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ゴジラとガメラをSF的にクロスさせろPart3

1 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/03(月) 00:30:03
512だったので建てとく
前スレ
ゴジラ・ガメラをSF的にクロスさせろ/Part2
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/sf/1134627343/


2 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/03(月) 06:27:46
アタイこそが 2へとー

3 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/03(月) 07:25:57
>>1
お疲れ様です。
まさかこんなに早く512規制がかかるとは…。
もう150スレくらいは余裕があると思ってました。
これで特撮板のとあわせると512規制がかかったのは5回目か6回目。

では、今回は再録はせずに続きから……。

4 :再生の日:2006/04/03(月) 07:28:40
アルビノ・ギャオスはホテル前に踏み止まったまま、自分有利の機動戦を仕掛けない。
一方のゴジラも綾奈の歌が止んだからなのか?攻撃の手が緩みやや惰性的になっている。
戦い模様は、150メートルほどの距離を置きギャオスが殺人音波を、ゴジラは熱線を放ちあう「砲撃戦」に。
そして二匹の戦いの最中、長嶺たちは崩落寸前のホテルからの脱出に成功する。

*綾奈たちの背後で音を立て崩れ落ちるホテル。そして「ありがとう!」とギャオスに手を振る綾奈。

綾奈脱出を見届けたからか?空中に飛び上がるとゴジラに機動戦をしかけていくギャオス。
翼をシールド状とし瞬間的に回転してゴジラの熱線を弾き、口から複数の超音波メスを同時に放っては雨のようにゴジラを撃つ。
そして殺人音波に続いてギャオスが飛行時に発生させる衝撃波も!
ゴジラ周囲の瓦礫や押し潰された大小の車が紙屑のように舞い飛び、さしものゴジラもバランスを崩して横転した。
だがそのときには、既にギャオスは西空の小さな点に……。
……と見えたのは一瞬のこと。
飛び去ったとき以上の速さで、真一文字にギャオスが戻って来た!
曽我「一撃離脱戦法か!」
身構えるゴジラ。
その上を何もないままギャオスが通過。
だが今度はギャオスが飛び去った後に、殺人音波の機銃掃射がゴジラを襲った!
一撃目の飛行速度は亜音速だったが、こんどの二撃目は音速を貼るかに越える速度から放ったのだ。
予測が外れ、殺人音波をまともに喰らうゴジラ。
そしてそこに追い討ちの衝撃波が!


5 :再生の日:2006/04/03(月) 07:30:14
曽我「ギャオスが……勝つのか?」
長嶺「まだ判らないわ。ゴジラは不死身に近いから。さあ急ぎましょう。」
爆撃でも受けたような街中を逃げる4人。
その背後ではゴジラとギャオスの戦いがまだ続いている。
4人が一際派手に破壊された高層ビルの前までさしかかったときだ。
石と鉄とコンクリートの山が震動したかと思うとその下から……ガメラが立ち上がった。
曽我「やった!ガメラが復活したぞ!」
小躍りして戦友の復帰を喜ぶ曽我。
だが、それとは逆に長嶺の表情は氷ついていた。
ガメラの視線が、彼方のゴジラ対ギャオスの闘いでなく、比良坂綾奈の上に注がれていることに気づいたからである。
長嶺「まさかガメラは……。」

一撃離脱の侵入速度を変化させながら殺人音波の着弾タイミングをずらし、ゴジラを翻弄していたギャオスが突然空中停止した。
宿敵ガメラの復活に気づいたのだ。
殺人音波の雨を降らさんと口を開き、彼方のガメラへと目の焦点を合わす。
だが……ガメラの足元には!

万石「ギャオスがガメラを狙ってますですよ!殺人音波がこっちも来ます!」
ガメラもギャオスが攻撃態勢に入っているのに気づき、火球で応戦せんとアタマを上げたが、完全に後手だ!
しかし、何故かギャオスは殺人音波を放たない!?
ついにガメラがプラズマ火球を発射した。
命中寸前に身を翻すギャオス。
だがそのとき、ギャオスの背中を白い熱線が捉えた!
何時の間にか、ゴジラも熱線放射体勢に入っていたのだ。
かろうじて空中に踏み止まるギャオスに、ガメラの放った二発目の火球が炸裂!
一声叫び、ギャオスはついに堕ちた。
真っ赤な炎に包まれて……。


6 :再生の日:2006/04/03(月) 07:31:46
ゴジラとガメラは……去った。
ギャオスの王が炎の流星となって落ちると、彼等はもうそれ以上戦わなかったのだ。
ゴジラは南に、ガメラは北に。
それぞれの世界に帰っていった。
そして人間が残された。


7 :再生の日:2006/04/03(月) 07:35:17
大阪湾に面した倉庫外に堕ちて動かぬギャオス。
そしてそのすぐ前に綾奈。

少し離れて長嶺、曽我、万石の3人が佇んでいる。
長嶺「本当にゴジラはガメラの代わりにギャオスと戦いに来たんでしょうか?」
万石「わかりません。」
曽我「ガメラは……綾奈ちゃんをギャオスの花嫁として殺そうとしたんでしょうか?」
万石「……わかりません。そして最大の謎、ギャオスと綾奈ちゃんの関係も謎のままです。」
綾奈ちゃんの言うように、孤独なギャオスと孤独な綾奈ちゃんが呼び合ったのか?
それとも、綾奈ちゃんはメスとして招き寄せられたのか?どっちだったんでしょうかね?いしししし……。」
長嶺「結局私たちには、何も判らないんですね。ただ『自分の信じたいと思ったこと』を信じることしかできない。」
曽我「なら……、ボクはガメラを信じつづけたいと思います。だってアイツは戦友ですから。」

*ふっきれたようにそう言う曽我の横顔を、微笑んで見上げる長嶺。

ギャオスの顔のすぐ側に立ち、綾奈は「彼」の顔に頬を寄せ、手を這わせた。
涙のすじが綾奈の頬からギャオスの頬へと移って行く……すると。
瓦礫の山と化した倉庫街にかすかな震動が走った。
そして、白いギャオスがキズだらけの体を起す!
曽我「まずい!まだ生きてるぞ!」

8 :再生の日:2006/04/03(月) 07:38:19
曽我「まずい!まだ生きてるぞ!!」
長嶺「綾奈ちゃん退がって!!」
だが綾奈は……もちろん逃げなかった。
涙を流したままで、泣き顔が笑顔に変わった。
綾奈「……よかった……生きててくれたんだ。………だいじょぶ?ちゃんと飛べる??」
綾奈の問いかけに答えるかのように、ギャオスはボロボロの両翼を広げるとまるで凧のように軽々と浮かび上がった。
東の空がだんだんと白み始めている。
綾奈「時間が無いわ。………行って。」
まったく羽ばたかないままギャオスは綾奈の上で何度か円を描くと、太陽の登るのとは反対の方角、西の彼方へと向きを定めた。
湾の堤防沿いに手を振りながら走り出す綾奈。
綾奈「ありがとう。ありがとう。」
突端まで走り、そこで手を振りつづけ綾奈を見つめつつ長嶺は言った。
長嶺「ひとつだけ、はっきり判ったことがあるわ。」
曽我「え?なにがわかったんですか?」
長嶺「綾奈ちゃんが、東京での事件や京都までの事件のショックから立ち直れたってこと。」
万石「なるほど……綾奈ちゃんへの試練はギャオスに始まってギャオスに終った………と、いうわけですな。」
長嶺「(力強く頷きながら)そう、綾奈ちゃんは生まれ変われた。再生されたのよ。」

*何時までも手を振り続ける綾奈。その背後に「再生」の象徴である朝日が昇りはじめたところでエンディング。

「ゴジラ対ガメラ対ギャオス/再生の日」
お し ま い


9 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/03(月) 07:47:02
最後にネタバラシ
当初考えていたのとは随分異なる形でもこの駄文は完成。
最初は北欧神話のハルマゲドンをモチーフにガメラとギャオスが闘って、これにスルトになぞらえたゴジラが絡んでくるというものだった。
ところが……最近発売された某有名ゲームでヒーローとヒロインの名前が「ヴァンとアーシェ」と書いてある雑誌記事を目に……。
(ヴァン神族とアース神族、北欧神話だなぁ……。)
というわけでネタがかぶるるのも嫌だから、エジプトやメソポタミヤあたりの神話に方針転換。
夜のあいだ太陽は死に、地下の死の国を潜り、翌日生まれ変わって天に昇る。
だから綾奈のパートは夜にはじまり、地下大洞窟を潜り翌朝の日の出で甦ることとしました。

ゴジラ、ガメラ、ギャオスに対する生物学的解釈と、それとは別にある「人からの思い」を並行させる構成に。
そして吸血鬼のモチーフをスパイスといて使用し、「ドラキュラ」や「カーミラ」などの描写を意図的に流用。
綾奈の立場からの解釈は「ドラキュラテープ」みたいなもの(笑)。
登山口の町が吸血生物でいっぱい……にして「セイラムズロット」にしちまおうか?とも思ったが、思いとどまった。
ゴジラとガメラの行動は一貫した解釈が成立し難いようにして、「真相」は判らないものとする。
まあ「月明かりの道」というか「藪の中」状態にできていれば成功……なんですが…。


10 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/03(月) 18:08:05
おつかれさまです。楽しませていただきました。

11 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/04(火) 15:09:28
臨時投下。
昼休みなんかにチャチャッと作ったんで、変なトコがあっても笑って許して…。

12 :『ソラリスの日の下に』のもとに:2006/04/04(火) 15:11:15
「今回のキミの任務は……」そう言いながら「指令」は一枚の写真を取り出した。
……むさ苦しい、実にむさ苦しいオッサンの写真だ。
「……この男が……今回の事件の犯人だ。」
「今回の事件と言われますと……ウワサのあの事件でしょうか?」
……もっともオレが呼ばれたのだから、改めて聞くまでも無かったが……。

「指令」の話によるとこの男は、どこかの掲示板で自分勝手に書いていた自作の駄文が評判悪いことに逆切れし、最近調査が再開されたばかりのある惑星に違法降下したのだという。
もちろんただそれだけのことなら別段オレが出るような仕事ではない。
問題は、ヤツが降下した星がソラリスだったということだ。
特撮オタクのバカヤロが降下したおかげで、ソラリスはあっというまに怪獣無法地帯と化し、プロダクションや配給会社の壁を越えた怪獣・怪人のバトルフィールドになってしまったのだ。
ソラリスのステーションも怪獣の襲撃を受け破壊されたが、幸い唯一の所員は無事脱出に成功。
彼からの報告で、事件の顛末が明らかになったのである。

「このクソ野郎は、完全に外部との連絡を絶ち、ソラリスのステーションに立て篭もっている。」
「しかしステーションが破壊されているなら…」オレは尋ねた。「……こいつはとっくに死んでいるのではないですか?」
「……残念ながら生きている。もし死んでいれば怪獣どもが消えるはずだ。」
このへんのやり取りで、オレには今回の任務の内容が大体見当ついた。
「……私が言わなくとも判ったようだな。」指令はニヤッと笑って言った。「……まあ、一応はっきり言っておこう。」
「指令」は品定めするようにオレの顔を眺めてから言い渡した。
「この男、コードネーム『A級戦犯』を殺せ。」


13 :『ソラリスの日の下に』のもとに:2006/04/04(火) 15:13:46
オレの名は……いや、名前は出せない規則だった。
コードネームは「アマギ」。
コロニアルサーベイのサイコ・エージェントだ。
サイコと言っても「キ○チガイ」という意味じゃあない。
広い宇宙にはとんでもない星がある。
中でも厄介なのが「人間の顕在または潜在の意識を実体化してしまう星」だ。
地球なら具現化することの無い一瞬の殺意であっても、そういう星では殺人として具現化してしまう。
アルテア7ではモービアス博士の潜在意識が「イドの怪物」として実体化したし、惑星ソラリスでもかつて「経験者が誰一人口を開きたがらないような現象」が起こったらしい。
オレはそういう星で活動するための精神制御訓練を受けてきた。
そういう意味での「サイコ」なのだ。
また、複数で行動するとそれぞれの思いが実体化し合って制御不能な事態に陥り易い。
だからこの手の星での活動は単独行動が原則だ。
そしてもちろんオレは単独でのサバイバル活動の訓練も受けていた。
オレは一時間ほどで手早く身支度を整えると、10数年来の相棒であるアンドロイドのガメオとともに宇宙船の「積荷」となっていた。

恒星間飛行対応の長い眠りから覚めると、目指す星はもう一時間ほどの距離である。
「キャプテン、お目覚めでっか?」
オレの覚醒を察知し、ガメオはさっさとアクテイブモードにチェンジしていた。
「降下の準備はできていまっせ。」
変な方言で喋るように入力したのはオレだ。
無機的な電子合成音声で標準語を喋られたら、とっつきにくくて仕方が無い。
「……あとはキャプテンの個人準備だけでござるよ。宿題やったか?歯磨いたか?クソしたか?」
「わかった、わかった…。」
「他はいいけど、クソだけゃあしっかりやっとかんと、万一洩らしちまった日にゃあ……。」
オレはこんな下品な単語まで覚えさせたっけか?
……などと考えていたら、あっというまに降下の時間になっていた。


14 :『ソラリスの日の下に』のもとに:2006/04/04(火) 15:18:45
ここまでで主要な登場人物(と言っても一人と一体だけ)のキャラ説明は終り。

人間があるていど長期に渡って生存できる可能性のあるステーションの所在地、エリアNo512KBを目指し宇宙船は降下を開始するが……。
アマギとガメオの宇宙船は早速に宇宙怪獣ベムスターの出迎えを受けてしまう。
なんとかこれの撃退に成功するも、宇宙船は降下予定地点から大きく外れた地点に降着。
驚いたことに「海」に覆われているハズのソラリスに大陸が広がっていた。
つまり自然環境丸ごとに「A級戦犯」が妄想ででっち上げたのだ。
「アマギ」と「ガメオ」のコンビは、諸悪の根源「A級戦犯」の立て篭もるステーション向け前進していく。
ダース・ベイダーに「ワタシはオマエの父だ。」とうちあけられたかと思うと、その十分後にはショッカー戦闘員の襲撃が!
キングコングとシーボーズがビル登り競争をやり、ゲゲゲの鬼太郎に負けそうな妖怪「皿小僧」を応援するため、「超獣キングカッパー」に乗った「河童の三平」が現れる!
そんなワケのわからないぐちゃぐちゃ世界の果てに一人と一体を待つものは!?


15 :『ソラリスの日の下に』のもとに:2006/04/04(火) 15:21:13
……長くなるので中略……

ソラリスステーションに到着したオレたちが、捜索の果てに倉庫奥で発見したのは信じ難いものだった!
「し、死んでいる!?」
簡易検査を済ましたガメオも立ち上がって言った。
「……たしかに。間違いなく死んでまんがな。」
電源が入ったままのコンピューターの前に、ゴキブリのように手足を縮こめて死んでいるのは写真の男、A級戦犯に間違いなかった。
死体の皮膚がカサカサに乾いているのに気づきいたオレはガメオに尋ねた。
「ガメオ。死んだのは……最近か?」
「死体の状況から判断して……一週間ほど前でござそうろう。」
「そんなバカな!」
オレは軽い眩暈を覚えた。
「一週間も前に死んでいるのなら、オレたちが見た怪物どもはいったい何なんだ!?幻だとでも言うのか!?」
「いえ、アレは全て実体のあるホンモノでござるよ。」
「では『A級戦犯』以外にこのソラリスで妄想を垂れ流しているヤツがいるというのか!?」そしてオレはハッとなった!「ま…、まさかオレの……!」
そのとき、奇妙に親しげな声がオレの背後から投げかけられた。

「いや、アナタではありませんよ。」


16 :『ソラリスの日の下に』のもとに:2006/04/04(火) 15:23:08
振り返ると倉庫の入り口に…………「A級戦犯」が立っていた。
《足元の死体はニセもの!》
《実は双子だった!》
《クローン人間登場!》
《ホンモノそっくりアンドロイドに違いない!》
………様々な考えが一瞬のうちに頭の中を駆け巡った。
そんなオレの心のうちを見透かしたのか、「A級戦犯」はこれまた奇妙に親しげな笑みを浮かべながら言った。
「……ワタシは外の怪獣たちと同じ。ソラリスの海が作り出した複製です。」
「ウソだ!」オレは叫んだ。
「それでは解答にならない!貴様までコピーだとしたら、貴様を作り出した人間は何処にいるというんだ!」
そのときオレはどんな顔色をしていたのだろう?
激怒の黒?それとも困惑の青?
いずれにせよ酷い顔色だったに違いない。
だがそんなオレを目の前にしても、A級戦犯は親しげな笑みを引っ込めなかった。
「……人が死ぬと、人の思いも消えてしまうと、そうおっしゃられるんですか?アマギさん?」



17 :『ソラリスの日の下に』のもとに:2006/04/04(火) 15:24:25
「……人が死ぬと、思いも消えてしまうと、そうおっしゃられるんですか?アマギさん?」
「死んだ後も心を残せると言うのか?…………(はっ!)そうか!」
オレは腰のレーザー銃を引き抜きざま、死体の「A級戦犯」の前にあるコンピューターを撃った。
ボンッ!
火花を散らし爆発するコンピューター。
だが、笑うA級戦犯は消えなかった。
「ワタシの人格をコンピューターに移し込んだと思いましたね?残念ながらハズレです。」
「別のだ!きっとこれとは別のコンピューターで………。」
オレはこれまで捜索してきた数々の部屋を思い出し、どこかに生きたコンピューターが無かったか見つけ出そうとした。
……が。
「……ありませんよ」笑ったままA級戦犯は言った。「他のコンピューターなどありません。あなたが破壊したのが最後のコンピュターです。」


18 :『ソラリスの日の下に』のもとに:2006/04/04(火) 15:26:10
「人が死ぬと、思いは消えてしまうと、そうお考えですか?」
A級戦犯はさっきの問いをもう一度繰り返したが、オレにはもうそんなナゾナゾに答える余裕は無かった。
もうあと思いつくのは《コイツは幽霊……》くらいしかない。
ステーションまでの強行軍による疲れもあって、オレはとうとうその場にへたり込んでしまった。
「……そうとうお疲れのようですね。」いつのまに近寄っていたのか、A級戦犯の声がすぐわきで聞こえた。
「……妙な質問をしてスミマセンでした。……答えは、これです。」
オレの目の前に四角く薄い物体が差し出された。
「………『ソラリスの日の下に』……なんだ?これは?」
「これは『本』というものです。」
オレの目の前でA級戦犯は『本』を開いて見せると、オレも以前博物館で似たようなものを見たことがあるのを思い出した。
「今でこそ記録は電子データの形で残されるのが普通ですが、以前はこうした『本』などの形で残されていました。」
「そうだ。」オレも段々と思いだして来た。
「……資源の問題や保管スペースの問題で、今では完全に廃れてしまったが、以前は様々な『本』があったんだ。」
「そうです、そうです。昔は『本屋』なんてのもまであったそうで。」
……見たことも無い昔の光景ら思いを馳せているに違いない……。
どこか遠い目線のままで、A級戦犯は話を続けた。
「電子記録は、記録の保存としてなら確かに『本』に勝っています。でも、『本』には電子記録には無い、ある特殊な機能があるのです。」
「特殊な機能だと?」
オレが顔を上げると、A級戦犯はまだ笑っていた。
「……『本』には人の思いを乗せる機能もあったんです。」


19 :『ソラリスの日の下に』のもとに:2006/04/04(火) 15:29:29
「この本は……」と言いながらA級戦犯はそっと「ソラリスの日の下に」のページを開いた。
どこか懐かしい、アナログな感じの臭いが密やかに漏れ出した。
「とても多くの人の手を渡ってきました。みんなSFファンで、みんなドキドキしながらこの『ソラリス』のページを開きました。もちろんワタシもその一人です。」
壊れ物でも扱うように、A級戦犯の指は茶色くなったページの面を滑った。
「そうした読み手の心が、この『ソラリス』には込められているのです。一人一人の思いは小さくとも、何十人、何百人と積み重なっているのです。」
「その『思い』が、この今のソラリスを作ったと?」
「………ワタシがこの本をここに持ち込んだのは偶然でした。」オレの質問に答えぬまま、A級戦犯はオレたちの先に立って歩き出した。
「……見えない生物バイトンもいます。トカゲオオカミもトリフィドもいます。ゴジラだってガメラだって、地下の冷凍庫に行けば『遊星からの物体X』だっていますよ。」
ステーションの正面で彼はオレたちに振り返えると悪戯っぽく言った。

「アマギさん。アナタだって好きなんでしょう?」


20 :『ソラリスの日の下に』のもとに:2006/04/04(火) 15:31:29
これが今回のソラリス事件の顛末だ。
オレはこの星に留まることにした。
この手記も連絡用ロケットに載せて打ち上げるつもりだ。
いま目の前ではゴジラとガメラが激突中だ。
隣には例の本の著者が座っていて、ゴジラとガメラを素材に新作を書くと言っている。
スタニスラウ・レム作の「ゴジラ対ガメラ」。
これを読まずに帰るようなら、SFファンの看板、下さにゃなるまい?



