリーの神様ってコトね!!」
で、真空パックされた袋を切ると、白い気体で形創られた人型の神様が微笑んで現れる。
29歳、独身、バイト生活で、ワンルームのアパート暮らし、彼女はいないし、友達もどちらかといえば少ない方の川田にとってこの神様は、良い話し相手になってくれた。
「神様!あんた!意外といいヤツじゃんか!!」
「川田君!キミもなかなか素直で見込みアル人間だよ!」って気さくな感じ…
       1ヵ月後…
『これからの社会人にとって何より大切なのは心地よい睡眠』だよって神様に薦められて48万円の高機能布団セットがワンルームに敷かれていた。


※次のお題、「紛失届け」「砂場」「肩こり」

66 :白木の子:2006/10/04(水) 21:14:28
「紛失届け」「砂場」「肩こり」

 ……あれ? ない。
 おかしいな……、どこだっけ?
 学生服に存在しているポケットは全て探した。
 ない。
 冷や汗はとどまることを知らないようだ。次から次へと噴出した液体は、瞬く間にカッターシャツを染めた。
「……どうした? 早くしてくれんか」
 担任の大木は持病の肩こりをさすっている。
(鞄の中か!)
 と直感したが、肝心の鞄が無い。どこへやった?
 ……あ、そうだ。思い出した。
「鞄忘れてきたんで取って来ます」
 大木のぽかんとする顔をなるべく見ないようにして、鞄を忘れたと思われる砂場へダッシュ。
 よりによって鞄を忘れるとは……。

 
 がらがら、と大木のいる教室のドアを開け、僕はそれを差し出して言い放った。
「鞄無くしました。これ、紛失届けです」

67 :白木の子:2006/10/04(水) 21:15:51
次は「万」「社」「翁」で

68 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/05(木) 12:17:59
「万」「社」「翁」

 忘年会の席。胸のすくような音と共に、僕の頬に激痛が走った。
 酔った勢いで同じ社の先輩であるK女史に迫り、ものの見事に拒絶を意味する張り手を食らったのだ。
 K女史は、入社以来見たこともないような鬼の形相だった。これが普段手取り足取り優しく仕事を教えてくれていた美人のK女史の本当の姿なのかと思うと、今までの酔いと思い上がりが一気に醒めていった。

 事の起こりは、昨日の社でのやり取りだった。社で翁とまで呼ばれる窓際族代表のGさんから、K女史の今までの男性遍歴を聞かされたのが間違いだった。
 K女史は毎年新入生の教育係を任されているというのだが、その中でも深い関係になった男達は、必ずと言っていいほど本社へ栄転になるという。
 社の万事は任せろ、と豪語する古株の言葉は、出世の秘伝書を覗き見たような衝撃を僕に与えた。そしてそのターニングポイントは、忘年会と相場が決まっているそうなのだ。
 忘年会で深い仲になった男たちは、公私共に女史から手ほどきを受け、翌年の人事異動で栄転していくという。
 忘年会でのプロセスは分からなかったが、その伝説に自分も乗ってみたいと思ったのが運の尽きだった。

 いたたまれない気持ちのまま忘年会をやり過ごし、お開きの声と共に早々に店を出た。
 夜風に当たると幾分か気持ちはやわらいだが、明日からのK女史との関係を考えると、溜息を吐かずにはいられなかった。
「よかったら、一緒に帰らない?」後ろから声。
 振り返ると、酔いの所為か薄っすらと頬を染めたK女史が、亜麻色の髪をかき上げながら佇んでいた。

69 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/05(木) 12:26:52
次は「自暴自棄」「ハッタリ」「飛球」で。

70 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/05(木) 17:56:50
その時僕は自暴自棄になっていた。
僕は失敗していた。
その時の僕の気持ちは世界の一番深いところにあったのだ。
それなのに世界は僕をあざ笑うかのように普段と何一つ変わっていなかった。
乱立する高層ビル。その周りを飛ぶ飛球船。
僕がこの世界から消えても変わらないことだろう。
懐にはお金がほとんど無い。
自分にハッタリをかましなが歩いてきた人生だがもう保たないようだ。
そう、ハッタリと自暴自棄これが自分の人生のキーワードだった。
あの飛球船を作ったのは僕だ。
僕は発明家だったのだ。
あの飛球船の構想は昔からあったものだ。
だけども細部まで設計する自信は僕には無かった。
それでも投資家と自分にハッタリを掛けて計画の実行まで漕ぎ着けた。
だけどそこでどうするべきか分からなくなった。
そこで僕は自暴自棄になった。ところが計画はどんどん進んで行った。
そして完成した。
僕は心底驚いた。
僕はただ部下達に適当な指示を与えていただけだったのだ。
そして翌日、僕は投資家達に呼び出された。
大金を渡され追い出されたのだ。そして自暴自棄になった。
その結果がこのザマだ。
きっと僕は明日も明後日も自暴自棄からハッタリに気分が変わるまでこの辺りをぶらぶらしつづけるだろう

71 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/05(木) 17:59:05
その時僕は自暴自棄になっていた。
僕は失敗していた。
その時の僕の気持ちは世界の一番深いところにあったのだ。
それなのに世界は僕をあざ笑うかのように普段と何一つ変わっていなかった。
乱立する高層ビル。その周りを飛ぶ飛球船。
僕がこの世界から消えても変わらないことだろう。
懐にはお金がほとんど無い。
自分にハッタリをかましなが歩いてきた人生だがもう保たないようだ。
そう、ハッタリと自暴自棄これが自分の人生のキーワードだった。
あの飛球船を作ったのは僕だ。
僕は発明家だったのだ。
あの飛球船の構想は昔からあったものだ。
だけども細部まで設計する自信は僕には無かった。
それでも投資家と自分にハッタリを掛けて計画の実行まで漕ぎ着けた。
だけどそこでどうするべきか分からなくなった。
そこで僕は自暴自棄になった。ところが計画はどんどん進んで行った。
そして完成した。
僕は心底驚いた。
僕はただ部下達に適当な指示を与えていただけだったのだ。
そして翌日、僕は投資家達に呼び出された。
大金を渡され追い出されたのだ。そして自暴自棄になった。
その結果がこのザマだ。
僕はぶらぶらしつづけるだろう。明日も明後日も。
自暴自棄からハッタリに気分が変わるまで

72 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/05(木) 18:00:30
次は「紺」「海」「機」です

73 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/05(木) 20:08:47
もういい加減にしれ!下手糞すぎて段々腹が立ってきた。

74 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/05(木) 20:13:04
でもちゃんと読むあなたが私は好きです

75 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/05(木) 21:30:16
1 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/20(水) 23:05:54
即興の魅力!
創造力と妄想を駆使して書きまくれ。

お約束
1: 前の投稿者が決めた3つの語(句)を全て使って文章を書く。
2: 小説・評論・雑文・通告・dj系、ジャンルは自由。官能系はしらけるので自粛。
3: 文章は5行以上15行以下を目安に。
4: 最後の行に次の投稿者のために3つの語(句)を示す。ただし、固有名詞は避けること。
5: お題が複数でた場合は先の投稿を優先。前投稿にお題がないときはお題継続。
6: 感想のいらない人は、本文もしくはメール欄にその旨を記入のこと。


76 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/06(金) 19:22:04
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
このスレは投稿専用です。会話するなら↓へ

裏三語スレ より良き即興の為に 第四章
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1106526884/l50
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

77 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/06(金) 23:03:58
いやそこじゃなくて誘導先は簡素だろ元来

78 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/06(金) 23:39:44
もういいんじゃない感想スレ別にしなくても、感想スレ全然書き込みないしさ。
分ける意味ないよ。

わかりやすくていいじゃん。ココだけで…

79 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/07(土) 20:32:46
『下手糞』てなんだよ。
勝手に造語つくるな馬鹿

80 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/07(土) 22:31:34
へたくそ 4 0 【《下手》▼糞】


(名・形動)
〔「下手」を強め、けなしていう〕(技術などの)非常にまずい・こと(さま)。そのような人をもいう。
「―な字」「あの―め」

81 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/08(日) 00:05:20
>>79
これは…かなりハズイ!!

82 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/08(日) 00:28:27
紺 海 機

野球部の練習試合があると言う事で、友人の野球部員に調子を聞いてみた。
「今度の試合見に行くぜ。どうよ?新入部員とか使えそうか?」
「まぁ、人数ぎりぎりだからな。唯一のピッチャーが引退したばかりだから新人でも
機会があれば使って行かないといけないんだけど……」
「なんだ?問題児だったりするのか?」
「ああ。大分な。他の部員とだいぶ毛色が違う」
「具体的にどんな奴なんだ?」
「ひとことで言うとだな、そう、濃紺――だな」
「ノーコンか。でも臨海合宿の後だろ試合は。猛練習するしかないな」
「練習じゃどうにもならないよ。本人のこだわりだからね」
「こだわり???」

そして試合の日。機転の利く人ならもうおわかりだろう。試合は中止された。
そう。話に上った濃紺のピッチャーのために。
「まさかそうくるとはな……」
「だから言ったろう奴は濃紺だと……うちの部は昔から赤なんだよ!」
試合当日マウンドに立ったピッチャーが履いていたものは……ブルマーだった。
もはや何も言うまい。いや、何も言ってくれるな。これで終わりだちくしょう。


「秋」「職」「ゲイ」

83 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/08(日) 04:43:20
>>81
そんなに恥ずかしがるな、
今回だけは大目に見てやるよ

84 :「秋」「職」「ゲイ」:2006/10/08(日) 10:54:43
春が過ぎ、夏が来て、秋になった。
大学を卒業してから既に半年。ニートという新しい肩書きにも大分慣れた。
兄は新語に慣れないのかそれとも故意にか未だにプータローと揶揄しているが。

大学進学者さえ稀な過疎の村では、二流でも都会の大学に合格した者はちょっとした有名人になる。
合格発表の日には、縁遠い親戚や幼稚園の先生などから次々と電話がかかってきたことを覚えている。
そして常は酒を嗜まぬ父がビールを一本空け酩酊したことも、母が隠れて何度も涙を拭っていたことも。
そんな田舎だからこそ、手に職のない者は却って馬鹿にされる。不当とも言える程に。
兄は何も言わないが、物心がついてから20年近くも住んだ村のことだから厭でもよくわかる。

だから母には言えない。在学中父が他界してから、慣れないパートで懸命に仕送りしてくれた母には。
就職の夢が潰えた時に兄に頼み込み、中小企業にSEとして採用されたと口裏を合わせてもらった。
中学に入った頃気付いたゲイの性向を自身が隠し通していたこともあってか、彼は快く協力してくれた。
母は電話口では淡泊だったが、その日の夕飯は赤飯――陰膳二杯を添えた――だったと兄から聞いた。
その兄が今電話で母の末期癌を告げている。今日は求人情報も読めそうにないや。ごめんね、母さん。

「気配」「熟練」「被爆」

85 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/11(水) 10:47:51
「気配」「熟練」「被爆」

 しゃか、しゃか、しゃか。しゃか、しゃか、しゃか。
 ああ、今日も来ているな。厨房から音が聞こえる。裏口ドアの鍵穴に差し込んだまま親指と人差し指で挟んだ
鍵をゆっくり左へとまわし戻した。
 腕時計の針を確認すると深夜の三時をすこしまわったところだった。別に恐怖心はない。ただ彼が来ているとき
は店内の電灯がつかないのである。懐中電灯はどこにあったかな。頭の中で思い出す。ドアを細くあけると彼の
気配とともに悲しみが流れ出てくるような気がした。一瞬、やめておこうか。と、迷いがよぎる。身体に重く溜まっ
た疲れがそう思わせるのであった。空を見上げると満天の星が輝いている。夏の夜風が首筋を撫でた。いや、彼
に会おう。そう思い直しドアを大きく開く。
 ステンレスのシンクが弱い懐中電灯の光を跳ね返す。左から右へと大きなシンクをみかん色の光輪が照らし、
続いていくつも並んだガス台を照らすのであった。居た。無心に中華鍋をふるう彼がいた。
 しゃか、しゃか、しゃか。しゃか、しゃか、しゃか。
 私も若い頃、重い中華鍋のなかに砂をいれさらに重くして握力を鍛えたものであった。時を刻むことを許されな
い彼を見ると、初心を思い起こすとともに熟練にはまだほど遠いことを痛感するのであった。被爆の記憶が残る
地に店を構えた私の戒めとしてコップに一杯の水をそっと供えてから店をあとにした。そういえば、明日は八月の
あの日であった。ここ数週間忙し過ぎて、人間らしく生きることを忘れていた。嫁さんの怒った顔が頭に浮かぶ。
明日、起きたらすぐに誕生日プレゼントを買いに行こう。生きている人間のほうがよっぽど怖いのであった。

「灯台」「デジタルカメラ」「さんま」

86 :白木の子:2006/10/12(木) 20:07:18
 秋刀魚を釣る。それが香代の夢だ。
「……今日は記念すべき50回目の釣行」
 竿先にひっついている発光体を眺めて腕を組んだ。
 特に何と言うわけでもないが、『秋刀魚を釣る』と言うばかばかしい計画にもう2年も付き合っている。
 大体毎週土曜、仕事も無く何もすることが無いので困るわけではないが、長いこと竿先を見ているなあ、と最近思う。
 灯台の明かりが遠くでくるくるしている。というか、夜は釣れんだろう。
「さあさ、今日こそは秋刀魚を釣るよ、諸君」
「釣れるといいな、何か」
 そうだ、別に秋刀魚じゃなくてもいいのだ。まあでも、そういうと香代はふくれるので濁しておく。
 ……!
 竿が揺れた。断続的かつ不感覚。これは魚の動きだ。タイミングを見計らって竿をしゃくる。
 乗った。
「おい、何か掛かった!デジカメ!」
「おお!」
 なかなか引きが強い。もしや秋刀魚か、と期待してしまう。
 所詮魚類だ、ぐいぐいと糸を巻くとそいつは海面に浮上。細長い。
 釣り上げた魚体を、デジタルカメラに収める。
「……これ秋刀魚じゃないか?」
 とうとうやったのかもしれない。白銀で細長の魚体、これは如何見ても……?
 と、隣を見ると、香代が真剣に魚を見て一言、

「ダツだね」
 おいしく食べた。


次は「希望」 「テロリスト」 「宮殿」


87 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/13(金) 03:14:48
この国の全ては彼女が握ってる。
あの女の権力の前には、俺の抗いなど吹いて掃くような物だろう。
そんな事は重々承知している。だが抵抗を続ける限りそこに「希望」もあり続けるのだ。
だからテロリストである俺は、今日も戦いを挑む。

階段を降りれば、あとは彼女の宮殿までまっすぐだ。
優雅に動く影がすりガラス越しに踊っている、間違いないあの女だ。
情けないが、吐く息が震えているのが自分でもわかる。
俺は胸の前で十字を切ると、意を決して廊下へと這い出した。
後はもう無心だった。繰り返された訓練のままに自然と体が動くにまかせる。
素早く扉を開き、中へとすべり込む。完璧だった。完全に彼女の隙を突いていた。
その時、俺の耳には成功の足音すら聴こえ始めていたのだ。
だが、俺が足音の主と抱擁を交わすことは叶わなかった。
気の緩みなどなかったと信じたい。しかし俺は後ろに忍び寄るもう一人の気配に、直前まで気が付かなかったのだ。
手遅れながら振り返った俺の目に映ったのは、小さな少女だった。怪訝そうな目で俺をみつめている。
「お兄ちゃん何してるの?」
俺は作戦の失敗を悟り、天を仰いだ。
すまない部屋で待つ我が子猫たちよ…どうやらお前達にから揚げを持って帰ってやる事は出来なくなってしまったようだ。
テーブルの向こうでエプロンをした母が、ニヤニヤと笑っていた。

「抗い」「抱擁」「気配」

88 :「抗い」「抱擁」「気配」:2006/10/14(土) 05:00:42
 全てを失った若者は、自らの起源を求めて旅に出た。
 川を泳いで、滝に出た。
 かつて、自分の母が、最初に父と抱擁を交したという滝だ。
 しかし、彼は心の中で呟いた。「ちがう…ここじゃない」

 幼少期を視聴覚障害の中で過ごした彼には、気配で、それが解るのだ。
 さらに山を上り、母が父と食事をしたという山頂に立った。
 巨大な朝日が若者を照らす。「私は、ここで発生したのか?」

 …真相に近づいた感はあったが、今ひとつだ。
 湖に下りた若者は、かつて女学生時代の母が住んだ家に辿り着く。
 「ここだ!」
 直感した。ここが自分の起源だ、自分がこの世に発生した場所だと。

 目前に、小さな古びたドアがある…心に、迷いも抗いもなかった。
 ノブに手を伸ばしたその瞬間、背後の自転車から「声」が呼びかけた。
 「あっ!」と仰天した。目前にルーツそのものが立っていた、気配で解る。

 声は言った。「まいどあり、米屋です」


※眠くてよくわかんない、見逃して。
次のお題は:「ロケット」「イヤリング」「光子エンジン」でお願いしまふ。

89 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/14(土) 10:23:39
【ワープ技術】

有機的デザインで形創られた操縦席の計器からは絶えず警告サインが出されていた。
やはりそうだ。光子エンジンの出力は落ちてきている。
このままでは、人類初の外宇宙探査隊7名の乗った船はブラックホールの特異点に吸収され消滅する。
異星人の遺跡から発掘されたロケットを私たち人類が使いこなす事は出来ないのか…
徐々に前方の空間の歪みが大きくなってきていた。

「ねえ!たかしく〜ん。聞いてるの」
たかしはハッと目覚め、自分が表参道ヒルズにいる事を思い出した。
ああそうだった。
最近知り合った、ななかちゃんに何か欲しいものある?
って、この店に入り、指を指されたイヤリングの値段の丸のあまりの多さに異次元に飛んでしまっていたんだった。
「ねえ。な・な・か・ちゃん…この隣の小っちゃくてかわいらしいイヤリングにしない?」
これまで、天使のようだった、ななかちゃんの表情が別人のように変貌した。
別れぎわ目も合わせないで、ななかちゃんは、こう言って地下鉄入口へと消えていった…
「たかしくん!あれはね。イヤリングでは無くてピ・ア・スっていうのよ」


※お題は継続で・・・


90 :「ロケット」「イヤリング」「光子エンジン」:2006/10/14(土) 19:14:53
 2人乗りの星間探査船の流線型ボディの右脇を、青白い光が掠める。
 小惑星帯で未知の生命体のものと思われる遺跡を見つけた俺は、転位ポイントだけ記録してさっさと
帰れば良かったものを、嬉しくてつい長居してしまったのだ。凶悪な宇宙海賊船に見つかってしまった
のは俺のミス。それにしてもこの出力の落ちかたは異常だ。まるでエネルギーを吸われているようだ。
「どうやら光量子と熱量を同時に吸収する線形の半連続場らしいわね。射程も熱レーザー並」
「ユリ!わかってるならどうにかしてくれよ!」
「知らなーい。あなたが浮かれてウロウロしてたのがいけないんでしょ」
 コパイロットが欠伸をする。全く捕まったらこいつだって絶対無事じゃすまないというのに。
「頼む、お前の好きなナッツ・クロケットやるから!」
「一枚?」
 彼女が横目でチラリとこっちを見る。ああ性格さえこんなじゃなきゃ可愛い女なんだが。
「わかったよ。二枚、いや食料庫にある分全部やるから!」
 にっこり笑ったユリはイヤリングを引っ張ってケーブルを延ばし、コンソールに差し込んで目を閉じる。
途端に船の出力が上がり、海賊の船は瞬く間にレーダーから消え失せた。
 光子エンジンは燃料貯蔵スペースも含めると小型化に限界があり、小型船の長期運行には向かないと
される中、搭乗者の魂の持つ膨大なエネルギーを物理的出力に変換する霊子エンジンが試験的に
搭載され始めている。俺の船もその一つなのだが、「霊」の精神状態に大きく左右されるこのエンジン、
完全に実用化するのは難しいんじゃないだろうか。ユリの顔と、残る長い帰路を思い、ため息を吐いた。


89氏のがすでにあったので、ロケットは変則的な使い方をしたにもかかわらず
長くなってしまいました。出題者さんごめんなさい。

次は「タオル」「獣」「波」

91 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/14(土) 20:18:09
風呂から出て、一緒に入っていたその獣の体を拭いてやる。
それは気持ちよさそうに目を細めていた。寿命は人間よりも長い、
遺伝子工学の末に産み出されたそれは、未開惑星での探査をする者には、
欠かす事の出来ない相棒だった。でも僕はそう言うタイプの人間じゃない、
・・・こいつは、知り合いの飼っていた奴だ。
発見されたその、新たな未開惑星には広大な氷河が広がり、植物はおろか、
そこは生物の棲める環境では無かった。知り合いはそこにこいつを連れて、
そして調査に出向いて、そして遭難した。絶望視されてから約二年後、
こいつだけが生き延びていて、回収された。それを僕が引き取ったのだ。
風呂から出ると、そこにあるタオルにそれはくるまった。ぼろぼろで、
それは既にタオルとは言えない。回収された時に共に有った物だ、知り合いの、
その名前が書いて有り、見つかった時には血糊が付いていた。幾ら極限状態でも、
彼らが耐えられるとしても。食料も無い場所で二年は持たない、彼は何かを食べていた。
やがてそれは、その場で眠り始めた。時々その寝顔が、何だか遭難した知り合いの、
それに見えてくる事がある。タオルと共に有った、白骨化した死体。腐った形跡はない、
白い骨と、血で汚れたタオルと、その獣だけがそこにいた。波の様に、何かがざわめき。
ただ、その獣は大事にしなければ成らないと、思った。彼をそれは、看取ったのだ。


お題「映画」「しらふ」「巨乳」

92 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/14(土) 21:23:29
【たかしリターンズ】

惑星《エレストラル》は銀河帝国政府のお尋ね者エイリアンたちの溜まり場だった。
緑色の皮膚のエイリアン、外骨格の昆虫型エイリアン。そして巨乳の6つの乳房をぶら下げた女性エイリアン…
精神高揚作用を及ぼす違法香料が煙る酒場にダダ一人、しらふの銀河帝国捜査官GUEの私が入っていった。
居た!あいつだ!賞金1,000,000,000バラッチの賞金首のガレバシッ星系人。

「ねえ!たかしくん!!聞いてるの!!」
たかしはハッと目覚め、自分が《ホテルベルサイユ》にいる事を思い出した。
ああそうだった。
やっと機嫌を直してもらい、一緒に映画を見て、そして…奈々香ちゃんからの最高の言葉…「わたしを・あ・げ・る・」
って、このラブホテルに入り、お互いシャワーを浴びて…そして…
日本人標準形体よりかなり小さめの僕のアソコに視線が固定された時!
          「あ…」
と、思わず落胆の表情から発せられた奈々香ちゃんの言葉を耳にしたとたん、異次元に飛んでしまっていたんだった。
「ねえ。な・な・か・ちゃん…あ・あの…小っちゃくてかわいらしいでしょう?☆★!」
これまで、天使のようだった、ななかちゃんの表情が別人のように変貌した。
結局、何も出来ないままで、別れぎわも目も合わせてくれない、奈々香ちゃんは、地下鉄入口へと静かに消えていった…

※続編書いてみた。下ネタでごめん
お題は、継続で…

93 :「映画」「しらふ」「巨乳」:2006/10/15(日) 01:48:03
 彼女と下校する道沿いの、ボロい公民館のすぐ横に、ある怪しい建物ができた。
 「精子・卵子バンクだってさ!やだねー」少年は彼女にグチる。
 「世界が人口多数決になってから、少子化対策省が人口増やそうって」

 「うん、知ってる」彼女は頷いた。「先月、お父様に言われて卵子提供してきたから…」
 少年は驚愕した、余りのショックに棒立ちだ。 「あ、校舎に縦笛忘れた、またね!」

 急いで駈け戻り、水色のドアを力任せに叩き、受付に駆け寄った。
 「あの、あのですね。ある人の卵子なんですが、返してもらうとか、それとも」
 「だめです、返せません。ランダム選択された精子を受精させ、それから…」

 後は聞こえなかった、目の前が真っ暗だ。誰とも解らない無作為抽出の…そんな!
 彼は自分に言い聞かせた。「落ち着くんだ、こうなったらやるべき事は一つしかない!」

 承諾書にサインして中に進むと、「採取室」にはそれなりの映画が流れていた。
 巨乳の女が月夜の湖に沐浴するシーンが、もう、あからさまに流れていた。
 「昔、あれだけ見ちゃダメって言っといて」と、彼は椅子に座る「あーあ…勝手だよな」

 こんな設備に少年はしらふで毎日通った。自分の確率を増やすには、これしかないから。
 すまなそうに手を振る彼女に送られ、少年は今日もドアを叩く。大人の身勝手を呪いながらも。

※下ネタ便乗スマン;
次のお題は:「火星」「貝柱」「マロニエ」でお願いします。

94 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/15(日) 02:33:05
少年時代に父親からもらったカメラを、俺は今でも大切にしている。
ドイツイハゲー社製一眼レフ。今では父の形見だ。
こうやって手に持っていると、広がった田園地帯や、
近所で遊ぶ友人達を撮っていた頃を思い出してくる。

高校に入った頃には、付き合っていた彼女を良く撮ったりしていた。
彼女は、いつも小首を傾げるお決まりのポーズで、爽やかな笑みを浮かべていた。
俺は、被写体だけにピントをあわせたその写真を、いつも身に着けていた。
「俺、絶対プロカメラマンで成功してみせるよ」
その頃の俺には、どんな困難でもやってのけるという熱意がみなぎっていた。

それからもう十年。現実は厳しく辛いものだった。
人脈というものがどの世界にも必要だということがわかった。

今の俺は、アルバイトで入ったポルノ映画の専属カメラマンとして働いている。
映画館の前に立てかける、宣伝写真を撮るのが仕事だ。
「今日は新人さんがくるから、きっちり撮ってくれよ」
女達があられもない姿で、レンズ越しにどれほど挑発しても、俺はいつもしらふだ。
「巨乳らしさを強調するように撮れよ。ほらもっと寄れ馬鹿」
背後から監督の怒号を聞きながら、俺は今日もシャッターを押す。
熱意?……そんなことは関係ない。
明日も、あさっても。俺はシャッターを押し、生活していくのだ。

「山」「村」「峠」


95 :94:2006/10/15(日) 02:35:49

これは、お題が「映画」「しらふ」「巨乳」の分でした。遅かったです。
次のお題は、93さんの
「火星」「貝柱」「マロニエ」です。スマソ

96 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/15(日) 11:20:16
「街並み」

火星の重力は地球の約3/5位しかない。そこに人類は半円形の巨大なドーム、
それを張って居住環境を確保した。ただ重力の低さは如何ともし難い、人々は、
やはり段々筋力が衰えて、虚弱に成っていた。僕の暮らすその都市も今は、
もうかつての1/10も人が居ない。殆どが病人だ、筋力低下かリハビリの為に、
僕らはここにいる・・・だから、ここには墓が多い。
街路樹として、マロニエの樹が植わっている。その通りを歩きながら不意に、
綺麗な女性が道を横切っていった。歩いて、じゃない、それは飛んで、ふわりと、
スカートをなびかせつつ。面白そうに彼女は着地して、そこで僕と視線が合った。
「この街の方?面白いね、ここ」歳は、僕と同じくらいだろうか。まだ少女の、
そんなあどけなさが残る。観光で来たと彼女は言っていた、そう言う人々も居る。
自分も、そこは話を合わせていた。観光で来ている、「病気です」とは言わず。
お昼時で、二人で近くの寿司屋に。ホタテの貝柱を彼女は頼んだ、美味しいと、数皿。
また少し話して、僕らは別れた。「さようなら」彼女は別れ際にそう言って、笑顔で、
また少し歩いて、跳ねて。そして何か嬉しそうに、やがて視界から消えていった。
・・・僕らに、未来は有るのだろうか?と、ふと考えた。自分達は、ここにいるのだ。


次のお題は「山」「村」「峠」 で。

97 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/15(日) 15:09:34
なんじゃそりゃ

98 :白木の子:2006/10/15(日) 21:19:17
「山」「村」「峠」

 自転車にはまっている。俗に言うMTBという種類で、ゴツい車体にいぼいぼ
のタイヤで、主に山道を爆走する、という物だ。
 始めようと思って始めたのではなく、中学からの同級生の誘いで一度大会に
出たことがあって、打ち上げのビールが異様に美味かったのが大きな理由かも
しれない。
 それ以来毎年その大会に出ている。もう今年で3回目だ。
 それがまたハードで、4人で交代しながら4時間、峠道の登りから始ま
るコースを4時間走りきる、というもの。
 1年目はさすがに厳しかった。飛び入り参加だったのだが、中学以来
運動という運動をしたことが無かったため1週目の途中で吐き、それ以
降タオルの顔面にかけて倒れてしまっていた。
 その反省をふまえちょくちょくと練習を重ねた結果、体重は5キロ落
ち、2回目の大会では3週回ることができた。
 吐き気を催すことは皆無で、林道から覗く池や村を見て楽しむ余裕さ
え出てきた。
 そして3回目、とうとう自転車は10万円の大台を突破。今年の目標
は4週走ること。
「おーい! 返ってきたぞ!」
 さあ次は俺の番。一時の精神集中。
「行って来る!」
 応援の声が後ろで響いていた。

次は「ジャスティス」「コーヒー」「善玉菌」で


99 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/15(日) 21:51:20
「ルーチンワーク」

朝のコーヒーを啜りながら、朝食。日曜の朝だ、新聞を読みTVを見ながら、
・・・息子は、TVに映るその子供向け特撮番組を見ていた。見ていて、
ちょっと面白いとは思えない。ご都合主義で馬鹿らしい、空想のそれだ。
だが子供は喜んで見ている、気楽で良い、ああ、明日からまた仕事だ。
「ジャスティスソードォ!」「うぎゃああ!」
敵の怪物がそれで倒される。息子はその剣の玩具を持っている。正義の剣、
それで世の中前に進むならどんなに。すると倒された筈の敵が復活して巨大化、
先週もそう言えば同じ展開だった気がする。ちょっと聞いてみた、飽きないのか?
「格好良くない?」そう言う息子に、妻が食後のデザートを手渡す。その、
胃の中の善玉菌を増やすと言う触れ込みのヨーグルトを頬張りつつ息子は、
また、TVに向いた。ちょっと解らなかった、ルーチンワークだ・・・彼らも。
やがて巨大化した敵は、出てきたロボの必殺技で倒される。次回も多分同じ事の、
その繰り返しだろう、ちょっと苦笑した。どの世界の大人も大変だ、仕事なのだ。


うーむもう一声か。ま次のお題「学者」「生花」「なた豆」

100 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/15(日) 22:52:12
自分で陶酔しているだけの文章を垂れ流すな!!

101 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/15(日) 23:55:24
>>100
それなら自己陶酔(自己満足)で終わらない文章を見せてもらおう。
このお題で一本書きな。逃げんなよ。


102 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/16(月) 00:16:38
おまえに小説は無理だって
諦めて働け
バカ残飯(←ATOK標準単語登録済み)
 
 
 


103 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/16(月) 01:37:12
【瞳の秘密】

「ああっ!!」目覚めると枕もとの時計は午前1時40分をさしていた。
また同じ夢を見た。
クラスのみんなからイジメを受けつづけて過ごした悪夢の日々。
夢に出てくるのは小学4年生の時のあの時!あの瞬間の夢…
密かに想いを寄せていた川村沙耶ちゃんが私に見せた『弱い者を哀れむまなざし』
あの日を境に私は人間関係が苦手になり苦悩の人生を歩み続けている。
その分、勉強は人並み以上にがんばり、進学、就職も希望通りに出来た。
夜が明けると朝一番の新幹線に乗り、名古屋で開催される次世代エネルギーを研究している学者が集まるシンポジウムに出なくてはならない。
だが、眠るのをあきらめてテレビのリモコンに手をのばし、チャンネルを流す。
関東ローカル局では最近めっきり見なくなっていた落ち目のタレントと通販会社の変な社長が なた豆茶 がブームになっていると笑顔たっぷりで繰り返していた。
いろんな効能を紹介し最後になんと薄毛にも効くと知り、50歳を越えてかなり淋しくなっている頭の私の気持ちを揺さぶってしまい、あわててチャンネルを変える。

その日のシンポジウムでは、私の専門分野である海洋温度差発電システムの最新技術について有益な発表が出来、充実した気持ちで控え室に戻った。
するとテーブルに一つの花束が届けられていて中村生花店と書かれた伝票と共にきれいな封筒に入った一通の短い手紙が添えられていた。
川村沙耶と名前が記されていて、震える手で封を切った。
手紙にはあの時のあの瞬間からの川村沙耶ちゃんの後悔の日々がつづられていた。
涙をおさえる事が出来ずにいる自分がそこには居た。
たとえこの手紙ですべてが変る事はないかもしれないが、心の奥底の何かには触れた。
この日の夜、午前1時40分を過ぎても寝息をたてて眠る私がいた。

※ちょっと長くなったスミマセン。(いちおう私、>>100ではありません)

お題は継続デ…

104 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/16(月) 03:38:48
まあまあいいけど、まだまだだな。

105 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/16(月) 07:24:52
「なた豆茶」

・・・気が付くと、僕は学者に成っていた。
大学に進学、何とは成しに農学部へと進路を取った。授業料を払いつつの作業、
畑の穀物他と格闘する日々。助手として、助教授として、そのうち月日は流れ、
何だか気付いたら教授になっていた。なた豆を見つつ、今日のデータを録る。
適性があった、らしい。本来の指向は生花だった。花屋をしていた人が居て、
気が付いたらその道を志ていた。大学には出なければ成らなかった、しかし、
今思うとつまらない夢だ。その店に自分の花を送るのだ、何だかそこにロマンを。
結局、僕は生花業者には成らず、そのまま研究室で今日もキーボードを叩いている。
地味な作物だ、なた豆に、どうも何かを見出したのか。ともかくそれの育成に没頭、
やがて様々な効能を発見し、特に特殊な製法で作る「なた豆茶」と言うのがブームに。
良くも悪くも変な意味で時の人に成って。それから教授になって、その前に妻を。
家に帰る。色とりどりの花々が並ぶ店先を通り奧に。若い頃の夢は結局成らなかった、
僕は今日もなた豆と共に過ごして、花に囲まれた我が家に帰る。棚の隅になた豆茶。
・・・手入れをしていた妻が出迎えてくれた。結婚してからも花屋を続けたいと、
彼女はだから今日も、花を売っている。店の棚の隅に、なた豆茶の袋が見えた。


お題継続なのであえて被らせてみたりw。
次のお題「川遊び」「セオリー」「鹿」w。

106 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/16(月) 08:41:04
言い訳は要らない

107 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/16(月) 11:26:02
小説を書けというのに。

108 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/16(月) 12:41:55
【あいつと残した宝物】

三好貞行は《鹿注意!》の標識を見るといつもふるさとの北海道の標津町に戻ってきたことを実感する。
一昨日、小学校から高校までずっと一緒だったあいつ…あいつが死んだ。
小さいころからあいつは勉強も野球も女友達の数もいつも俺の2,3歩先を歩いていた。
そんな俺は高校を卒業して東京へ、ヤツは地元に残った。
10年ぶりに戻ったふるさとは、どこかよそよそしく冷たい。

葬儀が終わり帰路へ向う道…あいつの遺影の笑顔が思い出されハンドルを強く握り締めた。
ふと右のウィンドウに懐かしい風景が映る。
ハンドルを操作し、小学生の時の夏休み、あいつと毎日遊んだ小さな川に降りた。
多分、俺らが川遊びをした最後の世代だと思う。
すぐに《ドラゴンの大岩》は見つかった。
「ココだ!」あの頃、夢中になっていたファミコンのRPGゲーム上に出てくる大岩と重ね合わせ、この岩をそう名づけた。
あの時もあいつはセオリーも何も構わずゲームを強引にそして見事にクリアして行ったっけ!
俺には東京に戻ると無理をして始めざるを得なかった事業の資金繰りが待っている。
何を思ったか岩の前であいつと唱えていた呪文をそっと口ずさんでいる俺がいた。
『こめみ かほひ もひばじ げゆぞ ひまね けめほべ むずと ひむふ むいむま にるつ うべく うれしな へさま ねよひ ぬせぬね』
復活の呪文と共に、あいつと一生懸命生きていた子供の頃の気持ちが蘇ってきた。
俺はさけぶ。「おい!助けてくれるか!俺にとっておまえは勇者…だった」
これからは呪文を唱える度に俺の心にあいつが蘇って先を歩いてくれるのだろうか…


※また15行越えた。スミマセン

お題は「オーケストラ」「一枚のはがき」「腕時計」で…

109 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/16(月) 13:55:49
無駄な描写が多すぎる、2点。

110 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/16(月) 16:20:10
下手すぎ

111 :白木の子:2006/10/16(月) 19:08:37
「オーケストラ」「一枚のはがき」「腕時計」

 腕時計は既に3時を指している。下手をすれば間に合わないかもしれない。
 単純に言うとデート。複雑に言うと彼女が送った懸賞が当たって、オーケス
トラ公演にペアご招待。
 その彼女がまた珍しい人種で(本人に言うと激しく蹴られる)無類のクラシ
ック好きなのだ。
 付き合いだす前からベートーベンやらチャイコフスキーやらを吹き込まれ、
挙句の果てにコンサート。寝ちゃうっちゅうねん。
 俺が舟を漕いでいるときの彼女の得意技は、ハイヒールカカト指圧。痣がで
きた記憶がある。
 間に合わないなんて事になれば、指圧どころかライダーキックをお見舞い
されるだろう。
 さらには、持っていてくれればいいものを、1枚のはがき大のサイズの入
場券を俺に持たせ、当日キャンセルを不可能なものにしている。
 とりあえず今から10km離れた辺りまで行かなければいけない。
 といってもなんだかんだ言って、結局彼女の元に行ってしまうのが男の性
なのか、とアクセルを踏みながら思った。

次は「ダンボール」「加圧」「自爆スイッチ」にて

112 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/17(火) 00:41:07
ふーん ってかんじだな。何の興趣もない。

113 :リンコン:2006/10/17(火) 03:39:19
寒い冬のある日僕たちのダンボールハウスを撤去しようとする前フリで市役所のオネエさんがやってきた。
「皆で輪姦するど。」リーダーの酔っちゃんがいう。流石前科持ち。誰が賛成反対するでもなしに
する方向になっていった。「サルが進化したのが男。女は鯨の末裔じゃ。」神話のような進化論を
松さんが目をひんむいて力説している。嫌がるオネエさんはダンボールの中に無理やり招待された。
「こうして下腹部を加圧しながらな。」松さんはもう最高潮だ。オネエさんもそろそろだ。
「吹けー!!鯨の遺伝子!!」その瞬間、ダンボールハウスは眩い閃光につつまれた・・・
ちゅどーん!!公園に爆風が吹き荒れる。酔っちゃン、松さんは瞬間に粉々になった。紅蓮の炎は全てを染めた。
僕は右腕を失いながらも生きながらえてしまった。
あれから生き残ったメンバーは事件の事を徹底的に調べた、
そして事の真相が明るみに出るにつれ信じられない事実が浮かび上がって来た。
なんとオネエさんは行政が送り込んだ最新鋭アンドロイドだったのだ!!
そしてなぜかあんな所に自爆スイッチが組み込まれていたのだったのだ!!
なんの為に?それはわからなかった!!
次のお題は「ネオン」「スイミング」「子豚」なのだ!!


114 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/17(火) 12:04:10
「異聞」

妖しいネオンが輝く夜の街、私はそこを歩いていた。
足下にプール、子豚が小粋にスイミング中だ。自分も服を脱ぐ、
すると子豚はプールから出て走り去っていった。山の茂みの中へ消える。
イノシシが覗いていた。私は薄く笑ったが特に抵抗もせず、
そこで飛び魚のように平泳ぎを始めた。素晴らしいと、フラッシュ。
惨憺たる有様のビーチサイドに立った私は、その怠惰な周囲を眺め呟いた。
「世界は上手く行っている」世の中はそれに大きく頷き、私は満足した。

お題「グランド」「バーチャー」「ジャスティーン」
それは何か?それは聞くな。

115 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/17(火) 19:00:24
「ハゲワシ」

「ジャスティーン・グランド」それが彼女の名前だ。別名「バーチャー」。Vulture。
鳥だ、死肉を漁るハゲワシの事。その空で敵として彼女の別名を知らない奴は居ない。
出くわした奴が生き残った記録は今の所無い。狙われたらそれは死だ。執拗な追尾、
振りほどけないまま、じわじわと、遊んでいる訳じゃないのに、やがて死んでいく。
何機かが、編隊を組んで挑んだ事が有った。一機が落とされ、2機が死んで、結局、
3機目が長い逃走の末に羽根をもがれ墜ちた。スコアは3上がる、もう数えていない。
彼女は、エースパイロットは狙わない。徹底してザコを狙う。新兵、或いは下手くそ。
見た瞬間に解る、「そいつはもう死んでいるのだ」、なら、死肉を漁る鳥の出番だ。
女神だと、いう奴も居る。撃墜スコアは洒落にならない。戦場では頼りに成る味方だ。
勝つ為の、それは一番効率的な方法なのだと彼女は苦笑しつつ言う。ザコを片づける。
羽根をもがれた鳥はもう飛べないのと一緒なのだと。死神と言う蔑称をむしろ誇りに、
彼女は今日も、死肉を掃除するために、愛機と共に空を飛ぶ。

お題「自爆」「黄昏」「台本」

116 :「自爆」「黄昏」「台本」:2006/10/18(水) 05:02:59
「世の中はなぁ……」
女は煙草に火を付け、旨そうに煙を吸い込み、そしてゆっくり吐き出した。
少年の頭に銃を突きつけたまま、気怠げに続ける。
「台本通りにゃ動かないようにできてんだよ、坊や」
無造作かつ確かな手つきで撃鉄を引き、欠伸を?み殺す。
蹲る影の震えなど知らぬ気に、乾いた金属の音が黄昏の街角に響いた。
少年はゆっくりと顔を上げ、睨め付ける視線に脅えながら声を絞り出す。
「見逃してはもらえませんか……?」
年齢―12歳と聞いていた―よりもしっかりした声に、女の眼がすっと細くなる。
「それが何を意味するかわかって言ってんのか?」
女の顔を見据えながらゆっくり頷く少年の顔に、最早脅えは感じられなかった。
銃声は一発。
小さい影はゆっくりと地に崩れ落ち、そのままどす黒く版図を拡げた。
「……馬鹿が。今日び自爆テロなんざ流行らねぇんだよ」
女は毒づきながら少年の瞼を閉じた。白く細い指で、優しいとさえ言える程そっと。

「官憲」「暗殺」「後悔」

117 :116:2006/10/18(水) 05:05:24
5行目が文字化けしたかも。
?み殺す。→噛み殺す。

118 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/18(水) 06:47:05
文章に少し臭みがあったけどいいねこれ。

119 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/18(水) 08:49:48
「間違い」

官憲の職務として、国家機密に当たる物を流出しようとする行為には、
断固として対応しなければ成らないし、今のご時世、その権限も私は、
国の方から与えられている。どんな相手だろうとそこにいる限りは敵だ、
排除する事に何の問題もない。目の前で息絶えた少女を一瞥して自分は、
部下に死体を片づけるように命じた。嫌な時代と言うべきだろうか、
こんな少女がスパイの真似毎をしなければ成らない。ふと思いだした。
「見のがして貰えませんか・・・?」
死ぬつもりで来ているのに、見つかればそれは死を意味する任務なのに。
土壇場でそんな事を言う奴がスパイとして役に立つ訳がなく。私はむしろ、
怒りにも似た思いで静かに引き金を引いた。愛らしい顔、はじけ飛ぶ脳症。
・・・ふと、気付いた。”そんな事を言う奴がスパイである訳がない”。
運ばれる死体に近づき、見る。ボロい衣服、ポケットにしまわれた紙幣、
部屋の中、荒らされた室内・・・ただ、機密文書のファイルは閉じたままだ。
柄にもなく、自分は少しの後悔と共に胸の前で十字を切った。可能性として有る、
この子は或いは、貧しい、ただの泥棒だったのかも知れなかった。金が有りそうな、
家の中を狙った。世の中はマニュアルに外れた事態も起こる物だ。
・・・それは物語には、成りそうもなかった。


お題「競争」「柿」「画板」

120 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/18(水) 08:59:09
>>119
スマソ「暗殺」入れてなかったorz。
3と4行目の間に下記の文章いれちくり。

女性の暗殺者など有り触れている、最も警戒せねば成らない相手だ。

121 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/18(水) 15:41:08
下手なんだよ。臭すぎ。

122 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/18(水) 19:47:01
批評しとらんで小説を書かんか。

123 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/19(木) 15:27:57
そもそも私は競争が嫌いだ。何かにおいて順列を決めるという事が無駄に思えて仕方がない。
例えば徒競走だ。私と誰かが50mを走り、私が勝ったとしよう。
その次に私が転倒して負け、その誰かが勝ったとしたら、その前の勝利はなかったことになるのか?
そんな些細なことで揺らぐ勝利になど何の価値がある?虚しいだけではないか。
私は校庭の芝生に座り、そんなことを考えていた。
目の前には画板に張られた画用紙、それには半分だけ色の付いた校庭の柿の木が描かれている。
あの葉の色はビリジアンかきみどりかで頭を悩ませていると、隣に座って同じ柿の木を書いている彼女が口を開いた。
「わたしが勝ったからおこってるんでしょ」
「おこってない」
「すりむいたひざ、だいじょうぶ?いたくない?」
「いたくないよ」
「いたいくせに。おまじないしてあげる」
そう言って、私の膝に柔らかい手のひらを当てておまじないを唱える彼女。
そしてベルが鳴り、道具をしまって私たちは小学校の一階にある3−Aの教室に戻る。
仲直りのしるしに手をつないで。
訂正しよう、競争もそう悪いものではないようだ。

お題「靴底」「トンネル」「洗剤」

124 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/19(木) 18:16:59
「暗い道の先」

「気持ち悪い・・・」と、連れがそう言った。二人で、
ふとハイキングに来た、その山の、そのトンネルに入って、
もう2時間は歩いている。軽い気持ちだった、長いトンネルだ、
出口には別世界が!と言うのがお約束だが、いい加減長すぎる。
靴底に、ふと奇妙な感触を覚えた。ぬめぬめとしている、異臭もする。
泥?少し違う感じ、何か・・・ブヨブヨとした肉の塊を践んでいる、
ぬらぬらとした感触、気持ちが悪くなった、空気も淀んできた。僕らは、
少し不味い所に踏み込んだと思った。何かが違う、しかし解るのは、今は、
前進するしか無いと言う事だった。
1時間ほど前に、落石が有って。それで少し気を失った、後の話だ。
彼女の友達と3人で山に、と言う誘い、本当は二人で来たかったが、
そのちょっと太った人に”偶然”見つかったらしい、一緒に行くと、
執拗にせがまれてともかく。気付いた時には、その彼女は居なかった。
「別に、置いていく訳じゃないよ・・・どこにいるの・・・?」
彼女が、ふと呟いた。周囲を見回すが人影は無い、言葉の意味を問う、
それもちょっと躊躇われた・・・その後で僕にもふと聞こえた、でも。
僕はそれで、彼女の手を持って走り出していた。後ろは振り返らなかった、
ぬかるんだ足場に幾度も転びそうに成りつつも、やがて出口が見えて。
・・・それから、僕は病室で目を醒ました。顔に少し包帯をしている彼女が、
嬉しそうにのぞき込んでいた。突然の落石で生き埋めに成って、僕らは。
洗剤で、僕は幾度も体を洗った。発見された時、僕らは血塗れだったらしい、
僕らの傷は大した事は無かったが、あの彼女は、何故か助からなかったらしい。


お題「木綿」「オーバーチュア」「事務」w

125 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/19(木) 21:00:57
もう足を洗った方がいいよ。下手にもほどがある。

126 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/20(金) 03:03:42

「すみません部長、ここの記入なんですが」
 由美子は黒い帳簿の経費の部分を指差して言った。
「ああ、それがどうした」
 部長は山田の呼びかけにオーバーチェアから乗り出すようにして振り返った。
「木綿の入荷に関しては、隣の事務室で計算するように言われたもので
 削除してよろしいですか?」
 と、由美子は少し高い声で尋ねた。
「あぁ、そうか。忘れていたよ。しょっちゅう記入方式が変わるからな。
 本当に面倒くさい、非効率だ・・・・」
 部長はまたブツブツと文句を垂れる。山田由美子は自分の席に戻って
机の引き出しからボールペンを取り出すと、木綿の経費に二本線を引いて消した。
ここは洋服会社の会計部。入荷や出荷などの経理を全て請け負っている。
由美子は入社して今年で八年目になる。一度の部署転換もなく同じ事務所で
八年も働いているのはこの会社では彼女だけである。

お題「ソーセージ」「ロンダリング」「UFO」

127 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/20(金) 03:10:09
おもんない

128 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/20(金) 07:43:39
起承転結が無く主人公が非能動的で展開に矛盾がある。

129 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/20(金) 08:16:44
「ある依頼」

彼はその魚肉ソーセージとカップ麺「焼きそばUFO」を私の前に見せつつ、
「ロンダリングして下さい」と言った。何を言われているのか解らなかった。
畜生嫌な汗が出てきやがった!薄く笑うその彼を前に、自分はただ立ちすくんでいた。
「料理人の腕前見せます」と言う実例的講習会の企画。目の前に有る食材、
その中のどれでも2つ選んで、後はジャンルを伝えてくれればほぼなんでも作る。
そう言う触れ込みだった。所詮ジャガイモや豚肉に過ぎない、後は炒め物でも鍋でも。
食える物でさえ有れば有る程度何とでも成る物だ、これでも10年近く続けている。
・・・しかしその二つは目の前に見えなかった。と言うかこの怪しい雰囲気の青年が、
この狭い調理実習室のどこから紛れ込んだのかも解らない。「ロンダリングしてくれ」
何をどうすれば良いんだ!!と言いたくなったが、その雰囲気に異論は挟めなかった。
やがて教室が静まり返っていると、彼は不意にふっ・・・と笑いながらそれを下げた。
「やっぱり、先生もその程度ですか」彼は何故か勝ち誇った笑顔を見せて勝利者の、
恐らくはその雰囲気を纏いつつ、道を避ける人々の間を悠然と歩き教室を出ていった。
・・・暫くした後、救急車のサイレンが聞こえて、捕り物?らしき騒ぎが教室の外で。
「どうもお騒がせしました」と病院関係者らしき人が。教室は安堵の空気に包まれた。


お題「借金」「ギャンブル」「横道」

130 : ◆z/XyGHVvtM :2006/10/20(金) 12:33:32
『芋酒を想う』


亡き父の
書きし文など手にとつた夜は
昔に還りて芋酒

汗水を垂らし働く是れ人ぞ
十八の夜に
父は言いけり

横道に入ればいつか行き止まり
また人生に於いても然り

借金をギャンブルで作り
ギャンブルで返す
これぞ我が道程なり



「詩」「河原」「堤防」

131 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/20(金) 12:44:49
【正直な夫婦】

18時15分、仕事を早く終えた木下加寿子は自宅のある桜ヶ丘駅より一駅手前の紅葉台駅で降りた。
駅前のにぎやかな商店街通りを人の流れにそってボーっと一人、歩く。
女好きで浮気を繰り返し、ギャンブル好きで借金も繰り返す、バカで能無しの夫の事を考えながら歩いていると、いつの間にか、見慣れた横道にそれて歩いている自分に気がつく。

18時10分、仕事を早く終えた木下伸幸は自宅のある桜ヶ丘駅より一駅手前の若木駅で降りた。
駅前のにぎやかな商店街通りを人の流れにそってボーっと一人、歩く。
男好きで浮気を繰り返し、ブランド物大好きで借金を繰り返す、バカで能無しの妻の事を考えながら歩いていると、いつの間にか、見慣れた横道にそれて歩いている自分に気がつく。

日付が変わった深夜2時、2台のタクシーが両方向から同時に近づき停車した。
「あれっ!一緒だったね!!」
と、二人は仲良くあいさつを交わす。
お互いの浮気相手のマンションで過ごした後の帰りだったのだが、何事もないように手をつないで自宅へ入っていった。

借金の請求書は、すべて裕福なお互いの両親の元へ届けられ無難に処理してくれる。
「けさらせら」夫婦は今日も脳天気に幸せに暮らしていました。

※お題は継続デ・・・

132 :131:2006/10/20(金) 12:47:27
スミマセン先越されていました。↑は無しです!!

お題は>>130さんの「詩」「河原」「堤防」でお願い致します!!

133 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/20(金) 13:28:02
「座る詩人」

堤防を降りて、自分はその河原に立った。水の流れを見ながら溜息。
座るのにちょうど良い岩が有る、運の良さはまだ自分に向いているな、
・・・そうは思いつつも、押し流れる時間を眼前の川に見る、止まらない。
「ああ、あいつは賭博師としては下だな。大勝ちを狙いすぎるんだよ」
ふと小耳に挟んだ陰口が、何故か今思い出された。当たりまくった頃があった、
あの頃の、或いは忠告だったのかも知れなかったが、自分は無視していた、
それが出来る状況だった。運の良さは今、ここに椅子が有る、それでも解る、
しかしもっと大きな何かがズレてしまった・・・そんな気が、ふとした。
ビルを2つ、会社を9つ。時の人としてそこにいた、女に不自由することも無く、
連日銀座を豪遊した、当時は良い時代だった。何でも当たる場所に、自分はそこに座り、
負ける事が無かった訳じゃないが、要するに倍掛けを続けた。”続ける奴が勝つ”方程式。
連続して11回も外すなんて、あり得ない事だ・・・それが起こった。全て失って更に今、
3桁を越える億の負債を抱えて。でもまだ挽回出来ると思った、先日、父親が死ぬまでは。
堤防の向こうにはダムが有る、暫くぼんやりしていると、放流を告げる音が聞こえた。
自分は或いは、まだ運がいいのかも知れないと、思った。


お題「映画」「鮎」「小石」

134 :「映画」「鮎」「小石」:2006/10/20(金) 16:05:23
以前見た国営放送で、動物の寿命は心臓の鼓動回数で決定すると言っていたな。確か2億回か2万回だったはずだ。2億回と2万回ではおおきな差があるが、それはどうでもよい。兎に角、回数制限があるのだ。
鮎などの小さな体の動物は1〜2年で、象のような巨体であれば70年の寿命なのだそうだ。
まあ、そんなことはどうでもよい。映画の話だ。今日観た映画はつまらなかった。金を払って無駄な時間を過ごしてしまった。
こんなことなら溜まっている小説でも読んでいたほうが良かったと後悔していた。おれの貴重な鼓動を返せと言いたい。なんでこんな糞な映画がロングセラーなのか? 信じられない。
駅の改札に向かっていると、スレンダーな色白で髪の長い女性とすれ違った。甘い香がして思わず振り返ってしまった。俺の視線を感じたのか振り返り、ほんの一瞬視線が交わった。
その女性はすぐに街のほうに颯爽と歩いていってしまったが、俺はなんとなくその場に留まり、人波に消えてしまった女性を捜した。俺の余分に高まった鼓動を返せと……いや、ありがとうと言いたい。

お題は継続で

135 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/20(金) 16:15:55
どこに小石があるんだ。すみません。上のは無視してください。

136 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/20(金) 18:47:01
涙で完全にふやけてしまった瞼に、外はとても眩しすぎた。
声を殺して泣きすぎたせいで、喉の奥もチリチリと疼く。
物語の余韻に溺れたまま、私はおぼつかない足をなんとか動かしていた。
隣の悟は、映画が終わってから一度も私に話しかけないでいてくれる。
まるで気配を消すようにして、静かに私に合わせて歩いている。
悟はこんな時、私をそっとしておいてくれるのだ。普段気が利かない彼だけれど、こんな時の気遣いは優しい。

「アユの人生」 話題ベストセラー小説の映画化だった。
誰もが羨むような容姿と声を持った、女子高生のアユ。だが彼女が持てたのはそれだけ。
互いに不倫状態の両親の目に、アユの姿が映る事はなかった。親友だと思っていた仲間達には手ひどく裏切られ、すがり付くように心を許した男には小石のように蹴飛ばされてしまう。
アユは生きていくために、その華奢な体を汚してゆく。
心は汚さないようにと足掻く彼女に、波のように迫りくる仕打ちの数々。

アユの一人震えるシーンを思い出しながら、再び私の目に熱い物が込み上げて来たその時、突然ポケットで携帯が震えた。
メールの着信を伝える画面、差出人の名は「悟」だった。
ん?
彼は素知らぬ顔をしている。悟のくせに味な真似をするじゃんか… 私はなんだか悔しい思いをしながら本文を開いた。
そこにはたった一行 「鮎、可哀相だったな」

私の体から一気に力が抜けていった。
鮎って、魚じゃないんだよ!! もう〜台無しだよこの男は…
隣を大袈裟に睨みつけてやると、悟は慌てて目を泳がせた。
私はそれを観て吹き出してしまう。同時に押しつぶれていた私の胸に、休日の澄んだ空気が吹き込んで来るのがわかった。
私は悟の無防備なわき腹に、渾身のチョップを食らわせてやった。

「余韻」「大袈裟」「無防備」


137 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/20(金) 23:10:23
【プロレスラー我島!!】

今は何といってもK1だのプライドだの…総合格闘技が人気の時代だ。
俺が所属する大帝都プロレスは、観客席は、マバラ…今やテレビ中継もなし!
だが俺はプロレスこそ最強の格闘技だと思うし何よりも俺はプロレスが好きだ!!
デビューして1年を過ぎた俺は、大帝都プロレスの次世代の頭を取れる逸材と期待をかけられて日々厳しいトレーニングを続けていた。

今日の対戦相手は俺より30センチも長身のアメリカから来たストロングスタイルの強敵で、無防備を装ってジリジリと迫ってきていた。
グレートブッシュが得意技のハリケーンドライバーを仕掛けてきた。
俺は少し大袈裟にひっくり返って見せ観客を沸かせた。
試合が始まり30分が過ぎ、40歳を越えたおじいちゃんのヤツは息を切らし始めた。
そろそろフィニッシュの決め技で終わりにしてあげよう!
俺は余韻を持たせ優雅に、固め技をかけようとし、大きくブッシュをかかえあげたその時、ヤツがヨロメキ、俺のトランクスに手をかけた!!
        !!予想もしないアクシデント!!
川口市民体育館の観客から一斉にどよめきが起こる。
「いったい!何が起こったんだ!!」俺は動揺していた。
静まりかえったリング上にはトランクスが脱げ足元までずり下がったまま下半身を丸出しにしている俺が立っていた。

1ヵ月後、リング場にモザイク我島というリングネームの俺が!!
メインイベントの試合終盤、セコンドから合図、対戦相手のマッスル相田も「よし!」という掛け声と共に私のトランクスに手をかける!
「ああ!!今日も出た!!出したぞ!!モザイク我島の×××!!」アナウンサーの声がコダマする。
すっかり色物レスラーと化した大帝都プロレス一の人気者の俺だった。

138 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/20(金) 23:12:09
※次のお題 「懐中電灯」「始発電車」「アレルギー」で!!