「『ソラリスの日の下に』のもとに」

お し ま い


21 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/08(土) 03:01:10
こちらのスレッドもよろしくおねがいします
【大怪獣】  ゴジラ VS ガメラ  【宇宙怪獣】
http://sports9.2ch.net/test/read.cgi/wres/1144114898/l50

22 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/08(土) 19:03:30
やはり・・
(攻)ゴジラX(受)ガメラなの?

23 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/10(月) 00:42:39
ゴジラの持ち味っていうのがワンパターンなのでゴジラは(攻)に徹するしかない。
それはそれでいい感じかも。
ガメラは大きな思考、わからない部分、感情移入などがあるのでいろいろ変化を作れる利点がある。
ゴジラの持ち味を存分に出して最後はガメラがプラズマでフィニッシュを決める。

24 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/10(月) 07:55:27
>>ゴジラの持ち味っていうのがワンパターンなので…

ところがまんざらそうでもない(笑)。
ゴジラは複数個体が存在するから、ゴジラ同士のネタが使える。
特撮板の今は無き某スレで使われてた設定だと…。

初代ゴジラ(通称「宗家」)
「戦国時代の斎藤道三みたいなキャラで今でも特撮怪獣世界の完全支配を狙っている。
また「恐怖こそ怪獣の本質」と信じ、息子や孫の路線を惰弱と嫌っている。
特に「チビッコ怪獣」と名乗る孫のミニラを憎んでおり、廃嫡の機会を窺っている。
オキシジェントデストロイヤーの後遺症のため、体はすっかり機械化されており放射能火炎が吐けなくなった代わり、胸にアブソリュートゼロを装備している。

二代目ゴジラ(通称「昭和」)
「対キングコング」から「メカゴジラの逆襲」までのゴジラ。
若いころは無軌道な暴れ者だったが、長じて正義を愛する親分肌の怪獣に。
怪獣世界で絶大な威光を有するも、「孝」の心から父「宗家」には逆らえない。
一方息子(ミニラ)の生き方にも理解を示し、そのため「宗家」との板挟みに苦悩する面も。
以前エリマキで仮想し「覆面レスラー」としてウルトラマンと戦ったこともあり、いまでも親友同士である。

ミニラ
チビッコを愛し、チビッコ怪獣でありつづけようとする。
しかし彼の体にも破壊神の血は脈打っており、ときおり顔を出そうとする内なる破壊衝動との対決も……。

……複数個体がいるからこういうアホな展開もできる。
ちなみにガメラは「常に一体」なので北斗神拳伝承者になぞらえられていた(笑)。


25 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/10(月) 09:17:52
「ゴジラの逆襲」にでて来たあの激痩せゴジラは、宗家ってことでいいんでしょうか?

26 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/10(月) 12:19:05
>>25
それでよろしいかと(笑)。
某スレでのアンギラスのセリフには……。
「宗家にとってはワタシはただの噛ませ犬ですが、昭和さまはワタシのことを戦友(とも)と呼んでくださいます。」
……という趣旨のがありました(笑)。
つまり宗家は「ゴジラの逆襲」でアンギラスを踏み台に使い捨てたが、昭和はそのアンギラスを何度も共演に起用し、「ゴジラ対ガイガン」ではタッグマッチのパートナーにすら指名したという意味ですな(笑)。
ちなみにアンギラスのキャラは…
「鎌倉にあるゴジラ屋敷の執事頭で単細胞のガラッパチ」というものでした。


27 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/10(月) 12:37:35
ガメラは一匹だけど作品によっては人間を仲間だと認識してることもあるからあまり孤独感はないな
逆にゴジラは同族しか仲間だとは思えない・・・

28 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/10(月) 18:03:47
ゴジラとジャガーでパンチパンチパンチ

29 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/10(月) 21:54:31
あー、聞こえない

30 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/11(火) 07:50:01
>>27
宗家、昭和、ミニラ以外のゴジラ一族には…
ゴメス
昭和ゴジラの腹違いの弟で、「若いころは色々な意味で手が早かった」ゴジラ宗家が異種の怪獣のメスを手篭めにして生ませた子供。
「生まれたときからヒゲがはえてるような子供」だったので、宗家からの認知は受けられなかったが、兄である昭和に取り立てられ、栄えあるウルトラ怪獣第一号に。
しかしゴメスは撮影順では第一号だったマンモスフラワーへの心遣いを忘れない。
昭和とゴメスの関係は徳川家光と保科正之の関係と似ている……というか、ハッキリ言ってパクリ(笑)。
ゴメスとマンモスフラワーの関係は徳川光圀(黄門さま)がオリジナル(笑)

ビオランテとスペースゴジラ
ゴメス同様異種怪獣とゴジラ一族の混血。
ビオランテはゴジラとの血縁こそ認められているが、「ゴジラ」の姓は名乗らせてもらえない。
スペースゴジラは「ゴジラ」姓も名乗らせてもらえているが、継子扱い。

メカゴジラ2体(初号機と二号機)
もちろん血縁関係は無い。ゴジラ宗家の親衛隊。

この辺りのキャラを使って、一話につきスレ数1000以上、連続投下期間半年前後の駄文が3本(4本かな?)の投下実績あり。振り返ってみて、我ながら呆れた。
……ようするに旧「ゴジラ対××」のころのゴジラのキャラなら、いろんな物語が組めるわけだ(笑)。


31 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/11(火) 07:52:33
連続すまぬ…
昭和ゴジラの交友関係
ウルトラマン
ジラースとして客演して以来の親友。
もっとも「親友」と思っているのはゴジラの方で、番組立ち上げ時の東宝の支援からウルトラマンは昭和を「恩人」だと思っている。
ウルトラマン怪獣軍団
謎の覆面レスラー・エリマキ怪獣ジラースとして重鎮扱い。
モンスターX
鎌倉ゴジラ邸の客分で、招待はキングギドラ一族のカイザーギドラ。
ゴジラ一族の支配を転覆させる野望を抱いての行動だったが……。
ガメラ〔初代〕
かつては「共に天を頂かぬ関係」だったが……、共に引退した今となっては「同じ怪獣ブームを駆け抜けた同志」的な感覚も芽生えつつある。
クトゥルー
特撮板でゴジラと対決するが……、実はゴジラと自分は似ているということに気づき「仲間の住む世界を破壊するわけにはいかぬ」とルルイエに……。
その背にゴジラが「そういうときは『仲間』じゃなく『友だち』って言うんだ!」と叫ぶと、「それでは……さらば友だち」と応じ、石棺へと姿を消す。
昭和はいまも友の眠る石棺を捜し求めている……。

ゴジラにしろガメラにしろ「どういう風に書くか?」という書き手の思いでどうとでも書ける。
モニラを「悩める御曹司」に書いたのも、もともとのミニラが特撮板ではあまり評判がよくなかったので、「それじゃ逆にしてやろう」と(笑)。
これって昔はSFのお家芸だった「既存概念のひっくり返し」のつもりだったんだけどねぇ。


32 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/11(火) 21:14:28
SF的じゃないって突っ込みは無しか

33 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/12(水) 07:44:02
>>32
今回は無し(笑)。
SFには「火星のジョン・カーター」みたいなのもあるし、現代人が過去にタイムスリップしてなんてたぐいの話だと、やってることは「昭和ゴジラ」とたいして変わらない。
それより最近は流行ってないみたいだけれども、絶対不動の概念を天地返し的にひっくり返すのも古いSFではあったでしょう?
特撮板でもあまり良い印象をもたれてなかったきらいのあるミニラを、逆視点でひっくり返すのは、見かけはSFではないが「魂はSF」のつもりで書いていたから。

要は、ここは特撮板ではなくSF板なんだから、「『ゴジラは破壊、ガメラは守護』とかいろいろある固定概念に挑戦するのもありなんじゃないの?と言いたいわけです。
「人間が作った枠」なんかぶち壊してしまえば良い。
それで逆にこっちが壊れようとも……、SF者はそんなもの恐れないもんです(笑)。

34 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/12(水) 08:00:21
ギャグはあんまり好きじゃないけどねぇ

35 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/15(土) 16:16:12
じゃSM的なのを

36 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/15(土) 18:20:27
リアルで夢が持てるものを 

37 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/23(日) 22:34:08
乳首が見えそうで見えないものを

38 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/28(金) 13:32:42
ガメラ対ギャオスにゴジラが割り込む話が多いから
逆にゴジラ対ギドラにガメラを放り込んでみようかな
書けたらだが・・・

39 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/04/28(金) 20:11:36
小さき勇者たち明日公開age

40 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/01(月) 02:01:45
キャッチコピーだけ勝手に考えてみる
ゴジラ版「倒したい奴がいる」
ガメラ版「守りたい物がある」

41 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/03(水) 16:45:16
ゴジラも全く新しいシチュエーションとストーリーで再生してほしいなぁ。。

42 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/09(火) 00:48:31
もうないの(?_?)

43 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 08:08:36
しめしめ、みんなこのスレのことを忘れてくれたらしい。
そろそろ投下すべし。
ゴジラとガメラがこれまで出会わなかった理由を説明してはいるが……SF性はカケラも無いヤツを。

44 :ガメ男:2006/05/22(月) 12:58:38
いや、忘れちゃいないんだけど、書く暇が無いです・・・

45 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/26(金) 01:12:12
ガメ男さんお元気ですか
なつかしいです
また暇ができたらガメラちゃんをお願いします。



46 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/04(日) 12:26:04
もうないの(>_<)

47 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/04(日) 22:52:23
まぁまぁボチボチ行きましょう^^

48 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/09(金) 12:14:41
保守

49 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/13(火) 20:29:45
ゴジラとジャガーでパンチパンチパンチ!

50 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/14(水) 20:07:35
メガロゴジだけは勘弁してくれ

51 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/15(木) 18:05:15
本当は好きなんだろう?

52 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/16(金) 00:16:28
一応…書いてんだけど…途中まで…そこから出ない…

53 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/19(月) 07:53:24
………夜空を飛びゆく黒い雲。
その後ろから真白い月が顔を………。
ひとつ…………え?ふたつ?……みっつ!?
中天に輝く三つの月。
そのうちの二つが突然三日月となり、同時に怒りの炎が燃え上がった!

「ヤツの目的は……。」

墜落するジャンボジェット!

「………天体としての地球そのものの破壊!」

炎上する都市!

「我に支点を与えよ!さすれば……」

そして………立ち上がる死者たち!
死霊都市と化した東京を自転車で駆け抜ける!

「地球上の命という命を、バクテリアに到るまで一つ残らず………。」
発光体同士の対決。飛び交う熱線!そして雷撃!
「………一つ残らず、ぶち殺してやる!!」
「あれは!……………ガメ……ラ!?」

「G!×G!×G!?」
………骨になっても戦え!

忘れてもらえるのを諦めて、そろそろ投下?

54 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/20(火) 00:52:13
つ どうぞ!

55 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/20(火) 12:42:16
日本怪獣界のビッグG  

ゴジラ   ガメラ    ギララ

56 :ガッパ:2006/06/20(火) 23:39:29
|-`)

57 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/24(土) 19:55:04
ゴモラ

58 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/24(土) 22:35:28
ウルトラなら宇宙人だとダントツでバルタン、
怪獣だとレッドキングだろうけど
どっちもGじゃないからなぁ

59 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/26(月) 01:35:07
ジラースとか。

60 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/26(月) 01:36:17
ゴメスも。

61 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/26(月) 07:28:16
「ゴジラ」と「ガメラ」、G二つはスレからしてこれだわなぁ。
もうひとつのGは……絶対判らんぞ。
SFでもないけど、でも板的にはギリギリセーフか?
ずいぶん昔に投下した「シャドウズ」よりも変な駄文だ。

62 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/26(月) 10:36:28
ギドラとギャオスも絡めて4Gで

63 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/26(月) 12:19:14
ヤパーリ、ゴジラの宿敵はキングギドラで
ガイガンやガバラやゴロザウルスではないのね…

64 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/27(火) 00:11:35
ギドラは他怪獣と違って「恐竜絶滅」っていう因縁付けが出来るからね

65 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/29(木) 22:32:02
>>64
それってファンタジー映画のモスラ3のでことか

メカゴジラは宿敵としてはダメですか?

66 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/30(金) 00:55:47
機龍ならともかく純粋なメカゴジラはただのメカだからな

67 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/30(金) 12:26:28
投下予告から間が開きすぎてもなんなので「G!×G!×G!」、月曜から投下開始。
フルに物語形式にすると200レス前後になりそうなので、要所のみ物語でその他はアラスジ形式に。
ただ、ネタ的にはSFどころか似非科学やトンデモ科学ですらない(笑)。
マジメなSFファンの人はスルーしてくりゃれ。
あ、それからミステリー板にはチクらないように。

68 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/30(金) 22:46:57
三ヶ月の沈黙?を破り、新たな物語が始動する!

期待してます

69 :G!×G!×G!:2006/07/03(月) 07:19:37
1.
冒頭は……パリのシャルル・ドゴール国際空港。
まずは一人の国籍不詳の男が足早に登場。手にはアタッシュケースを下げている。
男はビジネスマンや旅行者らとともに機内の人に。
そして機内にはもう一人。こちらは若くて背の高い白人の女性。
よく動く青い瞳に煌めく知性が感じ取れる。
綺麗な顔だが、どこか女狩人を連想させるのは、高い鼻が猛禽類を連想させるからかもしれない。
男を乗せた旅客着は何事もなく離陸していくが……そのおよそ1時間半後に謎の空中爆発。
火の玉となった大小の破片が、雪に飾られた山岳地帯へと落ちて行く。

航空機墜落シーンの直後、画面は突然切替わる。
真っ暗な寝室で飛び起きるのは、さっきまで機内にいたはずの若い白人女性。全身に玉の汗が浮いている。
彼女はベッドサイドの明りを着けると、悪夢(飛行機の光景は彼女の夢)を振り払おうと頭を振る。
そして、彼女は訳も無く本棚の最奥に置かれた古い写真を見つめた。
写真の中から年老いた男女が穏やかに微笑んでいた。

次の場面は翌朝。
場所はスイスの山奥。
空中爆発した旅客機がとある谷川の一帯に落ちたのだ。
絶望的な状況のなか、それでも僅かな可能性を信じて救援活動をする軍、警察、消防、そして有志の登山家たち。
もはや「戦場」と呼んでいい状況の中に、一人だけ場違いな東洋人男性がぼんやり突っ立っていた。
*男のそばに地名表示の立て看板、頭の「R」だけがちらっと見えている。
男の顔には緊迫感のカケラも無い。
野次馬であることを隠そうともしないその東洋人は、谷川と、そのむこうに落ちる大瀧を見晴かして呟いた。
「……こりゃぁ、すんげえなぁ……。」

*……滝壷の底の底から「視点」がぐんぐん上がってゆき、谷と山の惨状全景を映し出しながらタイトル……。

「G!×G!×G!?」


70 :G!×G!×G!:2006/07/03(月) 07:23:22
2.
*またも場所は変わって…、こんどは日本。東京湾アクアラインのサービスエリア、通称「海ほたる」が、約二年ぶりの再開に漕ぎ着けた旨を報じている新聞紙面からスタート。
新聞を手にするのは無精ひげの男。その目は紙面を泳ぐばかりで、記事など読んではいない。
そして男の脇から写真を覗き込むメガネの女。
無精ひげの男は児玉、メガネの女の名は岡田という。二人は大手出版社の記者コンビだった。

岡田「さすがに綺麗に直されてるッスねぇ。」
児玉「…あの事件からもう二年だからな。」

二年前の夜、海ホタルは大爆を起こした。
テロ説や電気設備などの故障説、軍用機の墜落説から果てはUFOによる攻撃説まで様々な憶測が提起されては消えたが、結局原因は不明のままだった。

児玉「人数を正確に掴むことはとうとうできなかったけど、……100人を軽く超える人間が事故当時ここにいた。」
岡田「……そんでもって誰一人助からなかったッスよね。そんなら一人くらいは……。」