139 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/21(土) 00:47:19
会社の飲み会で酔いつぶれた私は新宿駅のホームで始発電車を待っていた。
滑り込んでくる電車に乗り込み、ぐったりとした体を電車のシートに預け目を閉じる。
しばらくして、ドン、という何かが落ちる音がしたので薄く目を開ける。
それなりに混んでいる車内で、みんなが一斉にそちらに目を向けていた。
小さなダンボールを抱えていた男が、それを落としてしまったようだ。
潰れたダンボールからは何かの液体がこぼれだしている。
やっちまったな、と思いながらも後始末を手伝う気も起こらなく、
そのまま目を閉じ、気が付けばもう自分の降りる駅に着いていた。

家に帰り着き、シャワーを浴びようと裸になると、体に赤い点がびっしりと浮いている。
またアレルギーが出たか。酒を飲むといつも出るんだよな。
憂鬱な気分で頭をかくと、爪が頭皮にめり込む異様な感触と共に前髪がごっそりと抜け落ちた。
手のひら一杯の髪の毛。髪の毛の根元には私の頭の皮と赤い血がこびりついている。
ひゅう、と呼気が漏れ、手を振り髪の毛を払う。恐る恐る頭に手を伸ばす。
ねちゃり、という感触。ひっ、という声が漏れる。
鏡に駆け寄り自分の姿を見る。半分無くなってしまった髪の毛のあった場所には血の色をした肉。
顔は真っ赤に腫れ上がり、体には白い膿交じりの2cmほどのぶつぶつとしたできものが無数にできていた。
できものに触ると猛烈な痛みと共に膿が飛び散る。その後には猛烈な痒み。
掻き毟る、抵抗も無しに肉に爪がめり込む、剥がれ落ちる皮膚。
腫れ上がった顔から皮がたれ落ちる。爪で引っかくとめり込む流れる血痛い痒い気持ちいい
動くとこすれる皮膚はがれるいたい動く痛いきもちいいかゆいいたいにくはがれるいたいかゆい。

カーテンを閉め切った部屋で懐中電灯を握り締め、私は1時間ごとに鏡をのぞく。
白い骨がのぞく、まぶたも鼻も唇もただれ落ちた顔を見て悲鳴を上げて鏡から離れる。
壊れてしまった自分の体に恐怖と奇妙な快感を抱え、今日も私は生きている。

「海賊」「雷」「空き箱」

140 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/22(日) 08:50:08
「海賊」「雷」「空き箱」

酒瓶の空き箱を逆さまにして座る。それだけでも立派なイスになる。
座ってタバコに火をつけても吸う力が残っていない。
とても疲れている。朝から嫌いな上司に怒られたからか?それとも同期のあいつが急に死んでしまったからか?いや、そんなことではない。僕にこの仕事は向いていない。
朝から晩までと同じ様な顔をした奴らと一緒に仕事をする。時にはこいつらと酒を飲み、酔った勢いで女を抱く。付き合いというのも苦手だし、僕自信、社交性のある男ではないと自覚している。
ここで仕事を始めた理由は明解。周りの奴らと一緒でやりたいことがなかっただけ。だからここで仕事をしている。
5年ここにいる。同期は少なくなったが部下は増えた。愚痴を言える仲間が減ってきた。

僕の仕事に終わりはない。
雨、嵐、雷、雪…どんな天候だろうと船は進める。
もう海賊なんて辞めたいな。



「草」「ベルト」「マーガリン」



141 :白木の子 ◆q/.rlDgH2c :2006/10/22(日) 18:59:04
「草」「ベルト」「マーガリン」

 こだわり、というのはそれはまあ他人からすれば何でも無いことであるが、
自身にとっては決して譲ることなんかできないのだ、と最近痛感した。
 中学校からの同級生に久しぶりに会う機会があった。
 家の近所の居酒屋に行き、若かりし頃の思い出や近況報告など懐かしい時間
に浸った後のこと。
 そいつはそこへは自転車で来ていた。一般的な”ままちゃり”だが、その自
転車が当時私が見慣れていなかった機構だったので少し気になった。なので質
問したのだ。
「これってチェーンじゃなくてこのなんか黒いので走るんか?」
 2分後、その発言を少し後悔した。
「ああ、これな。これアルベルトっつってさ、ベルト駆動なんよ、ベルト駆動。
何が良いってさあ、漕ぐの軽いわ音静かだわでさ、良いとこ取りなんよ。で、
さらにこのライト――」
 タイヤが汚れるので、雑草や土の路面は走らないこと、ハンドルの角度には
黄金のポジションが存在すること、潤滑剤には液体より固形の、具体的にはマ
ーガリンが一番適していることなど、散々無駄な知識を教わった。
 そしてとうとう言ってしまったのだ。
「……そんなこだわらんでも良いとは思うぞ、俺は」
 直ぐに返答は返ってきた。
 
「自転車に50万もかけてる奴が言うと説得力無いな」
 何を言うか、私にしてみれば当然の結果だ。
 
次は「試験」「不活性ガス」「深海」


142 :リンコン:2006/10/22(日) 20:02:02
新型の深海探査船の試験運転で国際海洋生態研究チームの一員である日本の研究員として
僕等「ハエブサ」クルーは新型船「らんちゅう」に乗り込みインド洋沖5000メートルの
海溝に来た。順調に航海を進めていると探知機が不活性ガスを検出した。近くの
海底に休火山があるのだが、そこから噴出しているようだ。急いでガスの成分を抽出して
解析した。解析班の海老沢陽子が大声をだす。「こんな反応は見た事がないわ。これは何かしら。」
解析を続けた僕等は到底信じられない結論に辿りついた。
「このガスは。生きている。生体反応を示している。間違いなくコイツは気体生物だ。」
遠隔自動操作アームからそのガスを50ミリリットル程採集した。とんでもない新発見になるぞ。
探査マザーシップ「しーしゃも」に着きガスを試験管に移そうとすると採集袋からヒソヒソ声がした。
「ヒヒヒ。しめしめ上手くいった。周りは空気がいっぱいだ。隙をみて一瞬で気化してこの星をのっとるぞ。」
気体生物は僕等日本チームに捕まったのが運のツキだった。空気を読むのが得意なのだ。
次は「スカンク」「パジャマ」「斑点」

143 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/22(日) 20:08:22
おもんないって

144 :「スカンク」「パジャマ」「斑点」 :2006/10/22(日) 20:41:37
あなたは、唐尻お化け(からしりおばけ)というものを知ってるだろうか
唐尻お化けとは、江戸時代の遊郭に現れたと言う伝説のお化けで、
女郎達にいたずらをしては、消えていくというものだったそうな。
いたずらの内容と言えば、屁をこくこと。
けれど、スカンクのような刺激臭を持った屁をこかれ、すぐに消えられては、女郎達も困ったに相違ない。
せっかく金回りの良い、上流武士と一夜を過ごすはずが、皆一斉に退散してしまったからだ。

そんな、『おもしろ妖怪百科辞典』をベッドの中で読みながら、
俺は、背を向けて寝ているパジャマ姿の彼女の背中にぴったりと引っ付いてみた。
「ちょっとやっとこうべ」
耳元に声をかけながら、彼女のズボンをおもむろに脱がせば、おケツに真っ赤な斑点が見えた。
便秘気味といっていた彼女の言葉を思い出していると。「もぅ、寝るの」そういわれる始末。さらに。
「これでもくらえ」
もちろん屁をこかれ、俺は退散したわけだが、
屁の威力はいつの時代でも有効だなあと認識した次第で。ご報告まで。



145 :白木の子 ◆q/.rlDgH2c :2006/10/23(月) 09:32:14
「スカンク」「パジャマ」「斑点」

 先日隣町で市民祭りが行われた。行く気などさらさら無かったのだが、前日
友人に誘われなあなあしている内に行くことになってしまったのだ。
 厳密に言えば僕はそこの市民ではないし、あまり乗り気では無かったのだが、
いざ終わってみると、去年家でPCを弄っていたことを後悔するほど堪能した。
 役場のだだっぴろい駐車場を貸し切って、ステージやらやぐらが特設され、そ
こを埋め尽くすように人が溢れかえっている。
 それらを囲むようにして屋台の列が並んでいるのだが、そこですごい物を見た。
 その名も「ジンギスカンクレープ」。
 いったいなんだこれは、と。最近はスープカレーなど2つの料理をミックスさ
せた物が流行っているようだが、とうとうこんな領域まで達していたのか。
 屋台を覗くと、想像通りの光景が繰り広げられていた。
 右半分でクレープ生地を焼き、左半分で羊肉を焼く。
 人間の好奇心とは恐ろしいもので、結果が見えていても手を出してしまう。
 僕は友人のとめるのも聞かず、屋台の主人に400円を渡していた。
 店主から例のブツを受け取る。ナルホドジンギスカンクレープ。
 クレープの焼き跡の斑点が、視覚的には中のジンギスカンと見事な調和を
叶えている。
 見た目に騙された僕は、勢いに任せそれに齧り付いた。
 例えるならば、パジャマを着て、バイクに乗り、葬式に行くようなものだ。
 ま、要するに、
「うっわ、まず……」
 300円分くらいは燃えるゴミの袋の中に投げた。

次は「危険物」「エレキ」「中心」で

146 :「危険物」「エレキ」「中心」:2006/10/23(月) 12:37:18
 友人の登志男は男前だ。男の俺から見ても惚れ惚れする。しかし登志男には変わった趣味がある。フェチと言ってもいいだろう。そのせいでクラスの女子からは避けられていた。
 弁当の御飯の真ん中には必ず梅干が一つ。パン食なら中心にへそのあるアンパンしか食べない。
 好きな国旗は日の丸。まあ、日本人なのだからこれは良いとして、手の甲にいつも貼っているあれ、あれはよろしくない。まん丸な粘着テープの中心に、これまたまん丸な磁石。そう、エレキバンだ。
 爺さんなんかが体中に貼りまくっているのはよく見かけるが、高校生が、しかもいちばん眼に付くであろう手の甲にエレキバンを貼るのはいかがなものか。
 それでも本人は至って真面目らしく、ミサンガやブレスレットと同じさ、とのたまっている。クラスではそんな彼のことを危険物、と呼んでいるのだが、彼は別段気にしている様子もない。
 なぜ危険物なのか。通学路の途中のトンネル前に、スプレーで書かれた落書きがある。それを毎下校時にじっとりと見つめている姿が危ないらしいのだ。女性器を模した落……否、これ以上は言うまい。行数も残り少ないからな。
 そんな登志男に、女子高の彼女が出来たらしいのだ。そんな筈はない、あの変態に限って。思った俺は後をつけた。そして現在、公園だ。
 信じたくないが、目の前のベンチには登志男と肩を並べ、セミロングの艶やかな黒髪の少女が座っている。
 ベンチの後ろの植え込みから監視。認めたくないが、プロポーションは抜群だ。顔は……見えねえ。もう少しだけ前に。焦った俺は、足元の溝に気がついていなかった。がくんと膝が折れた。
 刹那、俺はガサガサと木の茂みを揺らし、ベンチの後ろへ転がり出た。びくっと肩を震わせ、二人が視線をめぐらせる。
 振り返った彼女の顔は、見事に中心に寄っていた。

 次は「ミラクル」「大理石」「転職」で

147 :「危険物」「エレキ」「中心」:2006/10/23(月) 13:01:06
 ラジオから流れてくる軽快な曲も相まって、俺達の興奮と緊張は否が応にも高まっている。
何せ毎年のべ数万人の動員数を誇るロック・ジャムに初参加なのだ。最近の大きなイベントには
必ずというほど頻用されているあの球形浮遊ドームの中心に、たとえ一時でも立てるなんて。
 「危険物積載車両はここで出よ」の標識を通り過ぎ、ドームへ向かう出口まであと少しというところで
ひどい渋滞になっていた。事故か何かだろうか、と考えながらじりじりと小型トレーラーを進めていくと、
理由が分かった。どうやら警察が検問をやっているらしい。5つの伸縮可能アームをつけた機動センサーが、
五角形の探知スクリーンを作り出し、渋滞の列をゆっくりと探知していく。俺達が載せているのは当然
楽器と着替え、そんなものだけだから、のんびり構えていると、突然銃器を持ち強化盾を構えた警官達に
取り囲まれた。あのスクリーンがエレキギターとドラムの間でぴたりと止まっている。トレーラー内部を
詳細に調べられた結果、なんと換えたばかりのスネアドラムの膜が強力な爆発物であることが判明した。
それから二時間強、俺達はこってりと取り調べを受け、全く身に覚えがないことを再三説明し、ようやく無罪放免となった。
潔白とはいえ汗びっしょりになった俺に、バイザーをつけた警官が労いと共にコールドティッシュを
手渡してくれた。ありがたく二枚引き抜いたところでギュッと手首を掴まれる。
「おっと、すまんね。箱の外からは二度もチェックしてたんだがなあ」
取り上げられた二枚目のティッシュは何やら銀色の箱に吸い込まれ、中で小さく爆音がしたのだった。

 結局今年も観客席からの参加となったのだが、ステージであのドラムを目一杯叩いた時のことを想像して、
俺達は初めて、警察に心から感謝した。


間に合わず。お題は>>146のでお願いします。

148 :「ミラクル」「大理石」「転職」:2006/10/23(月) 14:22:35
屈辱と侮蔑すら感じさせる度重なる上司の叱責に耐えかねて、僕は転職を決意した。
僕ほどの俊才の持ち主ならば、この転職時代のご時世、引く手数多であることは間違いない。
あの上司はそうだ、僕の溢れる才能に嫉妬することで自我を保っていたのだろう。
お昼休み、社内のエントランスロビーに設けられた大理石の休憩スペースに腰を降ろし、
僕は人材斡旋会社の資料を読んでいた。ひんやりとした大理石が気持ち良い。
その時、落ち着いた気分を害するように、かの上司がこちらに近づいてきた。
その手には「ミラクルハッピー」という今売れ筋のドリンクが2本握られている。
何を見ているんだ、とまたもや蔑むような視線を注ぎながら上司が言うが早いか、
僕は咄嗟に隠そうとした資料を思わず落としてしまった。
上司はその資料に一瞥を加えると、一言「どちらがいい」と僕に告げ、
ドリンクの側面を僕に見せるように腕を差し出した。
「あなたのラッキーワードは"忍耐"です」「あなたのラッキーワードは"新生活"です」
それぞれに記された文面を眺めたのち、上司の顔を見上げると無表情なまま。
一方より少しだけ前に差し出された"忍耐"の缶は、上司の握力で少しだけ凹んでいた。

次は「メモ帳」「帽子」「言い訳」で

149 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/23(月) 15:27:10
おしい

150 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/23(月) 15:54:33
【その時、歴史は動いた】

「おう!!斉藤君久しぶりだね。君に紹介してもらった例の装置!!調子いいよ!!」
朝一番目の取引先にあいさつを終え、次の会社へ向おうとして通りを歩いていた時、後ろから肩をたたかれ呼び止められた。
私は業務用の印刷機械を製造販売している(株)さざなみ工業の営業マン。
「はい!おはようございます!お世話になってます!!」(※やばっ!誰!コイツ!思いだせん!!)
作り笑いの中、私は頭の中の顧客名簿一覧を高速検索させていた。
「おい!どうした!元気ないじゃないか。この間、問合せした件、どうなった??」
どうも今日は朝からの雨で俺の中のスーパーコンピューターの動きが鈍い。
半年前、大規模の印刷設備導入でお世話になった藪川印刷所の課長とまでは、出ているのだが…課長の個人的項目の記憶のメモ帳を探る。
「はあぁぁ…はい!!」(※えーっと。この課長はとにかくなれなれしいヤツ。こちらもテンション上げて…か)
よし名前は出てこないがまずは、体育会系のノリで!!(※ナンだったっけ!!この課長には最重要項目があったんだが???)
「なに言ってんですか!!私はいつも元気いっぱいですよ!!」と思いっきり課長の両肩を2度たたき笑顔いっぱいで話しかけた。
で、次に課長のボケたセリフに連続技で突っ込みの頭を叩きにかかる!!
          その時!!
課長の最重要項目の記憶が蘇ったが、すでに遅く私の右手は課長に見事な突っ込みをお見舞いしていた後だった。
青山通りの人通り激しい歩道でカツラの取れた姿で立ち尽くす藪川印刷所(株)課長、藪川富蔵がいた。

「は・い…ぼ・う・し…帽子が落ちました…」
異様な雰囲気の中、訳のわからない言い訳をしている私がいた。

151 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/23(月) 15:55:40
お題は継続でおねがいします…

152 :「メモ帳」「帽子」「言い訳」:2006/10/23(月) 18:17:55
 よりによってこんな所で……。僕は自分の不幸を呪った。
 隣の席には今、長い間遠くから見詰める事しか出来なかった人――浅川優が座っている。
 教習所の講話室は満席だった。遅れてきた彼女が僕の隣席へ座ったのは、偶然ではなく必然だ。席は僕の隣しか空いていなかった。だから僕は荷物を退け、彼女に席を勧めた。
 喜ぶべき事だ。願っても恐らく叶う事はないだろうし、引っ込み思案な僕が彼女の隣へ座る事も出来はしない。
 僕は帽子を目深に被り、赤らむ耳を隠すように肘をついた。彼女のほのかな香りが鼻腔をくすぐる。
「帽子、脱いだ方がいいですよ」彼女が屈託のない笑みで僕に言った。
 脱げるものならとっくに脱いでいる、と思ったが、彼女にそんな事を言えるはずもない。
 僕は小さな声でうん、とだけ答えた。知られたくない事は誰にでもあるのだ。
「この授業の教官、うるさいので有名ですから。黒皮のメモ帳に名前を書かれたら、確実に実技で落とされますよ」
 有名な話だ。気に入らない生徒が居ればメモ帳に名前を残し、当てつけのように落第点を付ける。イヤミとあだ名されるくらい姑息なやつだ。
「そこ、何を喋ってる。男、なぜ帽子を被ってるんだ。脱げ」教官が指を向けてくる。早速目を付けられた。なんと言い訳しようか。彼女の前ではどうあっても帽子を脱げない理由があるんだ。察してくれ。僕は心の中で叫んだ。
「脱げというのが分からんのか」ポケットに入れたメモ帳に手を掛け、威圧的な視線を注いでくる。
 冗談じゃない。すでに何度か単位を落としているのに、これ以上免許にかけるお金なんてありはしない。
 僕は仕方なく帽子を脱いだ。
「あ、高山さんじゃないですか。なんで勝手に病院を出たんですか。心配してたんですよ?」彼女の頓狂な声が響く。
 彼女は先月まで入院していた病院の看護士だ。そして僕の憧れのマドンナ“だった”。退院を待たずして逃げたのだ。
 君に彼氏がいたから、とは流石に言えなかった。こちらの言い訳の方が大変そうだ――

 次は「ハロウィン」「半額」「筆跡」で

153 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/23(月) 18:30:30
いまいち

154 :「メモ帳」「帽子」「言い訳」:2006/10/23(月) 18:47:07
MiniSDカード 256MB
乾電池(アルカリ)単4×4
豚コマ500g
黒缶2個
マヨネーズ
おでん(大根、つくね、ソーセージ巻き、はんぺん)
お菓子(適当に)
麦藁帽子(わたしに似合うのね!)

 俺は上に書かれたメモ帳の一枚を拾った。推測するに、彼女が彼氏に頼んだ買い物リストなのだろう。
 メモを伏せすべて思い出せるか試してみるか。ミニSDカード、黒缶、麦藁帽子、おでん(大根、ちくわぶ、牛筋)、電池……こんなもんかな? 意外と憶えていないものだな。彼氏はどんな言い訳をするのだろう。
 大のレバーを引き、メモ帳も一緒に流してしまった。

コンビニのトイレを出ると、二十代半ばとおぼしいパンクロッカーがあるはずもないメモを探して床をきょろきょろと探している。
 俺はレジにいる店員に声を掛ける。
「大根とつくね、ソーセージ巻きとはんぺんを一個ずつください」
 南国に旅行にいき、彼女がいて、ハンバーグを作ってもらい、猫がいる羨ましい奴には優しくできない俺がいる。

お題は継続で

155 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/23(月) 18:50:36
うほっミスった。

>>152
次は「ハロウィン」「半額」「筆跡」です。


156 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/24(火) 14:09:26
【大好きな彼】

電子マネー機能付きの携帯をかざして料金を支払うと「書は人なり」と書かれた機械が作動し相性占いが開始された。
3Dのユーモラスな占い師が現れ、私と和幸くんはお互いの名前をタブレット機能の画面に手書き入力する。
鑑定中と表示され、派手なライトアップ表示の後、結果が表示され私と和幸くんの恋愛相性は抜群と判定された。
たかがゲーセンにある、お遊びの筆跡鑑定占いマシンだがこれだけ良い結果だと嬉しいものだ。
「すごいね!わたし達!!」「おう!このまま俺たちさぁあ!!結婚しちゃうか」
って二人して大騒ぎをしながら腕を組んでお台場のデートコースを歩いて行く。
「ほーんと今日は楽しいネ」と話し、最近出来た屋内テーマパークに向う。
和幸くんは私より30センチは背が高くアメフトを学生時代やっていたのでガッシリしていてホント頼もしい。
そのくせ、いつも温和でやさしく、なんと言ってもあのクリクリッとした眼がカワイイの!!

今度も「ぴピッ」と電子マネー携帯で入口のチェック装置が作動し支払う。
横にいた遊園地の人間のお姉さんが「はい!お一人様、半額に割引させていただきます!!」と!!
「えっ!今日は何なの?レディスデーか何か??」
お姉さんが示した先にはこんな看板が出されていた。
ハッピー! ハロウィン 2006≪仮装して来館した大人・学生は半額!≫とあった。
和幸くんが仮装している人間だと判断されたようだ…
そりゃあ和幸くんは、ユニークな顔、ちょっとお腹出ていて、ちょっと心配な髪の毛、服装のセンスも時々信じられない格好してるけど…

「もおっ!!半額にしなくてもいいじゃないの!!」

157 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/24(火) 14:12:16
↑また長くなってしまいました。

次のお題は「無料」「予想外」「フラダンス」で…

158 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/24(火) 14:53:15
いまいち

159 :「無料」「予想外」「フラダンス」:2006/10/24(火) 17:34:23
 新任女教師の天然 萌――アマシカ モエ。間違ってもテンネン モエなどと読んではいけない――先生は熱血教師だ。以前は天然ボケと冷やかす輩も居たが、少なくとも今現在うちのクラスで、先生を馬鹿にする者は存在しないだろう。
 ベビーフェイスにつるんとした額。何時もほんのりと上気したような薄桃色の頬は、萌えと表現するに相応しいかもしれない。がしかし、ひとたびこれと目標を定めたら、頑として譲らない鉄の意志を持っている。
 今回のチャリティーの出し物をフラダンスと決めたのも萌先生だ。男女一緒にフラダンス、と聞いて反対した者もあったが、その意見が聞き入れられる事はなかった。
 さっそく練習開始。関節を柔らかくするため、柔軟体操。前屈。背屈。先生の指導は厳しかった。
 俺たち帰宅部の鈍りきった体にも、容赦なくハードな体操を要求する。
 柔軟ばかり繰り返して意味はあるのか、早く踊りをさせろ、と不満が出たが、ダンスに必要な基礎体力を身に着けるのだ、と突っぱねた。いくら入場無料とは言っても、客はそれなりのものを要求してくる。先生なりの哲学があるのだ。
 予想外の熱血振りに、天然と馬鹿にしていた奴等も何時しか先生の魅力の虜になっていった。
 そして今日、遂に俺たちの努力が認められた。先生が、今から踊りの稽古をする、と告げたのだ。俺たちは手を取り合って喜んだ。練習をサボりかけた奴も居たが、首に縄を掛けてでも引っ張ってきた。その甲斐あって認められたのだ。
 特別にダンスの道具を作ったから、先生はそう言って器具庫へ消えていった。腰の回転を強化する道具か? 否、先生の事だ、もっと凄い物に違いない。俺たちはドキドキとしてそれを待った。
 先生は器具の入った箱を俺たちの前へ持ってきて、てきぱきと組み立てた。
「本番はこれに火をつけるから」先生は真剣な顔で言った。棒高跳びの器具を改良した物。どう見てもこれは……
 あの、それってフラダンスじゃなくてリンボーなんですが……。誰も口にすることは出来なかった。

 毎回オーバーですみません。
 お題は継続で。

160 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/24(火) 23:21:58
謝るぐらいならオーバーしないようにまとめる努力を。

161 :「無料」「予想外」「フラダンス」:2006/10/25(水) 02:36:36
【おばちゃん先生】

 フラダンスをやろう。帰宅途中私はやっと何かをやろうと決意した。
今まで何か習い事をやろうと思っていたが、人見知り故になかなか行動できなかった。

 近所にたまたまフラダンス教室があったので、早速そこへ出向いた。
教室はビルの簡素な一室で、先生はひどく怖そうな顔つきのおばちゃんだったし、更なる上は肝心の生徒もいなかった。
何というか想像とは全く違っていたが、今週の日曜から週一で通うことになった。

 日曜日の夜。おばちゃん先生は無愛想に私を出迎え、無言のうちにレッスンは始まった。
 レッスンを始めてから私は気づいた。私は踊りのセンスが絶望的にないらしい。
踊れば踊るほどおばちゃん、いや先生の顔が更に怖くみえた。戦々恐々、踊りながら身から変な汗が出た。

 一応今日のレッスンは終了した。恐る恐る今日のレッスン料を払おうとしたその時、先生は予想外な言葉を吐いた。

「あんた、下手だねぇ。ほんと下手だ。もうタダにしてやるよ」

 そう言いながら、彼女は不自然だが真の暖かみを以て不器用に微笑んだ。
その彼女の微笑みを見たとたん、私は今までの緊張から解放された。私は一瞬で彼女を好きになった。


 今ではおばちゃん先生は私にとって良き先生でもあり、最も愛する友でもある。

162 :161:2006/10/25(水) 02:39:49
次のお題は「選択」「スーパー」「外国人」で

163 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/25(水) 04:24:23
いまいち 自分で上手いと思ってるだろ?