実は、再建工事の開始から間も無く、あるウワサが囁かれだしたのだ。
「海ほたるに悪霊がとりついている」と。
最初「霊現象」といわれたのは、「誰もスイッチに触ってないのに照明が消える」とか「お月様が三つ見えた」程度の他愛も無いものだった。
しかし、人の命が失われる事故がとうとう発生する。駐車スペースに止っていたトラックが、突然猛スピードで横滑りしたかと思うと、たまたま通りかかった作業員にぶち当たったのだ。
それからは……高所からの転落や感電、原因不明の失火が相次ぎ、死者は数十名以上にのぼった。

児玉「キミはあの一連の事件が、全部悪霊の仕業だなんて言うのかい?それなら彼は……」*新聞を捲る児玉……。
「………彼はさしずめ現代の陰陽師ってとこだね。」*二面にデカデカと取り上げられた男の写真を指さした。
岡田「……酒井社長ッスね。たった一年半で、一介のプータローから世界経済の大立者にランクアップっす!」
児玉「彼の活動が無かったら、こんな不採算路線のパーキングエリアなんて廃墟のまま放棄されてたに違いないよ。」
その写真の中から鋭い視線を投げかける「酒井」とは………スイスでの旅客機墜落現場に居合わせた「野次馬東洋人」であった。


71 :G!×G!×G!:2006/07/03(月) 07:33:58
3.
児玉と岡田の二人は、「海ほたる」再興の立役者である酒井社長の仕事振りを取材するためやって来ていた。
酒井氏が経営する「サカイ・エンタープライズ」は、東京湾に面した高さ40階の高層ビルの頂上に納まっていた。
二人して社屋を見上げていると、黒塗りのリムジンがやって来る。
地下駐車場入り口に立つ制服姿の警備員がそれに向かって最敬礼すると、車が止って後部の窓が開き、若い男が顔を覗かせ答礼……。
酒井社長の謙虚な態度にちょっと感心する岡田。
だが……次の瞬間、彼女の首筋を針先でなぞられるような嫌な感覚が突き抜けた!
(こ、これって!?)
リムジンに向かって弾かれたように飛び出す岡田。
ビシッ!
岡田が飛び出すのと殆ど同時に、何かが空気を裂くと彼女の左肩を掠め、リムジンの後部ガラスを撃ち抜いた!
(狙撃!?)
制帽を抑えしゃがみこむ警備員。
児玉も転げるように身を伏せる。
車の後部ドアが一瞬開き、肩をおさえて車にもたれかかっていた岡田を強引に車内に引きずり込むと、リムジンは猛然とダッシュして地下駐車場に消えた。
(どこから撃った!?)
低い姿勢のままで児玉は後ろを振り返った。
何が起ったのか判らずに戸惑う群衆。
中には、事件が起こったことにさえ気がついていない者もいる。
その中、落ち着きはらった足取りで立ち去る「雨傘を下げたスカート姿の女」が児玉の注意を惹いた。
児玉は素早く立ち上がると、新聞記者の本能で「スカートの女」を追いかけた。


72 :G!×G!×G!:2006/07/03(月) 07:36:05
4.
狙撃事件に巻き込まれた岡田は、サカイエンタープライズの社長室で意識を取り戻す。
「命の恩人です」と頭を下げながら、「……ところで……失礼ですが、アナタは……霊感の強い方じゃありませんか?」と尋ねる酒井社長。
実は岡田は、母方が「法螺貝」という姓で、代々霊媒やイタコ、巫女を輩出している極めて霊感の強い家系であった。

「なるほど。それでさっきも狙撃を予知したわけですね。」
軽く俯き、体を左右に揺らしながら何か考えているようすの酒井社長。
明るい窓を背にしているため、逆光になってその表情はよく見えない。
やがて酒井社長は、ソファーに腰を降ろした岡田の肩に手をかけると言った。
「たしかアナタの社は、ボクの密着取材を希望してましたね?」
「はい、お願いしたッス。……でも広報の人がダメだって……。」
「いいですよ、密着取材。僕がこの場で許可しましょう。」
「ほ、ほんとッスか!」
相手の提案がにわかには信じられないでいる岡田に、酒井社長は思わぬ条件をつけてきた。
「ただし、密着するのはアナタだけ。他の人はナシです。」
「え!?あの……アタシみたいな駆け出し記者でいいんスか??」
「もちろんですよ。だってアナタはボクの命の恩人ですから。それに……。」
体を左右に揺らしながら酒井社長は言い足した。
「……そのうち、特別な情報をさしあげられるかもしれませんよ。」

73 :G!×G!×G!:2006/07/03(月) 07:39:13
5.
そのころ児玉はというと……彼は「スカートの女」を追って地下鉄に乗りこんでいた。
彼は、狙撃の角度や通行人の反応から、狙撃に使われた凶器を「凶器には見えない形をした、無音の銃」=「日用品に偽装した空気銃」と推理していた。
隣りの車輌には、例の「スカートの女」が座っており、その手には軸のガッシリした重そうな雨傘が握られている。
児玉の脳裏に、小学二年生の夏休みに読んだ探偵小説「空家事件」の粗筋が甦る。
「スカートの女」は、いつしか彼の心の中で、「トラ狩り」モーラン大佐とだぶっていた。



74 :G!×G!×G!:2006/07/03(月) 07:42:16
6.
児玉は「スカートの女」を尾行し、人気の絶えた埠頭の倉庫街へとやって来ていた。
だが角を曲がってみると…女の姿が無い!?
児玉が咄嗟に身を引くと同時に…、ビシッ!…音無しの弾丸が倉庫の壁を抉った!
「……やっぱり尾行に気がついてたか!?」
大胆にも物影から狙撃者に声をかける児玉。彼は今の狙撃から威嚇以上の殺気を感じなかったのだ。
児玉はなおも狙撃者に呼びかけた。
「オレは警察じゃない。雑誌記者だ!ついでに言うと、警察にもキミのことは連絡していない。……オレは……」
児玉はまず自分の名前と社名を名乗ってから更に続けた。「……良かったら、酒井社長を狙撃した理由を聞かせてくれないか?」
暫しの沈黙………そして…「……どうやら本当にサカイエンタープライズの人間ではないようだな。」言葉が返ってきた!
警察よりも酒井社長の会社の人間であることを警戒する相手の態度に、児玉は強い疑念を感じた。
「何故警察じゃなくサカイエンタープライズの人間かどうかを気にするんだ!?」
「……それはサカイ社長を狙撃する理由とも関係している。」
「どういうことだ!?」
答えが返るのに、さっきより明らかに時間がかかったが、児玉はこれをコミョニケーションが成立しつつある証と受け取った。
「……サカイ社長が今の成功を収めるに当たって、大きな幸運に三たび見舞われている。」
「ああ、それはオレも聞いたことがある。敵対勢力の大物が2人に酒井社長を相続人に指名したスイス人の金持ちが1人、計3人が急死した。
だがしかしアレと酒井社長は無関係ということになったはずだ!?それとも何か裏でもあるってのか??」
「記者だと名乗るのなら、自分で調べてみろ!!」
ただちに返事が返り、そして急に走り出す靴音!
児玉が隠れていた物陰から飛び出し、声の聞こえた方に走ったときには、「スカートの女」は既に姿を眩ました後だった。
「逃げられたか。……まあいいさ。エサも撒けたことだし………。」


75 :G!×G!×G!:2006/07/03(月) 07:45:33
7.
脚を棒にした尾行劇の後、児玉が社に戻ってみると、岡田は先に帰社していた。
酒井社長への密着取材という大任のため岡田の態度はどこかぎこちない。
一方児玉は、「ある期待」からまわりに人がいるのを邪魔だと感じていたため、岡田とも努めて距離を置くようにしてしまう。
偶然発生したこの「すれ違い状態」のため、岡田と児玉は互いの持つ情報を付き合わせることができなくなる。
すれ違いのままに岡田は酒井社長への密着取材を開始。
一方児玉は、まず自社のデータファイルにある酒井社長に関するあらゆる情報に目を通してみた。
スイスに入国した時点で、酒井氏はただの「流離のプータロー」に過ぎなかった。
何がしたいのか、何をすべきなのかも決められず、目的意識を持たぬまま、ただ無為に時を過ごす日々。
それがある時期を境に一変した。
原因は判らない。
とにかく、チューリッヒのホテルで後に彼の後援者となる××氏と出会ったとき、酒井氏は「ある種の引力」を放つ人物になっていたのだ。
××氏は金融界で長く活躍してきた人物であり、要するに「海千山千」の一筋縄ではいかない人物だった。
それが出会ったその日に「捕まって」しまい、酒井氏に巨額の資金を無担保で融資。
ウワサでは、酒井氏はその資金を三日とおかずに数倍にして返したという。
間も無く××氏は、自身の全資産の運用を酒井氏に一任するようになり、遺言状も変更して酒井氏についての条項を追加。
そして遺言状の書換えからちょうど一月後、××氏は自殺を遂げる。
……自宅に客を集めてのパーティー当日、庭に集った衆目の前で自分の喉をかき切ったのだ。


76 :G!×G!×G!:2006/07/03(月) 07:48:37
8.
敵対者2人の死も似たような状況だった。
1人は定時の株主総会席上でいきなり拳銃を口に咥えて発射。
もう1人は、自宅での「ある会議」の終了後、参加者に別れを告げて会議室の窓を開けたという。
そして参加者たちが、彼が何をしようとしているのか理解できずにいるうちにサッサと窓枠を越えた。
ちなみに彼の自宅があるのはマンションの16階。「ある会議」の趣旨は反酒井氏的なものだったという。

三つの極めて不自然な死は、いずれも不承不承ではあるが当局によって「自殺」と認定された。
そして1人の「恩人」と2人の「敵」の死によって酒井氏は世界規模のマネーゲームにおける覇者となったのである。
(狙撃者の言葉は、明らかにこの三つの死を「殺人」であると示唆している。だが……いったいどうやって??)
死んだ3人の顔写真をじっと見つめる児玉。
酒井社長と直接関係ある人物の死はこの三件だけだった。
だが、少し距離を置くと俄然死が目立ち始める。
酒井社長から一定距離を置いて、幾つもの死がドーナッツを成すように転がっていた。
(まるで……蜘蛛だ。巣の中心にいて自分からは動かないが、巣全体に死が散りばめられている)
そのとき、彼の携帯電話がブルブルッと振動した。
ある期待をもって、児玉は携帯を手にとった。
「………もしもし?」
…しばしの沈黙、そして聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「……ワタシよ。誰だか判るわよね。」


77 :G!×G!×G!:2006/07/03(月) 07:51:44
9.
「…ああ、待ってたよ。」
電話の相手こそ児玉の待ち人、あの「スカートの女」だった。
「ワタシが電話かけてくるって、自信があったわけね?」
「そうさ。」落ち着き払って児玉は答えた。「言葉の微妙なイントネーションの違いからキミは外国人だと判った。それに立てた襟から覗いた頬の白さからするとたぶん白人……違うかい?」
いくぶん間をおいてから女は答えた。「……ちょっとした名探偵気取りね。」
「子供のころはよく読んだからね。」児玉が少しだけ遠い目になった。「ポワロ、クイーン、ヘンリー・メリヴェール、それからもちろんシャーロック・ホームズ。」
自分でも気づかぬうちに、まるでパイプでも扱うような手つきで児玉は携帯を弄んでいた。
「それからついでもうひとつ。君はプロの殺し屋じゃないね。」
「………なぜそう思うの?」
「プロだったら倉庫でボクを射殺してるだろ?弾の当たった場所から考えるに、キミは最初からボクに当てるつもりは無かった。ただの威嚇だよね、あれはは。」
「…………。」
「スカートの女」が黙り込んだので、今度は児玉が質問する側になった。

「で、ボクは何をすればいいのかな?」


78 :G!×G!×G!:2006/07/03(月) 15:19:03
10.
一方、岡田は早速酒井社長への密着取材を開始していた。
分刻みというより秒刻みのスケジュールで様々な人と会い、会議や交渉をこなしていく酒井社長。
相手は技術者、科学者、経営者に政治家、法律家と実にバラエティに富んでいたが、岡田とは縁の無い世界の住人という点ではみな同じだった。
ただし、あるひとりの男を除いては……。

その卜部(うらべ)と名乗る男は身長170cmあるかないかだが……、岡田のよく知る「ある種のオーラ」を強力に放っていた。
岡田が男の存在に気づくのと殆ど同時に、男も岡田に気づいたらしい。
視線がぶつかった瞬間、岡田は確信した。
(こいつ、心霊能力の持主ッス。それもかなり強力な……。)

男が退去した後すぐに、岡田は会議室から出て来た酒井社長に尋ねてみた。
「失礼ですけど、社長!さっきの男性はどういう人ッスか??」
次の会見に急ぐ脚を止めないまま、酒井社長は簡潔に答えた。
「国家霊安室の方だそうです。」
「れ、霊安室?それってホトケさまを安置する部屋のことッスか???」
酒井社長はそれ以上答えてはくれず、「質問はここで打ち止め!」というように脚を早めて行ってしまった。


79 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/03(月) 15:21:25
11.
「なぜアナタはワタシの手助けなんかしようっていうの?狙撃未遂犯のワタシの?」
「キミに指摘される前から、あの酒井って男を胡散臭いと思ってたからさ。あの男の身辺はきれい過ぎるくらいに綺麗だ。でも二三歩離れると例の変死事件以外にも妙な話がゴロゴロしてる。まるで巣の中心に陣取ったデカい蜘蛛みたいに見えないかい?」
数秒間の沈黙、そして……。
「……アナタの考えは判ったわ。一つ調べてもらえるかしら?」

こうして児玉は、「スカートの女」の言葉により川崎の倉庫に忍びこんでいた。
つい最近、サカイエンタープライズがアメリカから持ち込んだ「装置」を調べるためである。
とてつもなく巨大で頑丈な木枠に収められていたため「装置」そのものを直接目にすることはできなかったが、児玉は木枠に鋲止めされていた送り状といくつかの文字を書き写す。
自宅に戻り、送り状と木枠の文字を調べてみると、「装置」の送り主はアメリカのRマシスン・コーポレイションであると判った。
「装置」の名前は「Sリバーサー」。
綴りからすると「逆転」の意味のリバースに「ER」がついた形であり、直訳すれば「逆転するもの」ということになるだろう。
だが、いったい何を逆転するというのだろうか?



80 :G!×G!×G!:2006/07/03(月) 15:24:06
12.
その翌朝「スカートの女」から電話連絡があって「リバーサー」について知り得た情報を報告した後も、児玉は川崎の倉庫の監視を続けていた。
装置が、サカイエンタープライズ本社のあるシオドメではなく川崎に置かれているのが気になったからである。
(装置を使う場所が川崎の近くにあるからに違いない。)
監視の甲斐あって児玉はリバーサーの輸送を尾行することに成功。
装置を積んだ大型トラックは改修後もいまだ一般開放されていない東京湾アクアラインへと姿を消す。
児玉はトラックによって運び去られたリバーサーは、東京湾アクアラインを越えていないと考えた。
もし千葉で使うつもりならば、最初から千葉か都内に陸揚げすればいいからだ。
(アクアラインに乗り入れ、しかも向こう側まで渡らなかったとすれば、行き先は一つしかない。「海ほたる」だ!)

その後も児玉は様々なルートで「リバーサー」について調査を試みたが、結果は不毛に終る。
だが、その正体は意外な顛末から明らかとなった。
仕事とリバーサーの調査で疲れ果て眠り込んでいた児玉は、未明の電話に叩き起こされた。
すわ(スカートの女か!?)と飛び起き電話をひっ掴む児玉。
だが、電話の主は児玉の期待していた相手ではなかった。
電話口から飛び出してきた威勢のいい声は、児玉の大学時代の友人、…たしか「ミー」とか「メー」とかいうオカルト雑誌で記者をやっているヤツだった。
半分以上ひっくり返ったような声で友人は叫んだ。
「なにしてる!?寝てたのか!?起きろ起きろ!これは事件だ!オカルトだ!さっさとテレビをつけろ!!」


81 :G!×G!×G!:2006/07/03(月) 15:27:10
13.
事件の舞台は……サカイエンタープライズ本社近くにあるホテル。
与党の元老的立場にある大物政治家の後援パーティー会場でのことだった。
出席する酒井社長にエスコートされる形で密着中の岡田も同席させられるハメになったわけだが、普段呑みつけない高級酒に手を出した岡田はすっかり悪酔いしてしまい酒井社長を見失ってしまう。
酒井社長を探し参加者たちの中を彷徨う岡田は、海の方からやってくる「ある力」を突然感じとった。
それは「黒い意思」であり「破壊を望む心」に違いなかった。
一瞬で岡田の酔いが醒めた。
「黒い意思」は、海を越えハメ殺しのガラスエリアも通り抜けると、何も知らない参加者たちの中に溶け込んで行く。
その有様は、まるで白いタオルに墨汁が染み込んでいくようだったが、人の心を黒一色に染め上げる存在に気づいているのは岡田ひとり。
迫る危機を警告しようと岡田は酒井社長を必死に探すが、別の部屋にでも行ってしまったのかその姿を見つけることはできない。
焦る岡田のまわりで突如拍手が沸き起こった。
司会者に促されてパーティーの主役である大物政治家がマイクの前に立ったのだ。
だが、演説好きと評される老政治家は、目玉をひん剥いて鉛色の顔から蝋燭のように白濁した汗を流すばかり。
その口からは如何なる言葉も発せられない。
異常を察した司会者がそっと近寄って何事か囁いた瞬間だった。
大物政治家が……、吠えた!泣いた!叫んだ!狂ったように哄笑した!
いや、それらを次々にやったのではない!全部をいちどにやったのだ!
そして呆気にとられた司会者に飛びつくと………彼の片耳を食い千切った。



82 :G!×G!×G!:2006/07/03(月) 15:31:51
14.
「これは霊障ッス!!」
事件の翌朝朝、岡田は社長室で酒井社長に向かって弁じ立てていた。
社長室の大きなデスクの上には何紙もの朝刊が広げられ、その全てが代議士の狂乱を報じていた。
司会者に噛み付いたのを皮切りに、後は手当たり次第。
老人とは思えぬ怪力で暴れまわった挙句、取り押さえようとした警官にすら襲い掛かった果て………とうとう射殺。
自らが食い千切った被害者のパーツが散らばる中央で、犯人自身が息を引き取るというまさに地獄絵図となってしまった。
「……新聞やテレビのニュース番組は『薬物中毒説』に傾いているようだが……。」
「違うッス!あれは海の方から来た霊の仕業なんッス!!」
「海の方から………か。」
酒井社長は新聞から顔を上げると、窓から見える東京湾を見晴かした。
「間違い無いッス!あいつは……あいつは海の方から来たッス!」
ガタン!と音を立て酒井社長がデスクから立ち上がった。
「岡田さん。悪いが僕と一緒に来てくれないか。」

酒井社長が岡田を連れて行ったのは千代田区の高層ビル街だった。
てっきりそのどれかに入るのだと思っていると、酒井社長は幅1mちょっとしかないビルの間にどんどん入っていく。
絶壁に囲まれた迷路のような路地を進んで曲がって進んで曲がって……辿り着いた先にあったのは小さな石の鳥居と今は見かけなくなった公衆電話ボックスのようにちっぽけな社殿。
(きっと東京が江戸だったころからここにあるッスね。そんでもって近代化の波からも零(こぼ)れ落ちゃったッス。)
……などと岡田が考えていると、酒井社長は社殿横の狛犬に向かって手を叩いた。
応じるように、社殿正面の木戸がすうっと音も無くと、酒井社長はなんの躊躇も無く社殿に足を踏み入れた!?
「ちょ、ちょっと。どこ行くんスかあ!?」
社殿に片足を踏み込んだところで思い出したように振り返ると酒井社長は手招きして言った。「さあ岡田さん、アナタもいっしょに。」
「そ、そんなこと言ったって……!?」
戸惑う岡田の片手をむんずと掴むなり、酒井社長がにやっと笑った。
「ひょ、ひょええっ?!?!何するッスかぁ??」
酒井社長に手を引っぱられて、岡田は小さな社殿の中へと引きずり込まれ……………社殿の扉がぱたりと閉まった。


83 :G!×G!×G!:2006/07/04(火) 08:37:57
15.
「お!降りてくッス!!これってエレベーターッスね??」
仰天顔で聞いた岡田に、酒井社長は笑って答えた。
「びびりましたか?」
なんと!高層ビルの狭間の「ちっぽけな社殿」は地下施設への入り口エレベーターであった。
小型ではあるが超近代的なエレベーターで下った先は、前近代的な板張り廊下の和風世界。
つまり、そここそが「国家霊安室」の本拠地だったのである。
「白峰」こと崇徳上皇、「雷神」菅原道真、悪路王ことアテルイ、「新皇」平将門などなど……、古来より日本は様々な悪霊・怨霊の脅威に晒されてきた。
雷を落とし、疫病を流行らせ、飢饉をもたらす、そうした恐ろしい霊威を野放しにするわけにはいかない。
そうした存在を慰撫し、場合によっては戦ってなんとかお鎮まりいただく……そうしたことを生業とした組織が誕生したのも当然のことであろう。
つまりそれが「国家霊的安全保障室」、略して「霊安室」なのであった!