164 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/25(水) 04:31:57
「選択」「スーパー」「外国人」
家の近くに大型スーパーができた。俺は週に二度、仕事帰りにここに来る。

買い物カゴを手に取り、次に来る時までに必要な物を考えながらいつもの経路を辿る。いつも通りに進むと必ずあの人を見る。今日はキッチン用品の陳列棚にいだ。

あの人は何人だろうか?まあどこの国でもいい。とにかく外国人であることには間違いない。買い物カゴを持つ手の方に大きめのハンドバックに深く被るハットが特徴。後は日本人が持つことのできない白い肌。俺は彼女を見る度に彼女に対する興味が積み重なっていく。

俺は知っている。彼女は万引きの常習犯である。店員は知っているのだろうか?まあそれはどうでもいい。彼女は手際良くしゃもじをバックに入れる。声を掛けるか否か。正しい選択としては声を掛け、万引きを引き留めるべきだろう。
でも今日も俺は声を掛けられなかった。人としても、男としても。
彼女はカゴの中に入っている品物の会計を済ませ、スーパーを出る。彼女を見る度に彼女に対する興味が積み重なっていく。
「ちょっと、お客さん」
おっと、俺が声を掛けられてしまった。同業者に気を取られるとろくなことがないな。

「花瓶」「小指」「サランラップ」


165 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/25(水) 05:19:07
おもんないな

166 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/25(水) 10:12:49
 君は小指を立てる癖がある。意識してかしないでかは分からないけれど。
 ほら、そのサランラップを持つ右手。ねっ?
 買い物籠を通した左手だってそう。握り締めたお財布の影から小指が覗いてる。
 まさか気がついてなかった? 意外そうな顔、と理解していいのかな、それ。そんな顔をされても困るんだけど。笑顔はもっとやわらかく。だめだめ、まだ口元が引きつっているよ。君らしくないなあ。
 僕は気が付いていたよ、その癖。ずっと前から。だってほら、君のことを……
 昨日このスーパーで買った花はどうしたの。あの淡い桜の花びらの絵が入った花瓶に生けたのかな。でも窓際には飾ってなかったよね、今回は。
 君のセンスは最高なんだから、花瓶は外からでも見えるように置いてくれるかな。大丈夫、自信を持って。
 あ、ちょっと待って。そんなに早足で歩かれるとついて行けないよ。今日はいつものコロッケ買わなくていいの?
 あははっ。携帯電話を持ってる手、また小指が立ってる。無理に下げなくていいよ。眉間にシワが寄ってる。

 ねえ、さっきの電話の相手は誰? 今度は誰を呼んでるの。大きな声を出すから、皆振り返ってるじゃないか。
 あの小走りに向かってくる男、まさか君……まだあの男に頼っていたのか。
「須藤 佳、またお前か。もう彼女に近寄っちゃいかんと言っただろう。言い訳は署で聞いてやる。さあ来い」

 次は「アーケード」「詐欺」「難破船」で

167 :「花瓶」「小指」「サランラップ」:2006/10/25(水) 10:39:21
 一人の男が六階建ての古いマンション、二階の一室に忍び込もうとしていた。
彼はその食卓に大金の詰まったサイフなど大事な物が置いてあることを知っている。
 計画は大胆だった。周りの地理でいうと、隣のマンションの三階廊下から
その部屋のベランダへ飛び移れるようになっている。彼は実行した。
 二メートルほど空を飛び、ベランダに辿り着く。大窓はガラス製でなく、
サランラップ製だった。花瓶らしき陶器の破片がそこらに四散している。
 侵入は楽だが、奥さんが如何に乱暴であるかを思い知って彼は唾を飲んだ。
薄い膜を小指の爪で突き破り、十月の寒風と共に部屋へと進入する。
 「何だお前は!」
 彼の侵入に気づいた大男が洗面所から現れ、侵入者をたちまち捕らえた。
縛り上げられると、彼は観念してサイフを取りに来ただけだったと白状する。
「どうしたの?」
 奥さんがゆっくりと寝室から現れ、そして次のように叫んだ。
「あ、あなた!?」
 泥棒であり大のうっかり者でもある夫は、じっと妻を睨んでいた。

先越された。お題は>>166で。

168 :リンコン ◆LrIvuLF/co :2006/10/26(木) 18:03:24
 ここは神戸の境港。終戦でいろいろあったが街も落ち着きを見せて来た。
「ここにみんなが安心して商売できるようなおっきなアーケード建てちゃりますよ」
 山形のおっさんはやる気だ、港湾の警備の仕事を始めて5年になる、腕は立つし数字に強いし面倒見がいい、今はもうすっかり街の顔だ。
 「おーい、難破船がいるぞ」
 港の沖合いに難破船が紛れ込んできた。港の荒くれ達はそろって救助に出かけた。
 「おうい。大丈夫かい」
 「だみだぁ。」 
 ようし、まっとれよ、と救助に向かうとしたその時、山形の親分が叫んだ。
 「待て!みんな騙されるな!こいつは難破船詐欺だ!!」 
 「難破船詐欺!山形の親分それはなんでさ?」
 「しらんのか!馬鹿モン!難破船を装った新手の詐欺だ!こいつに騙されると貨物は取られ、船はやられ」
 難破船の乗組員は泣き喚いたが難破船ごと秘密裏に処理された。
 「この事は絶対に他言するな」
 難破船詐欺を海に沈めたのはタブーになった。
 それ以来山形の親分に逆らう者はいなくなり、街に立派なアーケードが出来た。
 
 
 

169 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/26(木) 21:32:43
【儲け話】

私は最近《マジノギ》と言うオンラインRPGゲームに夢中だ。
学校から帰ってすぐにPCを起動させゲームへ入り込む。
女の私が使っているキャラは、もちろん男性で、ガッシリとした体格のイケメン海の男。
サナントヨという小さな港町で小船を所有して漁師をしている。
難破船だ!!と誰かが叫んでいるのが聞こえてきた。
《難破船イベント》が発動したようだ。
私は、漁師仲間をかき集め船に乗り込み難破船へ向かう。
危険な操作だがうまくいけば船底にある大量の金銀宝石が手に入る。
今、私も含めて10人が船に向かっているので山分けしてもかなりの額になる。
難破船に取り付き潜水服のアイテムを装備し荒波の中、船内へ!!
その時、「近づいてはダメ!!」と強引に会話に割り込んでくるヤツがいた。
この初めて表示される見慣れないコメント形式はいったい誰??
麦わら帽子の海賊霊が湧き出てきて私たち10人は、闇の霧に呑み込まれ連れ去られる。
そういえば、昨日からこの《マジノギ》はゲーセンのアーケードバージョンの《マジノギ》とも接続されたんだった。
ゲーセンバージョンだけに現われるこの詐欺トラップ、私たちはこれまでゲーム内で稼いでいた全財産を失い、呆然としていた。

170 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/26(木) 21:35:15
>神戸の境港。
……貴方、港湾関係者か?
鳥取県境港を神戸扱いするのは税関だけだ。

171 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/26(木) 21:39:33
>>169

感想スレの>211さんのコメントを参考にしてさっそく書いてみました。

次のお題は「スクランブル交差点」「お気に入り」「敬語」デ…

172 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/27(金) 01:10:25
 お気に入りの映画のワンシーンに、スクランブル交差点へ彼女の手を引いて行き、その中心で愛を叫び結ばれる、という物がある。このシーンは何度見ても涙が出る。
 いつか僕も、この映画のような恋をしてみたい。そう思い続けて二年、ついにその日が来た。
 彼女はお嬢様学校に通う女学生だ。親のしつけも厳しいらしく、いつもよそよそしいほどの敬語で喋る。
 そんなお堅くて天然箱入り娘の彼女と、やっと今日恋人同士になれそうなのだ。
 電車の中で彼女の手を握り、駅へ着いても手は離さなかった。駅の改札を抜け、予定通りスクランブル交差点の中心まで行き、足を止める。いよいよ本番だと思うと、喉が渇いた。
「どうしたんですか? こんな所で止まったりしたら危ないですよ」
 彼女は不思議そうな顔で僕を見上げた。今日告白されるだろう事は彼女も薄々気が付いていただろう。けれど、まさかこんな場所で告白されるとは予測できない筈だ。ドラマチックな告白。僕の思い描いていた通りだ。
「君が好きだ。俺と付き合って欲しい」突然の告白に彼女は、よろしくお願いします、とだけ応え俯いた。
「付き合う事になったんだし、そろそろ敬語はやめてくれないかな」
 僕は常々思っていた事を口にした。恋人になったなら、僕が安らげる場所になってやりたい、と思っていたし、一緒の時はせめて敬語ではなく普通に話して欲しかった。せっかく恋人に成れたのだ、彼女を僕の色に染めてみたい気もする。
「分かりました、圭吾さん。じゃあ、圭吾はやめますね。御手洗さん、とお呼びしたらよろしいでしょうか?」
 忘れていた。彼女は天然のお嬢様だった。

 お題は継続でお願いします。

173 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/27(金) 03:07:49
「スクランブル交差点」「お気に入り」「敬語」

車両と歩行者が別々に動く交差点で、信号待ちをしていた。隣には会社勤めのカップル。手をつないで笑っている。とても幸せそうだ、と思った。
僕がホームレスになったのは二カ月前。理由はつまらない事だから無い事にしている。何かと弱気な僕にもホームレスはできる。
隣の家のタクさんはホームレスになって初めて出来た友達だけど、未だに敬語だ。それをタクさんはいつも怒るふりをする。直す直すと言って直せないのが僕だ。僕が敬語を直さないのを良い事にタクさんはこのやりとりを楽しみにしている。
ホームレスだって何もしなければ餓死してしまう。一人前のホームレスにしてくれたのはタクさんだった。暇な時はいつも僕の話し相手になってくれたし、風邪をひいた時は看病してくれた。そして、ふと泣きたい時は隣にいてくれた。
「心配するな、マイフレンド。泣きたい時は泣けよ、マイフレンド。」
タクさんはワインが好きだ。今日はタクさんの誕生日。いつもの恩返しにとタクさんのお気に入りの赤ワインを買った。
隣のカップルはまだ手をつないで笑っている。僕の手には480円の赤ワイン。僕だって幸せそうに見えるだろう。
スクランブル交差点、行く先々皆違い、幸せも人それぞれまた違う。

お題は継続で。。

174 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/28(土) 10:25:24
「スクランブル交差点」「お気に入り」「敬語」

 特に、彼等は渋谷がお気に入りってわけじゃない。
 田舎なもんで、娯楽はテレビで、渋谷が何度もブラウン管に写ってたというだけだ。
 でもまあなんとなく、社員旅行は「東京観光」で渋谷、という事に決まった。

 「とりあえず、いちまるく、行くべ」と、駅前のスクランブル交差点を行く。
 信号が、青に変わる。
 異変はその時起こった!

 「足が勝手に動く…!?」「足が、ノロノロとしか、動かん!」
 それに、なんでみんな、一斉に足を踏み出してしまうのだろう。
 社長が珍しく敬語で「『めまぐるしく変わる現代の価値観の中で、我々は』…く、口が勝手に!?」

 条件反射。
 何度も刷り込まれたTV番組のパターンが、彼等の行動を支配していた。
 田舎に見られない巨大なスクランブル交差点が、起動スイッチになるとは。

 「また、青になっただ…」「わ、足がまたゆっくり!?」「意外と疲れますねー」
 「せめて、早送り映像になる前に、あのボロデパートに逃れ…」

 群集もハチ公も、誰も助けてはくれない。そんな状況でも、専務は無言でひたすら歩いていた。
 夜になれば、深夜にさえなれば「未成年少女の都会の落とし穴」のパターンになると期待して。

※なんか勝手に書いた
次のお題は:「しいたけ」「下天」「猿の惑星」でお願いします。


175 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/29(日) 02:24:17
「ええか、天界には、幾重にも層があってな。
本来、下天というのは天界の中での一番下の層のことをいう。
当然、その下天での一日が、人間界での五十年に相当しておってな…」
にこやかに話す和尚の話を聞きながら、一休は退屈になってきたのであくびをした。
「こりゃー。渇!」
ごつごつした長さ1メートルほどの警策(けいさく)で肩を叩かれた一休は、一気に泣き出してしまった。
「えーん。母上に会いたいよぉ。母上の作る、あの美味しい、しいたけご飯が食べたいよぉ。それは
めにも美しくて、香りだけではなくて、ビタミンもミネラルも豊富な
んだ。僕のような子供の成長には、なくてはならない成分がたっぷり入ってるんだよぉ。わーん」

なつかしい八百屋のCMが終わり、俺は『猿の惑星』の再放送を見ているわけだが、
さて、あなたは、こう思ってるのではないだろうか。「なんだ、三語を入れてるだけじゃないかと」
いっそそうならば、ヒントを出そう。それは……

「縦書き」「今回だけ」「許して」


176 :白木の子 ◆q/.rlDgH2c :2006/10/29(日) 07:58:15
てだ し書度し々 たドと
くけとまいPか起と縦を僕た
だににったCもこき書叩はま
さしかてもが、っのきい簡に
いまく、のフほてバとて単は
。す、非がリんいラはいな縦
 のこ常、|のるン難る気書
 でんに水ズ5。スし。持き
 、な気のし分 等い ちで
 どこ分泡、ほ のも でも
 うとがに半ど 問の キ良
 かは重な分前 題で |い
 許今いっほ、 が、 ボか
 し回。てど一 多見 |、

177 :白木の子 ◆q/.rlDgH2c :2006/10/29(日) 08:00:03
お題は継続で尾長いします

178 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/29(日) 17:27:54
「縦書き」「今回だけ」「許して」

 縦書きの便箋に筆を走らせる。彼女への思いを全て詰め込んだ手紙は、読み返してみると中々の出来だった。
 書き上げたラブレターを鞄に収め、俺は昼前に家を出た。目指すは彼女が受付嬢をしているオフィスビル。
 きっと彼女は、この手紙を見て驚くだろう。歩きながら色々な事を考え、妄想に浸る。正午にビル前に着いた。
 今まで何度も商談に訪れたが、今日ほど緊張した事はない。一つ深呼吸をし、俺は玄関の階段を登った。
 回転ドアを押し、中へ入る。下調べの通り、二人居る受付嬢の一人は昼食に立っていた。
 だ、駄目だ勇気が。入り口で一瞬戸惑った。しかし昨日で商談は終わり、もうここを訪れる事はない。行くしかない。
 けれど思いとは裏腹に、足は動かない。彼女は俺に好意的だ。今回だけは確信がある。呪文のように言い聞かせる。
 許婚がいるという噂も耳にしたが、せめて俺の思いを伝えたい。選ぶのは彼女だ。可能性はゼロじゃない。
 しんと静まり返ったロビーは、人影もまばらだった。ゆっくりと彼女の方へ向かう。彼女が顔を上げた。
 ていうか、彼女がこっちを見ている。しかし何か様子がおかしい。顔ではなく俺の股間を見ているような。
 良家の子女であるはずの彼女が、俺の股間に釘漬けになっていた。受付嬢は淫乱と聞くが、彼女もそうなのか?
 いや、何かの勘違いだ。俺は思い直した。理想の彼女が淫乱な訳はない。変な妄想をした俺を許してくれ。
 よろしくお願いします、と言葉を添えて俺は、ラブレターを挟んだファイルを彼女の前に差し出した。
 ねっとりとした視線は、まだ下半身に向けられていた。彼女が口を開き「あの、社会の窓が……」見てたのはそれか。


 無理がありました。面白くないです。(涙
 縦書き、今回だけ、許して

 次のお題は「虹」「約束」「暗雲」

179 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/29(日) 17:29:21
「こんかいだけはどうしても我慢できないの、ごめんなさい」

のこされたテーブルの上のメモ用紙。その鋭い縦書きの文字からは、温度を感じられなかった。

さんざん今までも振り回してきたが、今回ばかりは許しては貰えないだろう。終わりの予感がした。

「ごめんなさい」 その小さな文字の歪みが、妻の本気を伝えている。

であった頃可憐な少女だった妻に、俺は約束したはずだった。

かならず最後までお前を守ると。俺は何処かで守るべきものを取り違えてしまったのだろうか。

けいたいが鳴っている、まるで決断を迫っているようだ。にぶい俺にも瞬時に解かった。電話が妻からではなく、俺を狂わせたあの天使からの物だろうと。

「温度」「予感」「天使」 


180 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/29(日) 17:47:18
1分半の差で被りました。
お題は後の方の「温度」「予感」「天使」でお願いします。

181 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/29(日) 18:27:32
後かよ!!

182 :「温度」「予感」「天使」:2006/10/29(日) 22:33:28
俺はいつも通り15分遅刻した。
彼女は待ち合わせの公園のベンチにちょこんと座っていた。
秋晴れで空気はひんやりとさえていて清々しい。
後ろから見る彼女のつややかな髪に天使の輪があらわれている。
俺はどんな言い訳をしようかしばし考え、こう切りだした。
「ごめん! ここに来る途中で自転車のチェーンが外れちゃって、遅れたんだけど、待った?」
 ベンチに座っている彼女が振り返った。彼女じゃない。人違いだ。
「あー、すみません。間違えました」
「待ち合わせしていました?」
「はい、ここで待ち合わせしていたんですが……」
俺は辺りを見回して彼女がまだ公園に来ていないと確認した。珍しいこともあるもんだ。彼女はいつも俺が来るのを待っているのに。
「15分も遅れたから帰っちゃったかな? ちょっと電話してみます」
「あのー私も待ち合わせしているんですけど、1時間も待たされちゃっているんです。私とお茶でもしません?」
俺はこの突然の申し出に戸惑ってしまった。まあ彼女には悪いが、ちょっとぐらいお茶するのも悪くない。俺は二つ返事で答えた。
「彼女には悪いけど、おねえさんの方が美人だし、俺でよければ付き合いますよ」
 こう言った瞬間に公衆トイレから彼女が出てきた。いままでの会話を聞いていた様子だ。俺の温度は一気に下がった。
あらわれかけた虹が暗雲によって掻き消えてゆく様が俺の脳裏に描かれている。
「いや……あの……三人でお茶でもしようか? あははは」
俺は未来を予知してしまったのである。左の頬の衝撃に耐えねばなるまい。

次のお題は「虹」「約束」「暗雲」で

183 :名無し物書き@推敲中?:2006/10/29(日) 22:40:34
すまん。予知を予感にしてください。OTL

184 :「虹」「約束」「暗雲」:2006/10/31(火) 21:22:18
虹、永遠に辿り着けない場所。
だけど私は追いつづける。それが亡き母との約束、だから。
約束、母と交わした破る事を許されない物。
絶対に虹の根元へ行く、それが約束。
今、私は気象学を学んでいる。ちょっとでも虹に近づくため。でも虹には永遠に近づけない。
それは母と約束を交わした時には既に分かっていたことだった。それはもしかして母に対する裏切りだったのかもしれない。
母の口癖は「いつか虹の真下に行くの」だった。
母、彼女は天然馬鹿だった。私はそんな母を恨んでいた。
そして…母は死んだ。最後まで母はあの口癖を呟き続けた。
まるでそれが暗雲の中にあった彼女の人生の最後の光であるかのように。
今、私は母との約束を実現させようと生きている。それが母への弔いだから。
私はいつまでも夢、永遠に辿り着けない虹を追いつづける。

次は「光」「群生」「管理」です

185 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/01(水) 00:55:19
【灯火】

太陽系第三惑星チキュウの衛星軌道上の宇宙船に私は居る。
銀河帝国連盟に属するラデット星系人の私は忙しそうに4本の腕と24本の指を使ってレポート作成中だった。
こんな辺境星域を受け持たされて、もう、かなりの時間が経つ。
銀河帝国の一員への昇格が見込まれる準知性生命体の監視、管理が私の職務。

監視センサーがヒト生命の国家単位での不協感情を感知し警告を放ちはじめた。
「またもや悪性群生特質が出始めたようだ」
「なぜか、この動物達は一定の数に達すると自ら争いを始める?」
「こんな調子では、まだまだヒトが銀河帝国連盟に加われるようになるにはかなりの年月がかかる事だろう…」

       「あっ!」

夜の陸地に小さなきれいな光がいくつか輝いた。
この瞬間、何百万ものヒトの命の灯も消えた。

186 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/01(水) 00:56:53
お題は継続デ

187 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/01(水) 18:38:16
ビジネスマン気取りだかなんだかしらないが、なんともネクタイ姿の似合わない連中だ。
こいつらの体から染み出るまっとうな人間の物でない空気は、形ばかりの布切れで隠しとおせる物ではないらしい。
俺のやるべきことはもう完了していたが、最後まで慇懃な対応はくずさぬ事にした。
もう必要は無いのだが、こいつらがもっとも見たがっていた部屋へと案内してやる。
「こちらです」
静かに扉を開くとまずオレンジ色の光が、続いて群生する植物の青がとびこんでくる。
奴が息を飲むのが解かった。取り巻きのチンピラ二人にいたっては、間抜けな声をあげて部屋に転がり込む。
「す、すげぇ…」
当たり前だ、この部屋がどれほど緻密に管理されているかなんてこいつ等の脳みそでは理解できないだろう。
「商談成立だな」
奴は悪魔の草に魅入ったまま、身の毛もよだつような笑みでそう言った。
俺もその表情を確認して、ニヤケが止まらなくなる。ここまでの達成感、そしてこれから始まる宴を想像すると震えが止まらない。
きっと俺も今、こいつらと同じ邪悪な表情をしている事だろう。

奴の後ろでチンピラが尻餅をついた。もう一人も足元がおぼつかずにフラフラとしている。
そうだろう? さっき盛ったぶんが、そろそろ効いて来る頃なんだよ。
奴は怪訝そうに部下を眺めていたが、何かを察したらしく慌てて俺を振り返る。
だがもう遅かった、流れだした鼻水とヨダレを必死にすすりながら必死に理性を保とうともがきだす。
無理だよ、その成分の力を一番良く解かっているのはあんただろ?
この植物の前で、毅然とした人間が壊れた人形へと崩れていくのを何度もみてきたろ?
お前が俺の姉にした所業を、忘れたとは言わせない。

「慇懃」「宴」「尻餅」


188 :白木の子 ◆q/.rlDgH2c :2006/11/01(水) 18:54:12
「虹」「約束」「暗雲」

 窓の外、東の空がカッと光を放ってから5分後、僕は自転車を走らせていた。
 間違いない。僕はそれを見た瞬間、確信した。
「必ず帰ってくるの」
 一言だけ残して。去年の夏、忽然と姿を消した友達。
 
 帰ってきた。あいつが帰ってきたんだ。

 光の位置から推測すると、今は管理がなされていない廃ビルの辺りか。
 僕が最初に出会ったのもその廃ビルだった。 
 全速で漕ぐと5分と掛からないだろう。
 信号を2つ越え、左折。田んぼの中を突っ切って暫く行くと、
平地の中にぽつんとそのビルは建っていた。
 5階建ての下から3つ目、3階の窓から僅かに光が漏れている。
 僕は正面玄関の割れたガラスの間を潜り抜け、階段を上った。
 そして3階の扉を開けると、そいつはあの時と同じ格好で、そこに居た。
 30cmほどの体躯に、背中から覗く半透明にきらめく翼。
「アシェリー!」
 翼をパタパタとさせ、再会を祝して宙を舞った。
「帰ってきたのですよー!」 
 一般的には「妖精」と呼ばれる精神生命体。それが僕の友達だ。
 ……ただ、そこには一つ、決定的な違いが見られた。
 数。数が違う……。複数、というか群生……、いったいどれだけ居るんだ……。
 部屋の中をまるで電飾のように埋め尽くす妖精の群れ。目がチカチカしてきた。
「……アシェリー、これは一体どういう……?」
 僕が言い切る間も無く、
「お友達方なのですよー!」
 その妖精は嬉しそうに羽ばたいて言った。

次は「トリクロロエチレン」「携帯」「マトン」

189 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/01(水) 21:46:28
またお題が重なったようですね。

>>1の5の通り

>5: お題が複数でた場合は先の投稿を優先。前投稿にお題がないときはお題継続。

次のお題は>>187の「慇懃」「宴」「尻餅」 でいきましょう。


190 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/02(木) 01:43:29
【消え去る顔たち】

携帯の液晶が22時を表示した頃、私は仕事に疲れ果て混雑する急行電車のつり革にぶら下がっていた。
会社でも家庭でも居場所を無くした私は、ふらふらと虚ろな気分のまま途中の駅で降りた。
初めて降りた駅、いつの間にか外灯もない山道を歩いている自分に気づき立ち止まる。
少し先に神社があり、灯りが燈っている。
何かとても懐かしい気持が、灯りの方へ引き寄せる。
不思議な服を着た人間のような妖艶な獣がそこにいて私に微笑みかけ建物の中へ誘う。
慇懃(いんぎん) にあいさつをする魅力的な獣たち。
女形の獣に誘われ暖かい光の中へ踏み入れるとそこは、いろんな形体の獣達の姿。
永遠にも感じられる楽しい宴(うたげ)が始まった。
「ああ…こんなに楽しいのは、何年ぶりだろうか」
かなりの量の酒を飲んだ私は立ち上がろうとして失敗し、ふらついてしまう。
陽気な獣達が一斉にぶざまに尻餅ついた私を見て笑い転げる。
いつの間にか獣に姿を変えた私も気持ちを抑えきれず一緒に笑う…
「確か私には妻と子がいたはずだったな」だが顔が思い浮かばない。
周りを見渡すが獣たちの顔もぼやけハッキリしない。
顔は必要なかった。私も顔を捨て笑い続ける。

「そうか…私の居場所はココだったのか…」


※次のお題は「女子アナ」「配布」「視線」で

191 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/06(月) 15:03:21
ガラス張りの高層ビル、灰色を吐き出す車、途切れる事の無い人波、それらが熱気をゆるゆるとかき回している。
駅前の交差点、炎天下の中その男はもう何時間もそこに居た。
せわしなく通り過ぎる人々に、小さな冊子を配布している。その紙の束には、聖書の言葉が書かれていた。
そう、男は聖職者なのだ。
長年全てを捧げて生きてきた。神の言葉を伝える事は彼にとって誇りであり、幸福な事だったのだ。
ところが今、彼は苦渋の表情をしている。脂汗が額をつたい苦しそうに喘ぐ。そばに寄れば切れ切れに神の名を連呼する、うめきの声が聞こえたろう。
もちろん暑さのためだけではない、彼はここ数日間闘い続けているのだ。

前から若い女性が歩いてくる。神は人を自分に似せて作ったというが、まさに美しい顔をした女性だった。
健康的な細い腕、涼しげなキャミソール、リズミカルに揺れるミニスカート、そしてそこから覗く誘うような白い太もも。
それは光を反射して眩かった。きめ細かく瑞々しい肌。もしも触れたなら、それは吸い付くような感触である事だろう。
男は慌てて視線をそらし、自分に纏わりつく何かを振り払うように強くかぶりを振った。
あぁ神よ…どうか私を誘惑から…
逃げるように泳がせた視線に、次は制服姿の少女が止まる。ラフで挑発的で小悪魔のような姿に、男は再びうめいた。
湧き出すなにかに飲み込まれまいと、助けを請うよう、天を仰ぐ。
ところが目に映ったのは彼が望んだ空ではなく、ビルの壁面にへばりつく液晶画面だった。
タオル一枚を胸に抱いた女子アナウンサーが、湯の中へ体を沈めてゆこうとしている。
彼は知る由もなかったろうが、持って生まれた魅力から男性に人気の女子アナだった。
白い布の、二つの大きな膨らみから目が離せない。いや、彼の誇りのために言うならばそれを睨みつけていたのかも知れない。
手にしていた冊子がアスファルトに散らばった。彼は強い眩暈に襲われていた。
神よ…神よ…どうか私をお救いください…

若い女性は、端整な顔をした男がうわ言を発しながら車道によろめいてゆくのを見た。
男の容姿を盗み見ていた、女子高生のあげた小さな悲鳴が雑踏に吸い込まれる。
やっと報われる時が来たのだろうか。彼は今、神の御腕にいだかれようとしていた。

「聖書」「制服」「眩暈」


192 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/07(火) 14:12:03
【神の教え】

2046年、ブルーカラーの仕事は、ほとんどが知能ロボットに換わりつつあった。
長く、求職中だった私も、やっと、やっと、先週、ネットで仕事を見つけることができた。
しかも、今どき、高収入高待遇。
そのおかげで金銭面では楽になったのだが、日常生活では逆に…大変な思いをしていた。
職を得る代わりに《電脳教》への入信が条件になっていたからである。
脳へインストールした《電脳教》の聖書が私の日常を常に監視している。
「あはは!そうよね。バッカじゃないの!!」
前を歩いている超ミニの制服を着た高校生が脳内蔵携帯で楽しく友達と会話している姿が眼に入った。
と、突然、強烈なめまいと吐き気、そして特有の身体が浮き上がるような感じが!「あう・う・う…」

そう!原因はわかっていた。
『汝、悔い改めよ!!情欲を抱いて女を見る者は、すでに心の中で姦淫を犯したのです』
《電脳教》教祖様が悪魔のような形相で私の脳内に罰をくださった。
懺悔を繰り返し、やっとおさまりかけた頃、またも眼の前を全裸に近いブランド服を身にまとった30歳位のスタイル抜群女性が歩いてゆく。
だが今度は、先ほどのような教祖様の眩暈(げんうん)の罰はくだらなかった…

そう!今度も原因はわかったいる。
アイツは、今、社会に急速に増えつつある性転換した・お・と・こ・だから…


※次のお題「高級車」「内容証明」「ATM」で

前のお題の眩暈(げんうん)って難しいよ…

193 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/14(火) 02:40:49
「高級車」「内容証明」「ATM」

 彼はユニフォームのまま巨体を高級車に押し込み、自慢の屋敷へと向かった。
 バット一本で上京して30年。小さな2DKに8人住まいの兄弟たちと、死ぬ気で働いた。
 それから30年…今や球団の名監督で、自慢の屋敷の御主人様というわけだ。

 運転手がドアを開けると、召使、メイドたちが「お帰りなさいませ」と一斉に頭を下げる。
 ずらりと並んだ使用人の中に、まだ学校に行く位の幼い少年、少女がいた。
 
 そんな、まだ子供の彼等の胸倉を掴み、「遅い!」とどやしつけるのだ、彼は。
 「さあ、働くですたい!」と、深夜まで働かせ、メイド部屋で折檻したりする。
 ぶ厚い眼鏡の奥に、醜く鬱屈した光が宿る。「30年前の恨み、晴らしてみせもそ」

 30年前彼を冷遇し、馬車馬の様に扱った者達…その孫がこの子供達というわけだ。
 形勢は逆転した。彼等は没落し、今や彼からの金をATMで受け取る生活だ。

 「おまんらの親など内容証明一枚で…ふぉっふぉっふぉ」
 …厚い頬がどす黒い喜びに歪むのが、自分でもはっきり解る。
 (俺はなんて奴だ。30年間の必死の努力は、こんな事のためだったのか?)
 
 たまりかねて、少年の中の長男がキッと睨んだ。30年前の、自分と同じに。
 その時彼は直感した。自分と兄弟の一生は、この強烈な「動機付け」の伝播のためにあったのではと。

※なんも考えず書いたら、方言がヘン…
 次のお題は:「水着」「液体窒素」「闇鍋」でお願いしまふ。

194 :戦兵衛 ◆1fMkMtE/ls :2006/11/14(火) 14:11:40
誰も人工授精を試験管ベビーと言わなくなったのと同様に
遺伝子選択はデザーナーズベビーといわれなくなった。
今では親は皆どの遺伝子を子供に受け継がせることができるか自分で決める。

精子を預ければ5秒でコンピューターが水着を着た男女の一覧を生成してくれる。
これは将来の子供の姿というわけだ。
適当なものが無いと思えば液体窒素で保管された他人の遺伝子を導入することも躊躇しない。

現代において子供を作るというのは大きなリスクなのだ。
全てを運任せで選択するという闇鍋にも似た方法で子作りをする親は少ない。
しかし、そんな昔ながらの方法に拘ってみようと思ったのには理由があった

195 :戦兵衛 ◆1fMkMtE/ls :2006/11/14(火) 14:12:42
次のおだい
「消毒液」「GDP」「愛の契り」

196 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/14(火) 16:32:57
【ハイリスク・ハイリターン】 ※↑の続編考えてみました。

「これは、もちろん強制ではありません。が、しかし日本国の将来の為、是非決断を…」
日本国政府からある提案を受けている二人がいた。
現在、日本を始め先進国の子供のほとんどすべてはデザーナーズベビーとして産れていた。
容姿、知能、社会性資質、その他、どれをとってもひと昔前の子供と比べようも無く優秀だ。
今年、結婚をし、初めての子供を創るつもりの智子と清はクリニックを訪れていたのだ。
2週間後、消毒液の独特な匂いの大気中を歩き、クリーンルームへと導かれる二人の姿があった。
準備が整い、歩きはじめたその通路の先では、建物の中とはとても思えない程の地平線が見えるのではないかと思える程の広大な施設が待っていた。
そこは、智子と清と同じく審査をパスした多くの若い男女の日本人が暮らす世界だった。
ココで二人は、初めての子供を、すでに失われつつある高リスクの受精形態、自然な形の肉体関係で。

最近、デザーナーズベビー社会の大きな問題点が指摘されてきた。
それは、つまり天才が生まれなくなったためだ。つまりは秀才だけではダメなのだ。
国のGDPの数値は停滞していて、国力の維持、更には上昇へ向う目的をと国家的プロジェクトが計画された。

ひそかに政府に因る軽い洗脳処置を受けていた二人は、この夜、抑えきれない強い性欲求を起こし深く淫らな愛の契りを交わした…
隔離された特別な世界で繰り広げれれる、自然な常態での子供の誕生が果たして…人類世界を更なる一段階上の高みへと導く天才を生み出してくれるのだろうか。

197 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/14(火) 16:35:30
次のお題は「虫けら」「時代遅れ」「全力疾走」で

198 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/14(火) 21:30:00
おしい

199 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/15(水) 03:09:18
「言われなくなった」のに続編で言いまくるのは変だろう

200 :閻翁鸚哥丸鬱男:2006/11/15(水) 16:56:34
    /\___/ヽ   
   /''''''   '''''':::::::\
  . |(_),   、(●)、.:| 200ゲト
  |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| 
.   |   `-=ニ=- ' .:::::::|  
   \  `ニニ´  .:::::/
   /`ー‐--‐‐―´\


201 :「虫けら」「時代遅れ」「全力疾走」:2006/11/15(水) 18:15:11
――虫けらにだって命はあると、ガキの頃よく歌っていたなと、ビデオを観て思い出した。
 あの頃は信じて疑わなかった――いや、“命”という言葉の意味を理解できていなかっ
たのだから、信じることも、疑うこともなかった。
 ただ、先生から教わった歌を、オウムのように唄っていただけで。意味なんてこれっぱ
かしも、考えなかった。
 人間も、獣も、昆虫だって命は等価。命に変わらず、全ての命に上下はない。
 それは嘘だと知った。……命は等価ではない。
 時代遅れのビデオデッキは、いい加減ガタが来ているのか。どんな操作を指示しても、
いちいち壊れた音をたてる。巻き戻ししている間などは、テープが切れるのではとすら考
えてしまう。実際、何本かのテープは、停止の際にブツンと切れた。もはや三本しか残っ
ていない、亡き息子の姿を映したテープが、ぎゅるるると激しい音ともに全力疾走して巻
き戻っていく。
 息子と。息子を殺しておきながら、たった13年で仮釈放された男の命が等価なわけがな
い……。

 ――巻き戻しの音が部屋中に響く、遠くに聞こえるサイレンの音を、かき消すように。


次は「雪」「競争」「うさぎ」

202 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/15(水) 19:52:34
俺は最初、自分が足を止めた事に驚いていた。
気が付けば雪が降り始め、周囲には誰もいない。それまで気にならなかった寒さが急激に体を襲って来る。
スタートの号砲が鳴ったのは何時のことだったか。
今となってははっきりとは覚えていないのだが、俺が誰よりもいち早く走り始めたのは確かだ。
走り続ける事の厳しさや、立ち止まらせようとする誘惑に負け、数多くの仲間達が脱落していった。
俺はそれらを目にして、ますます自分を律し前だけを見据えた。
どんな犠牲をもいとわずに来たおかげで、俺はこの競争のトップを死守してこれたのだ。
辛く厳しい道だったが、充実感にも溢れていた。
それなのに何故俺は今、足を止めたのだろう。

吐く息が綺麗なほどに白い。聴こえるのは自分の荒い呼吸と雪の落ちる音だけだ。
俺は初めて、後ろをゆっくりと振り向いた。
そこにはうっすらと消え始めた、一人分の足跡だけがあった。
そうだ、友も家族もかえりみずに走り続けた来たではないか、静かなはずだ。
もう一度前を向いたが、もう雪のカーテンで先が見えなかった。
俺はもう動けないだろうと悟った。
そうか、俺は気が付いてしまったのか。この道にゴールが無い事に。
ゆっくりとその場に腰を下ろす。動きを止めた体をみるみる雪が覆う。不思議と穏やかな気分だった。
そっと瞼を閉じた俺は、途中でついてこれなくなり足を止めてしまった妻の、うさぎの様に腫らした赤い目を思い出していた。

「誘惑」「呼吸」「不思議」


203 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/15(水) 22:23:22
 中学の頃、公園の隅に、屑同然の雑誌を見つけたのを今でも覚えている。
 裏表紙なのだろう。泥でまみれた表紙の中に、微かに車のヘッドライトの部分が見える。
 何の雑誌なのだろうか。僕は、誘惑に駆られ近くにあった棒を拾い、それを巧みに駆使し、雑誌を開いた。
 驚きで、呼吸が止まった。
 中身はいわゆる、エロ本というものだった。
 あの時、僕は不思議と興奮して、その中身を必死なまでに凝視していた。
 カラーの写真で飾られたページは、性行為を生々しく写真の中に収めているものだった。
 男と女が激しく舌を絡ませ、必死なまでにお互いの身体を貪っている。そんな描写ばかりが、載っていた。
 あまりの過激に、息は詰まり、周りに人がいないか確認していたのは一番恥ずかしい思い出だ。
 カラーの写真が終わり、後は泥水を吸って変色した、文章ばかりのページになり、僕はもう一度カラーの写真を再び眺めた。
 それを何度も繰り返していると、どこかで物音が響いてきた。僕は、その音に心底驚き、その場を走り去った。
 次の日、再び雑誌を見に公園へ行ったのだがあの雑誌はどこかへと消えていた。
 あの雑誌は、どこへいってしまったのかわからない。あの時から僕はエロ本に興味を持ち始めて、親にばれないように集めだした。
 今では、溢れ返り、処分に困った本を公園の隅に捨てにきている。きっとあの雑誌を捨てた人も同じ事をしていたのだろう。
 いつも通りにエロ本を捨てにきた僕の視線の先には、僕の捨てたエロ本を必死に眺めている少年が居たのだった。

「明日」「信号機」「時計」

204 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/16(木) 22:52:54
>僕はもう一度カラーの写真を再び眺めた。
詰めが甘い

205 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/17(金) 14:40:12
【さやかの秘密】

今年で中学生になるウチのひとり娘のさやかは、昔、よく、迷子になっていた。
ショッピングモールへ行った時など、さっきまで眼の前にいたと思っていたのに、行方不明になり、みんなで探すと売り場の前に突っ立ってじっと時計に見入っていたことがたびたびあった。
さやかが時計を好きな訳は多分、長い針と短い針の規則性、時を刻む機能的な部分とか、そういう部分に惹かれていたのだろう。
そんな可愛らしかったさやかも最近、様子がおかしい。
学校で…友達関係で何か重大な悩みでもあるのだろうか…

そんなことを考えながら車を走らせていた今年46歳になる長山武は手前の信号機が黄色から赤に変わった所で…
車内のデジタル時計は14時40分15秒を表示シテイタ…

今年で中学生になる私は、昔、よく、迷子になっていた。
ショッピングモールへ行った時など、突然、行方不明になったと、父や母が大騒ぎし探しまわり、売り場の前に突っ立ってじっと時計に見入っている私を発見するパターンがたびたびあった。
私は別に時計が好きなわけではない。
時計の長い針と短い針が規則正しく動くさまをジッと見つめているうち私にはある能力があるのにきがついた。
つまり、私には時を…時間を…ある一定の枠内で制御できる力を持っているのである。
それが面白く、昔は、よく時の流れを遅くし、行方をくらまし父や母を驚かせて楽しんでいたのだ。
そんな時もあった…でも…もうそんなことはどうでもよくなった。
すべてを終わりにしたかった私も周りもこの世界すべて…

そんなことを考えながら学校からの帰り道、今年12歳になる長山さやかは商店街のアーチに設置されている大時計を見つめ全能力を使い…
大時計は14時40分を指したところで時を止めていた…

この世すべてが停止した…さやか自身も…そう、もう明日は来ない…永遠に…

206 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/17(金) 14:42:54
次のお題は「迷信」「ジャンケン」「四季」で

207 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/17(金) 17:10:50
「迷信」「ジャンケン」「四季」
「ほら、信ちゃん。クラシックなんか全然知らないじゃん。」
俊夫は勝ち誇って甲高い声で言った。
侮辱された信一はぷるぷると震え怒りを抑えながら答える。
「俊、だいたいお前がマニアックな曲ばかりをかけるからだろう」
「マニアック?ヴィバルディの『四季』が?有名だよ。タッタッタータラター。
ハハハ、きっと、信ちゃんがいつも馬鹿にしている太一や明だって知ってるよ。
ラジオやレコードぐらいあいつ等の家にもあるからね。
信ちゃんはいつも何でも知ってるって顔して偉ぶっているけど、
本当は知らないことも沢山あるんだよ。」
俊夫は中学に上がってから、勉強もスポーツもその他なにもかも、
ほとんど運としか言いようのないジャンケンですら勝てない信一に、勝った。
貧乏な信一の家にはレコードもラジオもないことを知っていた。
『四季』を知らないことは信一の非ではない、そんなことは分かっていた。
それでも、信一の知らないことを自分は知っている。俊夫はその喜びで、
世界の王にでもなった心地よさだった。
頬の筋肉をこわばらせ、嬉々とする俊夫を信一は眺めている。
「人を笑いものにした奴は、いつか自分も笑われる。」
信一はぽつりと言った。
それは、信心深い老婆の迷信めいた忠言のようだった。



208 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/17(金) 17:13:04
次のお題は「スカート」「風向き」「動揺」

209 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/17(金) 17:45:08
205 グダグダ
207 おもんない


210 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/20(月) 20:39:09
【いやーん】

こうして人の多い通りを歩く時、いつも私の心は動揺し、鼓動は高鳴り、顔がほてる。
学生でもなく20歳をとうに過ぎている私がセーラー服を着て短いスカートをはき、歩いている。
スタイル、マスクには、自信がある。
比較的童顔で高校生としても十分に通用する自信もある。
でも…やっぱり恥ずかしい…でも、やめられ無い、私の密かな楽しみ。
170cm近くある私…通りすぎた中学生の男の子の視線が感じられた。
「ああっ!」前から歩いてくるオヤジの眼線は、私のスカートからのびる素足…そして少しだけ大胆に広がった胸元に向けられているのがはっきりとわかる!!
気づかない振りをして歩く。
その時、予想もしない風向きと強さの11月の風がいたずらをしかけた。
「きゃっ!」と思わず声が出てしまった。
スカートが見事に踊り、お気に入りの下着をさらけ出した。

顔を真っ赤に染めたまま、足早に自宅へかけ戻る、わ・た・し…

辺りを気にしながら階段をかけあがり、すばやくカギを開け、部屋の中に入るセーラー服姿の女性の影。
そして『第2よもぎ荘』の203号室、ドア表札には、仲田忠行と、そう、書かれていた。

26歳、会社員。休日の唯一のお楽しみは《女装》

211 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/20(月) 20:39:52
次のお題は「木枯らし」「喧嘩」「強化ガラス」で…

212 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/21(火) 23:15:50
ありがち

213 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/22(水) 05:47:16
私のところにはかつて、一流企業に勤めるバリバリエリートのクライアントが通院していた。
自分だけが真に理解しうる友人だと彼は言っていた。
そんな彼はあるときこういった。
「自分に自信がなくなるときがあります。そんなときは自分自身と喧嘩をするんですよ」
「自分に怒っているとやがてやる気がわいてくるんです・・・」
わたしはそれを聞いて木枯らしに吹かれたかのごとく、急に切なくなったのを思い出した。
彼は一見、外部から丸見えであるようだったが決して他人を心の内には入れなかった
今彼はどうしているだろうか、今でも心を強化ガラスで囲っているのだろうか?

私はコンビニの前でうつろな目をして座っている少年をみて、ふと彼を思い出した。


214 :213:2006/11/22(水) 05:55:01
あ、お題忘れました「株」「ディープインパクト」「金さん銀さん」

215 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/22(水) 17:00:05
私は今回一点買いで勝負していた。
「この馬こそ世界のTOPにふさわしい名馬だ」「負けるはずがない、負けようがない」
私は心のなかでそうつぶやいていた。心は躍っていた。
秋・凱旋門賞スタート。しかしそこからの記憶は、断片的に切り取ったワンシーンのよう。
金さん銀さんの西洋版みたいなのが、頬を真っ赤にし、手を取り合ってはしゃいでいる様子。
跳びあがる紳士風の男、come on!という声、fuck!という罵声も聞こえた。「きゃー」という声も。
私は?私は多分、いや、確かにそのとき泣いていた、不覚にも。肩を震わせ下を向き嗚咽していた。
株で負けたときはもっと大損だったがこんな気分にはならなかった。
私はあの馬に、ディープインパクトに、なにを託していたのだろうか、なにを重ねていたのだろう?

時計、ファイル、植物

216 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/22(水) 19:45:14
age

217 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/22(水) 22:47:36
 アパートの隣に越してきたのは、何とも不可思議な老夫婦であった。彼らはいつも
決まった時刻に部屋を出て、決まった時刻に帰宅する。一分一秒の狂いもなく、
ドアノブの回る音が聞こえるのである。
 私は机の上に置いてあるクリアファイルを手に取り、そこに挟まれた一枚の紙切れに
目を落とした。「4:44」。私が初めて彼らの不可解な習性に気付いた時に残したメモ
である。彼らは毎日、午前4:44に家を部屋を抜け出し、午後4:44に部屋へと戻ってくる。
この意味深な時刻は一体何を示しているのか? 私の中でふつふつと盛り上がりつつ
あった好奇心は、今ついにその頂点に達した。幸い私の顔は彼らに知られていない。
現在の時刻は4:39。私はいつも通りのラフな服装で、問題の時刻がやってくるのを待つ。
逸る気持ちを抑えつつ、玄関の扉の内側に立ち、ひたすら耳を澄ましていた。やがて私の
腕時計は4:44を指した。その瞬間、隣室のドアノブの回るガチャリという音が聞こえた。
扉の開くキイという音に続いて、「ぼははは」という不気味な笑い声が起こった。間もなく
扉の閉まる音がして、二人分の足音が聞こえ始めた。私はいつものように鍵穴から外を
覗いた。どこにでもいそうな、地味な服装を身にまとった老夫婦の姿が目に入った。
二人は間もなく通過した。私は高鳴る胸元に手を当て、固唾を飲み下してから、思いきって
玄関の扉を開けた。その瞬間、何かの植物のような香りが鼻腔をくすぐった。それは
私にとって、いまだかつて嗅いだことのないほど心地よい香りであった。そのあまりの
心地よさにしばしぼんやりとしていると、遠くでまた「ぼははは」という不気味な笑い声がした。
私は本来の目的を思い出し、笑い声のした方向に歩き始めた。と、
「ぼははは」
 私は我が耳を疑った。遠くにいるはずの老夫婦の笑い声が、なぜか背後から聞こえて
きたのである。おそるおそる首を後ろへ振り向けると、そこには満面の笑みを浮かべた
老夫婦が立っていた。老人は笑顔を崩さずに、黙ったままこちらに右手を差し出した。
その手には一本の花が握られている。先程嗅いだ良い香りが、鼻腔を強く刺激する。
「お花畑はまだ早い。これ一本で我慢しておけ」
 そう言い放った老人は、もはや笑ってはいなかった。

   次のお題 太陽、船、月

218 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/23(木) 00:20:17
一人娘の照子が実家に戻ってきてもうそろそろ2年になる。
抜けるような青空に誘われ、久しぶりに家族3人近くの公園にやってきた。
妻とにぎやかしくバドミントンをする様子を遠くからみてふと昔のことを想った。

悩みに悩んだ挙句離婚を決意したのは照子の方だった。彼女は子供の産めない体だった。
身の回りの整理を全て終え、照子が家に戻ってきたのは12月25日クリスマスの日、
私たちは玄関まで娘を向かえに出た。
いつも笑顔を絶やさぬ脳天気な娘だったが、家に戻ってきた姿を一目見、これがわが娘かと
目を疑った。私は「絶句する」ことをこのときは初めて体験した。
妻はみるなり「ごめんね、ごめんね」と照子の足元に泣き崩れた。
「お母さんは悪くないよ」力ない声が聞こえた。
私は照子を元気づけようとサンタの格好をしていた。
「なに?それ」
みんなを明るく照らす太陽のようになってほしいと願ってつけた名前の持ち主は
目に涙をため力ない笑みを、しかし精一杯の笑みをこちらに向けてくれた。
私は思わず上を見た。綺麗な満月が涙でゆがんだ。

ハンカチ、化学、政治

219 :218:2006/11/23(木) 00:23:00
あ、船が抜けてる
公園でバドミントンを船旅に換えて読んでおくんなせぇ、スマヌ

220 :218:2006/11/23(木) 00:30:08
冒頭部分のみ以下に変更しまうす、度々スマヌ

一人娘の照子が実家に戻ってきてもうそろそろ2年になる。
私たち家族3人は、なけなしの年金をはたいて船旅の最中だ。
デッキで妻とにぎやかしく会話する様子を遠くからみてふと昔のことを想った。

221 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/23(木) 00:47:45
良スレage

222 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/23(木) 03:25:06
夜もふけてきたことですし、最後はちょっと珍しい「腹黒いおじさんたち」を
つくるレシピを紹介してお別れでーす

まず国を憂う、ぴちぴちの若者を適宜用意しまーす。
次にこの若者を利権という甘い汁にしばらく漬けておきまーす。
若者が十分に甘い汁を吸ったことが確認できたら、政治という名のハンカチでくるみまーす
次がミソでーす。みんなメモしてちょ
永田町という名の保管庫でしばらく寝かせるだけでいいのです。
彼らは利権と政治が織り成す絶妙な化学反応を永田町でじかに体験してどんどん膨れていきます。
やがてあーら不思議、国憂の士はすっかり姿を変え、ここに立派な腹黒いおじさんたちのできあがりでーす
おいしくないかも・・・
ちゃお!

父親、マイケルジョーダン、千利休

223 :222:2006/11/23(木) 05:19:24
おはやうおじゃりまする
固有名詞出してしまってスマヌ、テンプレよく読んでなかった
自分でカキコして決着とします

僕には3人のお父さんがいました。
最初のお父さんと最後のお父さんはお母さんと僕をたたくばっかりしました。
真ん中のお父さんは、優しかったけど病気で死んでしまいました。
今日は優しかったお父さんとの思い出を発表します。
僕とお父さんはBSをよく見ていてマイケルジョーダンを応援していました。
マイケルジョーダンには、髪の毛がなくて、お父さんにも髪の毛がありません。
でもお父さんのは癌という病気をなおすお薬のせいなんだよ、と教えてくれました。
またお父さんは、お茶の先生をしています。僕が、お父さんは誰に教えてもらったん?と聞くと
千利休っていう大昔の人がお父さんの一番の先生なんだよと教えてくれました。
お父さんはそれからすぐ入院して死んでしまいました。お父さんと話す時間は短かったけどお父さんみたいに
優しいひとになろうと思います。

よしゆきはなくしたと思っていたはずのこの作文に目を通すと、この父親の葬儀のあとポツリ母が
もらした言葉を思い出した。「・・・幸せな時間って短かいねぇ」
階下から娘の呼ぶ声がする。「お父さーん、ご飯だよー」「はーい」
よーし今度の休みは家族でどっか出かけよう、よしゆきは思った。

辞書、ねじ、タオル

224 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/23(木) 23:00:24
「贈り物」

僕は試験の勉強が忙しく、彼女をかまってやるひまがない。
デートと言えば近くの公園でぶらぶらするくらいだった。
「はい」そんな彼女から高価な辞書をもらったときは驚いた。「おいおい、どうした?」
「そのかわり受かったらいっぱい遊ぼう」彼女はバイトして貯めたお金で買ったのだと言った。
僕はその辞書を片手に懸命に勉強し、見事試験をパスした。
彼女に吉報をメールし、その夜受験仲間と居酒屋で盛大に合格祝いをやった。
どこをどう歩いたのだろう、僕は気がつくと知らない女の子と自分の部屋にいた。
バスタオルをまいた女の子が僕の隣に座ったとき、部屋の扉があいてシャンパンを手にした彼女がそこに立っていた。
彼女はシャンパンをそっと置き、目も合わさず「おめでとう」とポツリ言うと急いで出て行った。
僕は酒でフラフラになった体をあちこちぶつけながら必死に彼女の後を追った。
よく彼女とじゃれあった公園まできたときには彼女を見失っていた。
部屋に戻ると誰もいなかった。玄関にはひっくりかえった工具箱から、あたり一面にねじが散乱していた。
僕はそれを見て大声で泣き崩れた。

ロボット、横綱、ホームシック

225 :ロボット 横綱 ホームシック:2006/11/24(金) 17:25:48
とうに陽の落ちた教室で、三人の少女は恐怖に身を震わせ続けていた。
指を吸いつけ離さない十円玉が、ロボットのように文字をたどり続ける。
「お」「か」「あ」「さ」「ん」「ど」「こ」
「お」「う」「ち」「か」「え」「り」「た」「い」と。
思えば、あの注連縄。張った結界が逆だったのだ。正しい注連縄は左ない。
右ないになわれたそれは、何らの効果を発揮しない。横綱の綱に、聖化の力は
ないのだ。
「もうやだ、お母さん助けて」
とうとう、一人が泣き声を上げた。
「お」「か」「あ」「さ」「ん」「た」「す」「け」「て」
十円玉が滑る。

「お母さん」
「お」「か」「あ」「さ」「ん」
十円玉の此方と彼方、互いに互いを縛りあいながら、ホームシックの情念は
連なり渦巻くばかり。

次は「魔王」「ナパーム弾」「取扱説明書」で。

226 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/25(土) 06:26:29
「不運な乞食」

公園のベンチで夜を明かすこの乞食は、今日66歳の誕生日を迎えていた。男は夢をみた。
遺跡を調査している。するとなにか文字のようなものが彫られている、石版を見つけた。
男はそれを手にとると、おもちゃの取扱説明書でも読むかのように、すらすら読み上げた。
そんな自分に不思議がりながら、男は目を覚ました。今年の梅雨は長雨だった。
新聞紙ごと雨に濡れた体は冷え切っていた。男は震えながら、用を足しに便所に向かった。

便所から出ようとして、ふと鏡を見ると、左の頬になにかついている。「ん?文字?」
男は驚いた。夢の中にでてきた文字だった。思わず読んでみる。「※▲>××」
突然、焼付く様な感覚が体にひろがる。「・・・なんじゃこりゃ。」次々石版の文字が頭に浮かんだ。
そのひとつを口にする。今度は目も眩むような光の球が手の平から地面に落ちた。
・・・気が付くと、周りは見渡す限り、更地になっていた。
ナパーム弾1000発一度に破裂させても、こうはならないだろう程に、きれいさっぱりと。
男はニヤけながら、闇夜にただひとりたたずんで、次に浮かぶ言葉を待っていた・・・。

この男はのちの歴史書に「いつわりの魔王」として紹介されている。歴史書にはこうある。
『・・忌まわしき数の並びが、偶然魔界の扉を開けたのだ。彼は「選ばれし者」ではなかった。
彼は「言葉」を制御できず、あるとき自ら「滅びの言葉」を口にし彼は霧散した。』

恋慕、憐憫、愛情

227 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/28(火) 01:16:16
「恋慕」「憐憫」「愛情」

 「ま、次期の寮長殿にだ、我々先輩からも卒業課題を一つ…と思ってね」
 指を鳴らすと、手下が、薄汚れた大きな布袋を、部屋に運び込んだ。
 「この位の課題、君には楽勝だろう。あばよ!」

 野卑た笑い声を残して上級生が立ち去った後、彼は中身を見て仰天した。
 毎朝、教練に出る貧しい彼を、飾り窓から見ていた彼女、その人だったのだ。
 もっとも、当時の彼の立場では、恋慕う事すら叶わぬ相手ではあったが…