84 :G!×G!×G!:2006/07/04(火) 08:40:07
15−2
面会相手がやって来るのを待つあいだに、酒井社長は自分の知っている事柄を岡田に手短に説明した。
「歴史こそ古いが、正規の部署になったのは明治維新の直前、なんでも孝明天皇によってだとか……。」
「はあ!そうッスか!崇徳院の呪い対策ッスね。」
霊感女の岡田にはすぐさまピーンときた。
「知ってるんですね?」
「崇徳(すとく)院、崇徳上皇。れっきとした元天皇ッス。そんでもって保元の乱の首謀者ッスね。野望潰えて後、四国は讃岐の山奥に流されて、死んだあとは……。」
ここで岡田はワザとゾンビみたいな顔を作って言った。「……『皇(すめらぎ)をとって民となし、民をとって皇となさん』……天皇家に仇為す日本最大の祟り神ッス。」
……せっかく思いっきり変な顔を作ったのに酒井社長はクスリとも笑ってくれなかった。
(……やらなきゃよかったッス……)
ゴホンとワザとらしい咳払いで岡田はなんとかその場を繕うと説明を続けた。
「……明治維新で天皇家が政治の表舞台に復帰するとき、孝明天皇は崇徳院の神霊を京都にお戻しするよう命じたッス。そんでもって息子の明治天皇が建立したのが京都の白峰神社ッスね」
そこまで話したときだ。
「……お詳しいですね。」声とともに2人の男が入って来た。
1人はかなり年配で総白髪、もう1人は……。
(あ、もう一人はあの男ッス!たしか名前は……ウラ……ウラ、ウーラウラウラウラ、ベッカンコ!……じゃないッス!)
すると隣に座っていた酒井社長がすっくと立ち上がって言った!
「守矢さん、卜部(うらべ)さん、単刀直入にお願いします。ワタシのリバーサーの使用を許可してください!」


85 :G!×G!×G!:2006/07/04(火) 08:42:40
16.
児玉がテレビをつけてみると……友人の「オカルトだ!」という言葉は額面通りだと判った。
テレビは戦慄の事件を報道していたが、放送コードを考えると実際の全容はこんなもののはずはない。
オカルト映画の世界が現実となったのだ。
(そう、まさにオカルト映画だ……この事件は……)
そのとき児玉ははっと気がついた。
(そうだ!オカルトだ!この事件だけじゃない!あの三件の変死もオカルトだ!……そう言えばリバーサーが運び込まれた「海ほたる」には「悪霊が出る」というウワサがあった!なら、ひょっとしてあのリバーサーは!?)
「オカルト」「心霊」「幽霊」思いつくままの単語を「リバーサー」と組み合わせて検索を試みる!
……………すると!?
「あった………とうとう見つけたぞ!!」
リバーサー、それは英米物質主義の権化だった。
「心霊現象と呼ばれるものであっても計測可能な部分は物理学の範疇にある」と考え、強力な電磁流によって霊の持つ物理的エネルギーを消滅させてしまう。
それが「リバーサー」の正体だった。
つまり簡単に言ってしまえば、「リバーサー」とは「幽霊破壊装置」だったのである。


86 :G!×G!×G!:2006/07/04(火) 08:44:47
17.
国家霊安室の地下社殿では、酒井社長と霊安室室長の守矢がもの言わぬまま睨み合っていた。
「例え人に仇為すものであろうとも、霊には納得づくでお帰りいただくのが筋目。老朽家屋みたいにぶち壊すなど言語道断。」
それが守矢や卜部ら霊安室の意見であった。
祖霊に対する礼の姿勢は日本人に限らず人の本能的なものである。
それに日本の古い神々はスサノオに代表されるように祟り神・凶つ神としての性格を少なからずもっていた。
そうした霊との付き合いの歴史が、西欧物質主義の産物である霊破壊装置「リバーサー」の使用を拒ませたのだ。
だが今回の会談は最初のときとはいささか展開が違っていた。
岡田の存在である。
霊能力者である岡田からの「海から来た悪霊」発言は、物質主義者である酒井社長の発言とは違った重さを持っていたのである。
それからもうひとつ、岡田は意識していなかったが彼女の母方の姓である「法螺貝」も大いにものをいっていた。
クダギツネの使役や呪殺、悪霊払いや神おろしなど、良きにつけ悪しきにつけ「法螺貝」オカルト世界の一族はビッグネームだったのだ。
「信じられないくらい強力な悪霊だったッス!血に飢えてて、凶暴で……。」
念押しするように守矢が尋ねた。
「岡田さん。あなたの言われる悪霊は《 確かに 》海の方から来たのですね?」
「そうッス!海の方から、正確には『海ほたる』の方角から来たッス。」
岡田の口から「海ほたる」の名が出たとたん、卜部は確かに「ぐっ!」と唸った。
同時に隣で酒井社長がぶるっと身震いしたのも感じられた。
岡田は直感的に悟った!
「ひょっとして酒井社長も卜部さんも、悪霊の正体を知ってるんスね!」
何も答えぬまま守矢は静かに席を立つと、しばらくしてスクラップブックのようなものを手に戻って来た。
「御嬢さん。さあ、まずこれを見て御覧なさい。」


87 :G!×G!×G!:2006/07/04(火) 08:47:08
18.
岡田が見せられたのは、めちゃめちゃに破壊され焼き尽くされた「海ほたる」の写真だった。
何枚も続く写真を追っていた岡田の目が、とある写真でピタリと止った。
それは焼け焦げた駐車場の光景だった。
アスファルトの大部分は熱融解し、一部は融解に留まらず蒸発したようだが、片隅の一画だけは奇跡的にアスファルトが残っていた。
そしてそこには白や黒の灰にまみれながらも、一部奇妙な紋様が残っていた。
「気がついたみたいですね。」卜部が静かに口を開いた。「……その個所だけが、アスファルトが破壊されずに残っていたんです。蒸発するほどの熱にさらされたはずなのに。」
「……この模様……、たしか、かあちゃんの田舎で見たことがあるッス。この模様はたしか、口寄せとか降霊術のとき使う……。」
となりで酒井社長が、感心したように長く息を吐き出して言った。
「…もっと早くアナタと会っていればよかった。そうすれば、調査に日時を費やさなくともよかったのに。」
催眠術士のように喋る卜部に代わって、酒井社長の確信に満ちた声が説明を引き継いだ。
「……随分ボクも調べましたよ。2年前のあの日、誰かが『海ほたる』で降霊の儀式を行いました。それがあの大破壊の原因だったんです。」
「でも…、でもでもでも!どんな悪霊や怨霊だって鉄やアスファルトまで蒸発させるような高熱なんて起せないッス!むりむりッス!!」
口を尖がらせて反論した岡田だったが、酒井社長は確信に満ちた声で応じた。
「人間の霊じゃムリでしょうね。でも、存在したじゃないですか。鉄やコンクリートでも焼き尽くすような火を吐く怪物が。たしかヤツの死に場所は東京湾だったはずです。」
そして説明を締めくくるように守矢は言った。
「あれはゴジラの霊。オキシジェントデストロイヤーで滅ぼされたあの怪物の怨霊なのです。」



88 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/04(火) 08:59:09
駄文書きのひとりごと

ここまでの展開で「なんだ『海ほたるでの降霊会』のパクリか」と思った人がいるかもしれない。
実はあれもワタシが書いた駄文で(笑)、「G!×G!×G!」のネタを考えたとき、その前史として考えたもの。
ところが作ってみたはいいが、ガメラが出てないのでこっちのスレには投下できず、他スレに投下した次第。
ちなみに「海ほたるでの降霊会」に登場する「法螺貝しのぶ」と本編の岡田は遠縁ですが親戚という設定(笑)。
笑ってやってくだせえ。

89 :G!×G!×G!:2006/07/04(火) 12:36:42
19.
守矢は言った。
何者かの降霊術によって東京湾に眠るゴジラの霊が召喚されてしまったのだと。
霊を召喚してしまった何者かは呼び出した霊を除霊できぬまま恐らくその場で死んでおり、召喚されたゴジラの霊はアクティブな状態のままで今もあそこにいるというのだ。
「さらに始末が悪いのは……。」守矢が静かに語った。「……東京湾は東京を支える地脈の終点であり、関東一円の『霊の吹き溜まり』となっているのです。
そのため、東京湾に陣取るゴジラの霊は、様々な自縛霊、浮遊霊、動物霊などが流れ込んでいる可能性があります。」
後を受けた酒井社長は断言した。「蓄えられるだけの霊力を蓄えたら、大悪霊と化したゴジラは、今度は東京そのものを焼き尽くすに違いありません。」
「そ、そんなぁ!ワンコやニャンコの動物霊だって悪霊化したらメチャメチャ恐いッス!それがゴジラの悪霊なんて、激恐ッス!!」
だが、うろたえる岡田の前で酒井社長は大きく胸を張って見せた。
「岡田さん安心しなさい。その強大な悪霊を滅ぼすために、はるばるアメリカからスーパーリバーサーを持ってきたのです!あれでゴジラの霊を無力化してみせますよ。」
……しかし岡田の顔は晴れなかった。
何故なら、彼女にとっての「霊」とは霊安室の立場と同じ、つまり粘り強く会話を重ね、礼を尽くしてお帰りいただく存在だったからである。
実は霊安室もこれまでアクティブな状態にあるゴジラ霊をなんとか鎮めようと密かな努力を重ねてきていた。
だが、昨夜のようにゴジラ霊の被害者が出てしまったとあっては、もう穏健策をとっている猶予はない。
結局その場で守矢ら霊安室は、酒井社長の「スーパー・リバーサー」の使用に同意を与えたのだった。


90 :G!×G!×G!:2006/07/04(火) 12:39:21
20.
その翌朝、サカイエンタープライズ本社ビル最上階は作戦室となった。
臨時休業ということで社屋から退去させられる社員、そして入れ代わりに乗り込んできた霊安室の一団。
リバーサーは強力な電磁波を撒き散らすので人間が直接操作するわけにはゆかず、遠隔操作する必要があった。
その操作場所として酒井社長は本社ビルを提供したのである。
遠隔操作といっても本社ビルからは「起動」の信号を送るだけで、停止の方は「リバーサー」が自動で止ることになっていた。
運び込まれた装備はリバーサー関連の機械だけではなかった。
魔除けのお札に破魔矢や鏡、あげくは熊手まで運び込まれていて、知らない人が見たら「酒井社長は気でも狂ったか?」と思っただろうが、全てマジメな霊的防御策であった。
その他にもフロアには幾重にも魔法陣やら何やらが描かれ、ビルの正面には奇態な紋様が幾つもならんだ垂れ幕が全部で三本下げられた。
多くの作業員が出入りしての突貫作業は、日が沈むころまでかかってようやく終った。
社内社外の人物があまりに大勢出入りしたため、入館チェックが甘くなったのは止むを得ないことだろう。
だから建物に入ったままで、出てこなかった人物が一人ぐらいいたとしても……。

そして…………墨を流したような闇の中にただ満月だけがぼっかり輝く……そんな夜に作戦は開始された!


91 :G!×G!×G!:2006/07/04(火) 12:42:31
21.
「ヤツの墓は東京湾の底ですから、そのままリバーサーを使用しても海水で効果は減殺されてしまうでしょう。ですから、まずはヤツを海底の墓より誘き出します。」
酒井社長は幾つも並んだボタンのうち右端のものを押し込んだ。
暗い東京湾の向こうから何か動物の叫び声がかすかに聞こえてきた。
「ワニの吠え声にコブラやガラガラヘビの威嚇音などを混ぜこぜにしたものです。ゴジラが恐竜時代の生き残りだというのなら、必ず反応を示すはず……。」
酒井社長がそう言い終わるか?終らないか?というタイミングで、高感度望遠鏡で「海ほたる」を観察していた霊安室職員が叫んだ。
「月が出ました!最初から出ていたものと合わせて全部で三つです!」
同時に霊視班からも報告が入る!
「出ました!間違いありません!ヤツです!!」「信じ難いほどのパワーだ!」
「うろたえるな。」霊安室室長の守矢が一喝した。「……霊につけこまれるぞ。」
霊安室職員たちは冷静さを取りもどした。
「……申し訳ございません。ゴジラ霊、ポイントXまで500メートル!」
「社長!…ポイントXって何のことッスか?」酒井社長のわきに座っていた岡田が聞いた。
「スーパーリバーサーの電磁流の増幅作用が最大になるように設定されている場所のことだよ。」ボタンの一つに指を乗せたまま、酒井社長は答えた。
「ゴジラ!前進開始!………しかしこの方向ではポイントXには入りません!」
「……危険ではあるが……やるしかないか。」酒井社長は次のボタンを押し込んだ。
本社ビルの前方400メートルほどのところで、派手な閃光が立て続けに発せられた。
「…水爆実験で生まれたゴジラは光を憎み攻撃する。おそらく水爆を思い出すからだ……。」
「ゴジラが向きを変えました!まっすぐこちらに向かってきます!」
「ポイントXまであと400メートル!」
「350メートル!」
「300メートル!!」
「よし!こっちの計画どおりだ!!そのまま真っ直ぐ来い!」
だが、そうは問屋が卸さなかった。
霊視班の職員が口々に叫んだ!
「ゴジラ霊が口を!」「口を開きました!!」「熱線が来ます!!」


92 :G!×G!×G!:2006/07/05(水) 12:08:41
22.
「熱線来るッスかっ!!?」
岡田も思わず闇の彼方を凝視すると、……彼女にも見えた。三つの月が!そして鬼火に縁取られたキバが!
三つの月のうち二つが、三日月のように細くなった!そしてそこに燃え上がるのは!?
「怒りの炎ッス!!」
鬼火に縁取られた口から燐光を放つ幻の炎が吐き出された!
「ぎょええぇぇぇぇッス!!」
幻の熱線はサカイエンタープライズ本社ビルめがけ一直線に走った。
このまま二年前の「海ほたる」のように火の海に沈むのか?!
だがそのとき、社屋正面に下げられた三本の垂れ幕が怪しく光を放った!
ずーーーーーん!建物全体が震動する!
しかし本社ビルは無事!ゴジラ霊の熱線をなんとか凌ぎきった!
「遮霊幕、二本だったら危なかった。」卜部が思わず呟く。
「さすがにバケモノだな。だが……」守矢が続けた。「相手が霊なら、持ち堪えてみしょうぞ!」
観測員が再び叫んだ!
「ゴジラ霊!ポイントXまであと250メートル!!」

一方同時刻、同じビルの中。
身を隠していたロッカーが衝撃とともにひっくり返ってしまい、その中から児玉がほうほうのていで這い出した。
一度は(あの女の仕業か?)とも思ったが、(酒井社長以外の巻き添えを避けたいあの女がこれほどの騒ぎを起すはずが無い)と考えなおす。
そうであるならば、この衝撃は酒井社長の計画によるもののはず。
事態は物凄いスピードで展開し始めている!
たぶんあの女も動き出しているに違いない!
(こうしちゃいられないぞ!)
児玉はロッカーが幾つもひっくり返り、書類が散乱する中を掻き分けて、人気の無い廊下に忍び出た。
1階には警備が配されているのだろうが、途中階には幸運なことに誰もいなかった。
廊下の端から非常階段に出ると児玉はビルの最上階を目指した。