 (見ないで!)口は塞がれていても、彼女の目が、そう叫んでいた。
 あの時のドレスは形もなく、一枚きりの部屋着から、寒さに荒れた指がのぞいている。
 可哀想に…彼は憐憫の情を禁じ得なかった。

 かつてこの指が階上のピアノを奏で、戸口に耳をつけては、それに聞き入ったものだ。
 思えば当時の彼には、扉を開け、もっと聞かせてと言う勇気さえなかった。
 それが今や、「卒業課題」。悲惨というか、ラッキーというか、残酷な偶然と言う他ない。

 「よーし、卒業課題、がんばるぞー!」「あ、あなたという人は…開いた口が塞がりません」

 とはいえ、こんな偶然って数学的にアリ!?
 「愛情表現が不器用な彼へ気遣い」という方が、まだしも説得力が…


※ドイツ人が「ラッキー」(w
次のお題は:「戸惑い」「超伝導」「便秘」でお願いします。

228 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/28(火) 05:17:20
「戸惑い」「超伝導」「便秘」

1911年は、ヘイケが超伝導を発見し、
アムンゼンが南極点に到達するなど科学の進歩が目覚しい反面、
ドイツ帝国によるアガディール事件など緊張が高まりつつある年だった。
ウィーンに絵葉書などを売って生計を立てている一人の青年がいた。
生活は比較的安定していたが粗食で堅いパンばかり食べていたせいか、
便秘に悩まされていた。
彼は真面目で、毎日図書館に通う勉強家だった。
ある日、彼はとあるプリマドンナに一目惚れした。
生まれて初めて抱く気持ちに彼は戸惑いつつも、
次第に生活費を切り詰めてまで劇場に通うようになっていった。
だが、そのプリマドンナはユダヤ人の実業家と結婚してしまい
劇場から姿を消してしまった。
彼はひどく絶望した。
気の弱い彼は彼女の歌う姿を見ていられれば幸せなのだと自制してきた。
そのささやかな願いが踏み躙られた思いがした。
神よ、愛する母だけでなく彼女の歌まで私から奪うというのか。
彼はそのユダヤ人を憎んだ。
それは静かではあるが、底無しの深さだった。

10年後、彼は国家社会主義ドイツ労働者党の党首として日本に新聞報道で紹介された。

「ソビエト」「将校」「女子高生」

229 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/28(火) 15:54:26
今日のもうけはっと・・・ざっと23万か
さあて、今日はどうすっかなぁ・・昨日は飲みにつかった。おとついは・・・
俺ゆうじ25才、職業は自称ニートレーダー、これってニート+デイトレーダー
の造語、俺が考えた。
ポリシーは、人のために働かないこと、宵越しの銭はもたないこと
「きーめたっ、今日は久しぶりに風俗いこ、風俗」
トレーダー仲間のやすしにtelする
「おおおおっす」「どやった?」「まあまあかな?」
たあいもない会話の後、本題をきりだす。「ok」
オキニの店の名は、SMクラブ「ソビエト」、オプションは将校コスプレと決めている。
若い子が多い店だが、一説には本物の女子高生がいるとかいないとか。
しかしこないだは、厚化粧のおばはんが、腹のオニクをタプつかせながら登場。
これにはまいった。俺は本来Mなはずなんだが、そのときばかりはSで応戦。
今日はやすしを人柱に、俺は「残りものには福」の作戦。
今日はヨロシク頼むぜ・・・

「水晶」、「鏡」、「おじいちゃん」


230 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/29(水) 05:30:54
ソビエト無理やりすぎw

231 :「水晶」、「鏡」、「おじいちゃん」 :2006/11/29(水) 15:29:34
あたしはキレイなものが大好きで、ママの宝石箱ちゃんとはとても気が合う。
宝石箱ちゃんが不思議な力を持っていることは、あたしだけの秘密だ。
宝石箱ちゃんはフタを開けると鏡がついていて、ママの色々な指輪やネックレスが詰まっている。
その中に、ママったら昔の恋人にもらった指輪も入れていた。
パパがあげたダイヤの指輪なんかよりもずーっと石が小さくて、見るからに安っぽい。
美意識の高い宝石箱ちゃんは、そんなちゃちな指輪を見るのも嫌だったから、
この前、とうとう鏡のなかに飲み込んでしまった。
あたしはママがパパ以外の人から貰ったものを大切にしているのがキライだったから、
内心喜びながら鏡を覗き込んでみると、指輪が水晶になって、鏡の奥でキラキラ光っていてキレイだった。
――そっか、キタナイものは宝石箱ちゃんに飲み込んでもらえばキレイになるんだ。
あたしはワクワクしながら電話をかけた。
「もしもし、おじいちゃん?今度の日曜、遊びに行ってもいい?」
しわしわでよぼよぼなおじいちゃんをキレイにしてあげるから、待っててね。

次のお題「トイレットペーパー」「花束」「かつら」です。

232 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/29(水) 15:33:42
「水晶」、「鏡」、「おじいちゃん」

おじいちゃんは時々ぼくにこう言った。
「わしらにポル・ポトを非難する資格なんて無い
確かに酷い目にあわされたが
わしらがそれに加担したのは事実だ。
字が読めることを隠し、隣人を密告し、処刑する側に立って生き延びてきた」

ポル・ポト時代のことを悔やみ続けながら、彼は去年息を引き取った。
彼は砲弾の破片が目に入り、水晶体を傷つけ左目を失明していた。
未処理の地雷に手足を吹き飛ばされた人も大勢いた。
みんな傷ついていた。
あれから随分時間が経ったのに、僕達はまだあの悲惨な時代を引きずっている。
悪いのはポル・ポトだけなのか?
恩赦を与えられたクメール・ルージュは?
クーデターを起こしたロン・ノルは?
カンボジアに侵攻したベトナムは?
ポル・ポトを支援し続けた中国は?
直接手を下した多くの少年たちは?
贖い切れない大罪は今も僕達を苦しめている。

「鏡を見ることができない」
祖父の言葉を僕はよく思い出す。

「アジア的」「優しさ」「彼女」

233 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/29(水) 17:12:18
【二人の秘密】

そろそろかなーと考えながら彼を待つ女性がいた。
結婚を前程に付き合い始めて1年あまり今日あたりプロポーズが来そうなのだ。
あっ彼だ!
花束を持ち現れた彼。
超高額ではないがそこそこの高給の職に付き、趣味も私と合うし、将来の計画もしっかり持っている。
レストランのメイクルームの鏡に向い心を落ち着かせたあと、彼の待つ席へ。
食事を済ませ、彼からのプロポーズに笑顔でうなずく私の視線はいつものように彼の瞳から頭部へ移った。
かつらなのは、とっくに知っているんだけど…あえてそれには触れないの・・・それが私の優しさ!かな?

よし!今日決めるぞ!と考えながら彼女の待つ表参道へ向う男がいた。
結婚を前程に付き合い始めて1年あまり今日こそプロポーズが出来そうな雰囲気。
あっ彼女だ!
アジア的などこか異国風の顔立ちを持つ魅力的な彼女。
レストランの便座に座りトイレットペーパーを流し立ち上がり心を落ち着かせ彼女の待つ席へ。
食事を済ませた後の、プロポーズに笑顔でうなずいてくれた彼女を見つめる僕の視線はいつものように彼女の顔全体に…
整形してるの!とっくに知っているんだけど…あえてそれには触れないョ…それが僕の優しさ!かな?

234 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/29(水) 17:14:49
>>231>>232のお題含めて創りました。

次のお題は「電子レンジ」「崖っぷち」「寒波」で

235 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/29(水) 18:19:29
記録的な寒波の襲来でぼくは崖っぷちにたたされていた。ぼろ小屋住まいのぼくは、
精神的にも肉体的にも追い詰められていた。このぼろ小屋はところどころに穴が開いており
そこから吹く寒風によるダメージは伊達じゃない。
あと何日待てばいいのだろう……。

この家屋は、先祖代々受け継がれてきたものなのだ。俺の代で潰すわけにはいかない。
それが俺の親の遺言だった。畜生、つまらない遺言残しやがって。
でもまあそれはいい。それよりあんな大きな借金を残しやがって、このボロ小屋の
修理費にあてる金もない。おりゃあ不幸中の不幸な人ですよ、畜生。

それでもなんとかこの悲惨な状態をのりきれるのも、この前、ゴミ捨て場に捨ててあった
電子レンジをストーブ代わりに使っているからだ。これで俺の体温はなんとか保たれている。
畜生、はやく春よこい……。

「ウクレレ」「片思い」「粘液」

236 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/29(水) 22:16:18
もの凄く遠くで音が鳴っている。それが段々段々、近く大きくなっていく。
やがて悲鳴に近い大音響に変化した時、彼はようやく目を覚ました。
ぼんやりした視界の中で腕を伸ばし、ベッド脇の目覚まし時計を立て続けに3つ止めた。

数分間の静寂が訪れる。
やや明瞭になった彼の意識は、今が土曜の午後の5時38分であることを認識した。
彼は身体を起こして袖をまくり上げ、しげしげと自分の肌を眺める。
皮膚はかろうじて皮膚の形を保っているが、いつ何時あの懐かしい「緑色の粘液」に変化してもおかしくはなかった。
(もう本当に時間がない…)

彼は着替えるとレストランに急いで向かった。彼女とは7時の待ち合わせだった。
駅へ向かう途中の路地裏で、薄汚れた老人がウクレレを小脇に抱えて虚ろな目で佇んでいた。
その情景はなぜか、今の彼に強烈な印象を残した。
(やはりこのまま…片思いのままで終わらせた方がいいのだろうか)
彼女のシアワセを考えて彼は逡巡した。

=========================================================================================
次は…
「瑠璃色」「煙草」「贈り物」で…

237 :1/2:2006/11/30(木) 05:17:13
「瑠璃色」「煙草」「贈り物」

王は軍服のポケットにある毒薬の瓶を握り締めた。
王の軍隊は先の戦いで致命的敗北を喫した。
王は軍の半分を失い、あわや自分の命も失うところを親衛騎兵に助けられた。
この戦争が始まって何年目になるだろうか?
長引く戦争の荒廃に皆苦しんでいた。
首都に敵が迫ればもはや跳ね除けることは不可能だった。
緒戦の輝かしい勝利はすでに色褪せていた。
私はきっと亡国の王として永く蔑まれるだろう。
いや、記憶にさえ残らないのかも知れない。王はそう考えていた。
王はパイプをくわえ煙草に火をつけた。傍らには王を救った親衛騎兵がいた。
王は彼にパイプを渡すと毒薬の瓶を取り出し、彼に尋ねた。
「国家の僕として為すべきことはなんであろうか?」
彼は答えた。
「ただひたすら自分の役目を果たすことです。
高慢で尊大で理想ばかり高く、我々にはいつも皮肉ばかりを言うひねくれ者。
それが陛下の役割です。
例えどんなに繊細で心優しく、王と言う役目を心の底から嫌っていても、
幕が閉じるまでは演じ続けるのが陛下の為すべきことです」
随分な言い様だとは思ったが
勇気付けられた王は毒薬の瓶をポケットに入れて将軍を呼びつけた。
「軍を再編する。今すぐだ」
「負傷兵が多く士官も不足がちです。再編には時間が掛かります」
「時間が無い。繰り返すぞ、今すぐだ。至急大至急!」
命令を終えると王は親衛騎兵に言った。
「煙草を嗜む時間さえ惜しい、そのパイプは君への贈り物だ。
私を救った褒章を出すまではそれで我慢したまえ」

238 :2/2:2006/11/30(木) 05:18:40
プロイセンの短い夏の夜明けの空は瑠璃色だった。
フリードリヒ二世は七年に渡る戦争で
オーストリア、ロシア、フランス、スウェーデンを撃退し
ドイツ帝国の礎を築いた大王として、今も我々の記憶に残っている。

「尊大」「皮肉」「庇護」

239 :死神:2006/11/30(木) 11:11:26
「尊大」「皮肉」「庇護」

ブクブク太った腐った豚が蝿を呼び寄せる・・
腹の中に狂った感情を詰め込んで、今日もその口は食うか泡飛ばすかに忙しい。
猫はネズミをくわえる。
ニヒルな庇護の下、だっら〜、と涎にまみれて虚ろな眼。
そして、ギリギリと泡を吹く。
馬鹿は強者に絞られる。
カラカラ。
引きつった口元が甲高い音を漏らす。
響鳴。
不自然に明るい陽光が不自然な場に注ぎ込む。
ザァーーーーーーーーーーー
皮肉な景色のオンパレードが、いやはやケバケバしい。
平和な日だ。
暗殺者は豚をくらい、豪快に笑う。
依頼者は暗殺者を裂き、尊大に笑う。
猫にメシをやらねば。
今日はステーキが食いたい。
スシよりは。



次題:「神」「悪魔」「人間」

240 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/30(木) 15:26:23
【教え子】

はるか未来。
人類は、あらゆる面で進化、進歩を成し遂げることが出来、そして…ついに…

太古の昔からその存在には、触れては、いたが確信を持って認識することが出来なかった二つの絶対的生命と今、同一空間上に相対していた。

それは、神と悪魔。
人間を前にして神は言った。「おお!!ついにあなたたちは私の導きの元、生命の精神的高みの場へと現れたのですね」
人間を前にして悪魔も言った。「おお!!我が邪悪な精神を持つ真の友よ!よくぞ!我と会話し得るこの場へと現れた。共に語ろうではないか。」
肉体的にも精神的にも大幅な自己変革技術を使い能力を増大させている人間は堂々とした姿で神と悪魔の前へ立ち言った。
「お前らが我が人類を長年苦しめていた存在か!!なんと!小さき魂よ!」
そう言っただけで人類の代表である5メートル余りの巨体を持つ1人の人間は、対話を打ち切り歩き去ってしまった。従事であるロボットが一礼をして後に続き、その場はシーンと静まりかえった。

残された5次元空間には、まったく相手にされずに唖然とする神と悪魔の姿があった…

241 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/11/30(木) 15:28:02
次のお題は「ヤンキー」「ノートパソコン」「伝統」で…

242 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/30(木) 17:36:56
「ヤンキー」「ノートパソコン」「伝統」

ハミルトンは必死にノートパソコンのキーを打った。
「くたばれチンカス野郎!
ママのプッシーかお友達のヤンキーのディックが恋しいか!
どうしたベイベー!かかってこいよ腰抜け野郎!
ファックとドープのし過ぎで一口サイズのウインナーソーセージが腐り落ちて
念願の玉無し野郎になったのか?
どうしたホラ?セント・パトリックで懺悔して来いよ!
『薄汚いブタ野郎のボクはママと寝ました』ってな!!」

ハミルトンはタイムを計った。悪くない。
事務仕事に慣れてない彼はキーを打つのが遅く、
オフィスでは仲間の足を引張りがちだったので
こうやって密かに練習していたのだった。
彼はきっちり3分30秒蒸らしたダージリンを口にした。ストレートだ。
「ふむ、やはり英国紳士の伝統のティータイムが落ち着くな。
コーラばかり飲んでるからアメリカ人は品が無いのだろう」
そう呟き、彼はタイプ練習用の罵詈雑言を考えていた。

「聖」「教会」「撃沈」

243 :白木の子 ◆q/.rlDgH2c :2006/11/30(木) 18:44:24
 水鉄砲大戦全国大会決勝。大会会場は悪魔の聖域こと名古屋駅。今日、その地は血で染まった。
 毎年、大会優勝は一つのチームによって阻まれていた。
 チームの名は、「バナナ教会会員クラブ」とふざけた名前ではあるものの、
その戦力は他の軍勢とは比べ物にはならない。
 まずチーム員の上限は十人というルールがある。地方大会止まりのチームならば、
せいぜい十人集めてウォーターサブマシンガンが限界であるが、奴らはてんで違う。
 2千もの無人戦車軍団。その黒い集団は町を蟻の様に埋め尽くすという。
 そしてチーム員の乗る巨大ロボがその脅威の象徴だった。
 しかし僕らが、今日。その伝説を打ち破った。
 突如として現れた新生チーム「よいこの顔面巣窟」。地方大会を一人も倒れる事無く勝ち進み、
決勝で初めて、バナナ野郎たちと対戦する。そう、僕らのチームだ。
 作戦は既に立ててある。戦車を使う所までは同じだがプラズマ粒子砲を主砲とし、その攻撃力は半端ではない。
 そして巨大ウォーターカッターを装備した戦闘機艦。もはや無敵だった。
 戦車を次々と破壊し、試合が終わるまで30分と掛からなかった。
 

 千四百万と少々の金額が掛かった。今は後悔している。

244 :白木の子 ◆q/.rlDgH2c :2006/11/30(木) 18:46:02
次は「H2SO4」「マッハ」「新地開拓」にて

245 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/30(木) 20:24:02
感想欲しい。
書き合わないか?

246 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/30(木) 21:03:57
>>245
こっちへどぞ

この三語で書け! 即興文スレ 感想文集第12巻
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1140230758/

247 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/30(木) 23:16:16
「薫ちゃん?あのね、今日なんだけど僕、もし薫ちゃんが――」
突然通話が途切れた。
薫は焦った。いくらボタンを押しても携帯の電源は入らない。
こんな時に電池切れかよと毒づきながら舌打ちをする。
通りすがりのおじさんが思わず振り返ったが、薫はお構いなしにもう一回大きく舌打ちした。今日は『新地開拓』する日だ。
胸騒ぎがして、M高校の東門目指して薫は猛ダッシュした。薫流に言えば、マッハで駆けつけた。
東門で学と落ち合う予定になっていた。がしかし、そこに学の姿はなかった。
「えーっと確か、コードネームH2SO4ちゃんだっけぇ。せっかくだがこのシマは渡せねぇなぁ」
ガラの悪そうなマッチョ野郎が嫌らしい声で話かけてきた。薫の背中に虫唾が走る。
「かわいい弟くんは、大切に預かって可愛がってるから安心しなよぉ、なぁ?」
薫がそこまで聞くと、軽く微笑みながら鮮やかな光速並みの重たい蹴りを股間に食らわせた。
あまりにあっけない結末だった。マッチョ野郎の子分に捕らわれえていた学を救出した後、薫はおもむろに尋ねた。
「電話の続きさ、気になるから教えなよ?」
一瞬間があって、学は青白い顔にいつもの優しい気弱な笑顔を浮かべながら囁くように言った。
「あのね、今日なんだけど僕、もし薫ちゃんが勝ったら、大好きだから薫ちゃんに死んでもらおうと思ったんだ。ばいばい」

=========================================================================================
次…
「電卓」「林檎」「いぶし銀」

248 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/30(木) 23:17:17
最近のの話でぜんぜん乾燥ないじゃん。。。
ここ書き逃げ乾燥町スレなのか?

249 :名無し物書き@推敲中?:2006/11/30(木) 23:19:17
>>248
個人的には感想なんてなくても気にしない。自己研鑽のために書いてるわけで。。(w

250 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/01(金) 03:53:52
「電卓」「林檎」「いぶし銀」

スチュアートはこの分隊のリーダーだ。
勇敢な古参兵でいぶし銀的存在感がある。
マイケルは分隊支援火器を担当している。
体が大きく力持ちで頼り甲斐がある。

この部隊は志願兵のみで構成されている。
誰に背中を任せても安心できそうだ。
戦争はすぐ終わるだろう。
死傷者を数えるのに電卓は不要だろう。
太平洋の向こう側への軽いハイキングだ。
皆そんな気持ちでダナンに上陸したんだ。

スチュアートは僕に分隊の指揮と妻へのメッセージを託して死んだ。
マイケルは僕にバイクのカスタムショップの夢を託して死んだ。
そして僕は、二人から託されたことを何も果たせないまま
遠いベトナムの地で命果てようとしてる。
エミリーの作る林檎と洋梨のパイは最高だ。
せめてもう一度食べたかった。

「遠い」「異国」「淡い」

251 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/12/01(金) 14:06:03
【命の終わり】

人類のふるさと、地球から遥か遠く離れた戦闘母艦の中で私は産れた。
私は最前線の起動歩兵223分隊配属の兵士、後、数分で敵エイリアン母星への降下がせまっている。
不思議だったが今、恐怖心は無かった。
軍による洗脳処置の効果なのだろうと思う。

この部隊は優秀遺伝子をもつ強化機械歩兵のみで構成されている。
誰に背中を任せても安心できそうだ。
この戦争はすぐ終わるだろう。
異型の化け物エイリアン退治の軽いハイキングだ。
皆そんな気持ちで惑星P66678に降下したんだ。

ナンバー775541は僕に分隊の指揮と仮想妻へのメッセージを託して死んだ。
ナンバー990567は僕にバイクのカスタムショップの夢を託して死んだ。
そして僕、ナンバー447098は、二人から託されたことを何も果たせないまま この異星の地で命果てようとしてる。

そういえば、小さい時のプログラム記憶で父から聞いた事を思い出した。
5世代前の地球内戦争時代、遠い異国のべ・と・な・む??ってトコで死んだ遠い祖先の事を…
そしていつも食べていた僕の家系で受け継がれている林檎と洋梨のパイの最高の味のことも。
せめてもう一度食べたかったなあ。

圧倒的不利な戦況である敵母星の淡い輝きを静かに見つめる戦闘統括マザーコンピューター。
マザーは直ちに全滅した第一波攻撃部隊を複製させ再編成の準備にはいった…

252 :かえっこ ◆vKR9dNUc2M :2006/12/01(金) 14:09:45
>>250さんの書いた話の未来。異星人との戦場での話し書いてみました。

次のお題 「日本晴れ」「交番」「ハンカチ」で

253 :「日本晴れ」「交番」「ハンカチ」:2006/12/01(金) 19:15:13
 マユくらいの年齢になると、好きな男の一人や二人はできる。
意中を伝えるにはプレゼントしかない。彼女は決心した。
 その日は文句なしの日本晴れだった。
「いいお天気ですね」
 交番前に立つ警官に、マユは知る限り最高に大人びた言葉をかけた。
彼は桜の紋をマユに向けてニコリと笑った。交番の中から老警官が、
ニヤニヤしながら出て行く。
「やあマユちゃん、こんにちは。今日はどうしたのかな?」
 二人はもう何度か会っている。会う度にマユの思いは強まって今日に至るのである。
「あの、あの。これっ」
 といって取り出したのがピンクのハンカチだった。この日のために買った、
マユにとっては最強の告白アイテムである。
「ああ。じゃあちょっと中に入ってくれる?」
 やった。とマユは思った。毎日一緒に遊んでもらおう。ブランコとかママゴトとか、
これからの二人の時間を大切にしよう。マユはドキドキしていた。
「いつもありがとうね。またここにお名前と住所書いてくれる?」

次「ボール」「みかん」「雪」

254 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/02(土) 12:23:36
「ボール」「みかん」「雪」

貴方と過ごせて本当に良かった。
辛い時も楽しい時も一緒だったね。
一緒に映画を見たり、時には少しエッチなこともしたね。
わたしの体調が優れない時貴方はいつも文句を言いながらも私を懸命に看てくれた。
いつも文句を言いながらも私を守ってくれたよね。
仕事も一緒に頑張ったね。
貴方は誤字が多かったけど、それも今ではいい思い出。

そして、五度目の雪の季節が来た。
この季節は嫌いじゃないよ。
美味しそうにみかんを食べる貴方を眺めるのが好きだから。
でも、今はとてもつらい。
これで最後だって分かってるから。

もう限界なんだって分かってた。
僕は君の電源を二度も交換した。グラボも換えた。
CPUの調子も悪いって分かってるけど、君の規格に合うものはもう無かったんだ。
HDも不良セクタだらけだ。おまけに筐体のネジも無くした。
君はツギハギだらけでかろうじて生き永らえてる。
本当はいつ死んでもおかしくない状態なんだ。
僕はもう何もしてあげられない。

泣かないで、貴方は一生懸命頑張ったわ。
ほら憶えてる?マウスがボール式から光学式になった時のこと。
最初は辛かったけど、すぐに仲良くなれたじゃない。
新しいわたしが来ても同じように仲良くしてあげてね。
ありがとう、今まで一緒にいてくれて。
わたしのこと忘れないでね、わたしは確かに生きていた。

「共通」「規格」「二度」

255 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/02(土) 14:21:38
[世の中のイケメンばかりがかわいい女の子と仲良くして、我々ブサイク集団は
ブスさえ相手にしてもらえない。今こそ世の中の女の子を規格統一化し、
我々のこの悲しみをこれ以上増幅せぬようにするのだ」
「博士、名案です」モテナイ研究所の助手は言った。
「しかし博士、現実的にどういった手段で、この不条理な社会にメスを入れるのですか?」
博士は少し頭をうつむけると、10秒程経ち、助手の目を見た。
「大丈夫だ。考えはある」
「大丈夫ですか博士。なんか勢いで言っていませんか?」
「んん? けしてさっき女にふられてヒガミでこんなことを言っているのではないぞ?」
「博士……、語るにおちるとはこのこと……」
「何を言っているかね君。とにかく、我々達のような種族がこれ以上悲しみにくれないように
女という生き物を共通化し、この不公平な社会を平等にするのですよ?」
 その時、助手のポケットからチラリラリと携帯電話の音がなった。
どうやらメールのようだ。
 助手は内容を確認すると、博士に申し訳なさそうに口を開いた。
「すいません……、彼女からで、今から会えないかだと?」
「何? 彼女を持ってる人はこのモテナイ研究所に足を踏み入れたらいけないのですよ?」
「すいません。昨日できたばっかりなんです」
「まあ仕方ない。とにかく、彼女の写メかなにか携帯に入ってないのですか? 見せろ」
「これです……」
 助手は博士に携帯を渡した。
「なるほど。これはエビちゃん似。……・二度とこの研究所に足を踏み入れるな!!」

「朝礼」「道化」「みかん」

256 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/02(土) 15:14:07
夕子が朝礼で倒れた。
いつもの貧血かと思ったが、どうやらそうではなかったらしい。
救急車が呼ばれるという「大事件」に、生徒数100人にも満たぬ田舎の中学校は騒然となった。

放課後、帰宅部の連中と誘い合わせて見舞いに行った。
靖雄の家の裏山から盗んできたみかんと、弘美の家の水屋にあった羊羹を手土産に。
正直僕らはこのちょっとしたイベントにわくわくしていたんだと思う。

その気分が一気に萎んだのは田中診療所の受付に着いた時だった。
受付兼看護婦兼亮太の母ちゃんが面会謝絶と告げ、僕らは一瞬固まった。
奥にある病室の方では10人くらいの人間が慌ただしく動いている気配がしていた。
……10人? この診療所には先生を入れても4人しかいないはず。

首を傾げつつ病院を出た僕らの頭上でいきなりヘリコプターの爆音が響いた。
診療所の裏庭に降り立ったヘリから到底医療関係者に見えない黒服の男達が降り立つ。
きっかりその1分後にストレッチャーが運び出され、夕子が運び去られた……ように見えた。
何故なら運ばれていたのは黒い死体。抜けるように白かった彼女とは似ても似つかぬ醜い物体。

それから45分後、戒厳令が敷かれ僕らの街はきれいさっぱり焼き払われた。
一人怪物の僕だけを残して。
ごめんな、夕子。遺伝子レベルまで擬態したつもりだったのにこんなことになって。
異種交配の危険性は重々承知していたはずなのに、結果として君を殺してしまった。
好きだったよ。心から。

257 :256:2006/12/02(土) 15:16:25
道化が抜けてた。

×遺伝子レベルまで
→道化のような姿のこの星の住人の姿を遺伝子レベルまで

お題は継続で。

258 :白木の子 ◆q/.rlDgH2c :2006/12/02(土) 17:40:12
「朝礼」「道化」「みかん」

 先程僕はみかんを持っていた、右手に。何故みかんなのか? そんなの簡単だ。
 昼に食べようと思って学校に持ってきたやつだ。
 問題はそこじゃない。考えねばならないのは何故それを右手に握り締めていたのか、という事だ。
 今になっては、右手の中で潰れたみかんが酸性のおいしい果汁をぽたぽたと床にたれ落ちていき、
当然それを握っている手はべたべたして気持ち悪い。
 そして僕は朝礼にみかんを持っていった男として、生徒からは道化扱いされ、現在は先生の前に立たされ説教をくらっている。
 先生も、朝礼にみかんを持っていく、といった事件は始めてらしく説教の言葉に困っているようだ。
「……なんでみかんなんか持って行ったんだ?」
 まあそう来るだろう。まあ何でかと聞かれても大したことは言えないが。
 返答に困ってふと右手を見た。ぐっちゃぐちゃになった果実はもう食べられそうに無い。……あれ?
 あ、……僕は気付いてしまったのだ。その真実に。
「……先生、これはみかんじゃない。いよかんなんですよ!」
「……馬鹿者」

次は「ジュラルミン」「シューベルト」「JIS」で

259 :「ジュラルミン」「シューベルト」「JIS」:2006/12/03(日) 05:41:57
リヒャルト・ゾルゲはアルプス上空でシューベルトのピアノソナタ21番を聞きながらランチを楽しんでいた。
ここはツェッペリン──ジュラルミンで外殻を構成したドイツの硬式飛行船──の食堂室。
ゾルゲはフランクフルター・ツァイトゥング紙の新聞記者である。
というのは隠れ蓑でソ連の諜報機関であるGRU(グルー)の諜報員である。
主な任務はドイツ共産党員と本国の連絡と政党調査である。
最近ファシズム勢力が増しているのが気になるところである。
「相席よろしいかな?」
スーツを着た男がゾルゲの向かい側に座った。
「失礼しますよ。今日は天候がよろしいようですな」
その男はゾルゲに封筒を渡した。
それを受け取りゾルゲは内容を確認した。
「天候はよろしいが、私の気分はいまいちだ。これは左遷かな?」
「いや、避難と言ったほうが正しいな。JISは君を疑っている」
JISとはI(ヨシフ)・J(ジュガシヴィリ)・S(スターリン)の頭文字を組み合わせた言わば暗号である。
「私が二重スパイであると?」
ゾルゲは聞き返した。
「俺はそうは思わないが粛清リストに君の名前が載る日は遠くない」
「ふむ。つまり気遣いってわけか」
コミンテルンに忠誠を誓い、熱心に仕事をこなしてきたゾルゲにとって納得できるものではなかった。
「新しい赴任先の日本はそう悪いところじゃないさ。
何よりJISの手がそこまで伸びないのは何事に換えても素晴らしい」
「任務を果たすだけさ」
ゾルゲはそっけなく答えた。
「それでは失礼するよ」
男は席を立った。そして、立ち去り際にこう言った。
「あまり仕事熱心になるなよ。これは友人としての忠告だ」
ゾルゲは食事を続けた。

1933年、リヒャルト・ゾルゲは日本に潜入した。
ゾルゲ事件の8年前の話である。

「スパイ」「美女」「教員」

260 :「スパイ」「美女」「教員」:2006/12/03(日) 23:33:07
「教育とは、国の根幹をなす基礎的事業である。」
何かの本でそんな文章を読んだことがある。
俺はもっともだと思った、だから、だからこそスパイである俺はここで教鞭をとっている。

敵国にスパイを送り込み、小学校の段階から少しずつ「こちら側」の思想をすり込んでゆく……。
考えてみると気の遠くなるような作戦だ。
しかし教職というものは世間的に無条件である程度の信頼を得られ、したがって工作活動には有利に働く。
合理的な話だ。けれど最近はそのような風潮も弱まり始めてはいるが。

それに教員というのは案外と儲け物な職業だと思い知らされた。
俺と同じ時期に新任としてやって来た女教師がいる。
彼女はたいそうな美女で、三年前、忘年会が終わった後、俺は手を付けてしまった。
いわゆる送り狼というやつだ。
そしてやがて俺たちは結婚した。美人で働き者の妻、そして子供にも恵まれた平和な家庭。
妻と子供を守ろうと誓った。もう祖国の命令などどうでも良い。

それから二十年後の現在。敵国の工作員の妻に洗脳された私は、逆スパイとして働いている。


「酒」「銀色」「中年」

261 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/04(月) 21:51:37
「酒」「銀色」「中年」

(俺は幻覚を見ているのか。目の前に手のひらにでもちょこんと乗れそうな
妖精がいる)タカヒロは思った。
 妖精は喋った。
「タカヒロさん、こんにちは。僕はビールっ腹の精。酒の臭いに染まったかすみを
食って生きているんだ。あなたのお腹からは、大量の酒にそまったかすみが発生して
僕にとってはとても居心地がいいんだな。あ、僕に気にせず、タカヒロさんは生きてて
いいから」
「何勝手なこと言ってやがる。お前みたいのが目の前でうろちょろしてたら、
うざったらしくてありゃせん」タカヒロは言った。
「じゃあ、格好を変えて、あなた好みに変わってあげましょうか? 目のの保養になりますよ。
ウシシ」
 そう言うと、妖精はぱっと光って、次の瞬間、ロングヘアの谷間のあるビキニちゃんに変わった。
「んー、いかにも中年がでれでれしそうな格好でしょ?」
「つーか、お前、女だったのか?」
「おいらは男でも女でもないス。妖精だから」
「だったら、そのビキニの中どうなってるんだよ」その時タカヒロの口元からヨダレが垂れた。
「中身もバリバリあなたの好みを反映させてますが、別段見せるものでもないでしょう。
人間に欲情されても、妖精の私にはキモイおっさんにしかうつりませんから」
「おっさんか……。おれももう中年といっても差し支えのない歳になったなあ」タカヒロは寂しそうにそう呟いた。
「何言ってやがる。おっさん」


262 :261:2006/12/04(月) 21:52:38
 タカヒロは、kビールっ腹と言えるような腹が脂肪で隆起して、Tシャツがめくれておヘソが
外にでていた。片手で酒ビンを握っており、酒飲み横丁を歩く彼は、
自分で中年といっても差し支えのない歳だななどと呟く前に
誰がどう見ても中年の臭いを漂わせていた。
 タカヒロは、酒飲み横丁に一軒店を構える『クラブ・ママ』ののれんをくぐった。
「あら、タカヒロさん。こんばんわ」ママさんは黄色い声でタカヒロに挨拶した。
「おう、今日もきたぜ」タカヒロはニヤケタ顔をして言った。
 銀色の着物をまとったママさんは、一段とまぶしくタカヒロの目に焼きついた。
(今日もまぶしいぜ、ママさーん!!)
「……」妖精は黙って見てると、ワル知恵を思いついたように口元を上向きにあげた。
「タカヒロー」妖精は黄色い声でタカヒロを誘うように呼んだ。
 妖精はビキニの胸の部分の水着を外した。
「ぎょっ」
(思わず親指と一指し指ではさんでみたくなるそのオッパイ。中年のワシには
グッとせまるもんがあるじゃい)
「お、ついに自分で中年と認めたな、おっさん」
「じゃかあしい。エロは時に人をおっさんに変えるんや」
「タカヒロさん、……あの、えと、一人で何喋ってるんですか……?」ママさんが不気味そうに
タカヒロに尋ねた。
(ママさんにはこいつが見えないのか?)
「いやあ、最近シャブやりだしたせいで、このところおかしくて頭が」
「タカヒロさん、冗談になってないです」

「不当」「スイカ」「アニメ」

263 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/05(火) 15:43:22
艶やかで質量感溢れるボディ。瑞々しさを主張する緑のストライプ。
テーブルの上のスイカは、さながらモデル立ちする夏娘のような魅力を振りまいている。
それを眺める事しか出来ない我が妻と娘は、じっと押し黙っている。
そろそろ娘の好きなアニメの始まる時間なのだが、動こうとする気配はない。
二人の目が俺にすがるように訴える。
「パパ、どうする? なんとかならない?」
ここは父として頼りになる所を見せてやりたい、いつものように娘の期待に答えてやりたい。
しかし正直言って俺の中でも、ほぼ手は尽きていた。

家で一番大きな包丁の刃先を、なんとかこじ入れようとしてみたが、鎧と化した緑の皮が頑として受け付けてくれなかった。
アイスピックの様にして突き立ててもみたがことごとく跳ね返され、手元でも狂わせ怪我をするのが目に見えているのですぐに止めた。
物置から木刀を持ち出しスイカ割の要領で叩いてもみたが、一発で俺の手の方が痺れてしまった。
なんなんだこの不当な程の堅さは… これもう果実ではない、さながら鋼鉄の玉だ。

今までにも娘の突飛な行動には幾度と無く驚かされてきたが、スイカを丸ごと冷凍庫で凍らせるなんて完全に想定外だ。
「アイスになるかなと思って…」
シュンとしながらそういった娘を、俺は抱きしめてやった。
こういった柔軟な子供らしい発想は、大事にして欲しいと思うのだ。

そして今、氷の玉は電子レンジの中で回っている。
あまり気乗りはしないのだが、まぁ残された手段といったらこれくらいだろう。
そして俺は、好奇で目を輝かせながら一緒になってレンジの前で回っている娘をツマミに、ビールを飲んでいる所だ。

「期待」 「冷凍庫」 「好奇」


264 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/05(火) 16:39:36
人というのは、他人にきびしく自分にやさしいものである。
誰も自分の欠点はみえにくく、他人のそれは的確に指摘する。
しかし長く生きていると、こちらを気持ちよくしてくれる殊勝なひとも
少数ながらいることに気付く。そんなひととの出会いに期待しながら、
好奇心を持って人と接するから、わずらわしい人間関係もある程度こなしてきたのだと思う。

昨今の自殺騒動を鑑みるに、なんと短絡的に行動するものかなと胸が痛くなる。
自ら命を絶つなど言語道断。生きてさえいれば、やがてどうにかなることがほとんどである。
関わりのある他人の多くは確かに、辛らつで冷ややかであろう。特に思春期だと傷つきやすい
こともあるかも知れない。二度と他人になど心を開くものか、と思うときもあろう。
しかしそれでも思い切って相手のふところに飛び込んでみろ、といいたい。

冷凍庫みたいに冷たいやつだと思っていた相手が、なかなかどうしていいやつだった、
なんてこともままあること。
そんな経験を少しずつ重ねながら、ひとは成長していくのだと思う。
閉じこもっていたって世界は広がらない。悩みはなくならないのだ。
頑張れ若人よ!未来は君たちのためにある

師走、ボーナス、おでん

265 :「期待」 「冷凍庫」 「好奇」 :2006/12/05(火) 17:11:52
僕は非常に追い詰められている。
突然背中をナイフで刺されたかのような衝撃だ。
彼女が僕に好意を持っているとは思ってもみなかった。
薄々と感じていたものは好奇心程度だと思っていた。
彼女が僕に好意を抱いていることはいいのだが、僕には全くその気が無い。
断るのか?
いや無理だ。この様子なら間違いなく泣き崩れるだろう。
自分を偽り彼女と付き合う?
確かに彼女は美人だ。だが、そんな器用なことができるならそもそもこんなに悩まない。
彼女の背中をナイフで刺して冷凍庫に?
それは犯罪ではないか!
曖昧な返事をしておいて、状況を把握、分析し完璧なタイミングを待って断る。
つまりは逃げだ。それしかない。
返事を待たせればそれだけ状況が悪化する。急げ。
「これは政治的判断を必要とする難しい問題だ。
関係各国との調整も必要になる。故にこの場では返答しかねる」
よし、いいぞ。かなり曖昧に誤魔化せた。
そうだ。僕は天才だ。いつだって危機を切り抜けてきた。
彼女はどうやら唖然としている。ハハハ、期待通りだ。見事に煙に巻いた。
あ、あれ?彼女が泣き出したぞ!そんな馬鹿な!
まさか、僕がしくじったというのか!?
僕は天才ではなかったのか、いつも危機を乗り越えてきたのではないのか。
天才の僕がこんなところで挫けるというのか、僕の才覚は?自尊心は?
砂上の楼閣が崩れ去る音が聞こえたんだ。
僕も泣いた。彼女と一緒になって泣いた。たくさん泣いた。
結局、彼女に慰めてもらった。

そして、今僕らは付き合ってる。

「崩壊」「政治」「花束」

266 :「崩壊」「政治」「花束」 :2006/12/05(火) 20:58:55
 自称政治家の卵のナオキは、花組のクラスのメンバーを集め、
一角の大物政治家が何かを演説するように、大声でなおかつ落ち着いた抑揚で喋りだした。
「ピーマンには、おなじみの緑色以外に、赤も、黄色も、ある。たくさんの種類がある。
それは、買う人から許されることだ」
「それでそれで?」右手に絵本を持った女の子は言った。名前はミワコと言う。
眼がねをかけてちょっと頭がよさそうに見える。彼女は絵本をたくさん読んでおり、
花組の中では、ちょっとした知識通だ。
 ナオキはミワコの相槌に気をよくしてまくしたてるように口を開いた。
「ピーマンと同じように、人間にも色んな種類がある。緑色の帽子が好きな人も入れば、
赤や黄色の帽子な人もいる。でもみんなバラバラじゃあいけないんだ。
一致団結して人間というのは強くなるんだ。それがボクの論理だ」ナオキは言いたいことを
言い切って、鼻をフフンと鳴らせた。
「論理ってナーニ?」ミワコはナオキに尋ねた。
「考えをかっこよく言うと論理っていうんだ」
「フーン。なんか言葉が大人って感じがするわ」
「あ、わかるかい? ミワコ君。きみは絵本通だけあって察しがいいよ」ナオキがまた鼻を
フフンと鳴らせた。
「キムラ先生はいるかな?」皮膚が色黒で頭がハゲた男の人が、白いタキシード姿で、
花組の部屋に外から顔を覗かせた。


267 :266:2006/12/05(火) 20:59:26
「あ、車の先生!」花組の誰かが叫んだ。この色黒のハゲた男の人は幼稚園生の
送迎バスの運転手なのだ。
「え? 私ですか? 何ですか?」
「好きです!」そう言うと、色黒のハゲた先生は、背中に隠していた花束を、
キムラ先生の目の前にやった。
 キムラ先生は顔が真っ赤にして口を開いた。
「ちょっとちょっと、子供達の目の前ですよ。何ですかいきなり」
「大丈夫。まだ幼稚園生にはわかりませんよ。それよりキムラ先生! 今晩空いていますか?」
「え? ええ、まあ……」
「ちょっとちょっと!!」ナオキが大きな声をだして割り込んだ。
「困るなあ。見た目が子供だからといって、子供をちんちくりんに扱うような言動は」
 それに続いてミワコも口を開いた。
「車の先生、そういうのを差別発言というのよ。イエローカード一枚! 
よってこの花束は没収ね」ミワコは車の先生から花束を奪うと、目を鋭くしてまた口を開いた。
「それに先生、今晩空いていますかってキムラ先生に尋ねたわね? 知っているのよ。
大人のことは。エッチなことをするつもりでしょ。お父さんの絵本で読んだわ」
(どんな絵本読んでるのよ!?)キムラ先生は心の中でつっこんだ。
「いや、そげんこと言われたらなあ、なあ、キムラ先生。あっはっは」キムラ先生は笑ってごまかそうとした。
 その時、ナオキの目がぴかあんと光った。
「いや、大人の一致団結はいいことだ! 政治的にね。子作りは世の中に潤いを持たせる」
(お前ら、どんな幼稚園生やねん!!)キムラ先生は心の中の叫びだった。
 キムラ先生の頭の中にある無垢な幼稚園生像が音を立てて崩壊するとある日常の風景だった。

「ニワトリ」「手ぬぐい」「宿主」

268 :「師走」「ボーナス」「おでん」:2006/12/05(火) 22:18:54
師走。
師匠も走り回るぐらい忙しいと言われるこの季節。
人々はボーナスが減った増えたと騒ぎ、年賀状、お歳暮、年末商戦、クリスマス、大掃除、紅白歌合戦と大忙し。
しかし、そんな忙しさはわたしとは無縁。
駆け足の人々を横目に眺め、コンビニのおでんに釣られそうになりながら、のんびりと我が家に向かう。
「おかえりなさい。 寒かったでしょ」
出迎えてくれたおかーさんにただいまを返し、居間のコタツに潜り込んだ。

わたしは猫である。
名前は……わすれたけど、まぁいいか。



お題消化。
次のお題は>>267で。

269 :ニワトリ」「手ぬぐい」「宿主」 :2006/12/06(水) 22:20:32
ニワトリのドミトリは真っ赤なとさかを立てて憤っていた。
同胞の卵がフライパンで焙られたり、
同胞の太ももが油で揚げられたりして、
手ぬぐいと一緒に食卓に並ぶのを黙って見ていられるか!
しかし、餌付けされた敗北主義者共は知らぬふりをしている。
奴等は我等を宿主にする獅子身中の虫だ。
ドミトリはこの屈辱的状況を覆すために革命を起こそうと思った。
まず、哲学的思考が必要だ。
ニワトリとは何か?
この疑問がニワトリを革命に導く一歩になる。
次に科学的思考が必要になる。
科学的説明において革命に説得力を持たせるためだ。
最後に政治的思考がものを言う。
同胞を革命に導くための具体論を提示するのだ。

しかし、ドミトリはここまで考えた時に、
一体何にこんなに憤っていたのかを忘れてしまった。
三歩歩けば忘れる記憶力の乏しさ故に、ニワトリは家畜であることに対する疑問を抱かない。
人間がニワトリを家畜化しやすかった理由はここにあるのだ。

「同胞」「革命」「車両」

270 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/07(木) 18:02:30
ふるさとの同胞にあてた手紙にはわざと日付を書かない。
消印と合わせて私がどこにいるか探られないようにするためだ。
私は手紙をにぎりしめ、車の窓から外の景色を眺めた。
どこもかしこも荒れ果て、人々の顔は疲弊しきっている。
「この国は変わらなければならない」

軍がクーデターを起こしたのは3年前。野党の党首が軍と結託し、政権奪取を図った。
しかしその後、軍は野党を裏切り、党首は車両にしかけれらた爆弾によって暗殺された。
国はいまやならずものによって支配され、国民の暮らしは一変したのだ。
私は当時の軍中枢にいた。殺された党首とは幼なじみだった。
彼は革命家ではなかったが、当時の国の状況を常々嘆いていた。彼なら信頼できたのに・・・。
私は彼の遺志を継ぎ、彼に代わってこの国を変える気でいた。

私は手紙を投函しに車から降りた。にわかに銃声が轟き、全身がカッと熱くなった。
気がつくと私は地面に倒れていた。
薄れゆく意識の中で、まっさきに想ったのは国でも友でもなく私の妻のことだった。
「世界中が敵になっても、私はあなたの味方ですから」
私は妻の名を呼ぼうとしたが、もはや唇を動かすことさえかなわなかった・・・。

墨、便箋、花

271 :墨、便箋、花:2006/12/08(金) 15:06:48
彼の死は突然訪れた。
この国で最も愛された愛国者はたった今凶弾に倒れた。
最期に唇をわずかに動かしたが言葉にする前に彼は事切れた。
「この国は変わらなければならない」
それが彼の口癖だった。

彼が最期に贈った手紙と彼の訃報を受け取った彼の同胞は、
恐らく便箋を開きながら怒りに震えるだろう。
多くの国民も怒りと悲しみに包まれるだろう。
その怒りは新たな争いの火種となり、大火となって国を飲み込む。
クーデターから三年、すでに国民の不満は沸点に達している。
墨色の煙があちこちから昇る日は遠くない。
これで軍事政権は倒れる。

私は彼の遺体に花を供え、無言で懺悔した。
政府が関与したように見せかけて彼を殺したのは私だ。
許されたいとは思わない、
だが私が罰を受けるためにそっちへ行くのは全てを見届けてからだ。

「怒り」「懺悔」「鉄道」

272 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/08(金) 16:27:07

「うわああぁぁぁ!!」私は寝汗でびっしょりになって、ベッドから飛び起きた。
あの日以来、悪夢にうなされない夜はない。良心の呵責にさいなまれない日はなかった。
わたしは自分への怒りと彼への懺悔の気持ちでいっぱいだった。

ここ数年の国の混乱によって市民の生活は極限まで追い込まれていた。
私のスナイパーとしての腕を、どこからか伝え聞いた軍の関係者が、私の元をたずねてきたのは半年前だった。
すんなり引き受けたわけではなかった。私も彼が現政権をたたきつぶし、
国を立て直してくれることを期待していた。彼にはその能力があったと思う。
しかし私の現実は違った。私には愛する妻と、養っていかねばならぬ小さな命があった。
多額の報酬と引き換えに、という条件で私は悪魔に魂を売った。
しかしそのせいで・・・。

私は今、鉄道で現政権が居を構える町に向かっている。
私は考えた末、ある結論に達した。彼を奪ったこの銃で彼の願いを実現させよう。
私はライフルケースに語りかけた。「これが最後の仕事だ。」
将軍の演説場所は事前に調べた。最警戒区域のど真ん中でターゲットをしとめても
自分の命はまずないであろう。しかしそれでもやらなければと私は思った。

廃墟、警官、嘘

273 :白木の子 ◆q/.rlDgH2c :2006/12/08(金) 22:34:29
廃墟、警官、嘘

 廃ビル、というよりは廃墟だ。想像していたよりも状態は酷い。
「先輩……、本当にこんなとこで良いんすか?」
 僕は眉を曲げて辺りを見回した。人が居た気配なんかは皆無で、
埃が蔓延して呼吸が幾分苦しい。
「まあ、そんな事言わないで探してみようよ。がんばれ若人」
 辿香先輩元気だなぁ、僕より五年くらい年上のはずなんだが。
 まだ僕は警官になって半年、確かに経験は少ないがこの光景はどうにもやる気を削がれる。
 そんな風にだらだらと部屋を物色する。埃の勢力が強力で、三十分も経つ頃には
いい加減疲れてきた。
「先輩、もう帰りませんか。何も出ないですって」
 部屋の奥、先輩の動きが一瞬止まった。
「……そうだね、もう帰ろうか」
 よっしゃやっと帰れるぜ、などと浮かれていたのも束の間、
「ほら、これ何に見える? 新人君」
 戻ってきた先輩がぱたつかせていたのは、白い粉が入った小さいポリ袋だった。
「……何で分かったんですか?」
「まああんな嘘も見破れないようじゃまだまだだね。 さて気分も良いところで帰ろうか」
「……はい」
 僕は先輩の後ろを脳内でぶつぶつ言いながら歩いた。
 
次は「随筆」「自動調整」「大帝」

274 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/09(土) 05:24:39
最近の採光システムはよくできている。昼であろうが夜であろうが、曇天であろうが
なかろうが、常に快適な照明環境を提供してくれる。それだけではない。
いまや衣食住は全て、オートコントロールされ風邪をひくものなど誰もいない。
TVは3Dホログラムによる番組を放送し、映画等は好きな登場人物になりかわって
その中に入って楽しめるようになった。
全ての乗り物は自動化され、政府の交通システムによって管理されていた。

家には最低でも一台、ロボットがいた。なかでも「サイバー大帝」というロボットは
いろいろ冗談を言いあったり、喧嘩もできた。
が、こんな時代になってもまだ人の感情には謎が多く一日一回、ロボットに触れ
自分のバイオリズムを相手に知らせてやる必要があった。
ロボットはそれで感情プログラムの自動調整を行い、常にこちらと適度な関係を築いていた。
動物は・・・

「ふぁああ〜〜」私は大きくあくびをひとつした。
随筆をと頼まれてたが、今月はこれで勘弁してもらおう。
ふと見ると空が白んでいた。そのままゴロンと寝転んで猛烈な睡魔に身をまかせた。

近未来、伝統、ドラマ


275 :近未来、伝統、ドラマ :2006/12/09(土) 11:57:36
それは最も夢があった時代の話である。
エレベーター、地下鉄、活動写真。
飛行船の実用化に伴い空を飛ぶことさえ容易になった。
人々は、近未来は願えば何でも叶う時代になると信じて疑わなかった。

1900年、パリ、無謀な試みが行われようとしていた。
死者蘇生。馬鹿げた話ではあるが彼らは本気だった。
古代エジプトでは死者は蘇ると信じられ、死体を保存する伝統があった。
ロミオとジュリエットなどのドラマでもたびたび主題に取り上げられた。
彼らもまたこの夢の技術の信奉者だった。
解読したヒエログリフからヒントを得て、
上ナイル地方で捕獲した菌を死体に繁殖させ、
人の活動能力を再生させるのが彼らの方法だった。
しかし、この夢の技術は悪魔の儀式となってしまった。
蘇生された死体は凶暴で、まるで理性など持ち合わせてない。
見境無く人を襲い、その肉を食い漁った。
フランケンシュタイン博士の怪物よりも酷い結果だった。
蘇生した死体は処分され、この技術も封印された。はずだった。

42年、レニングラード(100万人)
44年、アウシュビッツ(120万人)
78年、カンボジア(200万人)
94年、ルワンダ(80万人)
少なくとも過去4回の大規模なバイオハザードが発生した。
この技術は封印などされておらず、どこかで牙を剥いて待っているのだ。

「死者」「技術」「徒歩」

276 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/09(土) 14:01:35
滝のように滴り落ちる汗が体力を殺ぎ、凶悪な藪蚊が全身をくまなく覆い尽くす。
だが構っている暇はない。私は踊り続けねばならないのだ。
狂ったように優雅に、ヴードゥーのリズムに合わせて。

ゲデ祭に遭遇したのは些細な偶然が重なってのことだった。
徒歩でハイチを旅行している途上たまたま親密になった(多くは語るまい)美しい娘。
彼女に許嫁がいたのも偶然ならば、その彼が族長の息子であったこともまた偶然。
彼が私を余所者厳禁の祭に招いた折、慣れぬココ酒で判断力を失っていたのもまた偶然だった。
それが興味本位で覗いてはいけない祭だとわかっていたはずなのに、私は好奇心に負けた。

ゲデは死と生、そして性を司る精霊で、48年に一度顕現すると信じられている。
その節目には贄が供えられ、死者の甦りと生者の長寿、そして部族の繁栄が祈願される。
昔は各部族から人身御供を出していたようだが、余りにも野蛮すぎるということで廃止された。
それはそうだろう。世界中からバックパッカーがやってくるこのご時世なのだから。

かくしてこの私が栄えある節目の贄に選ばれた。
コカインを吸わされた後、まずは女達が 持てる技術を駆使して三日三晩私を弄んだ。
馳走で精を回復させられてからは、生の証として精根尽き果て倒れるまで踊らねばならぬ。
三日踊り続けられれば十分役目を果たしたものと看做されて無事解放されるが――。
期限前に倒れるようなことがあれば、待っているのは速やかな死のみ。

漆黒の闇空の下、うねるような太鼓の音が森に満ちる。
松明が爆ぜ、無数の光る目がじっと私を見つめる。
濃密な黒い人いきれに気を失いそうになりつつ、私は踊り続ける。
狂ったように優雅に、ヴードゥーのリズムに合わせて。

277 :276:2006/12/09(土) 14:04:39
>>276は「死者」「技術」「徒歩」でした。
次のお題は「悠久」「望郷」「号泣」で。

278 :「悠久」「望郷」「号泣」:2006/12/11(月) 00:56:56
ウェルキンゲトリクスとガリア軍が避難したアレシアはローマ軍によって完全に包囲された。
残る食料は30日、援軍のみが頼みだった。
しかし、援軍はカエサルの罠に嵌り壊滅し、包囲突破はもはや不可能になった。

ウェルキンゲトリクスは望郷の念にかられた。
悠久のオーヴェルニュの大地。雄大な山々とそこから溢れる澄んだ河川。
ローマ人には勿体無いくらい美しい故郷だ。
彼は二度と見ることは無いだろうその景色をしっかり頭に焼付け、
ガリア軍の兵士達を前に演説した。
「まずは勇敢で誉れ高いガリアの戦士たる諸君らの健闘を称えたい。
その戦意はいかほども衰えてないことを私は確信している。
だが、不本意ながらこれ以上の戦闘は不可能だ。
私は諸君らの安全を条件にカエサルに降伏する。
私は捕えられローマ人の見世物となって処刑されるだろう。
しかし、諸君らにはガリアのために生き残って欲しい。
ローマに屈することになろうともガリアは不滅だ。
最後まで私についてきてくれたことに感謝すると共に、
勇敢なガリアの戦士たる諸君らを率いてこれたことを誇りに思う。
それではレギオンのエスコートでローマを見物してくる。
ガリアは頼んだ。さよならだ」
ガリア軍の兵士たちは号泣しながら和平交渉に向かうウェルキンゲトリクスの背中を見送った。

前52年、ガリア戦争最大の反抗はこうして幕を閉じた。

「遠征」「突破」「忘却」

279 :白木の子 ◆q/.rlDgH2c :2006/12/12(火) 20:03:25
 「遠征」「突破」「忘却」

 少なくとも今を変えるには、何か大きな事をしなくてはならない。
 僕は自分の部屋で1つの結論に至った。
(そうだな……遠征、と言うよりは家出か)
 このままだと僕は一体どうなってしまうのか? と言う考えを抱いたまま
生き続けるのはもう御免だ。一旦全てを忘却の彼方に置き去ってすっきりしてみたい気もする。
 今行動を起こさなければ……。
 ここで問題が多々ある。まずは経済面だ。高々10万くらいの貯金が頼りだ。それから後はどうするか?
 それに住む所も探さなければならない。まあ暫くは野宿か。
 そして一番の問題は「一体どうやって家から出るのか?」と言うことだ。
 僕の部屋は玄関から一番遠い所にあるため色んな危険にさらされる。途中の居間には大体母と祖母が居る。
家出ともなれば荷物も多いことだろうから、ばれずに外に出れるだろうか?
 でもそこは時間帯等を検討すれば良さそうか。
 はっきり言って家出って結構難しいなと思う。家での出来る人を尊敬する。何故なら、


 僕はヒキコモリだ。

次は「世界」「ユニオン」「顔射」

 

280 :白木の子 ◆q/.rlDgH2c :2006/12/12(火) 23:57:16
家出ともなれば荷物も多いことだろうから、ばれずに外に出れるだろうか?