93 :G!×G!×G!:2006/07/05(水) 12:11:51
23.
「ゴジラ霊!ポイントXまであと200メートル!」
「意外と早いな。」呟く卜部。
「遮霊幕の力を上げよ。」守矢が後ろに控える霊安室職員たちに命じる。
「ゴジラ霊!ポイントXまで150メートル!」
プレッシャーを感じているのか酒井社長は体を左右に揺らしているが、指はリバーサーの起動スイッチから動かない。
「……あと少しッスよ社長。」
「ありがとう岡田さ……。」
社長が礼を言い切るより僅かに早く……ずぅうううううううん!
腹に堪える鈍い震動が走った!
卜部が叫ぶ「ゴジラの攻撃か!?」
「違います!ゴジラからではありません!」
「ではいったい!?」
混乱する作戦室!
そこにもう一発!……どおおおおおおおおおおん!
「なんだとぉ!?」「ゴジラでなければ何者だというのだ!?」
口々に叫ぶ霊安室職員たち!
そして「ゴ、ゴジラ霊!あと100メートルです!」という声に被さるように……ぼおーーーん!……どおおおおおおん!!
今度は続けざまに二発!
「社長!こ、これってどうなってるんスか?!」
「以前ボクを狙撃したヤツだろうね。」酒井社長は冷静なままだった。「……やっぱりきたか。」
そのとき、廊下に配されていた霊安室職員が部屋に飛び込んで叫んだ!
「エレベーターが上がってきます!」


94 :G!×G!×G!:2006/07/05(水) 12:15:11
24.
「誰が乗っているのだ?行って確認しろ!」
卜部の指示で数人の霊安室職員が廊下に飛び出した。
34……35……36……エレベーターが上がって来た。
そのドア口を霊安室職員たちが固める。
……37……38……。
皆の注意がエレベーターに集中した瞬間、岡田はある奇妙なものに気がついた。
屋上から何か……ロープで繋がれたナップザックのようなもの……が下がってきたのだ。
……39……40……チーン!
エレベーターが開いた!そして!
パーーーーーーーーーーーン!耳をつんざくような高周波の爆発音と閃光が駆け抜けた!
音と閃光によるショックで敵兵を一時的に麻痺させる爆弾(スタングレネード)だ!
「やはりエレベーターはオトリ。ホンモノは……」
酒井社長がそう言うと同時に、バンッ!!ナップザックが爆発!正面のガラスエリアはコナゴナに!
そして高層のビル風が作戦室に舞い狂うのと同時に、何者かがまるでターザンのように飛び込んで来た!
風が金髪を嬲る!ボディラインは間違いなく女だ!
襲撃者は手にした雨傘を酒井社長の胸に突きつけると、迷うこと無く引き金を引いた!
ブンッというくぐもった音。
だが…………倒れたのは最初の狙撃のときと同じ。
やはり岡田だった。
ただひとつ大きく違ったのは、酒井社長が岡田の体を盾に使ったことだった。


95 :G!×G!×G!:2006/07/05(水) 12:17:54
予想外の事態に襲撃者が凍りついた瞬間!
「つめが甘いぞ。」
酒井社長の手が手をかざすと、ばんっ!!見えない巨人に突き飛ばされたように襲撃者は後ろにふっ飛んだ。
「社長無事ッスね?」人間の盾として使われながら、岡田は恨み言一つ言わなかった。「……そんならよかったッス。」
だが、酒井社長はそんな岡田の言葉など聞いていない。
「………ゴジラは、どうやらポイントXに入ったようだな。」
思いがけない酒井社長の言葉に、岡田は傷の痛みも忘れて言った。
「しゃ、社長、霊能力者でもないのに、なんでゴジラ霊の居場所が判るんスか?」
「……答えは簡単。ボクにも見えるからさ。ゴジラ霊がね。」
答えと同時に、酒井社長の体から白い霧のようなものが染み出しはじめた。
「酒井社長!!あんた一体何者だ?!」山門の仁王様のような顔で卜部が飛び出した。
「その質問に答えるその前に……これをやっておかないとね。」
酒井社長はリバーサーの起動スイッチを押した。
たちまち目には見えない電磁流の竜巻がうねりだす!
これでゴジラ霊は消滅……するのか?
「……さてと、さっきの質問だがね。実はオレも死霊なのさ。死んだのは前世紀の初めのころだがね。」
「そ、そんなのうそッス。」苦しげにそう呻くと、岡田は気を失ってしまった。


96 :G!×G!×G!:2006/07/05(水) 12:20:21
26.
「我ら霊安室まで、生物であるかのごとく謀った(たばかった)のか!許さん!!」今にも飛びかからんとする卜部。
だがそのときゴジラ霊の観測員たちが大声で叫んだ!
「ゴ、ゴジラ霊のパワーが上がっています!」「この霊力上昇はいったい!?」
彼らの言葉と同時に、それまで普通の人間には見えなかったゴジラの姿が闇に青白く浮かび上がった!
「ふ……ふ……ふははははははははは!」酒井社長は突然狂ったように笑い始めた。
「………我に支点を与えよ!さすれば………ふははははは!我は支点を得たぞ!ついに支点を得たぞ!はははははははははは!!」
「企んだな。」霊安室室長守矢が静かに前へと踏み出した。「リバーサーのパワーを、ゴジラ霊の霊力を消すのでなく、逆にパワーチャージするのに使ったのだな。」
「な、何と!?」驚く卜部。「ゴジラをリバーサーで強化したと!?」
「そうじゃ。……見よ!」守矢はゴジラを指さした。「霊でありながら殆ど物質化しておる。あヤツの津波のような霊障を感じぬか!?」
気がつくと、作戦室内にいた霊安室職員は、抜きん出て霊格の高い守矢と卜部を除き、尽く白目を剥いて倒れている。
「卜部!」守矢の表情がにわかに鬼の形相に変わった。「女性2人を守ってここから脱出せよ!このバケモノはワシが引き受ける!」
「しかし…!」
「行くのだ!この者たちを巻き添えにしてよいと言うのか!」
鬼の形相の守矢とニヤニヤ笑う酒井社長を残し、卜部は襲撃者と岡田を抱えるようにして作戦室を出た。
廊下に出るとエレベーターが開いており、まだスタングレネードによる麻痺から脱しきれていない霊安室職員、そして児玉が乗っていた。
「おい!アンタもモタモタしてないで早く乗れ!」
「エレベーターは危険だぞ!」
「心配いらん!下りだけの重力エレベーターだ!」


97 :G!×G!×G!:2006/07/05(水) 12:22:59
27.
卜部と岡田、そして気を失ったままの「襲撃者」がエレベーターに乗り込んでドアーが閉まりきる寸前、作戦室から一人の男が悠然と歩き出した。
酒井社長だ!
……守矢は敗れたのか。
怒りと悲しみに顔をゆがめた卜部を閉じ込めてエレベーターは重力ブレーキによる降下を開始する。
重力ブレーキは下りだけの片道キップのため、卜部は守矢の仇討ちに戻ることが出来ない。
本社ビルに更に接近したゴジラ霊が再び熱線を吐くとビルの上半分は粉微塵に吹き飛ばされてしまうが、それは間一髪児玉たちが脱出した後だった。
児玉たちは卜部に導かれ、国家霊安室本部へといったん撤退。
そして意識を取り戻した「襲撃者」は、酒井社長にとりついていた悪霊の正体について語りだした……。


98 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/05(水) 23:08:10
期待してまーす。


99 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/06(木) 07:19:20
期待されても困りまーす。
だって仕事の合間にチョコチョコっと書いてるだけだし(笑)。

100 :G!×G!×G!:2006/07/06(木) 07:26:38
28.
「襲撃者」=「スカートの女」は、自らメアリー・アドラーと名乗った。
児玉の想像どおり白人女性。
普通のスニーカーを履いているにも関わらず、身長は175センチ以上ある。
年齢は20代後半だろうか?もっとも白人は日本人よりも老けて見えるから二十歳そこそこかもしれない。
痩せて見えても、身のこなしから推察するにただのダイエット痩せではない。
服の下はきっと体操選手みたいだろう。
そして顔は………なんと不思議な顔だろうか?
間違いなく美しい顔なのだが、角度によっては「猫」のように見えたり「鷹」のように見えたりするのだ。
目は児玉の顔を見ながら、同時に児玉の顔を通り抜けて何処か彼方の世界を見ているようにも見える。
(まちがいない。こいつのこの顔は……狩人の顔だ。だがこの顔はどこかで……どこかで……)
児玉には確信があった。(こいつのこの顔、オレはどこかで見ているぞ!)と……。

「一年半ほどマエ、ヤツの霊の眠る地にヒコウキが墜落しましタ。」俯くことなく、卜部や児玉の目を真正面に見つめながらメアリーは語った。
「一年半前の航空機墜落事故っていうと…」記者というだけあって児玉は事故を記憶していた。「…例のスイスの山奥に落ちたあの事件だね。場所は確かラインヘン………」児玉の言葉が突然止った。
「どうしたッスか??」岡田は腕を包帯で吊っていた。「児玉さんひょっとして、ひょっとして、ひょっとして、何か知ってるんスか??」
「知ッテルんですネ。あそコがどんなヤツの墓なノか……。」岡田とは対照的な冷静さでメアリーは言った。
「まさか、そんな。………事故機が滝壷だけじゃなく地獄まで突き抜けたとでもいうのか!?」そして児玉は絶句した。
「そうなのかもしれまセン。」メアリーは静かに続けた。「……偶然の事故によって墓から解放されたヤツは、タマタマ事故見物に立ち寄った日本人旅行者のサカイ氏に憑依したのデス。」
シビレをきらしたように卜部が口を開いた「で、何者なのです?その滝壷から甦った悪霊というのは??」
「最凶・最悪のソンザイ、『暗黒世界のナポレオン』の悪霊デス。」
そこまで喋ってメアリーが言葉を切ると、引き継ぐように児玉が言った。
「ヤツは……悪の天才、ジェームス・モリアティー!」


101 :G!×G!×G!:2006/07/06(木) 07:31:20
29.
ジェームス・モリアティ。
アインシュタインに匹敵するとも凌駕するとも言われた天才数学者であり、同時に全ヨーロッパと南北アメリカ大陸に渡る大犯罪組織の首魁であった男。
彼の組織はシャーロック・ホームズと兄マイクロフト・ホームズらの活躍で壊滅させられたが、モリアティー自身は逮捕の手を免れ、スイスの山奥までシャーロック・ホームズを追跡。
ラインヘンバッハの滝の上でホームズに一対一の対決を挑むが敗れ、滝壷へと姿を消した。
ホームズ曰く「暗黒世界のナポレオン」。
その男が、悪霊となって返ってきたのである。

卜部が、バン!と机を平手で叩き言った。
「あの代議士狂乱事件を引き起こしたのもヤツだったのか。それをゴジラ霊の仕業ということにしてリバーサーの使用許可をとった。」
「アタシは最初からその証人に選ばれてたッスね。」岡田は泣き顔だった。「アタシ、『悪霊は海ほたるの方から来た』なんてことまで言っちゃったッス。」
児玉は泣きじゃくる岡田の肩に手をかけた。
「泣くな。モリアティーはシャーロック・ホームズと互角の頭脳を持つ天才犯罪者なんだ。オマエが騙されたって仕方ないさ。」
「でも……でも……。」
それでも泣き止まない岡田の顔を、児玉は両手で上向かせて言った。
「起きてしまったことを振り返るな。いま一番問題なのは……ゴジラ霊を手駒に使って、モリアテイーが何をしようとしているのかってことなんだ。」
そのとき、モニターで地上の様子を監視していた職員が振り返って叫んだ。
「卜部(うらべ)副長!ゴジラの上陸を阻止するため、自衛隊が防衛出動してきました!」


102 :G!×G!×G!:2006/07/06(木) 07:34:26
30.
「卜部(うらべ)副長!上陸したゴジラに対し、自衛隊が防衛出動してきました!」
霊安室本部のモニタースクリーンには白く朧に見えるゴジラ霊の姿が映し出されている。
テレビ局では「白いゴジラ」をまさか「霊」とは思わず、「アルビノ・ゴジラ」と呼んでいた。

《 みなさん見てください!空自の精鋭部隊がアルビノ・ゴジラに襲い掛かります!1954年の上陸では、我が国にはゴジラに対抗できる兵器はありませんでした。しかし、今は……》

翼を翻し降下すると、空自の戦闘機隊は次々とミサイルを発射…………しない!?
「あたりまえだ。」半ば吐き捨てるように児玉は言った。「……どうやって幽霊をロックオンするっていうんだよ。」
「それよりマズイぞ!」卜部が立ち上がった。
ゴジラのセビレが青白く輝きだしたのだ。

《 ゴ……ラの………レが青白…光り……ま………。………………では熱線を………前…れ 》

「電波状態が悪くなっタ?」メアリーが眉を寄せると、岡田が言った「違うッス!……これは霊障ッス。」
音声だけではない。画像も大きく乱れはじめた。
「まてよ、おい!霊障で電波が乱れるなら……。」児玉も思わず立ち上がった。
「障壁を最大域で展開せよ!!!」大声で指示を出す卜部!
「了解です!」誰かが応えるのと同時に、ゴジラの体から何かが放たれた!

《 ひぃぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ! 》

実況のアナウンサーが絶叫した!
ズタズタになった中継画像では、戦闘機が異様な軌跡を描いて飛び、空中衝突や墜落を繰り返す!
最後の瞬間横転したカメラは、目鼻から血を噴出した男の顔を大写しにしたのを最後にぷっつり途絶えてしまった。


103 :G!×G!×G!:2006/07/06(木) 07:36:45
31.
負の霊的エネルギーによって発生する各種障害。
それが《霊障》である。
具体的な作用は人の死亡や発狂から機械類の誤作動にいたるまで様々だが、最悪の霊障は……。

「障壁展開、ギリギリ間に合ったか。」
「卜部さん、『障壁』って、なんのことです?」児玉が尋ねた。
一瞬躊躇しているようだったが……、腹を括ったか卜部はとんでもないことを話しはじめた。
「靖国神社はもちろんご存知ですね?児玉さんも含め一般人はあそこを戦没者慰霊目的のただの神社だと思っているのでしょうが……。」
「違うのですか?卜部さん。」
「違います。確かにもともとは戊辰戦争の戦没者を慰霊する目的で創建された神社です。しかし、真珠湾攻撃の一ヶ月ほど前、新たな目的が追加されたのです。」
「その『新たな目的』とは?」記者の目で問いただす児玉。
「………米英が霊的兵器を使用してきた場合に備えた、霊的防御システムです。」
「はぁ?霊的兵器!?霊的防御システム???」児玉の目がリアルに点になった。
「そうです、日本国のため命を投げ出した英霊の魂を源とし、帝都全体を霊障壁の傘で覆い護る。それが靖国神社のもうひとつの役目なのです。」
「Oh!ヤスクニ・バリヤーね!」
東洋志向が強いのか素直に関心するメアリーと、それとは対照的に呆れ顔の児玉。
卜部はもちろん真顔のままだが……。
だが「これでとりあえずは安心」というムードは、小型モニターで障壁の展開状況をモニターしていた職員の一声でコナゴナにうち砕かれてしまった。
「副長!障壁が東京全体をカバーできていません!」
卜部の顔色が変わった。「なんだと!?どこが障壁からはみ出しているのだ!?」
「このエリアです!」
モニター画面に東京全図が映し出され、そこに重ねて円が表示された。
「円からはみ出してる部分って随分あるッスよ!」騒ぐ岡田!
「そうか!」児玉が叫んだ。「ヤスクニ・バリヤーは戦争中の東京をカバーするように作られてるんだろ?だから戦後埋め立てなんかで拡大したエリアはカバーされていないんだ!」
「しまった!」卜部が呻いた。「それでは最悪の霊障が発生してしまう!」
まさにそのとき!予想された最悪の報告が飛び込んで来た。
「シオドメ・エリアに死霊発生!」「新橋で死体が立ち上がったそうです!」


104 :G!×G!×G!:2006/07/06(木) 07:39:59
32.
死霊や「歩く死者」の徘徊。それが最悪の霊障である。
つまり、「類は友を呼ぶ」のだ。強大な死霊の徘徊は、他の死霊を呼び寄せるのである。
ヤスクニ・バリヤー=靖国の霊障壁からはみ出した戦後の埋立地で次々と死者が立ち上がり、あるいは死霊が荒れ狂い始めた。
死霊は実体が無いので陸自や警察の装備する火器ではダメージを与えることが出来ないが、悪霊である以上靖国の霊障壁を越えられない。
一方『歩く死者』とはいわゆるゾンビであり、陸自の装備する銃火器でもダメージを与えられるが、そのかわり靖国の霊障壁を越えてしまう!
卜部の指示により、「障壁」起動に必要な最低限の人員のみ霊安室に残し、他は霊障の酷い地域に展開して陸自や警官と協力、死霊や「歩く死者」に対抗して住民避難をサポートすることとなる。
だが……。

「ゴジラはどうすんだ?」児玉が言った。「死霊やゾンビを発生させてんのはゴジラなんだろ!?ゾンビや死霊を何体かたづけたってきりがねえぞ!?」
「なんか方法無いッスか!?卜部さん!」
ゴジラは凄まじい勢いで、前面に展開した霊障壁に挑みかかっていた。
モニターに表示された障壁カバーエリアの一部が大きく押し込まれると、地下の何処からか聞こえてくる祈りの声が勢いを増してゴジラを押し返す。
一進一退の攻防だが、果たして何時まで保つのか……。
ゴジラが霊障壁を破れば、霊障は一気に都内全域に及ぶだろう。
「ゴジラをなんとかする方法はないのかよ!?」
苦しそうに黙り込んでいた卜部であったが……やがておもむろに口を開いた。
「方法はある。極めて危険な方法だが。」


105 :G!×G!×G!:2006/07/06(木) 12:22:55
33.
「岡田さん。アナタなら知っているでしょう。イザナミ神とイザナギ神がどうやって子供を生み出したかを。」
イザナミ、イザナギは「天の御柱」の周りを互いに回り、出会ったところで互いに声を掛け合って子の神々や日本の島々を産んだという。
「あれと同じです。男女が同一地点から出発して東京湾の周囲を終点目指して一方は右に、他方は左にまわる。終点では女が先に、男が後に通過するのです……。」
「あれ?それって逆じゃないッスか?」さすがに岡田は知っていた。「女神であるイザナミが先に声をかけたんで失敗して……。」
「そう、骨が無いとも言われるヒルコ神が生まれました。つまりワザと女性が先に終点を抜けることで、ゴジラの悪霊をヒルコ神のように解体するのです。」
現在の事態になる以前から、ゴジラ霊の怒りを鎮めるため、卜部ら霊安室は東京湾のグルリに一種の霊場を設けていた。
その霊場を利用して悪霊解体の儀式を行おうというのである!
「そんな方法があったッスね!さっそく実行に移すッスよ!」
「待て岡田。……卜部さん、さっきアナタはこの儀式を極めて危険な方法だと言ったな?いったい何がそんなに危険なんだ??」