家出ともなれば荷物も多いことだろうから、ばれずに突破できるだろうか?

すいません、抜けてました。これで勘弁してください。

281 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/13(水) 00:16:29
「世界」「ユニオン」「顔射」

仕事が来た、とケンが電話をくれたのは夕方で、雲の影が
山の斜面に打ち込まれた文字をHOLLYWOまで隠した時だった。
「うちの作品か?」と聞いた俺に彼はすまんと詫びてから、続けた。
「驚くなよ、世界同時上映されるんだって!」
「おめでとう。飲みすぎるなよ」

日系二世のケンは、見た目は東洋人だが日本語はカタコトしか話せない。
俺が平社員の宣伝マンの頃に知り合って、もう十五年は経つ。
ある忍者映画のために忍者役をやれるエキストラはいないかと
ユニオンに問い合わせたのがきっかけだった。
俺がジョージ・川上ですと日本語で挨拶すると、彼はハジマメステと握手を求めてきた。

その電話から半年が経った夏のある朝、再びケンから電話があった。
関係者だけの試写会があるから来ないかというので、俺はありがたく誘いを受けた。
まさかライバル会社で映画を見るとは思わなかったが、ケンのシーンでさらに驚いた。
沈みゆく海賊船から小型ボートで脱出する東洋人奴隷ケンの、
そのたくましい腕に二文字の刺青──顔射……。映画の内容は覚えていない。


next「初雪」「マフラー」「アルバム」

282 :「初雪」「マフラー」「アルバム」 :2006/12/15(金) 16:31:35
アクセルを絞りきる。
マフラーが鋼の馬の咆哮を響かせる。
加速。
加速。
六速に入るまで数秒。
0.4kmは短く長い。
それは一瞬と永遠を併せ持つ。
鋼の馬は一瞬と永遠の距離を駆け抜けた。
タイムは……、悪くない。
加速で狭まる視界では気がつかなかったが初雪が降っていた。
この程度なら今夜のロードレースに支障は無いだろう。
愛馬──トライアンフ・スプリントST──を降りて軽く点検する。

アルバムを開くと俺とあいつが笑顔でVサインしていた。
ロードレースでの相手は単車好きのチンピラ共じゃない。
いつもあいつだ。
加速で狭まる視界にはいつもあいつの背中があったんだ。
きっとこの勝負は終わらないだろう。
鋼の馬から振り落とされて地面を転がり回るまでは。
あいつみたいに。

「加速」「一瞬」「音楽」

283 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/16(土) 10:50:25
崩壊を、食い止めるどころかますます加速させていた。
それこそが政治であると。それが役人の仕事であると。言わんばかりの顔をして。
意味のないものに、湯水のごとく金を費やし、虚栄心を満たす事に専念していた。
課税を強化し、福祉を削り、確信と喜びに満ちた心で、力強く滅びの道を邁進していた。

破滅のときは、すべてを一瞬のうちに飲み込むであろう。
富も栄誉もその命さえも。
いまはまだ、民達の怨差の声が、彼らの耳には甘美な音楽に聞こえてはいても。
その曲に、彼らが合わせて口ずさむ歌も、やがては切り裂くような悲鳴にかわるであろう。

ジョヴァンニ・デ・メディチ。またの名をレオ10世。
メディチ家に生まれ、16歳にして枢軸教となり、
37歳で史上最年少の若さで217代ローマ教皇となった。
人類史の上でも、屈指のエリートといえるであろう人物。
だが、無類の放蕩好きで、わずか10年足らずで先代の蓄えと、
自分の代の税収と、次代の富を惜しげもなく使い果たした男でもある。
いまなお建設の半ばにある、サン・ピエトロ大聖堂の製作を命じた人物、
といえば、少しはそのスケールを測る手がかりとなるであろうか?

いまの世にも、沢山の小さなレオ10世達が支配者として君臨していて、彼を英雄とあがめ、進んで真似をしている。
自らをエリートと称して。それですべてを正当化しながら。
しかし。ローマ教皇であったレオは果たして、神の国に行けたのだろうか? それとも、地獄へ落とされたのだろうか?
とにかく、人は彼の存在を認めなかったようである。
レオ10世の享年は四十七歳。一説によると、死因は毒殺であったという。


「アトラス(ギリシャ神話。大地の果てで天を支える巨人。メデューサの盾で石となり、アトラス山脈となったとされる)」
「猫(哺乳類。人類が最古の友とした動物のひとつ。ネズミを捕まえる)」
「枯葉(秋になり活動を終えた広葉樹の葉)」

284 :「アトラス」「猫」「枯葉」:2006/12/16(土) 22:05:03
私と恋人の話をしよう。

落葉広葉樹からは枯葉がすっかり散ってる季節だった。
彼女は寒そうにしていた。
思わず私は彼女に声を掛けた。これが私達の出会いだ。
そして私たちは同棲した。
私は彼女を愛してしまったのだ。
私は彼女の過去については何も聞かなかった。
過去など興味ないからだ。
彼女は私の寵によく応えてくれた。
小さい体でよく私につくしてくれた。
あの日までは。

それは彼女にとって悠然と聳え立つ天を支える巨人アトラスの様であっただろう。
彼女に無いものを持っていた。
そう、「力」を。
彼女はそれに惹かれたのだろう。
私は悟った。
もう彼女の瞳に私は映らない。
悲しかった。
私はまだ彼女を愛している。
しかし、私は彼女を手放した。
体は留めることができても心まで留めることはできないからだ。
さよならだ。

「きゃあ!可愛い、この子猫カズ君より私に懐いてるみたいだよ〜。
私のうちで飼ってい〜い?」
「好きにするがいい……」
彼女は恋人の家で飼われることになった。
私も「彼女」が持つ「力」には抗えた試しが無い。

「愛情」「力」「破滅」

285 :「愛情」「力」「破滅」:2006/12/18(月) 12:35:04
屋上への扉を開くと、彼女は既に来ていて、
暮れなずむ夕日が辺りを照らす中、長い黒髪を朱に染め、
フェンスにしがみつくかのようにして空を見上げていた。
私は声をかけあぐねたが、ひとつわざとらしい咳払いをすると、
彼女が振り返った。逆光になっていて顔は良く見えない。
「……先生なら来てくれると思っていました」
声が震えていた。私は黙ったままだ。
「あれから、また力が強くなった気がするんです。
もう私にも制御できないぐらい強く……」
そう言って彼女は左の袖をたくって見せる。腕には真新しい包帯が巻かれていた。
「……私、もうこの学校にはいられません。
誰かを傷つけてしまう前に、早く、離れなきゃ……」
そして自分で自分の言葉に傷ついたかのように顔を伏せた。
私はまだ黙っていた。何と言えば良いのか分からなかった。
やがて彼女は堪え切れず、私の厚い胸板すがり付き、そして涙ながらに訴えた。
「でも……、この先に待っているのは破滅だ……と、分かっていても、
それでも、あなただけは、一緒に来てくれますか? 先生……」
そのまま声ならぬ声で泣きじゃくる彼女を優しく抱きしめ、私は静かにささやいた。
「病院へ行こう。な?」
工藤源五郎、通称"熊先生"、教諭暦21年。生徒への愛情ゆえの一言であった。

next「犬」「とまれ」「ギター」


286 :「愛情」「力」「破滅」:2006/12/18(月) 18:50:20
日曜日の事、駄文を書き上げると規制に巻き込まれて書き込めませんでした。
お題は消化されていますが、このままじゃ悲しいので貼るのを許して…

世の中とは力ある者にだけ微笑むものだ。
そして俺が持てたのは腕力のみだった。
大刀を手に戦場を駆け抜ける。
敵は俺の名を聞くだけで恐れおののいた。
我行くところ屍の山。見方には勝利を、敵には破滅を。
金も地位も入ってきたが、それらはあくまで副次的な物だ。
賞賛と血飛沫、それこそが俺の望む物、生の証だった。

民家のベットで手当てを受けて一ヶ月が経つ。
信じられない事に、俺は戦場が恋しくなくなっていた。
ノックと共に小さな顔が覗く。
「おはようございます、お加減はどうですか?」
この家の娘だ。さも心配そうな顔をして部屋に入ってくる。
静かな足音、白い肌、華奢な腕、表情豊かな瞳、愛情と慈しみの心、俺とはまるで真逆の生き物だ。
この娘は見返りも求めずに俺の世話をしてくれている。
「あ、あぁ、だいぶ良くなった」
「それは良かった。でも無理は駄目ですよ? して欲しい事があれば何でもいってくださいね」
ひんやりとした薄い掌を、俺の額にあててくる。
「あ、あのな…」
「お酒は駄目ですっ」
「い、いや、良い天気だな…」
娘の顔にもぱっと日が差した。
「ふふふ、ほんとうに」

自慢の腕力ではどうにもならない。
俺は今、この娘の心を捉える力が欲しくてたまらない。

次のお題は >>285さんの 「犬」「とまれ」「ギター」 です。


287 :「犬」「とまれ」「ギター」:2006/12/22(金) 20:46:01
 新月の夜は、いつもの帰り道をはずれて、家とは違う方向に向かう。路地を抜けた突き当たりに、彼女の住むアパートはある。
夏の盛りには、蛾や羽虫がたかっていた点滅する街灯は、冬の冷気の中で冴え冴えと光っている。どこからか犬の遠吠えが
聞こえてくる。チャイムはないので、ドアをノックする。すぐに彼女が顔を出す。へえ、来たんだ、という表情になる。
「あがれば?」「うん、じゃ、ちょっとだけ」
 いまどき、風呂のない2Kの部屋。小さい折りたたみテーブルの前にあぐらをかいて座れば、彼女がさりげなく灰皿を出す。
煙を吐きながら、古びた部屋を見渡す。彼女の部屋は、ちっとも変わらない。台所から冷蔵庫を開ける音が聞こえる。
「はい」 グラスが目の前に出され、彼女がビール瓶の王冠を開ける。
「すまんね」「いいわよ。チーズしかないけど、いい?」「かまわんよ」
 彼女の長い髪は、黒くて艶がある。美しい女ではないが、髪だけは人一倍美しい。私の髪は、すっかり白いものが混じった。
いや、白髪に黒髪が少し混じっているというべきか。私は、日常の愚にもつかない話を、彼女にぽつりぽつりと話す。彼女は
頬杖をついて、ふんふんと聞く。つけっ放しのラジオからは、アコースティックギターのメロディが流れてくる。部屋にかけられた
カレンダーは、1992年のままだ。彼女の自殺が新聞の片隅に報じられたのは、たしか12月だった。私は、新婚生活をはじめ
たばかりの部屋で、その記事を読んだ。
 とまれ、新月の夜は、彼女の部屋への道が開く。私は彼女の部屋を訪れる。彼女の髪は、訪れる毎に長く美しくなってゆく。
私が家への帰り道を見失うのも遠い日のことではないだろう。

次は「ダウンジャケット」「棚田」「PHS」

288 :「ダウンジャケット」「棚田」「PHS」 :2006/12/27(水) 07:38:53
時計の針が午前二時を指すのを目にした。
「時間外勤務、ご苦労さん。外は冷えるだろう?」
「ええ、まあ――」
応えながら、ダウンジャケットの襟を引き締める。二月の夜は底冷えする。息が白い。
「これが終わったら休みだ。しばらくブラブラして来いや。田舎にも随分帰ってないんだろう?」
電話口の男はしゃあしゃあと言う。冗談じゃない。どんな顔をして帰ればいいと言うのか。一瞬、言葉に詰まる。
さらに二言三言を手早く交わして切った。息を一つ吐くと、PHSをポケットにしまう。
代わりに取り出したマイルドセブンに火をつける。ゆっくりと吸い、吐く。
このタイミングで、煙草を一本燻らせるのがいつしか習慣になっていた。
14階のビルの屋上には、時折風が強く吹き付ける。その度に灰が小さく舞った。
目線の先には、300メートルほどの暗闇を挟んでマンションが建っている。
背丈はこのビルと同じくらい。ぽつりぽつりと明かりが見える。
マンションは各階のテラスを広く取るため、段々畑のようになっている。ルーフバルコニーと言うらしい。
それは、故郷の棚田を髣髴とさせる。子供の時分駆け抜けた野山。懐かしい風景。
もうこっちへ来て何年になるだろうか。平凡な田舎者はもうどこにも居ない。居るのは――
首を振ると煙草を落とし靴底で揉み消した。余計なことを考えるな。
ポケットから再びPHSを取り出す。教えられた番号を一つ一つ丁寧に押していく。
呼び出し音。やがてカチャリという音がする。同時に、眼前のマンションの一角が赤く光った。
赤々とした火が、真っ白なテラスを舐めていく。寒々しい光景を突き破るように、荒く、獰猛に。
この分なら目標は黒焦げだろう。問題無い、成功だ。踵を返そうとする。
瞬間、再び故郷の風景が現れた。棚田の野焼き。
鼻を啜りながら見ていた光景は丁度、今頃だったろうか。母親と手を繋ぎながら食い入るように炎を見つめる。
不意に、寒けが鋭さを増した。ダウンジャケットの上からでもお構いなしだ。身体の中まで突き刺してくる。
目を瞑り、奥歯を噛み締めこらえる。
やがて用済みになったPHSを再びしまうと、両手をポケットに突っ込み出口へと足を速めた。

次は「猪」「茄子」「子供」で。

289 :名無し物書き@推敲中?:2006/12/28(木) 18:48:25
「猪」「茄子」「子供」

『子供焼き』
近所の定食屋のメニューにある料理だ。
ひと口サイズのお好み焼きといった外見で、おそらくそのへんからのネーミングだろう。

「日本人、子供焼イテ食ベルカ?」
汚れた作業服を着た外国人が、連れの、同じく作業服の日本人らしき青年に尋ねた。
「食べないよ。そういう名前なだけだよ」
「ナゼ、ソウイウ名前カ?」
「小さいからだろ。小さいのが子供、大きいのは大人」
「ジャ、カルロスのチンチンは大人か?優子ハ昨日『茄子みた〜い』言ッタゾ」
「うるせーよ」
「ソウカ、日本人コドモ食ベナイカ。カルロスの国食ベルヨ」
「え?」
「猪ノ腹ニ生後1週間ノ赤チャンと野菜詰メテ蒸し焼きスルネ」
「…… 」
「懐カシイネ。カルロス子供生マレタラ子供焼キスルネ」

となりのテーブルで子供焼きを食べていたサラリーマンが、青い顔をしてトイレに駆け込んだ。


「リサイクル」「避妊具」「お年玉」

290 :「リサイクル」「避妊具」「お年玉」:2006/12/29(金) 00:06:24

閉じた保健の教科書を握り締めて、5年生の亜由美はつぶやいている。
「んー、避妊具には……、コンド、ム? あー、他にも書いてあったの何だっけー」

「おっはよー! ちょっとこのお年玉の袋見て? かわいくない?」
「おはよー。あー、何? かわいいー」
「ちょっとー、教科書なんか見て歩いて危なくない?」
「んー。だって今日テストするって言ってたじゃん」

「コンドームのところ?」
「あー、そうそう。コンドーム」
「あたし見たことあるよ」
「えー? どこで? 誰の? まさか瑠奈が使ったの?」
「や、普通に親のだけど」
「へー……。どんなの?」
「写真の通りだった。使用後みたいだったけど」
「ふーん……」
「ねぇ、あれってさ、洗って何回も使えんのかな」
「えー? リサイクル?」
「そそ、エコで」
「エコって言えばさー、今朝うちのお母さん、牛乳パックそのまま捨てようとすんだよ」
「えー、ダメじゃん」
「だから怒ったよ」
「あはは、亜由美えらいー」

無邪気に笑いあいながら、少し大人びた身体にランドセルを背負った少女が二人、校門に走った。



「炭酸水」「風船」「ドラマ」

291 :白木の子 ◆q/.rlDgH2c :2006/12/29(金) 08:49:55
 それはまるでドラマみたいだった。
 彼女と……再び出遭った。
 
 クリスマスの夜、ぼくは彼女と喧嘩してしまった。些細な理由だった。
 怒った彼女はコーラをぼくにぶっ掛けて部屋を出て行った。
 そのときに始めて頭を冷やした僕は、一人の寂しさと彼女にかけていた負担の重さを知った。
 服を洗濯しているとき、綺麗に取れたはずの炭酸水が僕の心を溶かしていた。
 彼女も今、孤独なのだろうか?

 僕はだらだらと大晦日まで引きずった。寂しさを晴らす為市街に出た。
 雪が降っていて寒い。息が真っ白になった。そこでは年明けを皆で祝うかのごとく人が密集していた。
 市の振る舞いで年が明けた瞬間にたくさんの風船を打ち上げる催しが行われていた。
 その役員だと思われるウサギのきぐるみが細長い風船を渡してまわっている。僕はつられて受け取ってしまった。
 仕方なく膨らまして、理由もなく待つ。
 十秒のカウントダウンが始まった。
 周りを見ると、皆が声を合わせている。誰もが年明けを祝っている。と思ったが――
 その景色の中に、僕がいた。彼女だ。僕は考えるまもなく走っていた。
「ごーっ!」
 高々十メートルほどしか離れていない。遠すぎだ。 
「よーん!」
 人ごみはなかなか行く手を阻む。もどかしくてたまらなくなった。
「さーん!」
 彼女に手が届いた。彼女は僕に気付いて目を大きくした。
「にーっ!」
 彼女の正面に立ってその思いを告げる。
「いーち!」
 僕は彼女を抱いた。そして耳元で、
「ごめんな……」
 彼女は泣いていた。 
「新年! 明けましておめでとう!」
 皆が一つになった時だ。そして今も、彼女は隣にいる。

292 :「炭酸水」「風船」「ドラマ」:2006/12/29(金) 12:36:18
その場の空気は風船の様に張り詰めた。
ボクはただその容姿に釘付けにされた。
プラチナブロンドの髪に淡いサファイアの瞳。
マイセンの陶器さながらの白い肌は多少煤汚れていたが、
その美しさの片鱗を示すに十分だった。
破けた服からはだけた胸は、
古典絵画からルネサンスへと蘇るビーナスの美しさを思わせた。
着ている服はボロボロであったが、
虚空を射抜く瞳は強い意志を感じさせ、
それは高い地位にいる人間であることを物語っていた。
その端正な顔立ちは焼け付くような空気を放っており、
見る者の目を決して逸らさせなかった。
ボクはドラマでも見ているではないだろうかと疑いたかったが、
炭酸水が膨らむような胸の高鳴りがそれを現実と理解させた。

「フリーザ!!オラはオメェを許さねぇ!!」

「片鱗」「地位」「闘争」

>>291
お題書いてなかったので>>290のお題使いますね

293 :「片鱗」「地位」「闘争」:2006/12/30(土) 23:23:47
 牛車の中で、従者が読み上げる。「今夜は紫殿。翌日は明石殿、次は末…」
 予定時間に庵に到着。5日前から報告がゆき、姫も従女も準備万端の「お忍び」だ。

 帝は姫の布団にもぐると、はじめて本音を語り始めた。何かに怯える様な小さな声で。
 「本当はな、紫。わしは気ままに、抜き打ちで訪ねたかったのだ。」「…まあ」
 「1ケ月前に決まる通い先、ロマンの片鱗もない予定表…ああ、心赴くままに通いたい!」
 「姫は大変嬉しいです。けれども、帝様の地位ではそれは少し…」

 当然だった。どんな姫にもバックがある。帝がどの豪族の娘と同衾するかは、注視の的なのだ。
 帝というものは、権力闘争の頂点に浮かぶ小船だ。今夜の相手を「気分」で選べる訳がない。

 「で、でも、でもっ」と、姫は落ち込む帝をもち上げる。
 「いつか後世の誰かが、帝様の味気ない現実を、大幅に脚色、美化してくれる…かも」

 千年以上経過した。今日も観光バスが、老若男女を寺院、庭園、土産物屋に吐き出して去ってゆく。
 一人が無料レンタルの着物を羽織り、感慨深げにこう言った。
 「あーあ、現代って味気ないわ。千年経った今、姫と帝のロマンスなんて、もう書物の中でしか…」
 土産物屋は小声で「ケッ」と呟いたが…誰一人、このセリフの歴史的重要性に気づかなかった。

 千二百年の時を隔てて、無名の女学生と、布団の中の帝…主人公その人の嘆きが一致したというのに。

※なんかショボンな話だが…
 次のお題は:「フランスパン」「気球」「期待」でお願いしまふ。

294 :名無し物書き@推敲中?:2007/01/02(火) 18:13:53
寝台の枕元に置かれた目覚まし時計がやかましく起床の時間を告げる。
僕は叩いてそれを黙らせると、再び布団に潜った。
開け放たれたベランダの窓----おそらく母が開けたのだろう----ほのかに温かい陽光、春の柔らかい風。
母の期待空しく、僕は為すがまま睡魔に誘われ夢の世界へ落ちた。

次に目覚めたのはいつだっただろう、時間は定かではないけれど
今、確実に言えることは、これは夢だ。と言うことだ
地上では緑が地平線まで続き、空を見上げれば思わず眩暈がするほどの神秘的な
蒼が僕の目に飛び込んできた、僕はその草原のど真ん中でうつ伏せになって寝ている。
ここは何処だ?とか、何でここに?とか、そんな事はどうでも良かった。
ただ、酷く心地が良い、風に身を預ければそのまま何処までも飛んで行けそうで、
気球で空中散歩でもしているような、そんな気分。
ここが夢の世界でも、もう少しここにいたい。そう願った。

ふと、誰かが僕の名を呼ぶ声が聞こえた、何処か懐かしくて、そして何となく嫌悪感を覚える声。
次第にその声は大きくけれど、はっきりと何かを伝えようとしている。
耳を澄ましてみる・・・そう、確かこれは。

「たかし!あんた、いつまで寝てるの!」

心臓が止まるかと思った。
僕は勢いよく草原・・・否、ベッドから転げ落ち、鬼のような形相で僕を睨む母の足元に到達した。
母から拳骨を一発もらい、ほどよく目が覚めた。夢は時に残酷だと思った。
僕は朝食のフランスパンをかじって家を出る。
春はもうすぐ終わろうとしています。

なんか色々ごめんなさい・・・
次は「絶望」「希望」「祝福」で




295 :名無し物書き@推敲中?:2007/01/03(水) 11:00:57
その場所に立っていたのは、若く、そして美しい女だった。
自殺の名所だ。足下には、深い谷底へ通じている。落ちたら絶対に命はない。
女は、その谷底を見つめていた。
「ちょっと、あんたなにしてるんだ」
女の姿を見つけた男は、彼女の元へと駆けてゆく。
「はやまるんじゃない。命を粗末にするんじゃない」
「もう、この世にあるのは絶望だけです。生きていくのに、つかれたんです」
 女は悲しみに満ちた表情と声で答えた。
「そんな事はないさ。希望を捨てるな。必ず幸せになれる日が来る」
「そんな事、あなたに判るわけないでしょ。私のような女は、死んでしまったほうがいいんです」
「そんな事はないさ。あんたはまだ若い。人生、これからいくらでもやりなおしが聞くはずだ。」
 近づいて、男は女の手を取った。
 女は、顔を上げて、男の顔を見た。
「あなたの顔、わたしの好みじゃないわ……」
 吐き捨てるようにそう言ったかと思うが早いか、女は電光石火の早業で、
男の懐から財布を抜き取り、片手で男を持ち上げて、そのまま谷底へ投げ捨ててしまった。
 男には、なにも出来なかった。なにが起きたか判らぬまま、谷底へ――即死だった。
 女はしゃがみ込んで、抜き取った財布の中身を確認する。それなりに、満足出きる額だった。
「神よ、心優しきいまの男に祝福を、そして私に、次の獲物を!!」
 そして再び女はその場に立ちあがり、足下の、深い谷の底を見つめた。

次は『秋葉原』『王子様』『あと半年の命』

296 :名無し物書き@推敲中?:2007/01/08(月) 12:06:59
『秋葉原』『王子様』『あと半年の命』

 メイクを落とさずに眠ってしまったので、肌の調子は最悪だった。でも、アキヒロに素顔なんて
見せられっこない。アキヒロが起きる前に、なんとか顔をつくり直そうと、私は静かにベッドから
素足を床におろした。
「すげ。マユ、料理なんてしてんの」
「してるわよ。悪い?」
 顔を洗って、メイク(ただし、ごく薄いの。すっぴん風ってやつ)を終わらせて、ルームウェアに
着替えた私を、起きてきたアキヒロが上から下までじろじろと見る。フライパンを片手に持った
私なんて、想像もしてなかったんだろうな。
「悪くない、な。いや、良いです。すげー、いいです」
 アキヒロ、素直すぎ。つられて私もつい素直に笑ってしまった。ウスターソースを冷蔵庫から出す。
私はあまり好きじゃないけど、アキヒロが何にでもかけるというから、買ってあったのだ。ちらりと
賞味期限に目をやる。2007.06.08、あと半年の命か。それまでにアキヒロが使い切ってくれるだろうか。
 休日の午前は短い。あとで秋葉原にでかけようとアキヒロが誘う。
「あれ行くの? あの、メイド喫茶とか? アキヒロって、そいうヒト?」
「バカ、ちげーよ、女連れで行けっか」
「行ったことあるんだ。わたしも王子様喫茶があったら、行きたい」
「マユも、そいうヒトなのかよ」
 そいうヒトかもね。端がはげてしまったマニュキアをちょっと気にしながら、つぶやく。
 賞味期限が気になる性質なの。
 『私の』は、あと、どれくらいかな。私が使い切られたいのは、ほんとにアキヒロなのかな。


「綿棒」「振り子」「切符」


297 :名無し物書き@推敲中?:2007/01/10(水) 20:37:46
大きな振り子時計のある駅の広場に彼女はいた。
ダッフルコードのトグルを全部きちんと留め、姿勢を崩さずに真っ直ぐ遠くを見つめていた。
飾りのない黒い手袋をした手を頬に当て、ほうっと溜息をついて少し俯く。
「時間を間違ったかな‥」
誰にも聞こえないような独り言を呟き、彼女は肩にかけた小さな鞄に手を入れた。
取り出したのは一枚の切符。何度も丁寧に読み返す。
2007年、1月、10日‥午後8時‥。確かに今日の日付で、確かに時刻を過ぎている。

「この切符でね」
と何の説明もなく渡された特急券。
面食らっていると、いつも笑顔の彼が真面目に言葉を続けた。
「一緒に街を出よう」

あの日から今日まで、あっという間だった。
しかし彼は来ない。この特急券の電車は既に出発してしまった。
「それとも、嫌われたかな‥」
笑いにならないような笑いを浮かべ、それでも彼女はまだ時計の広場に立っていた。
遅刻常習犯の彼だから、いつもの笑顔で走ってくる気がしていたのだ。もう一度俯き、また溜息をつく。
手に持った切符をしまおうとすると、鞄の中に綿棒が一本見えた。
そういえば出かける前に、アイメイクが滲んでいることに気付いて鞄に入れて来たのだった。
今更、という気もしたが、思い出すと気になってしまうもので、彼女は切符をきちんとしまい、コンパクトを取り出した。
コンパクトに手を掛けようとしたその時、携帯電話が鳴った。彼だ。
「も、もしもし‥!」
聞きたいことと言いたいことが同時に込み上げてきて、上手く喋れなかった。
何よりも今は声が聞きたい。
しかし聞こえてきたのは彼の声ではなかった。
「佐藤さんの携帯から電話しています。鈴木さんですか?警察です」

そして彼女は約束の切符を握りしめ、時計の広場に一人泣き崩れた。


「手帳」「戦車」「神社」

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