106 :G!×G!×G!:2006/07/06(木) 12:26:27
33-2.
厳しい顔で児玉は尋ねた。
「待て岡田。……卜部さん、さっきアナタはこの儀式を極めて危険な方法だと言ったな?いったい何がそんなに危険なんだ??」
「……それは……。」
悪霊解体の儀式。その危険性とは……。
「まず第一に、霊障壁内では車を使えても、霊障発生エリアでは機械は機能しなくなるから自分の体力で移動しなければならない。
第二に、霊障発生エリアでは多数発生した死霊や『歩く死者』の中を抜けていかなくてはならない。」
第三に、「終点」はゴジラ霊が最初に呼び出された術式の場所でなければならないので、『海ほたる』とせざるを得ない。
そして最後に……ワタシの部下は住民避難の援護と霊障壁の展開で手一杯、この儀式に割ける人員は無い。つまり、儀式を実行するなら……。」ここで卜部は大きく間をおいた。「……実行するなら、ここにいる4人でやるしかない。以上だ。」
卜部は話を終えたが、しかし誰も口を開かない。
死霊やゾンビの群れをかわして東京湾を半周し、ゴジラの出現でところどころ崩壊している東京湾アクアラインを抜けて「海ほたる」まで辿り着かなければならない。
その途方も無い困難さが皆の口を塞いでしまっていたのだ。

数秒以上も続いた沈黙を破ったのは、さきほどから障壁の展開状況をモニターしていた職員の言葉だった。
「アナタの言うとおり……これは確かに変ですね……。」



107 :G!×G!×G!:2006/07/06(木) 12:29:09
34.
皆が気付くと、モニター担当の横にメアリーが立って画面を覗き込んでいた。
「……やっぱり狂いが出てルノね。」
「一体何が狂っているというんだ!?」
「ああミスター・ウラベ、都内と近郊各県にヤスクニ・バリヤーの展開エリアも被せて表示してたカラ、GPS機能もアルんじゃないかと思ったのヨ。そうしたら………。」
霊安室職員が困惑顔であとを受けた。「……この数分間の間にもどんどんデーターが狂ってきてるんです。」
「狂ってきてるだと!」
「そうよミスター・ウラベ。普通は何万年かの周期で起ルような地軸のブレが、数分のあいだに起ってルの。」
そしてメアリーは児玉に向かって言った。
「『我に支点を与えよ。さすれば……』あとに続く言葉、知ってる?」
「知ってるさ。『我に支点を与えよ。さすれば地球を動かしてみせよう』。」児玉の言葉が不意に止った。「…そう言えば……酒井社長、モリアティーがそんなこと喚いてたよな。それからさっきの……」
「地軸のぶれッス!それって現に地球が動いてるってことッスよね!?」
「キーワードは…」メアリーは指折りしながらあげていった。「…ゴジラ、支点、動き出した地球……。そしてその解答は……。」
突然児玉が叫んだ。「わかったぞ!!答えはモリアティーが生前著した論文!タイトルはたしか………そうだ!『小惑星の力学』だ!」
「正解よ。あの論文はモリアティーの死後、革命的な内容にも関わらず英国の学会によって闇へと葬られたノ。イマでは『ネクロノミコン』以上の禁書ヨ。何故だと思ウ?」
メアリーは児玉を除く二人、卜部と岡田の顔を順に眺め渡した。
「禁書とされた理由は……書かれた内容がトンデモナイものだったからヨ。……表面上はたしかに『小惑星の力学』を扱っていたワ。でも、その背後で本当に論じていたのは……。一個の惑星を小惑星レベルにまで破壊し尽くす方法の論考だっタノヨ!」
まるで戦いの女神のようにメアリーは雄々しく立ち上がった。
「あの論文を執筆したころモリアティーはマダ普通の人間ダッタ。だから地球破壊も空想してたダケ。でもいまヤツは悪霊なの!死んでるの!だから、生きていたころデキナカッタことを、実行しようとしてるの!そのための『支点』が、ゴジラ霊なのヨ!?」


108 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 07:46:39
35
「こうなる前になんとかモリアティーを滅ぼしたかったのだけど……。」
そう言いながら、メアリーは傘に偽装した空気銃をテーブルの上に置いた。
「モーラン大佐が使ったのと同じタイプの銃だな。だが、こんなもので悪霊が……。」
「弾頭に十字架が刻み込んでアルの。だからキリスト教圏の悪霊なら倒せるはずだったけど……もう弾が……」
その瞬間、関東一円を震度5強の自身が襲った!
地軸の急激なブレ、そして地震の発生は、モリアティーが既に「地球破壊のテコ」を動かし始めた証拠だった!
一刻も早くゴジラの霊を消滅させなければ、地球はアステロイドベルトに変わり果ててしまう!
もう躊躇しているひまは無い。
4人は卜部とメアリーの組、そして児玉と岡田の組に分かれ、東京湾の北端からそれぞれ自転車で「海ほたる」を目指すことになった。
卜部とメアリーの組は西側から、児玉と岡田の組は東側からそれぞれ「海ほたる」を目指す。
ただし、霊場の通過はメアリー→児玉か岡田→卜部の順番でなければならない。
順番を間違うと、霊解体の儀式は失敗してしまうのだ。

「まず全員このスーツを装着してくれ。」
それはスーツというより一種の戦闘服だった。
両胸と両腰にたっぷりしたポケットがあり、突起物に引っ掛けないような細部デザインになっていた。
これで迷彩柄だったら間違いなく戦闘服なのだが……。
児玉とメアリーが相次いで素っ頓狂な声を上げた。「なんだ!?この柄は???」「Oh!ジャパニーズ・ユカータ!」
スーツの柄は、一面の経文だった。
「浴衣ではない。浴衣ではないぞ、メアリー。これは『エイチ・オー・ワン型特殊作業服』といって、装着した人間の姿を霊障から守り、更に死霊には見えなくする効力をもっているのだ。」
「エイチ・オー・ワン………HO1、要するに『耳なしホーイチ』ってことッスね。」
「いやそれはあくまで偶然であって……。」
……こうして卜部、児玉、メアリー、岡田の4人は「ホーイチ・スーツ」に身を固め霊安室本部を出発した。
一方は西に、他方は東に。
行けるところまでは軽四輪駆動車で進み、霊障エリアの直前で積み込んで来た自転車に乗り換えると、地球の命運を賭けたツーリングの始まりだ。


109 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 07:48:25
36.
*……駄文的にはここからはアクションが増えるのだが、書きだすとキリが無さそうなのでさっと流す。
それぞれの組は、霊能者であり見霊能力のある岡田と卜部を先頭に霊障エリアを突破して行く。
霊障の少ない東コースには戦闘能力の低い岡田と児玉が回った。
一方危険のより大きい西コースは卜部とメアリーが進む。
死霊に出会えばホーイチ・スーツの法力でかわし、ゾンビに出会えばスピードで振り切るが……、途中避け難い小競り合いの最中、卜部が傷を負ってしまう。
ホーイチ・スーツは死霊の視覚を遮るが、生き血の臭いは遮らない!
流れたばかりの血の臭いを死霊たちに感づかれ、卜部とメアリの組は次第に死霊を振り切れなくなっていく……。

一方、霊安室の本部にも訪問者があった。
侵入者を避けるため動力を切ってあるハズのエレベーターが降下して……中から酒井社長ことモリアティーが姿を表した。
自分が死霊であることを卜部や守矢の目からも隠し遂せたほどのバケモノにとって、霊安室本部への侵入など容易いことだったのだ。
「なるほど、ここでバリヤーを張ってるわけか……。」
悠然と歩き出すモリアティーに次々挑みかかる霊安室職員たちは片っ端から返り討ちとなり、血の海に沈んでゆく。
やがて動く者が自分自身以外はいなくなると、モリアティーはおもむろに手を振りかざした。
たちまちいたるところから炎が巻き起こる!
パイロキネシスだ。
霊安室本部が炎に包まれたのを見届けると、モリアティーは悠然と立ち去っていった。
靖国の霊障壁が消滅したことにより、ゴジラ霊の前進を妨げるものはなくなった!
同時に、ゴジラ霊の霊障領域が一気に内陸へと拡大する!

霊安室地下本部に残されたのは……血と炎、そして無念の死を遂げた霊安室職員たちの亡骸。
壁や天井にまで飛び散った鮮血の雫に炎が怪しく照り映える。
そしてやはり血にまみれた祭壇が炎に包まれたとき、周囲の炎の色が紅から紫へと一変した!


110 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 07:49:38
37.
一方、卜部とメアリはついに死霊の群れに捕捉されてしまっていた。
突然の霊障壁消滅により新たに発生した死霊の群れと遭遇してしまったのだ。
前には新手の死霊、後ろからはこれまで追跡してきた死霊。
完全な挟み撃ちである。
生き血の臭いの主を求めて徘徊する死霊の輪は、次第に卜部とメアリに迫ってくる。
「靖国の障壁が破られたということは本部が襲撃を受けたということだ。」
「つまりはワタシたちが最後の希望ってワケね?だったらモタモタしてないで一かバチか強行突破にチャレンジしてみない?」
「いや、それよりもっと確実な方法がある。」言うが早いか、卜部は自分のホーイチ・スーツを引き破った!
「オレが襲われているあいだに、オマエ独りで行けーーっ!」叫びながら卜部は死霊とゾンビの中へ、メアリーからはできるだけ離れたところへ駆け出した!
たちまち死霊とゾンビが卜部へと殺到……………しない?
死霊もゾンビも何故か、触覚のとれたアリのように呆けた脈絡の無い動きをするだけなのだ。
「ミ、ミスター・ウラベ!」
振り返るとメアリーもなんとその場から動いていない!
「バカものめ!何故さっさと……。」
だが卜部の叱責など耳に入らぬ様子で、メアリーは夜空を指差した。
「ナンなの!あの百人一首に出てくるミタイなヤツは?」


111 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 07:51:54
38.
(ん?ゾンビどもの動きが変だ!?)
児玉がそう思ったときだった。
それまで快調に走っていた岡田が短く「あっ!」っと叫んで自転車を止めた。
「おい!止るな岡田!ゾンビどもに囲まれるぞ?」
だが岡田は、言葉では答えずに東京湾の彼方を指差した。
児玉の目にも。闇のなか青白い炎の渦と紫の炎の渦が睨み合うように燃え盛るのが見えた。
「……青白い炎はゴジラ霊だが……紫のは……いったいなんだ?」

「なんだコイツは?」霊安室を強襲したモリアティーは、廃墟と化したサカイエンタープライズ本社ビルからそれを見上げていた。
「………どうやらワタシと同じく死霊のようだが、こんなヤツがこの国にいたとは…………。そうかヤツは霊安室が封じていた怨霊だな。たしか『日本最大の祟り神』とかいう……。」

東京上陸寸前のところでゴジラ霊の前進が止まっていた。
ゴジラの前方100メートルほどの虚空に忽然と漂い現れた存在によって行く手を阻まれたのだ。
紫の鬼火が無数に飛び交う中、悠然と宙に浮かぶその姿はまさに雅な「百人一首」!
ただゴジラに匹敵するほど身の丈がある。
そしてその顔は……凶相が刻み込まれたおぞましい死霊にほかならない

「あれは、まさか……まさか……」
搾り出すようにそこまで言うと、卜部は座り込んでしまった。
「……崇徳上皇さまが甦ってしまわれた。」


112 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 07:55:37
39.
霊安室本部が破壊されてしまったため、鎮撫されていた「祟り神」崇徳上皇が解き放たれてしまったのだ。
ゴジラと崇徳上皇という二大悪霊の猛威により、東京は地獄と成り果てるのか?
だが!?
上皇の指から紫の雷撃が迸り、ゴジラ霊を攻撃したのだ。
ゴジラもこれに応戦して熱線を吐くが上皇は瞬間移動でこれを回避。
出現と同時に再び雷撃を放つ!
「祟り神などと言いながら、何故ワタシの邪魔をするのだぁ!?」吠えるモリアティー。
瞬間移動、分身、融合、鬼火を操っての全方位攻撃!
攻撃の多彩さで崇徳上皇はゴジラを次第に東京湾内へと押し返して行く!

「祟り神の上皇さまが、怨念を捨て民草のために戦ってくださる!ゴジラの悪霊と!民のために!国のために!」祈るような姿勢で叫ぶ卜部。

祟り神対破壊神の戦いは霊障現象にも激しい混乱を巻き起こした。
死霊は目標を見失ない、ゾンビはオコリにでも罹ったように痙攣して動けない。
「すごいッス。崇徳院さまがゴジラを押し返してるッス!ゾンビや死霊が動けないのも院のお力ッス!」
「おい……その……崇徳上皇がゴジラを湾内に押し返してるってんだな?」
「そうッス。」
「………そりゃマズイぞ!上皇とゴジラの戦場が湾内深くに移動したら、アクアラインにも影響が及ぶかもしれん!」
「げ!?まじッスか?」
「アクアラインが崩落したら、ゴジラ霊解体の儀式は成立しなくなるぞ!」
児玉と岡田はこれまでに増したスピードで自転車をぶっ飛ばした!
急げ!「海ほたる」へ!!

一方、卜部とメアリーも動きのおかしくなった死霊とゾンビの囲みを突破して自転車を疾駆させていた。
新橋、品川、大森、蒲田を駆け抜け玉川も一気に突破すると、もうそこは川崎。
アクアラインの一方の端はもうすぐだった。
たが、祟り神と破壊神の戦いもアクアラインと「海ほたる」のすぐそこに迫っていた。


113 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 08:00:44
40.
児玉と岡田はついにアクアラインへと自転車を乗り入れた。
行く手では大海蛇がのたうつように紫の雷撃が海面を走り、それと交差するように熱線が飛んでいる。
雷撃の何条かがアクアラインを跨いだ向こう側に落ちた!
大波がときおり橋の上にまで達するのだろう、路面が海水をかぶっている!
「岡田!気をつけろ!橋から弾き出されたらアウトだぞ!」
「わかって……」
その瞬間、関東一円を再び地震が見舞った!!
アクアラインがリボンのように波うち、安定を奪われた岡田と児玉の自転車は乗り手を荒馬のように放り出した!
「岡田っ!」猛スピードで転がる岡田の腕を児玉が間一髪のところで捕まえた。
なんとか立ち上がってみると、猛スピードで道路わきに叩きつけられた岡田の自転車はフレームまで曲がってしまっており、もう乗ることはできない。
一見無事のような児玉の自転車も、よく見ればチェーンが切れてしまっていた。
「もうすぐそこだから」と二人は自転車を諦め、「海ほたる」への最後の距離を徒歩で突破することにした。



114 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 08:02:31
40−2
児玉と岡田が「海ほたる」のすぐそこまで辿り着いていたころ、祟り神対破壊神の対決にも変化が生じていた。
ゴジラのパワーが崇徳上皇のワザを上回り始めたのだ。
いかに強大であろうとも上皇は人間の霊。
一方ゴジラはもともと強大な怪物であり、さらにスーパー・リバーサーによるパワーチャージも受けている。
パワーの総量が違うのだ。
ドオーーーーーン!!
火柱を上げ、海に落ちる上皇!ついにゴジラの熱線が上皇を捉えた!
体制を立て直し再び舞い上がる上皇だが、そのまわりに2発3発と続けざまに熱線が着弾する!
上皇も鬼火による全方位攻撃で反撃するが、ゴジラは攻撃の手を休めない!
ゴジラの吐いた何発目かの熱線がついに川崎側の橋脚をかすめると、その一瞬後、地震で脆くなっていた橋はガラガラと崩れ落ちてしまった!

「しまった!向こう側のルートが無くなった!?」「卜部さんたち、もうこっち側に渡って来てるッスか?!」
「海ほたる」へと駆け込む児玉と岡田。
不安な思いで辺りを見回せば……。
手直しされた駐車場の真中に一組の男女が立っている。
「あっ!大丈夫ッス!先に着いてるッス!卜部さぁーーん!メアリー、どうしたッスかーー??」手を振る岡田。
「ほぉ…………お客さんか。」
……モリアティーが振り返った。


115 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 08:04:38
41.
「しっかりしろメアリー!」
小柄な卜部だが腕は鉄筋入りらしく、破壊個所にぶら下がっていたメアリーを軽々と引き上げた。
「ありがと、ミスター・ウラベ。」
橋が崩れ落ちる寸前、卜部とメアリーは決死のジャンプを試みたのだ。
「なんの。もし東ルートを通った岡田くんの身に何かがあれば、キミが最初に『終点』を通らねばならないんだからな。」
やはり自転車を失った二人は、徒歩で「海ほたる」を目指すが……。
「観戦するなら貴賓席でと思ってここに降りたのだが、……相次ぐ思わぬお客さんだな。」
そこで待っているのはモリアティー。しかも「終点」のすぐ近くに立っている!
少し離れた場所に倒れているのは児玉。
「終点」通過を試みてやられたのだろう。
そしてそれを庇うように岡田がいた。

上皇とゴジラの対決は決定的にゴジラ優位の状況となっていた。
上皇さえ仕留めてしまえば、ゴジラの前に立ちはだかるものはいない。
なんとしてもゴジラが上皇を倒す前に、霊解体の儀式を完成させてゴジラ霊を滅ぼさねば!
だが、「海ほたる」にある「終点」にはモリアティーがいる!
ギシギシという橋脚の軋み音が地殻の身動きを間接的に伝え、もう夜明け近いはずなのに空は暗闇に閉ざされたままだ。
大気層にすら変動が及んでいるのか、熱帯地方に降るスコールのような土砂降の雨が突然「海ほたる」を襲った。
「暗黒世界のナポレオン」の野望達成はすぐそこに迫っていた。


116 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 12:10:40
42.
「モリアティーっ!!」
いきなり卜部が前に飛び出した!
「とおおおおおおおっ!」
密教修行の成果、助走無しで10メートル近くの距離をひとっ飛びして一気に距離を詰める!
右手には破魔の御札、左手には儀式用の木剣!
木剣がモリアティーの右鎖骨のあたりに深々と柄まで突き刺さった。
「滅びよ!悪霊!!」
だが、破魔札を振りかざした右手は、モリアティーにがっきと捉えられた。
「くず紙なら、チリガミ交換にでも出したらどうだ?」
卜部の腕を掴んだモリアティーの手が青白く光った!
パーーーーーーン!という乾いた音とともに卜部の体が弾けて飛ぶ!
モリアティーの注意が卜部に集中したと見えた瞬間、こんどはメアリーが空気銃を棍棒のように振りかぶって突進したが、この行動も完全に読まれていた。
振り下ろした空気銃をきれいにかわされてメアリーの体が泳いだところを衝撃波が襲った!
「ぐうっ!」卜部とは反対の方向に吹き飛ばされるメアリー。
メアリーをかたづけると、モリアティーは体に突き刺さった木剣をおもむろに引き抜いた。
「この体は借り物でねえ……返さなきゃならないんだ。もっとも持主のサカイとかいうヤツはとっくに死んでるんだがね。なぜってワタシが殺したからなんだが……。……こんなにしちゃって、どうしてくれるんだよ?」
世間話のような口調でそんなことを言いながら、モリアティーは指先から続けざまに電撃を放った。
そのたび、卜部の体がコメツキムシのように弾け飛ぶ。
「……やれやれこれでこっちは片付いた。あっちの方もようやく片付きそうだな。」
モリアティーがゴジラと上皇の戦いを肩越しに振り返ったスキに、岡田は卜部に駆け寄った。
「卜部さん!」
岡田が駆け寄ってみると、卜部は既に虫の息だった。
苦しい息の下、搾り出すように卜部は言った。
「岡田……さん、頼みが…ある。」


117 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 12:12:43
43.
視界がどんどんと暗くなってゆく。
卜部には、すぐそこで自分を見下ろしているはずの岡田の顔すら見ることができない。
死は……すぐそこに迫っていた。
だが、彼は死など恐れていなかった。
いや、むしろ死を望んでいたのだ。
(虎は一日で千里をゆくが………人が一日千里を行かんとすれば……)
自分にできる、最後のことをするために……。

ゴジラと崇徳上皇の激突もモリアティーの存在も忘れ、岡田は全身全霊をもって卜部に頼まれた「儀式」を執り行った。
人の耳には聞こえぬ詠を冷たくなってゆく卜部の耳へと囁き聞かす。
それは死霊送りの邪法。相手のもとに死霊をおくることで呪殺するという、法螺貝一族に伝わる邪法だ。
すると……呼吸のとまった卜部の体から、小さなホタルのような光が矢のように飛びだした。
かすかな光は一瞬のうちに千里の距離を越え、西へ、西へ……西の海へと飛び込んだ……。
そしてその数秒後……。
突如ゴゴゴゴゴという海鳴りが始まったかと思うと、大海原を真っ二つに切り裂いて回転する炎の輪が飛び出した!



118 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 12:15:48
44.
東京湾でのゴジラ対崇徳上皇の対決は終盤に差し掛かっていた。
ゴジラが熱線を連続発射!
最初の一発は瞬間移動でかわし、次の一発は念力で軌道を捻じ曲げたが、三発目の熱線が上皇に命中。
さらに四発目、五発目、六発目が続けざまに命中した。
上皇が雷撃で反撃するが、ゴジラも更に熱線放射!
雷撃と熱線が至近距離で正面衝突し大爆発!
上皇は大きく後ろに吹き飛ばされ海へと落ちるが、ゴジラはただの一歩も退がらない!
海中に落ちながらもなんとか体勢を立て直した上皇めがけ、ゴジラは最大級の熱線放射を身構え……。
だが、ゴジラが熱線を吐くより一瞬早く……
ドゴーーーーーーン!!
……何処からか飛来した紅蓮の火球が、唸りを上げてゴジラに炸裂した。

「ン?また邪魔者だと!今度はいったい何者だ!?」
モリアティーの見上げる空から、雲を抜け回転する炎の輪が飛び込んで来た!
「オカダ!あれは……イッタイなに!?」
「あれはギャオスの大群と差し違えになったガメラの霊ッス。死んだ卜部さんが、呼びに行ってくれたッス。」

ゴジラをけん制するようにプラズマ火球を数発連射すると、ガメラは盾になるように崇徳上皇の前に降下。
紅蓮の霊火をまとった姿をあらわした。



119 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 12:17:29
45.
「あんなのがまだいたのか……。だが来るのが遅かったな。」モリアティーは冷たい哄笑を放った。
「もっと早く来ておれば、2対1で我がゴジラと戦えたものを。今ごろのこのこ出て来ても、ストクインはもう戦力にはならん。ははははは。」
高笑いするモリアティー。
「ガメラとやらの単独では我がゴジラには勝てぬ!霊力が違うのだ。見よ!さっきの火球も直撃したが全く堪えておらぬわ!」
霊力の違い。それは誰の目にも明らかだった。
青白く光るゴジラの姿は輪郭もハッキリしているのに対し、赤く燃えるガメラの姿はボンヤリしているのだ。
「今ごろ出てきても、ワタシの作業が少しばかり遅れるだけ……。」
モリアティーの言葉が驚きで止まった。
ガメラの後ろでよろめくように立ち上がった崇徳院の体が、砂絵が崩れるように流れ出したかと思うと、前に立つガメラの体に流れ込み始めたのだ。
姿がどんどんぼやけていく崇徳院。
反対にガメラの姿はどんどんはっきりと明確になっていく!
「崇徳院さまが、ご自分の最後の霊力をガメラにチャージしてるんス。」岡田がモリアテイーに言い返した。
「上皇様は決戦の命運をガメラに託したッス!」
「リバーサーでチャージされたゴジラ霊」!対「崇徳院の霊力をチャージされたガメラ霊」!
二大霊獣による史上最大の心霊戦が始まった!


120 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 12:20:00
46.
ガメラとゴジラの霊獣激突のまさに足元で……。
「海ほたる」の駐車場に横たわった児玉は、つい数分前から地鳴りが止っていることに気づいていた。最後の大激変の前触れにちがいない。
そして、卜部とメアリーの一見自暴自棄な特攻の意味にも気づいていた。空振りした攻撃の瞬間、メアリーは「終点」を通過したのだ。
(問題は………最後の瞬間が来る前に、オレが「終点」を抜けられるか?……だ。)
児玉はモリアティーから見えない側になっている腕にそっと力を入れてみた。
そのとたん駆け抜ける激痛を必死でかみ殺す。
これで立って歩いたりしたららどれほどの激痛がやって来るか、見当もつかない。
(けど、選択の余地は無しか……。がんばれ!オレ!痛くてもがんばれ!!)

(ガメラは強い。あるいはゴジラを倒せるかも……。でもそれでは間に合わない!)
メアリーも本能的に気づいていた。
破滅の時はもうすぐそこまで来ているということに。
(破滅の時が来る前に、「終点」前に陣取るモリアティーを排除し、コダマに「終点」を抜けさせなければ。)
児玉がかすかに腕を動かすのは、メアリーの側からは見えていた。
(ジョーコーはガメラに全てを託しタ。だからワタシも……コダマに全てを託そう。)
メアリーは決心した。
(最後のカードをきってヤル!)
吹き飛ばされたとき破損した空気銃を杖代わりに、よろめきながら立ち上がると、大望成就を確信する悪霊に向かって叫んだ!
「モリアティー!!!」

121 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 12:21:46
47.
「はははははは、勝った、勝った!ワタシはワタシ以外の全てに対して勝利したぞ!ふはははははははは!」
体を左右に揺すりながら狂ったように哄笑するモリアティーの悪霊。
「神が創造したというこの世界を、ワタシは宇宙のチリへと変える。つまりワタシは、神にも勝ったということだ。ははははははは。」
そのときモリアティーの狂気の哄笑をも上回る絶叫が「海のほたる」に響きわたった!
「モリアティーーーーーっ!!」
悪霊が振り返ると……女狩人のように力強く、あるいはダンサーのように優美にメアリー・アドラーが立っていた。
「……いま自分以外の『すべてに対して勝利した』と言っタナ!?ウソをつくな!オマエは明らかに敗北者じゃないカ!」
「この私が敗北者だと?」《敗北》という言葉を耳にしたとたん、モリアティーの体の揺れがピタッと止った。
「いったい誰に私が負けたと……」
「(ヤツに考える時間を与えるな!)しらばっくれるツモリでもそうはいかないゾ!」メアリーはすぐさま言い返した。
「…ワタシはチャンと知ってるんダ!オマエは敗北した!あの名探偵シャーロック・ホームズとの戦イデ!」
メアリーの口からシャーロック・ホームズの名が出たとき、一瞬だけモリアティーの顔が呆けた老人のような顔に変わった。
「た、たしかにあのシャーロック・ホームズだけはワタシに勝った……、だがそれとて今のこの状況を考えれば、終局における勝者はこのワタシ……。」
「終局における勝者ナンテ詭弁だ!オマエは負ケタ!そして負けたことを認めたくナイからそんなロジックでごまかしてるんダ。」
「ワ、ワタシは負けてなどおらん!」見せかけの余裕をかなぐり捨て、モリアティーが叫んだ。
「ワタシは誰にも負けぬ。何故ならワタシが天才だから……。」
憑かれたように叫ぶモリアティー。だが、それを更に上回る大きな声でメアリーが絶叫した!
「オマエなんか、ヒイオジイチャンに負けたじゃないカーっ!!」


122 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 12:23:18
47−2
「オマエなんか、ヒイオジイチャンに負けたじゃないカーっ!!」
まさに《最後の一撃》を受け、モリアティーの言葉がぴたりと止った。
「私はメアリー・アドラー!ヒイオバアチャンはアイリーネ・アドラー、そしてヒイオジイチャンはオマエに勝ったシャーロック・ホームズだ!!」
一瞬の沈黙のあと………モリアティーの怒り、憎しみ、恥辱といった負の感情が一気に爆発した!
「ぬぁんだとぉぉおおおお!!」
モリアティーの顔が憎悪で真っ黒に染まる。
「キサマがあのホームズの子孫だとぉ!」
「そうだ!シャーロック・ホームズはワタシのヒイオジイチャンだ!オマエに勝ったヒイオジイチャンだ!!」
「…………ぎ、ぎぃいいいいいいいいいいいっ!ヤツの代わりに、このツメで引き裂いてやるぅっ!!」
モリアティーが一瞬で人の姿をかなぐり捨て、憎悪・悪意そして狂気を体現する「汚泥のような何か」へと一変、メアリーめがけ奔流となって襲いかかった!
だがこの瞬間を待っていた男がいた。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」意味を成さない雄叫びをあげ跳ね起きると、激痛の塊と化した体にムチ打って児玉は猛然と走り出した。
(な、なにをやる気だ!?)危険を察したモリアティーが向きを変えた!
だがもう遅い!!
モリアティーが戻るよりも一瞬早く、児玉は「海ほたる」に設けられた「終点」を駆け抜けた!


123 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 15:08:12
48.
「儀式が成ったッス!!」岡田が叫んだ!
児玉が「終点」を駆け抜けた瞬間、闇に沈んだ東京湾の向こう、児玉やメアリーたちが出発した「始点」のあたりに光の柱が立ち現れた。
そして更にもう光の柱がもう二本、一本は最初の柱の東に、もう一本は西に立ち上がる!
東京湾を取囲むように、西と東から次々たち現れる光の柱。
それが東西から「海ほたる」に迫るのを見て、モリアティーはその意味を直ちに見破った!
「ゴジラよ!アクアラインを踏み越えて南に出よ!」
「えっ!?アタシたちの通った輪の外に出られたら、儀式が不成立になっちゃうッス!」
「ゴ、ゴジラを止める方法ハ!?なんかナイの?!」
「無いっ!そんなもん無いっ!!」
ゴジラの足がアクアラインの橋脚を蹴り折った!
「出、出しちゃだめッス!」
アクアラインを踏み越えたゴジラの足が、再びアクアラインの北側に踏み戻る!
ガメラがゴジラの尾を掴んで引き戻したのだ!
「邪魔をするな!い、急げゴジラ!」叫ぶモリアティー。
アクアラインのギリギリ北側でゴジラとガメラが争い、ゴジラの体がアクアラインの線上を南北に往復!
外に出ようとするゴジラ、出すまいとするガメラ。
ついにアクアラインの東西の両端に光の柱が立った。あとは、ここだ!
「は、早く!早く出よ!」モリアティーが焦って叫んだそのとき!
(チャンスだ!ヤツはゴジラしか見ていない!)
児玉は最後の力を振り絞ってモリアティーを、自分がさっき通り抜けだばかりの場所、「終点」に向かって突き飛ばした!
「な、なにいっ!?」
モリアティーが終点に立ったその瞬間、最後の光の柱が出現!
「ぎえおおおおおおおおおおおっ!」
光の柱に飲まれたモリアティーの悪霊は、まるで熱湯をかけられたツララのように消滅した!


124 :G!×G!×G!:2006/07/07(金) 15:11:00
49.
最後の光の柱が「海ほたる」に出現するのと同時に、光の柱を繋ぐように東京湾全周ぐるりを取り囲む光の壁が出現!
光の壁の向こうでゴジラ霊とガメラ霊の争いは続いているが、その音は何故か全く聞こえない!
不意に光の輪の中で争っているゴジラとガメラの姿がブレだした。
次第に色を失い、形を失い……意味をも失い……。
放送終了後のテレビに流れる「砂の嵐」のようになっていく。
「霊の解体ッス!ゴジラ霊の解体はガメラ霊も巻き込んで……でもガメラはゴジラを掴まえて話さないッス!」
ゴジラとガメラの姿が消えた後も「砂の嵐」は数分ほど続き………やがて光の柱が一本、また一本と光を失い消えていった……。
光の柱が消えるに従って砂の嵐も静まり始め……、入れ代わりに戻って来た。
波の音が、潮風の香りが、海鳥たちが、そして……黒雲退いて……。
「……朝日だ。なんとか間に合ったみたいだな。」児玉が呟いた。
「死者の支配する時間は終わったッス。ほら、あそこに……。」岡田が指さす方ではカモメが一羽、翼を広げ「海ほたる」へと舞い降りてくるところだった。
「カモメも帰ってきてくれたッスね。でもゴジラやガメラは……、それから上皇様は……。」
「ワカンナイわよ。」メアリーが岡田の肩をそっと抱いた。「……クサバのカゲから見守ってくれてるんじゃないかしラ?ミスター・ウラベといっしょに……。」
「………そうあってほしいもんだな。」

*画面は讃岐の白峰神社に飛ぶ。開いたままだった社殿が音もなく閉まったところでエンディング。

「破壊神×守護神×祟り神(ゴッド!×ゴッド!×ゴッド!)」
お し ま い


125 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/07(金) 15:17:04
駄文作者のあとがき

名探偵シャーロック・ホームズが唯一愛した女性であるため、「実はアドラーはホームズの身近にいた」とする説は昔からありました。
有名な説だと「ハドソン婦人=アドラー説」。
これはアドラーの登場する「ボヘミアの醜聞」でだけ、ホームズが下宿している下宿屋の女主人の名前が違っていることを根拠とする。
それからホームズの相棒であるワトソン博士についても「鳥目説」だの様々な説があるが、有名なものとしては「ワトソン博士=女性」説
がある。
これはワトソン婦人であるメアリーが作中で夫を「ジェームス」と読んだことを根拠としている。
ワトソン博士のファースト・ネームは「ジェームス」ではなく「ジョン」なのだ。
これによりメアリー婦人を架空の存在と推理して内縁関係にある女性の存在がバレないようにするため、カモフラージュ目的で「ワトソンという男」にしたと推理する。
さらに以上二つの説の結合説として「ワトソン博士=アドラー」説も登場する。
この説だと「ボヘミアの醜聞」にアドラーとワトソンが両方出てくるのは、別人であると見せかけるためのインチキであると解釈する。
なんといってもホームズものの作者はワトソンなので、インチキはしたい放題なのだ(笑い)。
…と、いうわけで本駄文に登場する「シャーロック・ホームズの曾孫」の名前がメアリー・アドラーなのは「ワトソン=アドラー」説に基づいているからです。
とんでもないスレ違い、まことに申し訳ない。

それから駄文の最後に登場する社殿が京都ではなく讃岐であるのは、「崇徳上皇が恨みを捨てた」という意味です。
上皇の恨みは都を追放されたことですから、「あくまで都にこだわり恨みを捨てない」ならば、上皇は京都に帰るはず。
でも自分の死んだ讃岐に帰ったということは………という意味のつもりでした。



126 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/08(土) 12:24:38
GMKもオカルト風な味付けがされてたけど、ゴジラ、ガメラが霊体として描かれた点は
新鮮でした。物語終盤のゴジラ・ガメラの姿は、禁断の惑星のイドの怪物とダブったけ
ど、多少意識されてたのでしょうか?
次回作も期待してます。

ガメ男さんや他の皆さんも、ボチボチ充電が終わった頃では?

127 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/08(土) 19:32:12
同じ書き手なのに今までと違って信じられないくらいすごく読みやすくなってる。
散漫に飛びやすいストーリーをもう少しガメラとゴジラに絞ってみると
かなり読み応えもでてくるんじゃないかなって
やっぱり期待してしまいまーす。


128 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/10(月) 07:46:35
>>126
もともと私は「特撮板」から流れてきた者なので、「禁断の惑星」はもちろん頭にありました。
で、「禁断の惑星」に今回の駄文の絵を当てはめてみると……「ゴジラ」「ガメラ」「崇徳上皇」と霊体が三体も登場するため視覚的に判り難いということがわかりました。
そこで識別し易いよう「ゴジラ=青白」「ガメラ=赤」「上皇=紫」としました。
ただ、最も強く念頭にあった作品はR・マシスンの「ヘルハウス」です。
「リバーサー」関係や最後にメアリーがモリアティーを挑発するくだりが強く影響を受けてますね。
>>127
いままでは「掲示板」であることを意識して、それに相応しい文体を模索しながら書いていたんですが、今回は余計なことは考えず普通に書きました。
やっぱり普通に書いたほうが読みやすかったですか(笑)。


129 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/10(月) 12:36:35
「G!×G!×G!」の投下が終了したので、前段に当たる駄文をこっちにも投下しておくべし。
ガメラが出ないのでココには投下しなかったが、いまなら関連性が判るでしょう…。
と、いうわけで……。

130 :「海ほたるでの降霊会」(再録):2006/07/10(月) 12:39:38
「あれが東京湾アクアラインのサービスエリア。通称『うみホタル』だ。」
「サービスエリアじゃなくてパーキングエリアでしょ?」
「どっか違うのぉ??」
「法律上サービスエリアはね……。」
4人しか乗っていない車の中は、団体旅行みたいに騒がしかった。
わいわい五月蝿いのはいつものことだが、今日は運転席の後ろからバリバリいう音もひっきりなしに聞こえてくる。
僕らは××大学の心霊現象研究会+1だ。
ハンドルを握る僕の名は寺井。そしてサービスエリアだかパーキングエリアのことで混ぜっ返した理屈っぽい男は清水。 その違いを尋ねた山本は当会唯一の女性会員。
そして今日は「+1」。僕のすぐ後ろの席で絶え間なく何かしら食べつづけている怪女=清水のやつがバイト先で知り合った霊感女もついてきていた。
僕たちの目指す先は「うみホタル」。
目的は、そこで降霊会を開くこと。
そう、あれは三日前の昼だった。
……
「東京湾は、東京が生みだした『あらゆるもの』のふきだめだ。」
「それを言うなら『ふきだめ』じゃなく『吹き溜まり』でしょ??」
「それとも『掃き溜め』と言いたかったのか?」
些細な言い間違いだったが、すかさず山本さんと清水が突っ込んで来た。
まあいつものことだ。
「だ、だから僕の言いたいことはだ!」机をバンと叩いて僕は立ち上がった。「…東京湾は霊障現象の吹き溜まりに違いないってことだ!」
いつもの無駄話ならそこまでのはずだったが…今回はそれだけでは終らなかった。
「あのさ、バイト先で知り合ったんだけどね………。」
清水の知り合いの霊感女、それが法螺貝しのぶだった。
代々霊感が強く、イタコや霊媒、神社の巫女さんなどを輩出した家系の女という触れ込みだった。
昔から「名は体を表す」と言う。
「しのぶ」という名前にちょっとだけそそられたが……。
実際会って見たら、「体」を表していたのは「法螺貝(ほらがい)」の方だった。



131 :「海ほたるでの降霊会」:2006/07/10(月) 12:41:52
「言っとくけど、この輪っかの中から出ちゃダメだかんね!」
海ホタルの駐車スペースのなるべく目立たない隅っこで、僕らは小さな車座になって座っていた。
周りには法螺貝さんがチョークを使い、奇妙な紋様の連なりから成る「輪」を描いてある。
そして輪の中心には何本かの蝋燭と護符。
彼女はその輪の中から出るなと言っているのだ。
「……そんじゃ始めるわよ。」
厳かにそう宣言すると、法螺貝さんは太平肥満の体をブルブルッと揺さぶった。
そして精神統一………。
髪型と体型のせいで頭部と胴体の区別が判然としない法螺貝さんが、半眼を開いて地べたに腰を降ろした姿は、まるで巨大な「蟾蜍の女王」のようだ。
「……のな……ごが…ごが……のな……ごがごが、ふ…ふしゅうううぅ………。」
言葉というより呻き声のようなものが法螺貝さんの口から漏れ出し、潮風に乗って夜の海を渡っていく……。
精神統一のためギュッと閉じていた瞼をこっそり開けてみたら、キョロキョロしていた山本さんの視線とぶつかってしまった。
ズルしたのを母親に見咎められたときのような気がして、慌てて目を閉じる。
だが、肝心なことは判った。
僕だけではないのだ。
空気の中に異様な気配を感じ取っているのは……。

「まずい!人が来た!」
儀式が始まって数分ほどたったころ、小さな声で寺井が叫んだ。 さっきの僕と同じく、アイツも薄目を開けていたに違いない。 目を開けるとたしかに人影がやって来る。
(見つかったらヤバイな!)
だが、慌てて立ち上がろうとした僕たちを、法螺貝さんは鋭く叱責した。
「動かないでっ!よく見なさい!」
「え?…よく見ろって……。」
よく見ろと、言われて初めて気がついた。
髪型が…、いやそれだけじゃない。服装から何からみんな変だ。
やって来たのはボロを纏い髪も髯も茫々に伸びた、垢だらけの男だった。しかも、その足元には?!
山本さんが小さく叫んだ。「影がないっ!」
「……判ったでしょ?霊よ。いいから皆、座りなさい。」


132 :「海ほたるでの降霊会」:2006/07/10(月) 12:43:42
東京湾は確かに「霊の吹き溜まり」であった。
ボロを纏った霊の出現が皮切りで、それからは一気だったのだ。
様々な時代、様々な姿の霊が、何十、いや何百と物影からまろび出た。
それが痩せこけた手を差し伸べて、僕らが車座になっている方へとヨタヨタとやって来る。
清水が小さな声で「ひいっ!」と悲鳴を上げた。 僕と手を繋いだ山本さんの手も震えている。
「恐がらなくてもいいわよ。ヤツラはアタシが描いたこの輪の中には入って来れないから。」
僕らの動揺を鎮めるように、落ち着き払った声で法螺貝さんは続けた。
「……降霊儀式の型も崩れてないから、どうしても危ないようなら、霊界に追い帰せばいいの。」
法螺貝さんのその言葉で、僕らが少し落ち着きを取り戻しかけたたときだ。
「きゃああああああああああああああっ!!!」
駐車場の向こうで、鋭い悲鳴があがった。
「しまった!」
悲鳴を耳にして真っ先に叫んだのは、今度は法螺貝さんだった。
「きっと霊が他の人に襲い掛かったのよ!」
「そうか!」つづいて僕も叫んだ。「……ボクたちは法螺貝さんの輪で守られてるけど、他の人たちは!」
別の方でもう一声、さらにもう一声と悲鳴が続いた。
「……早く悪霊たちを追い返してください!」と清水も叫ぶ。
言われるまでもなく、法螺貝さんは両手で印を結ぶとくぐもった声で呪文の詠唱を始めていた。
再び呪文が潮風を渡り始めると、悪霊たちは潮が退くように退散していった。
もう駐車場には悪霊の姿は無い……。
だが……。
「お、おわったの?」
「いや、まだだよ山本さん。」
僕は強張る人差し指で中天を指差した。
星空を背に、大きな、とてつもなく大きな黒い影があった。そしてその中に朧な光点がふたあつ、じっと海ホタルを見下ろしている。
清水が呻ように呟いた。
「コイツも……霊?」
「そのはず……よ。」と法螺貝さん。
だが、影の巨大さと描き出すシルエットは明らかに人間のものではない。
「こんなバケモノが、いるはずは……。」そこまで口にしたところで、僕は思い出した。
こんなバケモノがいたことを!


133 :「海ほたるでの降霊会」:2006/07/10(月) 12:44:53
あれは1957年。
僕がまだ生まれていないどころか、僕の父さんと母さんが出会ってすらいなかったころのことだ。
水爆実験の影響で目を覚ました一匹の怪物が東京に上陸。辺り一面を紅蓮の焦熱地獄へと変えたすえ、いまも原理がよく判っていない化学兵器で倒された。
その場所が東京湾だ!
「アイツだ!アイツが呼び出されてしまったんだ!!」
「アイツ!?アイツって何よぉ??」と山本さんが叫んだ。
清水は……清水はボクと同じ存在に思い当たったに違いない。
棒でも飲んだみたいに突っ立って、「ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴジ……」と繰り返し続けている。
「なんでよ!定式どおりに追い帰してるのに、なんであの霊は帰らないの!?」法螺貝さんが目の玉をひん剥いて叫んだ。
「なんで!帰らない……。」
「無駄です。」僕が答えて言った。「……アレは、元々ボクたち人間の手におえるもんじゃなかった。だからたとえ悪霊になったとしても……。」
そのとき!巨大な影が、一声吠えた。
同時に、僕らの車座の中央に立てられた蝋燭の火が一斉に消え、逆に護符は燃え上がり、周りに描かれた「輪」は見る見る彩りを失っていく!
儀式は破られたのだ。
力づくで。
全てが破られたいま、僕らは、そして、電飾煌めく東京も、ヤツの前に裸同然だった。

再び、怪獣王の悪霊は夜空に咆哮を解き放った。
……朗々と。
49年間の呪いを込めて……。


お し ま い


134 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/11(火) 07:43:13
しかし随分書いたものだな。
第一スレの途中で乱入してからこっち投下した駄文は……
「ゴジラ×ガメラ×ギララ」「並行世界の怪獣王」「ゴジラvsガメラvsメカゴジラ(産軍共同体)」
「童謡・ゴジ・ガメの争い」「いかすぞガメラ」「ビンタ」「シャドウズ」
「トリノへの道/地球代表トーナメント編」「弔問に来た客」「トリノへの道/本戦トーナメント編(未完}」
「再生の日」「『ソラリスの日のもとに』のもとに」「G!×G!×G!」「海ほたるでの降霊会(再録)」
いま構成中なのがなんと15作目(笑)。
昼休ぐらいしか使わんでよう書いたものだ。

135 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/02(水) 14:20:56
期待age

136 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/04(金) 07:59:26
特撮板に投下予定の駄文を構成中のためちょっとタンマ。
ちなみにこっちに投下予定の駄文タイトルは「ゴーレム」ね。

137 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/04(金) 15:48:51
「太古のむかし地球を支配した存在は、星の配列が変わったため、そのまま在り続けることができなくなったんだそうです。」
「クトゥルー神話ですね。……でも、それが何か??」

人類発祥の地アフリカ。
悪夢はそこから甦った。

地下深く眠りつづけてきた古代遺跡。
「これは………王の墓だ。」
そして王たちのミイラ総てに共通する奇妙な特徴。
「妙だな……」「……なにがですか?」「このミイラには……すべて小指が無い。」
王墓深くに隠されたなぞの物体。
「これはいったい……」「王たちが死した後も護りつづけようとしたものだ。王は王であると同時に番人たらんとも欲したのだよ。」

再び大量発生した怪獣ギャオス!
そしてガメラ出現!
だが………!?
「なんで!?なんでガメラが!??」
一方同時刻、ロスアンゼルスにゴジラが上陸!
地球の怒りか?人類を粛清するかの如く荒れ狂う怪獣たち。

だが、本当の敵は………。
……「ゴーレム」
近日?投下予定。


138 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/06(日) 17:19:05
楽しみっす!

139 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/17(木) 20:50:06
ゴジラ対ガメラで四神ネタって良くあるけど
真ん中の黄竜にギドラを添えた作品ってあんまり見ないね。

140 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/21(月) 12:40:19
もう随分前だがこの第一スレに、東宝系怪獣しか存在しない「ゴジラ世界」と大映系怪獣しか存在しない「ガメラ世界」があって、並行する二つの世界が急接近した結果ゴジラとガメラが対決するっていう駄文を投下したことがあった。
あれで並行する二つの世界が何故接近したのかという問題があって……。
二つの世界から追放された「悪魔」が狭間の世界でじっと辛抱強く待っている。
ゴジラとガメラはそのトビラの番人であり鍵でもある。
だから二匹がある限り「悪魔」はどちらの世界にも入って来られない。
だが「悪魔」はとても狡猾だった。
「自分が二つの世界に入っていけないなら、世界の方を自分の側に引き寄せてしまえばいい。」
……ってなわけで引力光線を用いて二つの世界を引き寄せた。
二つの世界を衝突させ、狭間の世界を消滅させるために。
この「悪魔」の設定が「頭が八つあるキングギドラ」(笑)。
結局この形では、駄文は完成しなかったのだけれども……。


141 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/19(火) 00:49:54
もう一ヶ月もレスがないのかここ

142 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/28(木) 20:29:40
保守

143 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/30(土) 22:02:50
ゴジラとガメラは体重が違いすぎるとか、クロスオーバーは結構難しいキガス

144 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/10/16(月) 01:17:25
バーチャルなゴジラとリアルなガメラの差かも 
でも、ここの脚本家はそれを見事に融合させてるからすごいですよ。 




145 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/10/16(月) 17:55:50
ゴジラ復活はいつなんだろうね・・・

146 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/11/05(日) 01:30:12
いつまでもお待ちしております。

147 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/11/16(木) 12:45:09
保守

148 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/11/27(月) 11:04:53
この前「ガメラ トト」をDVDで初めて見ました。
子供向けの作りでしたね。あれはあれでいいんでしょうけどね・・・
平成3部作が良すぎたせいか何か物足りない印象を受けました。
子供たちは感銘を受けたのでしょうかね・・・
何も怪獣物で作る必要があったのかな・・と。
日本の特撮(怪獣)物もこのままでは韓国に抜かれますね・・

149 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/11/27(月) 16:04:30
ガメラの正統な続編は是非見たいが、『地球生態系の守護者』というポジションとそれに対する人間の認識のギャップ&ギャオスを初めとする敵の存在。
という基本設定だけでは遠からず息切れもするだろうし、ジャンプ漫画のように『強さのインフレ』を起こして飽きられてしまう恐れがある。
三作で完結(?)したのはそれを見越した英断だったかも知れないが、あと三作くらい『絶対強者』の登場を暗示させて三話完結の物語として製作するとか、或いはガメラが人類の敵に回るような可能性を秘めた話でも作ってみて欲しい。

150 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/11/27(月) 21:57:43
いいっすね、それ。ロードオブザリングのようにto be continueで
ガメラ3部作にしちゃう。その絶対強者こそもう一匹のG…。

151 :さわりだけ:2006/11/28(火) 08:26:01
忙しすぎて完成するのを待ってたら年が明けそうだ。
……忘れたワケじゃないと言う意味でサワリだけ投下。

深夜鳴り響くサイレン。
しかし都市は灯火管制に入るどころかなおいっそうその耀きを増し、さらに5本・10本と超高性能サーチライトの光柱も立ち上がってゆく。
窓辺で女が言った「綺麗……ですね。」
「その目的を考えなきゃね。…さ、危ないから窓から離れて。」
光柱が夜空を蠢き、上空に一瞬何かの影を浮かび上がらせた。
「10メートルくらいのヤツだな。あれぐらいの成長度合いなら、まだ光を嫌うから街までは降りて来られないはずだ。」
ぱぱっと閃光をあげて曳光弾が空に撃ち上げられると、サーチライトに追われていた影は身を翻して飛び去った。
「防空部隊の連中、この半年のあいだに随分上手くなったな。ヤツラが都市上空に入ってくると強力サーチライトで牽制しながら曳光弾で上空に追い上げる。そうすると……。」
東からやって来た轟音がゴオオオオオオオオッ!と夜空を横切りった!
「……ナイトイーグル隊だ。」


152 :さわりだけ:2006/11/28(火) 08:30:21
東からやって来た轟音がゴオオオオオオオオッ!と夜空を横切った!
「……ナイトイーグル隊だ。」
轟音はドップラー効果により低音へと変化し、そのまま夜戦隊は西の彼方へと消えた。
「やっつけられるの?」
「判らないな。小さいヤツでないとイーグル隊じゃ落せない。でも小さいヤツはすばしっこいからね。」
「大きいのが来たら?」
「大きいヤツは遠くからでもレーダーで捕捉できるから、そのときは……。」
「……地下室に逃げるのね。」
でも、地下室に逃れたところで、大型ギャオスの殺人音波なら普通のコンクリート製地下室などワケなく貫くだろう。
(逃げ場は無いのね……)女は足もとに散らばったニュース原稿に目を落とした。
そこには「新型インフルエンザ猛威止らず!ワクチン効果無し!」という見出しが躍っていた。
人間社会は内側から新型インフルエンザ、外からはギャオスという二重の脅威の前に、崩壊の危機に瀕していた
(……あそこよ。きっとあそこから総てが始まったんだわ。)
危険な窓辺から離れようともせず、彼女は闇を見降ろしていた。そうだ。あの夜も、彼女はこのように闇を見降ろしたのだ。

女の視界の彼方、遥かな西に連なる山々のそのまた向こうに、火の玉となって何かが落ちた。
落ちたのはイーグルか?それともギャオスなのか?
二人のいる放送局のビルからは全く判らなかった。

*闇夜に燃え上がる炎の中にタイトル出現
「 エ ニ グ マ 」(*ゴーレムを改題)

153 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/11/29(水) 00:49:33
未完成だったら私も載せられるんだけどね・・・

154 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/11/29(水) 00:50:50
×未完成だったら
○未完成でよければ

155 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/06(水) 17:20:19
SSじゃなくても怪獣の考察とかはOK?

例えば・・・

GMKゴジは太平洋戦争で死んだ怨念の集合体とされているけど
所詮は人間の集まりなんだから集まっても人の形にしかならないはず。
やはりあの形になったのは被爆して突然変異した恐竜の憎しみに同調して
怨念体が合体した結果ではないのかと考える。
だからあのゴジラは血も出るし心臓があるのではないだろうか。

みたいなね。

156 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/07(木) 18:33:27
>>155 いいんじゃないかな。それを誰かがヒントにストーリーでも
舞台設定でも何でも繋がっていけばいいし。

157 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/08(金) 02:33:05
>>152 

面白そうね  

158 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/13(水) 20:09:09
まとめサイトとかないの?

159 :嫁は無慈悲な夜の女王:2006/12/14(木) 00:26:46
ガメ男氏の個人HPならある。
氏の2作目が加筆訂正されてあるけど、他にガメラやゴジラ関係のコンテンツはない。
ttp://hw001.gate01.com/mogehi/
彼はどうやらアマチュアミュージシャンみたいです。

160 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/23(土) 16:53:19
ここで書いてる脚本家三人は凄く良い味出してます。 
プロ以上って感じですね。 




161 :ガメ男:2006/12/24(日) 02:39:52
ありゃ、久しぶりに覗いたら私のHPが晒されてる・・・
デスノスレからばれたかなw
まぁ、NET上にHP公開してる時点で誰に知られようと文句は言えませんが・・・ちょっとびっくりしました。

私も来年になったら何か駄文を書くかもしれません。
今年は30日まで仕事です・・・orz

メリークリスマス&良いお年を。

162 :A級戦犯:2006/12/27(水) 08:08:57
やっぱり越年したか……。
でも最大の問題に解決がつけられた。
あるオーパーツの移動と、多大な犠牲を強いられるにもかかわらず敢えてそれを使用する動機が描けた。
これが描けなかったら駄文以下だったから……。
悪夢を抜けた先に明るい展望を描ける見込み。

と、いうわけでよいお年を。

163 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/29(金) 01:24:36
みなさん、あたらしいストーリーを楽しみにしています。 

164 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/30(土) 03:28:32
考えれば考えるほど正反対だよなゴジラとガメラって
対立する理由を考えるのに全然困らない

165 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/02(火) 18:42:51
同時に存在したら必然的に戦うだろう。

166 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/09(火) 00:43:31
帯に怪獣とSFの融合って書いてある本売ってたから、読んでみた。
未来獣ヴァイブってやつ。
俺には合わなかったようで、全然意味分からなかったしつまらなかった。
自分の読解力の無さが恨めしい…。

167 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/09(火) 08:54:47
最近バカでかい長編ばっかりになってるが、べつにここは小説投下スレじゃないよな?
昔みたいな他愛も無い一発ネタとかはダメなんか?

168 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/09(火) 12:21:29
いいんじゃないの?たまたまそういうタイプの書き手がいなかっただけだと思うし。
(いや、俺が仕切っちゃいかんのかもしれんけど)。

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